やじうまミニレビュー

Anker「PowerPort 10」

〜同時に10台の機器を充電できる最大60W対応のUSB急速充電器

やじうまミニレビューは、1つ持っておくと便利なPC周りのグッズや、ちょっとしたガジェットなど幅広いジャンルの製品を試して紹介するコーナーです。
製品本体。ボディはブラックのみ

 スマートフォンやタブレットの普及につれ、人気を博しているのがUSB充電器だ。かつてはポート数も少なく、また1ポートあたりの容量もせいぜい携帯電話を充電できるくらいだったが、最近では4ポート〜5ポート、かつスマートフォンはもちろんタブレットも充電できる容量が当たり前になりつつある。

 今回紹介するのは、近年国内でも知名度を高めつつある充電器メーカーAnkerが発売したUSB急速充電器の最新モデル、「PowerPort 10」である。4ポート以上を備える同社の急速充電器は過去何年かに渡り、25W/5ポート→40W/5ポート→60W/6ポートと進化を遂げてきたが、今回のモデルは60W/10ポートと、容量は維持しつつポート数の多さを重視したモデルである。

 10ポートを備えたUSB充電器はこれが世界初というわけではなく、国内でもメーカーが通販限定で扱っているケースが見られるが、本製品の特徴は筐体サイズが小さいことに加えて、ACアダプタを用いずメガネケーブル1本で駆動すること、そして全ポートが2.4Aの給電に対応することだ。

 こうしたUSB充電器は、iPadで最速充電を行なえる2.4Aに対応していても、特定のポートだけに限られていることが多かった。本製品は接続した機器を検知して高速充電を行なう同社の独自規格「PowerIQ」に対応していることから、挿すポートを間違えて充電ができていなかったというミスを回避できる。総容量が60W(12A×5V)の範囲に収まる必要があるので、10ポートすべてにiPadを繋いで同時に急速充電できるわけではないが、それでも計算上は5台までは対応できる上、ほかのスマートフォンやタブレット、デジカメ、ゲーム機、電子書籍端末、モバイルバッテリなど計10台を同時に充電でき、しかもどのポートに接続しても問題ないというのは、大きなメリットだろう。

 これでいて価格が1万円を超えていたりするとさすがに躊躇するが、本製品は3,999円とリーズナブルな価格である。この種の製品でポート単価という考え方が正しいかは分からないが、製品価格をポート数で割っても、5ポート2,500円や6ポート3,500円などの製品と比べても割安であり、何よりそれだけの台数を1台の充電器でまかなうことができればコンセント数を節約できる。現時点では10台もの機器は所有していないというユーザーでも、これから長く使えるだけに、先に投資しておく価値は高いだろう。

手に持つとそのコンパクトさが分かる
電源を内蔵しており、ACアダプタではなくメガネケーブルで駆動する
正面。10ポートが並んでいる
背面。電源スイッチが搭載されている
接続した機器を検知し高速充電を行う同社の独自規格「PowerIQ」に対応。接続中は青のLEDが点灯する。明るさはかなり控えめ
メガネケーブルを接続した状態。デスク上に設置する際は付属の両面テープを用いて固定してやるとよい
10台の機器をまとめて充電している様子。トータルで12A/60Wの充電に対応する。ちなみに以前紹介した、iPadの充電状態を確認できるラディウス製のLightningケーブルを繋いだところ、きちんと2.4Aが点灯することを確認した

 実際に製品を買って使ってみても、安価な製品にありがちな高周波音を発することもなく、いい意味で存在感なく使える。ボディも適度にずっしりしているので、ケーブルの反発力に負けて引きずられることも少ない(もちろんケーブルの硬さにもよる)。また給電時に点灯する青色LEDも輝度が控えめで、夜中そのままにしていても眩しくないなど、この辺りは作る側もよくツボを心得ている印象だ。

 そんなわけで、使い始めて1週間ほど経つが、とくに気になる点もなく、極めて優秀な製品というのが率直な印象だ。4ポートや5ポートの製品を買うくらいなら、多少予算を上積みしてもこちらを選ぶべきで、「大は小を兼ねる」製品の典型例といっていいだろう。敢えて挙げるならマット調の表面処理が災いしてホコリがつきやすいのがマイナスだが、逆に指紋が目立ちにくいというプラス面の方がマイナスを上回っている印象だ。

 なお本製品は底面にゴム足こそないものの、デスクに貼り付けられる両面テープが付属していることからも、主に据置利用が想定されているようだ。もっとも本体のサイズは従来の4〜5ポートのモデルと大差なく、例えば同社の25W/5ポートのモデルと比べた場合、幅で21mm、奥行きで10mm大きいだけでしかなく、厚みに至ってはほとんど変わらないので、持ち歩きにも十分耐えうる。

 ただしそのためには、電源ケーブル、俗に言うメガネケーブルを携帯性の高いものに交換してやった方がよい。デフォルトのケーブルは全長1.5mとかなり長いので、短めのタイプ、もしくはリール式に替えてやるわけだ。前者についてはエレコムやバッファローなどから複数の種類が発売されているので、使いやすいものと組み合わせてやるとよいだろう。

約2年前に発売された同社の25W/5ポートモデル(右)との比較。サイズは58×91×25mm(幅×奥行き×高さ)だったのが今回が68×112×27mm(同)と、ほんのわずかに大きくなっているが、これだけの違いで搭載ポート数が倍増しているのは驚きである
意外にも体積はほんの一回り違う程度。ポート数の違いを考慮すると本製品が圧倒的に省スペースなのが分かる
メガネケーブルを接続して使うのはどちらも同じだが、本製品は電源スイッチがあることが異なっている
(写真の)従来モデルはポートごとに接続できる機器が決まっていたが、本製品ではそうした制限はなく、どの機器をどのポートに繋いでも構わない
モバイルで使う場合、メガネケーブルはショートタイプなどに交換すると持ち運びやすくなる

(山口 真弘)