NEC、上半期は377億円の赤字
~PC事業は収益改善、年間250万台を目指す

10月29日発表



 NECは29日、2009年度第2四半期の決算を発表した。

 ここではPC事業を含むパーソナルソリューション事業を中心に、上半期(2009年4月~9月)単位の決算を紹介する。

 NEC全体の上半期決算は、売上高1兆6,537億円、営業損益が377億円の赤字、経常損益499億円の赤字となった。

 事業分野別にみると、NECエレを主体とするエレクトロンデバイス事業と、サーバーなどのITプロダクト事業の赤字が大きく響いていることがわかる。

上期の概要。前年とは比較にならないものの予想値に踏みとどまったセグメント別の概要。一番右のグラフを見るとエレクトロンデバイス事業が重荷になっていることがわかる
パーソナルソリューション事業の収益改善は事業改革の柱となっている海外PC事業は撤退する一方で、国内PCのシェア確保を目指す

 PCと携帯電話が主力のパーソナルソリューション事業では、売上高は3,624億円(対前年比20.3%マイナス)、営業損益79億円(前年に対し95億円の増益)と、減収ながらも黒字転換を果たした。

 黒字化の要因としては、固定費削減が大きく、年間で300億円を削減する計画に対し、すでに64%に当たる191億円の実績を上げている。さらに、通期では30億円を積み増し、330億円の削減を目指すとしている。

パーソナルソリューション事業の上期実績固定費削減の進捗状況削減はさらに積み増される
携帯電話とPCの出荷実績と年間予想通期の予想。出荷台数は減るが黒字確保を目指す個人市場はWindows 7にも期待

 PCの出荷台数は、第1四半期が50万台、第2四半期が58万台と、前年を下回っているが、下期は回復基調にあるとみており、通年では前年並みの250万台を予想している。とくにネットブックが好調な個人市場では、Windows 7投入による需要喚起などにより、期初の計画通りの出荷を目指すとしている。

 また、携帯電話については、来期のカシオ日立モバイルコミュニケーションズの事業統合を前に、出荷台数は450万台に下方修正するものの、開発効率化と固定費削減による利益確保を目指すとしている。

 通年では、売上高7,390億円、営業損益150億円を見込んでいる。

(2009年 10月 29日)

[Reported by 伊達 浩二]