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スパコン京が実性能世界ランキングのHPCGで2期連続1位達成

スーパーコンピュータ「京」

 理化学研究所富士通株式会社は20日、スーパーコンピュータ「京」が産業利用での性能指標となる共役勾配法の処理速度世界ランキング「HPCG(High Performance Conjugate Gradient)」で、2期連続の1位を獲得したと発表した。

 HPCGでは連立一次方程式を競うLINPACKやグラフ解析性能を競うGraph500とは異なる指標で性能を測るもので、2014年からランキングが開始された。

 今回の京には全計算ノード82,944台が用いられ、602.7TFLOPSを達成。この性能はLINPACKで京よりも高性能な上位スパコンよりも高いとしており、CPU/メモリ/ネットワークを含めたシステム全体の性能を重視した京のほうが、実務アプリケーションなどの産業利用に適しているとしている。

 HPCGの2位には中国の天河2号、3位にはTOP500で大きな飛躍を見せたスイスのPiz Daint(記事:Tesla P100を搭載したスイスのスパコンが世界ランキング3位に浮上参照)がランキングされている。

【表】HPCGのランキング10位まで
順位システム名称設置場所ベンダー国名TFLOPSTOP500順位
1理研 計算科学研究機構富士通日本602.78
2天河2号広州国立スーパーコンピューティングセンターNUDT中国580.12
3Piz Daintスイス国立スーパーコンピューティングセンターCrayスイス4703
4Oakforest-PACS最先端共同HPC基盤施設富士通日本385.57
5神威太湖之光無錫国立スーパーコンピューティングセンターNRCPC中国371.21
6Coriローレンス・バークレー研Cray米国355.46
7Sequoiaローレンス・リバモア研IBM米国330.45
8Titanオークリッジ研Cray米国322.34
9Trinityロスアラモス研Cray米国182.610
10Pleiadesアメリカ航空宇宙局(NASA)HPE/SGI米国17515