西川和久の不定期コラム

iiyama PC「10P1000-C-VG」

〜5万円切りでBluetoothキーボード付属のBay Trail-M搭載タブレット

iiyama PC「10P1000-C-VG」

 株式会社ユニットコムは4月11日、iiyama PCブランドの10.1型Windows 8.1タブレットを発表。4月18日より出荷開始する。10型前後でBay Trail-Mを搭載したタブレットは意外と少なく、パフォーマンスなどが気になるところ。編集部から実機が送られてきたので試用レポートをお届けしたい。

BluetoothキーボードとOffice Home and Business 2013まで含めて49,980円

 つい先日開催された「Build 2014」で、IoT用のWindowsと9型未満のスクリーンを持つデバイスに関しては、OEMのライセンス料を0円にするという発表があった。ちょうど2013年末ごろに一斉に出荷された8型前後のWindowsタブレットがこれに相当し、すでに一部のメーカーがデバイスの値下げを発表している。

 今回ご紹介する「10P1000-C-VG」は、残念ながらこれには該当せず、パネルサイズは10.1型。このクラスまで該当機種になると、Windowsのタブレット市場は賑やかになると思われ、Microsoftが巻き返しを図るには今回の施策は中途半端なような気もする。話が少し横道に逸れてしまったが、主な仕様は以下の通り。

【表】iiyama PC「10P1000-C-VG」の仕様
プロセッサ Celeron N2806(2コア/2スレッド、1.58GHz/2GHz、キャッシュ1MB、SDP 2W)
メモリ 2GB
ストレージ eMMC 64GB
OS Windows 8.1(64bit)
グラフィックス プロセッサ内蔵Intel HD Graphics、Micro HDMI出力
ディスプレイ 10.1型(1,280×800ドット)、光沢タイプ、10点タッチ対応
ネットワーク IEEE 802.11b/g/n、Bluetooth 4.0
インターフェイス Micro USB 2.0×1、microSDカードリーダ、音声入出力、前面100万画素/背面500万画素カメラ
サイズ/重量 約258×172.6×10.5mm(幅×奥行き×高さ)/約650g
バッテリ駆動時間 約6.5時間
その他 Bluetoothキーボード付属、Office Home and Business 2013搭載
価格 49,980円(税別)

 プロセッサはBay Trail-MのCeleron N2806。2コア/2スレッドでクロックは1.58GHz。Boost時は2GHzまで上昇する。キャッシュは1MBでSDPは2W。

 3月31日に掲載した超小型PC、日本エリートグループ「LIVA」と(現時点では)同じプロセッサとなる。実売約18,000円のLIVAに対し、液晶や筐体、プラス32GBのストレージ、OS代の差額が約3万円と考えると興味深い。

 メモリは2GB、ストレージはeMMCで64GB、外部メディア用にmicroSDカードリーダスロットもある。OSは64bit版のWindows 8.1を搭載。

 ディスプレイは、10点タッチ対応の10.1型1,280×800ドット。外部出力用として、Micro HDMIを装備する。グラフィックスはプロセッサ内蔵Intel HD Graphicsだ。

 そのほかのインターフェイスは、IEEE 802.11b/g/n無線LAN、Bluetooth 4.0、Micro USB 2.0×1、音声入出力、前面100万画素/背面500万画素カメラ。センサー類は、仕様上公開されていないが、後半のデバイスマネージャで調べたところ、縦横表示切り替えるためのセンサーを内蔵していた。

 サイズは約258×172.6×10.5mm(幅×奥行き×高さ)、重量約650g。バッテリ駆動時間は最大約6.5時間となっている。

 加えてOffice Home and Business 2013を標準搭載し、本体を立て掛けるスタンドにもなるBluetoothキーボードも付属。合わせて49,980円(税別)と、わりとお買い得な価格設定と言える。

前面。中央上に100万画素カメラ、中央下にWindowsボタン
前面/左側面。左側面に音量±ボタン、音声出力、Micro USB、Micro HDMI
背面/右側面。右側面と背面には何もなく、上側面に電源ボタンがある
背面。中央上より少しずれた位置に500万画素カメラ。左側面にmicroSDカードスロット、右下にスピーカーがある
付属のBluetoothキーボード。実測でキーピッチは約18mm、重量は415g。左側面手前に、電源/ペアリングスイッチと、充電用のMicro USB(ケーブルも付属)がある
Bluetoothキーボードの折り曲げ方。このカバーはキーボード用であり、本体のケースにはならない。やや変わった折り曲げ方だが、思った以上に固定できる
縦表示。本体は縦表示にも対応。またBluetoothキーボードにもバランスを崩すことなく置くことが可能だ
付属のACアダプタとUSBケーブル。ケーブル込みで重量83gと、非常にコンパクトなUSB ACアダプタ
Surface 2(10.6型)との比較。0.5型分とはいえ結構違いがある。奥行に関しては若干Surface 2の方が狭い

 外観は、一般的なWindows 8.1タブレットそのもの。厚みが10.5mmほどで重量約650gということもあり、手に持つと意外と軽く感じる。付属のACアダプタはUSB出力タイプ。サイズは約40×40×25mm(同)、重量83gとコンパクトだ。

 前面中央上に100万画素カメラ、中央下にWindowsボタン。左側面に音量±ボタン、音声出力、Micro USB、Micro HDMI、上側面に電源ボタンを配置。背面にはmicroSDカードスロットと500万画素カメラ、スピーカーがある。

 本体のMicro USBは基本的に充電用であるが、USBホストケーブルを使って、マウスやキーボード、ストレージなどを接続できることを確認した。ただしこの場合、USBの仕様上、充電はできなくなる。

 カメラに関しては、数枚試したが、写真用というより動画用の画質だったので、今回作例は掲載していない。

 10点対応の液晶パネルは、IPS式ではないため視野角は狭いものの、明るさやコントラスト、発色は十分実用的だ。10.1型で1,280×800ドットの解像度は、日頃Surface 2の10.6型/フルHD(1,920×1,080ドット)を触っている筆者にとっては荒く見えるものの、一般的には特に問題にならないだろう。

 発熱やノイズ、振動に関しては試用した限り、まったく気にならなかった。サウンドはスピーカーがモノラルということもあり、ないよりは良いレベル。パワーもそこそこのため、音楽や動画を楽しむなら、別途Bluetooth接続の外部スピーカーなどを用意したい。

 付属のBluetoothキーボードは、パッケージも本体と分かれており完全に別物だ。本体のカバーとしては機能しない。キーボード側のカバーはキーボードの保護に加え、折り曲げることによって、本体のスタンド替わりになる。少し変わった折り曲げ方なので、初めは戸惑うが、慣れてしまえば気にならない。

 キーボード自体は、キーピッチが約18mmと若干狭いものの、丈夫に作られ、たわむことなく快適に入力可能だ。

 本体とキーボードを合わせた重量は約650+415gで1,065gと1kgを少し超える。できれば1kgを切って欲しかったところ。

性能面ではあと一歩パワーが欲しい

 OSは64bit版のWindows 8.1。メモリが2GB。プロセッサ自体は4GBまで対応しているので、できればあとプラス2GBは欲しかった。ただし、Windows 8.1 Updateを適用すればもう少し動作が軽くなると思われる。電源オプションに休止状態があり、Instant Goは非対応となる。

 初期起動時のスタート画面は、Windows 8.1標準に加え、Officeのタイルのみ追加、デスクトップ画面は、プリインストールアプリへのショートカットが並んでいる。

 ストレージは「Hynix HCG8e」が使われ、C:ドライブのみの1パーティション。約48GBが割り当てられ、空き32GBとなっている。用途によっては、microSDカードにデータを逃がすなど、運用面でカバーする必要があるだろう。

 Wi-FiとBluetoothはRealtek製。先に書いた通り、縦横表示対応用の方向センサーも内蔵している。

スタート画面(タイルを縮小して表示オン)。Windows 8.1標準。加えて右端にOfficeのタイルが1個ある
起動時のデスクトップ。プリインストールされているデスクトップアプリのショートカットが並ぶ
デバイスマネージャ/主要なデバイス。ストレージは「Hynix HCG8e」。Wi-FiとBluetoothはRealtek製だ。方向センサーを内蔵
ストレージのパーティション。C:ドライブのみの1パーティション。約48GBが割り当てられている

 プリインストール済のソフトウェアは、Windowsストアアプリはなし。デスクトップアプリは、「Microsoft Office」、「Bison Cam」、「Norton Internet Security」、「VIA HD VDeck」。

 ストレージの容量が少ないだけに、最低限に抑えられている感じだ。「Control Center」は本機固有のシステム設定ツール、Bison CamはWebカメラ用となる。

アプリ画面1
アプリ画面2
「Control Center」
「VIA HD Audio Deck」
「Bison Cam」

 ベンチマークテストは「winsat formal」コマンドと、PCMark 8 バージョン2、BBenchの結果を見たい。CrystalMarkのスコアも掲載した(2コア/2スレッドで条件的には問題ない)。

 winsat formalの結果は、総合 3.3。プロセッサ 4.4、メモリ 5.5、グラフィックス 3.3、ゲーム用グラフィックス 3.6、プライマリハードディスク 6.6。PCMark 8 バージョン2は822。CrystalMarkは、ALU 6551、FPU 7389、MEM 10739、HDD 16649、GDI 3469、D2D 1581、OGL 1643。参考までにGoogle Octanceは3873(デスクトップ版IE)となった。

 グラフィックスは遅いものの、winsat formalの結果はプロセッサ4.4/メモリ5.5/ストレージ6.6なので、体感速度はスコアほど遅く感じない。ただ、PCMark 8 バージョン2の動作はかなり遅く、この結果からも重いアプリは控えた方が無難だろう。

 BBenchは省電力モード、バックライト最小、キーストローク出力/オン、Web巡回/オン、Wi-Fi/オン、Bluetooth/オンでの結果だ。バッテリの残5%で20,161秒/5.6時間。スペック上の最大約6.5時間には届かなかった。丸1日使うには若干不安もあるが、酷使しなければ充電せずに使えるだろう。

winsat formalコマンドの実行結果。総合 3.3。プロセッサ 4.4、メモリ 5.5、グラフィックス 3.3、ゲーム用グラフィックス 3.6、プライマリハードディスク 6.6
PCMark 8 バージョン2の結果。スコアは822
BBenchの結果。省電力モード、バックライト最小、キーストローク出力/オン、Web巡回/オン、Wi-Fi/オン、Bluetooth/オンでの結果だ。バッテリの残5%で20,161秒/5.6時間
CrystalMarkの結果。ALU 6551、FPU 7389、MEM 10739、HDD 16649、GDI 3469、D2D 1581、OGL 1643

 以上のように、iiyama PC「10P1000-C-VG」は、パワーはないものの、Windows RTとは違い従来のデスクトップアプリが動くのが特徴となる。またスタンドにもなるBluetoothキーボードとOffice Home and Business 2013まで含め49,980円(税別)という価格も魅力的だ。

 8型のWindowsタブレットは画面が小さく、タブレットでノートPCとしても運用したいユーザーにお勧めしたい1台と言えよう。

(西川 和久 http://www.iwh12.jp/blog/