西川和久の不定期コラム

マウス「LuvBook C/LB-C220EN-BG」

~メモリ4GB、SSD 128GBまで搭載可能な11.6型ノート

製品写真

 マウスコンピューターは3月31日、11.6型でCeleronを搭載し、最下位モデルで34,800円(税別)と、安価なノートPC「LuvBook C」を発表した。メモリとストレージの構成によって4モデルあり、カラーバリエーションでは可愛いピンク&ブラックもあるのが興味深い。編集部からそのピンクの実機が送られてきたので、試用レポートをお届けしたい。

Celeronながらメモリやストレージの構成で4モデルある11.6型ノートPC

 今回発表されたLuvBook Cは4モデルあり、価格順に、メモリ2GB/HDD 320GBの「LB-C220EN-BG」が34,800円(同)、メモリ4GB、OSをWindows 8.1 Update(64bit)に変更した「LB-C220B」39,800円(同)、メモリ4GBでストレージを128GBのSSDへ変更した「LB-C220B-SSD」44,800円(同)、メモリ8GB、SSD 128GBの「LB-C220S-SSD」49,800円(同)となる。

 中でもコストパフォーマンスが良さそうなのは、メモリ4GB/SSD 128GBの「LB-C220B-SSD」が下位モデル+1万円なので、スペック上はこの辺りがお勧めか。今回届いたのは下位モデルの「LB-C220EN-BG」だ。主な仕様は以下の通り。

【マウス「LuvBook C/LB-C220EN-BG」の仕様】
プロセッサCeleron N2840(2コア、2.16GHz/ブースト時2.58GHz、キャッシュ1MB、SDP 4.5W)
メモリ2GB/DDR3L-1333
ストレージ320GB HDD
OSWindows 8.1 with Bing(64bit)
ディスプレイ11.6型(光沢)、1,366×768ドット
グラフィックスプロセッサ内蔵Intel HD Graphics、HDMI、ミニD-Sub15ピン
ネットワークEthernet、IEEE 802.11b/g/n、Bluetooth 4.0+LE
インターフェースUSB 3.0×1、USB 2.0×2、SDカードリーダ、100万画素Webカメラ、音声入出力
バッテリ駆動時間最大約5.5時間(リチウムイオン)
サイズ/重量292.4×210.5×22.7mm(幅×奥行き×高さ)/約1.3kg
価格34,800円(税別)

 プロセッサはCeleron N2840。2コアでクロック2.16GHz~2.58GHz。キャッシュは1MBでSDPは4.5W。このモデルの場合、メモリとストレージに関しては2GB/HDD 320GBを搭載している。OSは64bit版のWindows 8.1 with Bing。メモリ4GBにすると、OSがWindows 8.1 with BingからWindows 8.1 Updateに変わる。Windows 8.1 with Bing搭載の条件としてメモリ2GBと言うのが分かれ目のようだ。

 グラフィックスはプロセッサ内蔵Intel HD Graphics。外部出力用としてHDMIとミニD-Sub15ピンを装備している。安価な割にこの2つに対応しているのはポイントが高い。ディスプレイは、11.6型光沢タイプで解像度は1,366×768ドット。タッチには非対応。

 ネットワークは、有線LANがEthernet、無線LANがIEEE 802.11b/g/n。Bluetooth 4.0+LEにも対応している。GbEでないのが残念なところ。

 その他のインターフェイスは、USB 3.0×1、USB 2.0×2、SDカードリーダ、100万画素Webカメラ、音声入出力。最小限ではあるものの、必要なものは全て揃っている。

 サイズは292.4×210.5×22.7mm(幅×奥行き×高さ)、重量約1.3kg。着脱可能なリチウムイオンバッテリを搭載し、バッテリ駆動時間は最大約5.5時間となる。価格は先に書いた通り、このモデルで34,800円(税別)と比較的安価に設定されている。

前面。液晶パネル中央上に100万画素Webカメラ。正面側面にステータスLED
斜め後ろから。ピンクの天板が可愛い
裏面。メモリやストレージにアクセスできる小さいパネルなどは無い
左側面。ロックポート、ミニD-Sub15ピン、HDMI、USB 3.0、音声入出力
キーボード。10キー無しのアイソレーションタイプ。11.6型なのでフットプリントが小さいが、それなりにうまくまとまっている
右側面。電源入力、Ethernet、SDカードリーダ、USB 2.0×2
キーピッチは実測で約18mmと少し狭い
付属のACアダプタとバッテリ。サイズ90×38×27mm、重量165gと小型。コネクタはミッキータイプ
重量は実測で1,210g。仕様上の約1.3kgより若干軽い

 カラーバリエーションは“ホワイト&ブラック”と“ピンク&ブラック”があり、今回届いたのは後者だ。ご覧のように、天板やキーボード、パームレストが明るいピンク。レッドは他社などで見かけたことがあるものの、ピンクは珍しい。とても可愛いノートPCに仕上がっている。

 前面は液晶パネル中央上に100万画素Webカメラ。正面側面にステータスLED。左側面は、ロックポート、ミニD-Sub15ピン、HDMI、USB 3.0、音声入出力。右側面は、電源入力、Ethernet、SDカードリーダ、USB 2.0×2を配置。裏はメモリやストレージにアクセスできる小さいパネルは無い。付属のACアダプタはサイズ90×38×27mm、重量165gと小型だ。

 キーボードは10キー無しのアイソレーションタイプ。11.6型とフットプリントが小さいこともあり、キーピッチは実測で約18mmと、やや狭くなっているが、特にいびつな部分も無く、また強く押してもたわまない。しっかりしたキーボードだ。タッチパッドのボタンは1本バー式。パッドの面積はあまりないが、特に問題無く操作できる。

 ディスプレイは、光沢ありの11.6型で解像度は1,366×768ドット。IPS式ではないので広い視野角は望めないが、十分明るく、発色/コントラストも取り立てて文句のないレベルに収まっている。

 ノイズや振動、発熱に関しては試用した範囲では気にならなかった。サウンドはエネルギーバランスが高域寄りだが、コンパクトな割にパワーと透明感があり、単体で動画や音楽を楽しめる。

 一見、ルックスも含め、昔はやったネットブックを彷彿とさせるものの、主要部分の品質は段違い。価格の割にうまくまとめているのはマウスコンピューターらしさと言ったところ。

ライトな用途なら問題無いものの、できれば4GB/SSD 128GBを使いたい

 OSは64bit版のWindows 8.1 with Bing。メモリ4GB搭載モデルはWindows 8.1 Updateとなる。Celeronでメモリ2GB/HDD 320GBと言うこともあり、全体的に動きはややもっさり気味だ。できれば4GB/SSD 128GBモデルを選択したいところ。

 初回起動時、スタート画面は2画面分で、楽天gateway以降がプリインストールとなる。デスクトップは、同社お馴染みの壁紙に変更され、左側にいくつかのショートカットが並んでいる。

 HDDはWD Blueの320GB/5,400rpm/8MB「WDC WD3200LPVX」。C:ドライブのみの1パーティションで約282GBが割当てられ、空きは266GB。Ethernetおよび、Wi-Fi、BluetoothモジュールはRealtek製が使われている。

スタート画面1。Windows 8.1標準
スタート画面2。楽天gatewayからがプリインストールのアプリ
起動時のデスクトップ。同社お馴染みの壁紙にショートカットがいくつか並ぶ
デバイスマネージャ/主要なデバイス。HDDは320GB/5,400rpm/8MBの「WDC WD3200LPVX」。Ethernetおよび、Wi-Fi、BluetoothモジュールはRealtek製
HDDのパーティション。C:ドライブのみの1パーティションで約282GBが割当てられている

 プリインストールのソフトウェアは、Windowsストアアプリが、Hulu、LINE、NAVITIME、R25 for Windows8、Yahoo!天気・災害、じゃらん、ホットペッパーグルメ、ムビチケ、楽天gatewayなど、同社お決まりのパターンとなっている。特に目新しいのが無いため、今回は画面キャプチャを掲載していない。

アプリ画面1
アプリ画面2
アプリ画面3

 デスクトップアプリは、AOSBOX for mouse、HD VDeck、Intel系ツール、マカフィーインターネット、またアプリ画面にはないが、本機固有のものとして「Control Center」がインストールされている。このパネルは、静音/省電力/パフォーマンス/エンターテイメントといった作動モードを変更したり、システムやデバイスの設定を行なうことができるソフトウェアだ。

Control Center
HD VDeck
AOSBOX for mouse

 ベンチマークテストは「winsat formal」コマンドと、PCMark 8 バージョン2の結果を見たい。バッテリ駆動時間テストはBBench。またCrystalMark(今回は2コア2スレッドと条件的には問題ない)の結果も掲載した。

 winsat formalの結果は、総合 4.1。プロセッサ 5.0、メモリ 5.5、グラフィックス 4.1、ゲーム用グラフィックス 4.2、プライマリハードディスク 5.9。PCMark 8 バージョン2は1166。CrystalMarkは、ALU 17278、FPU 14587、MEM 17600、HDD 11369、GDI 5692、D2D 3801、OGL 4214。参考までにGoogle Octane 2.0は4,431だった。

 プロセッサがCeleronなので、それなりの値だがwinsat formalは全て4以上。カジュアルな用途であれば普通に操作可能だ。

 BBenchは、省電力、バックライト最小、キーストローク出力/オン、Web巡回/オン、Wi-Fi/オン、Bluetooth/オンでの結果だ。バッテリの残4%で23,909/約6.6時間。仕様上の最大約5.5時間を少し超えた。SSDモデルだともう少し持つ感じだろうか。ただバックライト最少は暗めなので、実際は公称の数値に収まりそうだ。

winsat formalコマンド結果。総合 4.1。プロセッサ 5.0、メモリ 5.5、グラフィックス 4.1、ゲーム用グラフィックス 4.2、プライマリハードディスク 5.9
PCMark 8 バージョン2。1166
BBenchの結果。省電力、バックライト最小、キーストローク出力/オン、Web巡回/オン、Wi-Fi/オン、Bluetooth/オンでの結果だ。バッテリの残4%で23,909/約6.6時間
CrystalMark。ALU 17278、FPU 14587、MEM 17600、HDD 11369、GDI 5692、D2D 3801、OGL 4214

 以上のようにLuvBook C/LB-C220EN-BGは、11.6型でCeleronを搭載したノートPCだ。カラーバリエーションで可愛いピンク&ブラックがあるのがなかなか良い。さらに予算や用途に応じて、メモリ4GBや8GB、SSD 128GBモデルを選べるのも嬉しいポイントだろう。

 Celeronなのでパワーは無いものの、仕様の範囲内では特にウィークポイントも見つからず、安価で可愛いノートPCを探しているユーザーにお勧めしたい1台だ。

(西川 和久http://www.iwh12.jp/blog/