アップルは11日、MacBook Proシリーズの新製品についての説明会を開催し、新製品の特徴やマーケティングなどを紹介した。
現在、アップルのデスクトップ「iMac」、ノートブック「MacBook Air」、スマートフォン「iPhone 3G」、デジタルオーディオプレーヤー「iPod shuffle」は、いずれもGfKの顧客満足度調査で1位を獲得し、ノートブック市場の成長率は(ネットブックを除く)Windows PCと比較して4倍の36.1%を達成しているが、新製品の投入により、さらなる顧客満足度向上とシェア拡大を目指すという。
GfKの調査で顧客満足度1位を獲得した4製品 | ノートPCの成長率はWindows PCの4倍 |
なお、製品の詳細スペックや発表の模様などについては関連記事を参照されたい。
●新製品に搭載された革新的な機能13インチと15インチのMacBook Proは、1回の充電で最長約7時間の駆動が可能なリチウムポリマーバッテリを内蔵した。従来と比較して最長で約40%駆動時間が向上したが、本体サイズと重量を維持した。
また、2009年初めに発表された17インチMacBookに搭載されたAdaptive Charging技術と、独自の化学技術を用いることにより、初期容量の80%に達するまで最大約1,000回の充電を可能とし、バッテリを寿命を延長させたという。劣化バッテリを少なくし、廃棄物の削減を実現するとともに、ユーザーにとっては「次回の本体買い換えまで、バッテリだけを買い換える必要がない」というメリットも生まれるという。
サイズと重量はそのままに、バッテリ駆動時間が7時間になった | 1,000回充電が可能なリチウムポリマーバッテリ |
13インチ、15インチ、17インチの3製品ともに、新たに開発したLEDバックライト液晶ディスプレイを搭載。色域の具体的な数値は明らかにされなかったが、色域が従来と比較して60%向上したという。
13インチと15インチに新設されたSDカードスロットは、デジタルカメラやビデオカメラが普及した時代のニーズにマッチさせるためのもの。カードリーダを別途用意することなく、外出先でSDカードの読み込みに対応できるようになった。容量は32GB(SDHC)までをサポートする。また、FireWire 800もユーザーの声に応えて復活したという。
パフォーマンスも「Pro」の名前に恥じず、最大3.06GHzまでのCore 2 Duo、最大8GBのメモリ、最大500GBのHDDまたは256GBのSSDを搭載可能。さらに15インチと17インチで好評だったバックライト付きフルサイズキーボードも、13インチに継承されることとなった。
なお、13型のステレオミニジャックは1基のみとなっており、デフォルトではライン出力となっているが、システム設定でライン入力にも変更できる。
色域が60%向上したディスプレイ | 13インチと15インチに搭載されたSDカードスロット |
FireWire 800の復活 | 13インチにもバックライト付きフルサイズキーボードが搭載される |
●最大のトピックは13インチ
今回の最大のトピックは、やはり13インチのMacBook Proの登場で、従来の13型MacBookのボディをそのままに、Proを冠するようになった。これに関して同社は、「MacBook Proシリーズの対象ユーザー層を広げた、という捉え方をしてもらいたい」という。
その点は価格にも反映されており、一例としてCore 2 Duo 2.26GHz、2GBメモリ、GeForce 9400Mチップセット、160GB HDDというハイスペック構成で、134,800円という安価な設定になっている。これは「より多くのユーザーがMacを体験できる、Windowsから気軽に移行できるモデル」という位置づけだという。
一方、15インチと17インチモデルも、従来と比較してそれぞれ39,900円、40,000円の値下げとなる。いずれも「デスクトップと同等のパフォーマンスを実現しながら、持ち運びができる」のが最大のメリットであるとする。
13インチのスペック構成と価格 | 15インチと17インチのスペック構成と価格 |
「MacBook Air」だが、価格は下位モデルが168,800円から、SSD搭載モデルが198,800円になり、購入しやすい価格帯になった。これは部材コストの低下や為替レートなどが影響したという。
そしてWWDCを前にリフレッシュされた、ポリカーボネート筐体の白い「MacBook」だが、108,800円という低価格で、学生や2台目以降の需要に応えるとしている。
MacBook Airのスペック構成と価格 | MacBookは108,800円からと廉価な価格となっている |
●環境への配慮も
新製品はいずれも、米国の環境配慮型PCの評価/登録制度「EPEAT」において最高ランクであるGoldを取得。これはノートPCの中でも数少ない認定だとしている。
さらに、2009年夏に策定される予定の「Enegy Star バージョン 5.0」にもいち早く準拠する。
前述のバッテリ寿命の延長も含めて、新製品は環境に配慮された製品であることをアピールした。
13インチのキーボードもバックライト付きに | ボタンを押すとバッテリ残量を表示するインジケータを本体に装備 |
MacBook Air | MacBook(13インチ) |
(2009年 6月 11日)
[Reported by 劉 尭]