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日本マイクロソフト、Windows 10 Creators Updateの主要機能を紹介

Creators Updateでの強化点

 日本マイクロソフト株式会社は11日、Windows 10 Creators Updateに関するプレスセミナーを開催し、本日より順次配信開始される更新内容に関して説明が行なわれた。

日本マイクロソフト 業務執行役員 Windows & デバイス本部長の三上智子氏

 同社業務執行役員 Windows & デバイス本部長の三上智子氏は、昨年(2016年)の8月にリリースされたAnniversary Updateに続く大型アップデートのCreators Updateについて、「基本機能の向上」、「3D」、「ゲーミング」、「Mixed Reality」の4つが主なアップデートであると大別。それぞれの解説を行なった。

 基本機能の向上については、Edgeの電子書籍フォーマットePubへの対応、IMEやInkの改善、ブルーライトカット機能やWindows Defenderセキュリティセンターの導入を挙げる。

 また、法人向けには生体認証機能のWindows Hello for Businessや、セキュリティ機能のWindows Defender Advanced Threat Protection(ATP)の追加が行なわれているという。

 3Dについては、3D視聴のためのView 3D、3Dコンテンツを気軽に作製できるペイント3D、ペイント3Dで作った作品をシェアするためのRemix 3D.comがあり、ゲーミングとしてはゲームモードの搭載やライブ配信機能が実装されたことを説明。

 現実世界と仮想現実を融合したMixed Reality(MR)については、HoloLensへの対応を挙げており、すでにCreators Updateにて実装され、国内でもサードーパーティ製のWindows Mixed Realityヘッドセットの投入などが計画されているという。

 三上氏は、Creators Updateという名称から、一見するとクリエイターのみに向けたアップデートと思われがちだが、誰でも3Dを楽しめるようになるペイント3Dの提供など、すべてのユーザーが気軽にクリエイトできるようになるものであるとした。

Creators UpdateまでのWindows 10の軌跡
Windows Mixed Reality対応デバイスがサードパーティより投入

Creators Updateで使えるようになった主要機能一覧

 続いてCreators Updateのデモが披露され、アップデート内容について、Windowsプロダクトマネージャーの春日井良隆氏、Xboxゲーミング戦略本部 プロダクトマネージャーの森洋孝氏らから担当者から細かな説明が行なわれた。

Windowsプロダクトマネージャーの春日井良隆氏
Xboxゲーミング戦略本部 プロダクトマネージャーの森洋孝氏

 以下説明に用いられたスライドをキャプション付きで掲載している。

IMEの改善
予測入力機能や変換性能が向上。さらに、IMEをオンにした場合に画面上に日本語入力状態であることを「あ」という文字を大きく表示して示す、切り替え通知が行なわれるようになった
Cortanaによる初回セットアップのアシスト
PCの初回起動時の設定でパーソナルアシスタントのCortanaが音声サポートを行なうようになっている(「Creators Updateで進化したコルタナさん。話しかけてWindows 10をセットアップ可能に」参考)
夜間モード
最近のスマートフォンやディスプレイでは標準的になりつつあるブルーライトを軽減して目への負担を減らす「夜間モード」が実装された。ユーザーが任意に調整できる
BluetoothまわりのUI改善
設定から閲覧できるBluetoothデバイスが、カテゴリ分けで表示されるようになった
Bluetoothデバイスを使った動的ロック
Bluetoothでペアリングしたデバイスが、PC本体から離れた位置に移動した際に、自動的にロック画面に移行する「動的ロック」が追加。ユーザーがスマートフォンを持って席を離れた際など、ロックし忘れていても自動的にロックしてセキュリティを高める
Windows Helloの顔認識セットアップ改善
生体認証機能のWindows Helloを使って顔を登録する際に、カメラがしっかりとユーザーを捉えているか確認できるフレームが表示されるようになった
Microsoftストアからテーマを追加
Windows 10の配色を変えるテーマ機能が強化され、設定色の自由度が増したほか、Microsoftストアからテーマをダウンロードできるようになっている
Windows Defenderセキュリティセンター
アンチウイルス、ファイアウォール、SmartScreen、ファミリ設定など、セキュリティに関する項目はすべて「Windows Defenderセキュリティセンター」にまとめられ閲覧性が向上している
Edgeの強化
Edgeに表示しているタブを保存/復元する機能を追加
電子書籍フォーマットのePubファイルを直接Edgeで開ける。読み上げ機能も利用可能
emojiにも対応
ゲームモード
ゲームプレイ時に優先的にリソースを割り当てることで、ゲーム体験を向上させるとする
BEAM対応
インタラクティブな動画配信機能「BEAM」を利用可能に。1秒未満という低遅延を売りとし、視聴者とほぼずれがなくリアルタイムでの配信が行なえる
インタラクティブな機能として配信者へのメッセージ送信や、ゲーム内操作(画面では視聴者がプレイヤーが操作する車のクラクションを鳴らしている)などが行なえる

ペンの利用やペイント3Dを使った3Dの楽しさを訴求

 春日井氏はAnniversary Updateから強化されているWindows 10のペン機能に関して、Creators Updateでも訴求すべく、国内大手のイラスト投稿サイトであるpixivと協力し、お絵かきコミュニケーションプラットフォーム「pixiv Sketch」を立ち上げ、pixiv SketchのUWPアプリを公開した。

 pixiv Sketchは手軽にイラストを投稿し、コミュニケーションを取れることを目指したプラットフォームで、タイムライン機能やコメント機能を有する。最近ではスマートフォンやタブレットからイラストを投稿するユーザーが増えていることから、PCにこだわらない設計となっている。

pixiv Sketch
絵を描きながらほかの人のタイムラインやコメントを閲覧できる

 また、春日井氏はCreators Updateの目玉とも言えるペイント3Dについて、多くのユーザーに利用してもらうべく、作製した3Dデータは、3Dプリンタ用のフォーマットとして出力でき、3Dプリンタを所有していなくてもDMM.makeといった3Dプリンタを提供する場を設けているサービスを使うことで手軽に自分だけのコンテンツを現実化可能とした。

ペイント3Dで作製した魚
実際に模型に色を塗るように3次元の感覚で色塗りができる
用意されているテクスチャを簡単に貼り付けて顔を作った
海の写真との合成
手軽な切り抜き機能があり、人物の顔も取り込める
作製したコンテンツは3Dプリンタ用のフォーマットで出力可能。3Dプリンタなどがなくても、DMM.makeといったサービスを利用することで3Dプリントが行なえる