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AgIC、常温で硬化する一液式導電性接着剤「ノーソルダー」
2016年8月8日 18:23
AgIC株式会社(エージック)は、常温で硬化する一液式導電性接着剤「ノーソルダー」の一般販売を開始した。
ノーソルダーは、ハンダの代替品として、高温を避けたい部品の接着や、ハンダによる金属パターンの侵食を防止したい場合に利用できる。
電子回路を印刷によって製造する「プリンテッドエレクトロニクス」は、これまでより遥かに低いコストで薄型のデバイスを製造できる技術として期待されているが、既存のエッチング技術と比べて技術的に課題となる部分が多くあり、その1つがハンダ付けに代わる技術であった。インクジェットによる回路パターン印刷は、印刷された金属の膜厚が薄いため、ICチップをハンダ付けすると金属膜がハンダに侵食され、回路が壊れる可能性がある。
そこでAgICは、ハンダに代わって金属膜を侵食せずにICチップを電気的に接続できるような導電性の接着剤の研究を行なってきたが、プリンテッドエレクトロニクス市場をさらに広げるために、導電性接着剤の一般販売に踏み切った。
ノーソルダーは金属を侵食しないだけでなく、加熱せずとも常温で硬化するという特徴を備えており、ポリエステルフィルムなど安価だがハンダ熱に耐えられない素材でも適用できる。また、完全硬化後も柔軟性を失わず、繰り返しの曲げや衝撃にも強く、フレキシブルデバイスを実現できるという。
今回、ノーソルダーを事業者向けに販売するだけでなく、0.6ccのノーソルダーにシリンジやニードルなど、必要な道具を全て同梱した「お試しセット」としても直販サイトおよびAmazonで販売する。
硬化時間は常温(23℃)で24時間、底面を80℃で加熱しながら静置で1時間。湿気硬化により接着する。抵抗率は3.5×10-3Ω・cm。