レノボ、「ThinkPad T400s」製品発表会
〜日本ユーザーの声を取り入れ薄型軽量を最重視

同社製品事業部長 マット・コドリントン氏

6月24日 開催



 レノボ・ジャパン株式会社は24日、薄型軽量のパフォーマンスモバイルノートPC「ThinkPad T400s」の製品発表会を都内で開催した。

 発表会の冒頭では、同社製品事業部長 マット・コドリントン氏が挨拶。同氏は、レノボがビジネス向けノートPCにおいてマーケットリーダの地位であることをアピールしつつ、今回のT400sは業界最先端のビジネス向けPCであることを強調した。

 T400sの開発にあたって、ビジネスユーザーにまず「なぜThinkPadを選んでもらっているのか」を訊いたという。その結果、多くのユーザーが堅牢製や信頼性、使い勝手、セキュリティ、ThinkVantageテクノロジーなどといったThinkPadならではの特徴で選択したと答えたという。そこでT400sにおいてもそういったユーザーのニーズに満たすべく開発したという。

 一方、日本のビジネスユーザーの主なニーズは14型〜15型に集中しているが、同時に薄型軽量へのニーズも高い。また、2008年末から不景気要素も加わったため、ビジネスマーケットにおける3割が18万円以下のセグメントであるという。

 そこでT400sでは、Tシリーズの中で最も薄く、軽量であることを重視しつつ、優れたTシリーズのパフォーマンスと、低価格化を目指して開発した。今回のモデルの投入により、ビジネスマーケットニーズの25%に応えられるとした。

 T400sの製品ポジショニングとしては、13型ワイドのハイエンド「X301」と15.4型ワイドのハイエンド「W500」の間のプレミアムモデルとする。一方、競合となる他社モデルの一例として、コドリントン氏はデルの「Latitude E6400」を挙げ、「我々の方は薄さと軽量性で勝っている」とアピールした。

T400sの製品ポジショニング T400sの主な特徴

 製品特徴としては、スポーツカーや飛行機などにも使われるCFRP(炭素繊維強化プラスチック)とGFRP(ガラス繊維強化プラスチック)のハイブリッド天板の採用による堅牢性や、キーボードやタッチパッドの改良、指紋センサーのインジケータ搭載などを紹介。

 ESCキーとDeleteキーの大型化については、「調査によると、ユーザーは1週間でこの2つのキーを平均700回押しているため、大型化した」と説明した。

 一方指紋センサーのインジケータ搭載については、「従来、サスペンドやハイバーネーションからの復帰は電源ボタンを押してから、指紋センサーで認証する必要があったが、T400sでは指紋認証を行なうだけで自動的に復帰とログインを行なうようになった。このためサスペンド時でもセンサーの状態をユーザーに知らせるために搭載した」とした。

飛行機などにも採用されているCFRPを採用 ESCキーとDeleteキーの大型化 指紋センサーの左右にLEDインジケータを装備

●T400sを支える基盤技術

同社 大和事業所 研究・開発 製品開発統括担当 磯田肇氏

 続いて、同社 大和事業所 研究・開発 製品開発統括担当の磯田肇氏がT400sに搭載されている技術について説明した。

 薄型軽量化については、X300にも採用されたSFF(Small Form Factor)のCPU/チップセットパッケージと、HDI(High Density Interconnect)基板によって実現した。これによりT400比で基板面積が約62%、基板重量が約83%となった。

 特に、HDIについてはX300の“HDI Generation 1”から“同Generation 2”に進化し、数十回の部品配置の立案、電源層の電圧降下のシミュレーション、ノイズに強いストリップ・ライン構造を採用し、T400とほぼ同等の部品数を、T400の約62%の面積に実装した。


SFFとHDIの採用 HDIはGeneration 2に進化し、電源降下のシミュレーションを行なった

 また、タッチパッドの段差をなくしたり、光学ドライブのイジェクト機構からコイルスプリングを廃したり、薄型LEDバックライトの液晶パネルを採用したりすることで、薄型軽量化を図った。薄型LEDバックライトについてはT400と比較して1.9mm薄く、130g軽量化しつつ、最大で20%明るく300cd/平方mの輝度を実現した。

タッチパッドの段差をなくした一方で、エッジをなくすことで閉じた時の液晶への負担を軽減 光学ドライブのイジェクト機構を一新し薄型化した T400sに採用された新LEDバックライト液晶

 堅牢性の面では、CFRPとGFRPのハイブリッド天板の採用により、従来のLCDロール・ケージと比較して40%の軽量化を実現しながら、耐衝撃性能が向上したという。

CFRPとGFRPのハイブリッド天板の採用 耐衝撃性能はLCDロール・ケージより高いという

 環境への配慮面では、熱設計の改善により最大5%の温度低減を実現したほか、新設計のふくろう羽根ファンにより騒音も最大5%低減した。また、オーディオや光学ドライブ、Ethernetなどを利用しないときに電源を自動的にOFFにすることで、T400と比較して消費電力を25%減らし、米国の環境配慮型PCの評価/登録制度「EPEAT」において最高ランクであるGold認定と、2009年夏に策定される予定の「Energy Star 5.0」に適合した。

熱設計とファンを新設計し熱と騒音を削減した さまざまな省電力対策を施しEPEAT GoldとEnergy Star 5.0に準拠

 ユーザビリティの面では、キーボードがさらに改良され、クリック感が向上したほか、部品各部のガタを削減することによりタイピング音が静かになったという。またキーの隙間を縮小することで、異物がキー底に落ちることを低減させた。一方タッチパッドは、日本の伝統工芸である印傳をヒントに、UVドット印刷による突起を設け、認識しやすくしたという。

 また、ThinkVantageテクノロジーの省電力マネージャーに、新たにAC接続時にUSB電源を常時ONにしておき、iPod/iPhoneやBlackBerryなどへ充電できるオプションを追加した。このUSB充電は、iPod/iPhoneとBlackBerryが、他のデバイスと異なるアルゴリズムを採用していたため、開発に苦労したという。

キーボードの改良 タッチパッドがマルチタッチに対応 AC接続時に常時USBに給電する機能を搭載

 WiMAXの内蔵モデルについては、同社オリジナルユーティリティ「Access Connections」によって一元管理することにより、Wi-Fi環境、WiMAX環境を電波状況に応じてシームレスに切り替わるようになり、ユーザービリティが向上しているとアピール。また、アンテナの内蔵により感度が向上し、USBアダプタタイプでは接続不可だったところや、提供エリア外とされるところでも接続できることが説明された。

WiMAX接続もAccess Connnectionsに統合し、シームレスな切り替えが可能 内蔵のアンテナでWi-FiとWiMAX両方の周波数をカバーする USBアダプタタイプとの比較
新型のドッキングステーションではDisplayPortやeSATAをサポート

 新型のドッキングステーションについては、「DisplayPortやeSATAの普及によりやむをえず新しくしたが、ドッキングステーションによってユーザーの利便性が向上するだろう」と説明。新型はイジェクト機構を一新することでイジェクト力を50%低減したほか、ドッキングフィーリングを向上させたとした。


ポート・リプリケーター III ミニ・ドッグ III ミニ・ドッグ プラス III
ポート・リプリケーター IIIのインターフェイス ミニ・ドッグ IIIのインターフェイス ミニ・ドッグ プラス IIIのインターフェイス。デュアルディスプレイ出力が可能になっている

 質疑応答では、日本においてモバイルユーザーの大半が12型以下で、13型以上はあまり浸透していないのではないかという質問に対し、コドリントン氏は、「ビジネスマーケットにおいては14型がメインであるとみている。我々はそこに携帯性という付加価値を与えることで、新たなマーケットを開拓していけるのではないかと考えている」と答えた。

(2009年 6月 24日)

[Reported by 劉 尭]

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