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ソフトバンクによる買収をARMの株主が圧倒的多数の賛成で可決
2016年9月1日 17:56
ソフトバンクグループによるARMの買収が、今年(2016年)9月中に完了することがほぼ確実になった。8月30日に開催された株主総会で、約95%の圧倒的多数で買収提案が承認されたからだ。
英国企業であるARMの買収手続きは、日本や米国などの企業買収手続きとかなり異なる。友好的買収の場合は、「スキームオブアレンジメント」と呼ぶ手続きを採用することが多い。ソフトバンクによるARMの買収でも、「スキームオブアレンジメント」が採用された。
スキームオブアレンジメントとは、粗く言ってしまうと裁判所が招集する集会の決議と裁判所の認可を経て効力が発生する手続きのことである。日本や米国などで馴染みのある「株式公開買い付け(TOB)」との大きな違いは、TOBに応じるかどうかは個々の株主の自由裁量に任されているのに対し、スキームオブアレンジメントでは効力が発生すると個々の株主の自由はなくなる(買収に反対でも強制的に株式を買い上げられる)ということである。強制力を付与するので、手続きには裁判所が関わる。
スキームオブアレンジメントではまず、裁判所が招集する集会(Court Meeting)で投票を実施し、参加した株式数にして過半数の賛成と、参加した株主数の75%の賛成を得る必要がある。ソフトバンクとARMの案件(スキーム)の場合は、株式数にして95.12%という圧倒的多数の賛成を得た。また株主数でも82.7%と圧倒的多数の株主が賛成に投票した。
続いて株主総会(General Meeting)が開催され。投票を実施した。ここでも賛成株式数が94.92%と圧倒的多数で買収が承認された。
ソフトバンクが公表した資料によると今後は、9月5日(英国グリニッジ時間)にスキームの効力が発生し、翌日の9月6日にARMの株式は英国で上場廃止になる。そして米国でも、9月12日に上場廃止となる予定である。