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NASのSynologyが無線LANルーターのハイエンド市場を狙う
~国内初投入のRT2600acは高機能と簡単な操作性を両立
2017年7月6日 19:54
Synologyは7月6日、日本国内では初の無線LANルーター「RT2600ac」を発表した。8日より予約を受け付け、21日に販売を開始する。価格はオープンプライスで、税別店頭予想価格は3万円前後の見込み。
【訂正】初出時に発売日を7月14日としていましたが、メーカー側の都合により7月21日に延期されました。
RT2600acについてはすでにこちらの記事(Synology、手軽にVPNを構築できる高速CPU搭載の無線LANルーター「RT2600ac」)を掲載しているが、同日に製品説明会が行なわれたのでその内容をお伝えする。
Synologyによれば今回のルーターは、ファミリー、ゲームユーザー、熟練のPCユーザー、スモールビジネスを対象にした製品という。国内のルーターは6,000円台の製品が主戦場だが、2~3万円台のハイエンドルーターも販売されており、RT2600acは使いやすさを伴ったハイエンド機として訴求される。
同社の主力製品であるNASではDSM(DiskStation Manager)という初心者でも取っつきやすいUIが使われており、RT2600acでも同様にWindowsの操作に似た感覚で設定などが行なえる「Synology Router Manager」が使用できるようになっている。
DSMではパッケージセンターを通してNASにアンチウイルスソフトをインストールするなど、さまざまな機能を追加できるようになっているが、RT2600acでも若干提供されるアプリやその機能に違いはあるものの、同じようにパッケージセンターが用意されており、ユーザーが必要とする機能をインストールできる。
RT2600acでは大量の通信を可能にすべく、4×4 MU-MIMOをサポートし、最大2,533Mbpsのスループットを得ることができる。CPUは1.7GHzで駆動するQualcomm製Kraitのデュアルコアで、ネットワークサブシステム用のデュアルコアも搭載。100台同時接続をさばける性能を備え、実際の検証では120台を超えても実用上問題は出なかったという。
また、2つのプロバイダを使い分け可能なデュアルWANの搭載によるフェイルオーバーの実施や帯域共有による負荷分散が可能で、Layer 4および7のハードウェアアクセラレーション機能によるスループットの向上も図れるようになっている。
仕事向けとしてとくに利用価値が高いと思われるVPN機能については独自のSynology SSL VPN、WebVPN、SSTP、OpneVPN、L2TP over IPsec、PPTPと幅広く対応しており、競合製品よりも優位としている。なお、SSTP/WebVPN/Synology SSL VPNやVPN管理機能を2アカウント以上で使う場合は有償のVPN Plusへの加入が必要。
セキュリティ機能についても自信を見せており、トラフィック解析による悪意のあるパケットの検知およびブロックも可能。コンテンツフィルタリングやモニタリング、ペアレンタルコントロールのための端末ごとのインターネット利用制限などを細かく設定できる。
Synologyは高機能を簡便に利用できるルーターとして本製品を訴求し、日本市場への浸透を図りたい考えだ。