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NVIDIA、VR上で視線を追跡して周辺視野領域をボカす描画負荷軽減技術

 米NVIDIAおよび独SensoMotoric Instruments(SMI)は20日(現地時間)、「SIGGRAPH 2016」にて、VR向けのレンダリング負荷軽減技術「Foveated Rendering(中心窩レンダリング)」のデモを披露することを発表した。

 SIGGRAPH 2016は、米アナハイムにて24~28日開催されるCG関連技術のカンファレンスで、デモ予定のFoveated Renderingは、VR上で、視線の中心部分のみ高解像度で描画し、そのほかの部分を低解像度で描画するというもの。

 人間の視野は、高解像度で認識できる中心視野と、低解像度で認識する周辺視野の2つに大きく分けられるが、VR HMDで視線の追跡を行ない、視線に合わせて描画解像度を部分的かつ動的に変更することで、全体の描画負荷を大幅に軽減することが可能となる。

 NVIDIAでは、以前からFoveated Renderingの実現に向け、250Hzの高いリフレッシュレートと超低遅延を実現しているというSMIの視線追跡技術を利用して研究を行なっていたが、周辺視野部分を低解像度で描画してしまうと、ユーザーにチラつきを感じさせるが、その対策として、低解像度描画部分をボカした場合、視野狭窄のような感覚を与えてしまうという結果を得られたという。

 同社の研究チームは、ボカしによる視野狭窄感は、ボケの処理によるコントラストの低下が原因であることを発見。チームによれば、コントラストを維持したままボカした場合には、ユーザーは2倍のボケを許容できるという。

通常の描画
従来のボカし。視線は右上の時計に合っている
コントラストを維持したボカし。同じく視線は右上の時計に合っている

 SIGGRAPH 2016では、HTC製VR HMD「Vive」とSMIの視線追跡技術を組み合わせたデモが披露される予定。

Improving VR with NVIDIA’s Foveated Rendering