やじうまミニレビュー

サンワサプライ「ACA-IP41W」

~10台同時に充電可能な電源タップ型のUSB充電器

やじうまミニレビューは、1つ持っておくと便利なPC周りのグッズや、ちょっとしたガジェットなど幅広いジャンルの製品を試して紹介するコーナーです。
サンワサプライ「ACA-IP41W」。電源用のメガネケーブルは市販品と交換することも可能

 さまざまなデジタル製品の充電方法がUSBに統一されるようになるにつれ、多くのポートを備えるUSB充電器が続々と登場しつつある。本連載でも過去にAnkerの10ポートUSB充電器「PowerPort 10」を紹介したが、最近はUSB充電に対応した機器のさらなる普及により、選択肢がますます増えつつあるのが現状だ。

 今回紹介するのは、サンワサプライのUSB充電器「ACA-IP41W」だ。10ポートという仕様はAnkerのPowerPort 10と同一だが、こちらは電源タップに似た外見で、据置での利用を前提にした形状であることが特徴だ。

 AnkerのPowerPort 10は10ポート全てが2.4Aに対応しており、タブレットやスマートフォン、ケータイ、ゲーム機など機器を問わず、いずれのポートにも接続できたのに対し、本製品は10ポートのうち2.4A対応が2ポート、2.1A対応が2ポート、そして残り6ポートが1A対応と、ポートごとの給電能力が決まっているため、各ポートに接続できる機器は事実上制限される。

 その代わりに全体の供給電力の合計は15A(75W)までと、PowerPort 10の合計12A(60W)よりは余裕がある。2.4Aや2.1A対応のタブレットやスマートフォンがそれぞれ3台以上あるならばPowerPort 10の方が向いているが、機器の多くが1A対応で、2.4Aや2.1A対応はそれぞれ1~2台という場合は、本製品でも特に支障はない。PowerPort 10は全ポート2.4A対応と言っても10ポート全てに2.4A対応機器を繋ぐと容量が足りなくなるので、利便性は別にして、実質それほどの違いはないとも言える。

 実際に使ってみて便利に感じるのが、全てのポートは上を向いていることもあり、USBケーブルの抜き差しがしやすいことだ。PowerPort 10はUSBポートが側面に配置されており、かつポートの間隔が狭かったため、抜き差しをする際に本体をしっかりと手で押さえる必要があったが、今回の製品は片手でも問題なくケーブルが挿せる上、重量もあるためケーブルに引っ張られることもない。電源タップと同じ形状であるが故の利点と言っていいだろう。

前回紹介したAnker「PowerPort 10」(右)との比較。同じ10ポートUSB充電器でも形状、サイズはかなり異なることが分かる
ポートの間隔、向きもまったく異なっており、据え置きでの使い勝手では本製品の方が優っていると感じられることも多い

 またポートの配置上、10本のケーブルを向かって左に5本、右に5本といった具合に分けて敷設できるので、デスクを背中合わせに数台集めた事務所の島の中央に置き、複数のメンバーで利用するスタイルにも向いている。個人ユーザーでこれだけのポート数を同時に使うケースは稀だと考えられるので、どちらかというと、こうした法人ユースの方がメインかもしれない。色もホワイトなので、オフィスによくマッチする。さらに、本製品は集中スイッチが付属しており、電力の供給を一括でオン/オフできるので、外出時にまとめてオフにするなどの操作が容易というメリットもある。

 ネックとなるのは価格で、実売4,000円を切るPowerPort 10に比べると1,000~2,000円ほど高価に設定されていることが多い。ここまで見てきたメリットを考えると価格差なりの価値は十分にあると思うのだが、この辺りは設置場所や充電する機器などにもよるだろう。今回試した限りではこの種の製品にありがちな耳障りなコイル鳴きもなく、就寝中も問題なく利用できたので、これから多ポート型のUSB充電器を買おうと考えている人は、候補に入れておくべき製品と言っていいだろう。

製品パッケージ。茶箱にスリーブを巻いた仕様
10ポートを搭載。給電できるアンペア数はポートごとに決まっている
集中スイッチを用いることで電力の供給を一括でオン/オフできる
横から見たところ。電源タップと同様の形状で安定している
電源タップ型で安定した形状のため、片手で簡単に差し込める
全ポートにケーブルを差し込んだ状態。適度な重量があるためケーブルに引っ張られるといったこともない
デスクを向かい合わせた中央に置き、2人以上で共用するという使い方も適している

(山口 真弘)