■多和田新也のニューアイテム診断室■
AMDは4月28日、ビデオカード新製品となる「Radeon HD 4770」を発表。109ドルのセグメントに投入されるミドルレンジ向け製品となるが、ハイエンドに匹敵する部分も持った興味深いスペックになっている。本製品のパフォーマンスを見てみたい。
●デスクトップ向けGPU初の40nm製品今回発表されたRadeon HD 4770の主な仕様は表1に示したとおりだ。本製品はRadeon HD 4000シリーズでも新設計のコアを採用しており特徴が多い。順を追って紹介していきたい。
【表1】Radeon HD 4770の仕様Radeon HD 4770 | Radeon HD 4670 | Radeon HD 4830 | Radeon HD 4850 | |
プロセスルール | 40nm | 55nm | 55nm | 55nm |
コアクロック | 750MHz | 750MHz | 575MHz | 625MHz |
SP数 | 640基 | 320基 | 640基 | 800基 |
テクスチャユニット数 | 32基 | 32基 | 32基 | 40基 |
メモリ容量 | 512MB GDDR5 | 1GB/512MB GDDR3 | 512MB GDDR3 | 1GB/512MB GDDR3 |
メモリクロック | 800MHz | 1,000MHz | 900MHz | 1,000MHz |
メモリインタフェース | 128bit | 128bit | 256bit | 256bit |
ROPユニット数 | 16基 | 8基 | 16基 | 16基 |
ボード消費電力 | 80W | 59W | 110W | 110W |
まず、本製品のコアはRV740と呼ばれる40nmプロセス製造のものを採用している。40nmプロセスのGPUは、3月に同社がMobility Radeon HD 4860/4830を発表しているが、デスクトップ向け製品では初めてとなる。
スペック面ではSP 640基、テクスチャユニット32基、ROP 16基、メモリインターフェイス128bitという構成。SP、テクスチャユニット、ROPについてはRadeon HD 4830と同じであるが、メモリインターフェイスは下位のRadeon HD 4670と同じスペックになる。
RV740はこのスペックで設計された新コアで、ブロックダイヤグラムは図のようになる。ご覧のとおり、5-wayのコア16個を1SIMDアレイとし、これを8アレイ並べる構成となる。Radeon HD 4830と同じであるが、あちらは本来10アレイを持つRV770から2アレイ分を制限した格好となる。Radeon HD 4770で使われるRV740は、8アレイで完結している点で違いがある。
【図】Radeon HD 4770(RV740)のブロックダイヤグラム |
また、ROPは4基を持つクラスタを4個備えることで計16個となり、これはRV770と同じ設計。ただし、その先のメモリコントローラは32bit×4で計128bitのインターフェイスとなっており、32bit×8で計256bitとなるRV770よりも簡略化している。一方でRadeon HD 4670で使われるRV730コアは、メモリインターフェイスの構成こそ128bitで同一だが、ROP部が2クラスタとなる。
つまり、コードネームの数値からも伺えるとおり、Radeon HD 4870で使われるRV770と、Radeon HD 4670で使われるRV730の中間のスペックを持った新たなコアがRV740という存在になっているわけだ。
このトランジスタ数は8億2,600万個。RV770が9億5,600万個、RV730が5億1,400万個であったわけで、上位のRV770と比べて、プロセスシュリンクとトランジスタ削減の相乗効果により、ダイサイズはかなり小さくなっていることが想像される。
RV740のダイサイズに関しては、現時点で正確な数値が書かれた資料を得られていないのだが、RV770が55nmプロセス製造の9億5,600万トランジスタで256平方mmとされているので、これが参考になるだろう。RV740は8億2,600万の40nmなので、RV770のダイサイズ(256)に、トランジスタの減少率(8億2,600万÷9億5,600万)とプロセスシュリンクによる面積の縮小率(40÷55の2乗)を掛けると、およそ117平方mmとなる。これはあくまで単純計算であり、現実にはトランジスタ以外のパーツにも影響されるわけなので、ダイサイズはもう少し大きいと思われる。ちなみにRV730は、このような単純計算では137~138平方mm程度になるが、実際は146平方mmとなっている。
それでも、RV740は、RV730よりもダイサイズが小さいと推測はできる。ダイサイズの縮小は歩留まりの向上につながり、それによりコスト減にもつながる。40nmという新プロセスであるため歩留まりは発展途上であろうが、それを差し引いても、こうしたダイサイズの縮小が109ドルという価格を実現できている一因であることは間違いないだろう。
もう1点押さえておきたいポイントとして、メモリ帯域幅がある。Radeon HD 4770と上位のRadeon HD 4800シリーズにおけるスペック上の決定的な違いはメモリインターフェイス幅であるが、この点はRadeon HD 4770のスペックがGDDR5であることも加味しなければならない。Radeon HD 4850/4830/4670で使用されるGDDR3は実クロックの2倍のデータ転送レートとなるが、GDDR5は実クロックの4倍のデータ転送レートを発揮できる。つまり、Radeon HD 4800シリーズよりもインターフェイス幅が半分になっているが、倍の転送レートを持つGDDR5で帯域幅を補うスペックになっているわけだ。
各製品の具体的なメモリ帯域幅は、Radeon HD 4770が51.2GB/sec、Radeon HD 4850が64GB/sec、Radeon HD 4830が57.6GB/sec、Radeon HD 4670が32GB/secとなり、ハイエンド製品に近い帯域幅になっていることが分かる。ただし、GDDR5を使うことでコスト高になるためか、容量は512MBのみが提示されている。ただ、多少価格の上乗せは避けられないが、ビデオカードベンダーが独自に1GBモデルを投入する可能性はある。
さて、今回テストに使用するのは、AMDのリファレンスボードである(写真1、2)。上位モデルのRadeon HD 4850/4830がシングルスロットのクーラーであるのに対し、2スロットクーラーを用いているのが大きな特徴となる。これは発熱対策というよりも、騒音対策という面が大きいと思われる。また、AMDでは2スロットクーラーならケース外へ排気できる点のメリットを強調しているほか、必ずしも2スロットクーラーを必要とするわけではなく、1スロットクーラーでも利用可能であると表明している。
【写真1】Radeon HD 4770のリファレンスボード | 【写真2】ブラケット部はDVI×2およびテレビ出力という一般的な構成 |
ただ、後述する一連のベンチマーク中、何度かファンの回転数が急激に上がることがあり、そのさいの騒音はかなりのものだった。平常時はかなり静かに収まっているが、とくに3Dゲーム用途を意識して導入する場合、このリファレンスデザインの2スロットクーラーは、静音性への過度の期待はできない印象を受けた。ただ、先述のとおり、AMD自身がこのクーラー以外も利用可能と明言するあたり、ビデオカードベンダーが異なるクーラーを搭載した製品を投入する可能性は高いのではないだろうか。
また、表1でも示したとおり、Radeon HD 4770のリファレンスボードの最大消費電力は80Wとされており、PCI Express x16スロットから供給可能な75Wを超える。そのため、6ピンの電源端子がボード末端部に用意されている(写真3)。クーラーが直下のスロットを占有する点といい、6ピン電源端子を必要とする点といい、ミドルレンジの価格帯ではあるが、ユーザーとしてはハイエンド製品を使う心構えを持っておいたほうがよいだろう。
なお、動作クロックはコア750MHz、メモリ800MHzと定格通りの動作となっている(画面1)。また、省電力機能のPowerPlayによって、アイドル時にコアクロックが250MHzまで下がっていることを確認できる。
【写真3】ボード末端部に6ピンの電源端子を備える | 【画面1】動作クロックはコア750MHz、メモリ800MHz。アイドル時はコアクロックが250MHzまで下がる |
●1万円前後のビデオカード3製品をテスト
それではベンチマークテストの結果を紹介していく。環境は表2に示したとおりで、ここでは現在1万円前後で販売されているRadeon HD 4670、GeForce 9800 GTを比較対象とした。テストに用いたビデオカードは写真4~5のとおり。
【表2】テスト環境ビデオカード | Radeon HD 4770 | Radeon HD 4670 | GeForce 9800 GT |
グラフィックドライバ | Driver Package Version.8.60-090316a1-078299C | Driver Package Version.8.60-090316a1-078237C-ATI (CATALYST 9.4) | GeForce Release 185.68 |
CPU | Core 2 Extreme QX9770 | ||
マザーボード | ASUSTeK P5Q Pro(Intel P45+ICH10R) | ||
メモリ | DDR2-800 1GB×2(5-5-5-18) | ||
ストレージ | Seagete Barracuda 7200.11(ST3500320AS) | ||
OS | Windows Vista Ultimate Service Pack 1 |
【写真4】Radeon HD 4670を搭載する、MSI「R4670-2D512/D3」 | 【写真5】GeForce 9800 GTを搭載する、ASUSTeK「EN9800GT MATRIX/HTDI/512M」 |
GeForce 9800 GT搭載製品であるEN9800GT MATRIX/HTDI/512Mについては、コアクロックが定格より少し高い600MHzに設定されている。そこで、ここではGainwardのExpertoolを用いて、コア600MHz、メモリ900MHz、SP 1,500MHzという定格クロックに設定し直してテストを行なっている。
また、ドライバについて補足であるが、Radeon HD 4770はレビュー用に配布されたベータドライバを使用している。ただし、このドライバはRadeon HD 4670では使用できなかったため、こちらでは現在公開されているCATALYST 9.4を使用。ドライバパッケージバージョンを見る限り、かなり近いタイミングでビルドされたドライバであることが分かる。GeForce 9800 GTはNVIDIAのWebサイトから入手できる最新のベータドライバであるGeForce Release 185.68を使用した。
このほか、本コラムでビデオカードを取り上げる際、通常は「Crysis Warhead」のテストを実施しているが、Radeon HD 4770で動作が不安定でテスト条件によってテストが完走しないといった現象が起きた。そのため、今回はテストを割愛している。
では順に結果を見ていきたい。「3DMark Vantage」(グラフ1~2)はRadeon HD 4770が他製品を圧倒する結果を見せた。Radeon HD 4670との差は条件にかかわらず2倍を超え非常に顕著。さらにGeForce 9800 GTとも決定的な差といって良いレベルだ。とくに解像度が上がるほどにスコア差を開く傾向が色濃く出ており、この点は1つのポイントといえそうだ。
Feature Testでは従来のテスト結果に似て、グラフィックレンダリングパイプラインの特定部分の性能を見るテストではGeForce 9800 GTがまずまず健闘を見せるが、SPの演算性能が大きく影響するテストではRadeon HD 4770が良好な結果を見せている。ただ、大局的にはこうした傾向は見られるものの、Pixel Shaderテストの結果はRadeon HD 4770がGeForce 9800 GTを上回っており、グラフィック描画においてもRadeon HD 4770の優位性を感じさせるものになっている。
【グラフ1】3DMark Vantage Graphics Score |
【グラフ2】3DMark Vantage Feature Test |
「3DMark06」(グラフ3~5)は、負荷の軽いSM2.0テストでは多くの条件でGeForce 9800 GTが良好な結果を見せた。ただ、SM2.0テストにしても高解像度かつアンチエイリアスと異方性フィルタを適用した状態ではRadeon HD 4770が強さを見せる。さらにHDR/SM3.0テストはRadeon HD 4770が圧倒している。低負荷時の性能の伸びはGeForce 9800 GTに比べて今ひとつ(これはドライバの影響も大きいだろう)だが、高負荷でも性能が落ちにくいという性格が見えてくる。
Feature Testではすべての結果においてRadeon HD 4770が優秀な結果になった。バーテックスシェーダの軽負荷テストではRadeon HD 4670と並ぶ結果となったが、これは性能の頭打ちが発生しているものと思われる。いずれにしても高いポテンシャルを感じさせる結果といえる。
【グラフ3】3DMark06 SM2.0 |
【グラフ4】3DMark06 HDR/SM3.0 |
【グラフ5】3DMark06 Feature Test |
さて、ここからは実際の3Dゲームを使ったベンチマークテストである。まずは、「Call of Duty:World at War」(グラフ6)の結果だ。ここでもRadeon HD 4770が優れた結果を見せている。ただ、GeForce 9800 GTとの比較においては、SXGA条件はやや差が小さい以外は、UXGAとWUXGA、フィルタの有無による特定の傾向差は見られない点で、3DMarkシリーズとはやや違った結果になっているのが印象的だ。
【グラフ6】Call of Duty:World at War |
「COMPANY of HEROES OPPOSING FRONTS」(グラフ7)は、今回よりTails of Valor相当に当たるパッチを適用した。設定画面の項目に多少変化が現れたが、解像度とアンチエイリアス以外は最高クオリティの設定を選択してテストしているのは同様だ。
結果は非常に分かりやすいものとなっており、SXGAのフィルタ適用なしの条件ではGeForce 9800 GTが良い結果を出すが、負荷が高まるに連れてRadeon HD 4770が差を広げ、もっとも大きいWUXGA時には差が20%を超えている。
また、Radeon HD 4670との差も非常に大きいタイトルとなっており、SXGAで2倍弱、UXGA以上なら2倍を超える差だ。ただ、UXGAとWUXGAではフィルタ適用時にやや差が詰まる結果が出ており、これは意外な結果という印象を残している。
【グラフ7】COMPANY of HEROES OPPOSING FRONTS |
「Enemy Territory: Quake Wars」(グラフ8)はRadeon勢が強さを見せる傾向にあるタイトルであるが、結果もその傾向が強い。GeForce 9800 GTはRadeon HD 4670にも劣る結果であり、Radeon HD 4770の結果が際立ったものになっている。
ただ、ここでちょっと気になるのがRadeon HD 4670との性能差で、フィルタを適用したさいに差を詰められるという結果を見せているところだ。フィルタ非適用時は58~70%程度の性能差を付けているのに対し、フィルタ適用時は13~38%程度にまで優位性を落としている。しかも、この傾向は次のFar Cry 2でも見せている。
【グラフ8】Enemy Territory: Quake Wars |
「Far Cry 2」(グラフ9)の結果は、フィルタ適用時にGeForce 9800 GTが健闘を見せている。フィルタ非適用時ではRadeon HD 4770が14~42%という大きな優位性を見せるのに対し、アンチエイリアスと異方性フィルタをかけた途端に性能が逆転する条件が見られるほど。さらに、先述のとおりRadeon HD 4670に対しても同じようにフィルタを適用した際に差を詰められるという結果を見せているのは気になるところ。
とくにRadeon HD 4670に対してスペック面で劣る部分といえばメモリクロック程度。ROPもテクスチャユニットも数の優位性がある。フィルタ適用時にバースト転送の効果が減るなどしてメモリクロックの高さがRadeon HD 4670に有利に働いたとか、単にドライバの問題といった理由が思い浮かぶが、はっきりしない。いずれにしてもRadeon HD 4770においてタイトルによってはフィルタ適用は性能へのインパクトが大きいという結果は事実であり、気に留めておきたいポイントといえる。
【グラフ9】Far Cry 2 |
「Left 4 Dead」(グラフ10)もRadeon HD 4770が好調で、GeForce 9800 GTやRadeon HD 4670に対する性能差は、ほかのタイトルと比べても平均的なもの。一定の投資効果は期待できる結果といえる。一方で、わずかではあるが、やはりフィルタ適用時に差を詰められる傾向を見て取れる。
【グラフ10】Left 4 Dead |
「LOST PLANET COLONIES」(グラフ11)はGeForce勢が強いタイトルと言えるが、今回のテストではRadeon HD 4770がまずまずの好結果を見せた。このタイトルではフィルタ適用時にGeForce 9800 GTを上回る結果を見せており、傾向としては3DMark VantageやCOMPANY OF HEROESに近いものといえる。
【グラフ11】LOST PLANET COLONIES |
「Tom Clancy's H.A.W.X」(グラフ12)はSXGAのフィルタ適用にGeForce 9800 GTに大きく劣る性能を見せるものの、おおむね好調な結果を見せている。また、GeForceとの比較を考えてDirectX10.1を無効にしている点も多少は加味したほうが良いかも知れない。このタイトルではDirectX10.1を有効にすると、1~2割程度はフレームレートがアップする傾向があるので、Radeon勢であれば設定1つでもう少し高性能を得ることもできる。
【グラフ12】Tom Clancy's H.A.W.X |
「Unreal Tournament 3」(グラフ13)は今回のテストのなかでもビデオカード間の差が小さいタイトルとなったが、Radeon HD 4770は負荷が高いほどGeForce 9800 GTより良い性能を出す傾向が出ている。とはいえ、それほど大きな差ではなく、勝っている点も劣っている点も最大で3%程度の差。Radeon HD 4770とGeForce 9800 GTでは同等程度の性能を期待できる、と判断するのが妥当だろう。
【グラフ13】Unreal Tournament 3 |
「World in Conflict」(グラフ14)は、わりと分かりやすい結果を見せている。GeForce 9800 GTに対しても、Radeon HD 4670に対しても、低解像度よりも高解像度、フィルタ非適用時よりも適用時のほうがRadeon HD 4770が優位性を強めるという結果を見せている。本タイトルは過去のテストでも、ROPやメモリ帯域幅のスペックが良いほど高負荷時にスコアの落ち込みが小さい傾向が出ており、今回もそれに準じた結果といえる。
【グラフ14】World in Conflict |
最後に消費電力の測定である(グラフ15)。ここでもRadeon HD 4770の良さが見えてくる。GeForce 9800 GTに対して、アイドル時で10W程度、高負荷時で20Wを超える消費電力差を付けており、良好な結果といえる。
さすがに6ピン電源端子を必要としないRadeon HD 4670に対しては20~30W程度の上乗せがあるものの、パフォーマンス増との兼ね合いを考えれば、納得できるレベルの電力増という印象を受けている。
【グラフ15】消費電力 |
●1万円強のビデオカード勢力図を塗り替えるか
以上のとおりRadeon HD 4770のパフォーマンスなどをチェックしてきたが、同価格帯でぶつかることになるGeForce 9800 GTに対して、ほとんどのテストで同等以上の性能を見せている。アンチエイリアスや異方性フィルタを適用した際のパフォーマンスの落ち込みが大きいタイトルがあることを指摘したが、これはあくまでGeForce 9800 GTやRadeon HD 4670との相対的な差であって、絶対的なパフォーマンスでは上位にあると断言できる結果だ。また、消費電力もほどよく抑えられており、GeForce 9800 GTの影を一気に薄くしてしまった印象を受ける。
Radeon HD 4670は8千~1万円程度が相場で少し下のセグメントとなるが、大きいところでは2倍程度の差をつけており、6ピン電源端子や消費電力増に納得できるのであれば、多少投資額を増やしてRadeon HD 4770を選択することで高い性能を得られることになる。
一昔前なら109ドルといえばバリュー製品のセグメントであったが、ハイエンドに近いスペックを持つミドルレンジ製品がこの価格で投入されるインパクトは小さくないだろう。国内では登場直後で13,000円程度、為替相場が安定していれば、こなれることで12,000円前後も狙える価格設定だ。
いずれにしても、性能、消費電力ともに高いレベルでバランスが取れている印象を受ける本製品。この価格帯に投入される製品としては、勢力図を一新させる可能性を持った製品ではないだろうか。