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日本HP、3Dスキャナやタッチマットを搭載した「Sprout Pro」を国内投入
2017年6月12日 17:41
株式会社日本HPは、2D/3Dスキャナ、プロジェクタ、タッチマットなどを統合したイマーシブ(没入型)一体型PC「Sprout Pro by HP G2」を7月上旬に発売する。税別直販価格は52万円。3Dキャプチャをより精密に行なうための回転台が付属したモデルは56万円。
液晶上部から突き出たユニットに3Dスキャナや高解像度カメラなど搭載し、PCの手前に置いた物体を3Dスキャンして取り込める。また、液晶後部にはプロジェクタを内蔵し、上部のユニットで反射させて机面のタッチマットに投影し、タッチマットで操作できる機能も搭載。
同社では、カメラで容易に3Dモデルを取り込んで、タッチで直感的に操作できるため、シームレスにデジタルと物理世界を繋げる“Blended Reality”を実現する没入型コンピュータとして位置付けている。
用途としては、3Dスキャナを使った美術/芸術品や学生の作品のスキャン、タッチマットと付属のペンによる紙に近い作業、プロジェクション機能による製造業向けの組み立て/組み付け作業、直感的なタッチ操作が求められるキオスク端末などに好適としている。
主な仕様は、CPUにCore i7-7700T(2.9GHz)、メモリ16GB、512GB SSD、GPUにGeForce GTX 960M(2GB)、1,920×1,080ドット表示/10点タッチ対応23.8型液晶ディスプレイ、1,920×1,280ドット表示対応DLPプロジェクタ(投影サイズは21.3型、タッチは静電容量式で20点対応)、OSにWindows 10 Proなどを搭載する。
搭載カメラは4,416×3,312ピクセル(1,460万画素)。インターフェイスは、SDカードスロット、USB 3.0×4、HDMI 2.0出力、Gigabit Ethernet、IEEE 802.11ac対応無線LAN、Bluetooth 4.2などを搭載する。
本体サイズは673×586×569mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約12.8kg。3年保証、およびハードウェア設置&デモサービス標準で添付する。
SproutはHPの“芽”
12日に都内で開かれた記者説明会では、同社代表取締役 社長執行役員の岡隆史氏が挨拶。HPの第2四半期の業績を振り返り、3四半期連続で事業が成長したことのみならず、PCとプリンタがともにプラス成長になったことを挙げた。
同社のビジネスの6割がPCで、4割がプリンタ。過去の経験からすると、PCが好調なときはプリンタが不調、プリンタが好調なときはPCが不調なのだが、ともにプラスに転じたのは6年ぶりだという。しかも世界的に見てもほぼすべての地域でプラス成長であり、ビジネスとホームともに成長基調で、これまでのHPの歴史のなかで一番いい成績を残せたという。
PCはビジネス向けPCで2年以上シェアNo.1を継続できたが、今後もこれに甘んじることなく、2in1といった新しいセグメントにチャレンジし、シェア拡大を図る。PC市場は寡占化が進んでいるものの、日本ではまだ3位のポジションであり、市場平均以上の成長を目指し、2020年まで継続的に地位の拡大を目指すとした。
これまでも何度か説明してきているが、現在HPは3つの柱を据えた戦略を展開している。1つ目は既存のPC市場(コア)であり、ビジネス/法人向けが中心。この市場は引き続きニーズや業務に応える製品の投入で支える。2つ目は成長事業で、3in1や電話会議向けPC(HP Elite Slice)、Latexインクを使用したプリンタといった、現在ニーズが拡大している事業である。3つ目が、今回リリースしたSproutのような、これまでのカテゴリにはなかった製品で、2年以上先の普及を見据えたチャレンジ分野だ。
岡氏は、「Sproutは“芽”という意味だ。つまりSproutはまだ芽の段階であり、これから時間をかけて大きく花開くものだと考えている。HPは、シームレスにデジタルと物理世界繋げることを“Blended Reality”だと位置づけており、Sproutはその次世代コンピューティングの世界を切り開くものだと確信している」と語った。