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東芝、単眼カメラで画像と距離を両方取得できる撮像技術

新技術の概要

 株式会社東芝は9日、単眼カメラで撮影した1枚の画像から、カラー画像と距離画像を同時に取得できる撮像技術を開発したと発表した。

 これまで物体の距離を取得する技術としては、ステレオカメラや赤外線深度センサー、ミリ波レーダー、LiDAR、SfM技術などがあったが、それぞれ一長一短があり、装置の小型化や長距離対象物の測定、製造コスト、動きのある対象物の高精度検出が難しいといった課題があった。

 そこで東芝は、水色と黄色のカラーフィルタからなる独自のカラー開口フィルタをレンズ開口部に取り付けることで、物体までの距離に応じたボケと色ずれを発生させ、得られる画像を解析することで、物体までの距離を画素ごとに検出可能にする技術を開発した。

 このカラーフィルタは明るさへの寄与率が高い緑色の光を透過させるため、撮影した画像の画質劣化を抑え、カラー画像も得られる。また市販カメラによる試作によると、カメラ間距離35cmのステレオカメラ並みの距離精度を1枚の画像から得られたとしており、装置の小型化や低コスト化に寄与できるという。

 今後はカメラの小型化および画像処理の高速化を行ない、早期の実用化を目指すとしており、自動運転やドローン/ロボットなどの遠隔操作によるインフラ点検などでの応用を期待する。

カラー画像(左)と深度画像(右)を取得した様子