米AMDは10日、モバイル向けの新しいテクノロジブランド「VISION」を発表した。
同社ではVISIONをテクノロジのブランドとして紹介しているが、実際には特定の技術を示しているわけではなく、ユーザーとしては、今後のAMDのノートPCのマーケティングブランドと捉えた方が分かりやすいかも知れない。
新しいブランドを立ち上げる理由について、同社社長兼最高経営責任者のダーク・マイヤー氏は、製品の用途や性能をより分かりやすく表わすためと説明する。VISIONには、See(見る)、Share(共有する)、Create(創造する)という、ユーザーがPCに求める3つの大きな用途を、十分な性能で実現し得るというメッセージが込められている。
また、これまでCPU、GPU、プラットフォームなど、それぞれを示すロゴが複数貼られ、煩雑になっていたものを、今後はVISIONロゴ1つに集約。CPUとGPUのスペックに応じて、「VISION」、「VISION PREMIUM」、「VISION ULTIMATE」という3段階で、機能/性能を指し示していく。
具体的には、メインストリームでは、Turion II+Mobility Radeon HD 4650かTurion II+Mobility Radeon HD 4570がVISION ULTIMATE、Athlon II/Turion X2+Mobility Radeon HD 4330かTurion II+Mobility Radeon HD 4200がVISION PREMIUM、Athlon X2+Mobility Radeon HD 4330かAthlon II+Mobility Radeon HD 4200がVISIONとなる。
超薄型では、Athlon Neo X2+Mobility Radeon HD 4330かAthlon Neo X2+Mobility Radeon HD 3200がVISION PREMIUM、Athlon Neo X2+Mobility Radeon HD 3200がVISIONとなる。
ただし、日本においては、HD動画の再生に対応することを意味する「HD Computing with AMD」のロゴの認知度が高いことから、このロゴについては、VISIONと平行して今後も使用していく。
多くの種類があったロゴをVISION 1つに集約 | VISIONに込められたメッセージ |
VISIONは機能/性能によって3種類に分類される | 日本ではHD Computing with AMDも引き続き使う |
メインストリームノートの区分け | 超薄型ノートの区分け |
実際にVISIONロゴが採用される製品は、8月10日に説明のあった「Tigris」(コードネーム)プラットフォームと、第2世代の超薄型ノートで、今秋より40以上の製品が登場予定。具体的な製品の仕様などは明らかにされていないが、富士通と日本ヒューレット・パッカードの2社は、すでにVISION搭載製品の投入を表明している。また、マイクロソフトも、VISIONについて、Windows 7に良くフィットする技術であると歓迎の意を示している。
事前説明会でVISION搭載機投入を表明した富士通の樋口久道氏 | 日本ヒューレットパッカードの山下淳一氏 | マイクロソフトの堂山昌司氏 |
参考展示されたMSIのVISIONノート | HPのVISIONノート |
(2009年 9月 10日)
[Reported by 若杉 紀彦]