西川和久の不定期コラム

日本エイサー「Aspire S7 Ultrabook」

〜10点タッチ対応2,560×1,440ドット13.3型IGZOを搭載したUltrabook

 日本エイサーは12月11日、Haswellを搭載した13.3型Ultrabookを発表、13日から出荷を開始する。最大の特徴は、10点タッチ対応2,560×1,440ドット13.3型IGZOディスプレイを採用していること。編集部から実機が送られて来たので、試用レポートをお届けする。筆者自身IGZOディスプレイを長時間試すのは初めてなので、楽しみながらのレビューとなった。

高精細な2,560×1,440ドット13.3型IGZOディスプレイ

 プロセッサはHaswell世代のCore i7-4500U。2コア4スレッドでクロックは1.8GHz。Turbo Boost時に3.0GHzまで上昇する。キャッシュは4MB、TDPは15W。メモリはオンボードで8GBを搭載している。このため増設はできないものの、8GBあれば大抵の処理はできるので問題ないだろう。ストレージはSSDで、アクセス速度の向上が見込まれるRAID 0構成だ。OSは64bit版のWindows 8.1を搭載している。

 グラフィックスはプロセッサ内蔵のIntel HD Graphics 4400。本体側にHDMI出力を装備。またアダプタ経由でミニD-Sub15ピンにも対応する。

Acer「Aspire S7 Ultrabook」の仕様
プロセッサ Core i7-4500U(2コア/4スレッド、クロック 1.8GHz/Turbo Boost 3GHz、キャッシュ4MB、TDP 15W)
メモリ 8GB(オンボード/増設不可)
ストレージ SSD 256GB(RAID 0)
OS Windows 8.1 (64bit)
ディスプレイ 13.3型IGZOディスプレイ(光沢)、10点タッチ対応、2,560×1,440ドット(221ppi)
グラフィックス プロセッサ内蔵Intel HD Graphics 4400、ミニD-Sub15ピン(付属アダプタ)、HDMI出力
ネットワーク 100BASE-TX(付属アダプタ)、IEEE 802.11a/b/g/n、Bluetooth 4.0+HS
その他 USB 3.0×2(内1つはPowered)、Acer Crystal Eye HD Webカメラ、SDカードリーダ、音声入出力、内蔵ステレオマイク/スピーカー、エイサー・コンバーターポート、有機ELキーボードバックライト
サイズ/重量 323×223×12.9mm(幅×奥行き×高さ)/約1.3kg
バッテリ駆動時間 約10時間(4セル)
実売価格 20万円前後

 本機最大の特徴であるディスプレイは、10点タッチ対応13.3型2,560×1440ドットのIGZOディスプレイを採用していることだろう。IGZO液晶パネルは、低消費電力でタッチとの相性も良く、そして高精細なパネルを作りやすいという特性を持っている。冒頭に書いたように長時間試すのは今回が初めて。良い意味で気になる部分だ。

 ネットワークは、有線LANが100BASE-TX、無線LANがIEEE 802.11a/b/g/n。Bluetooth 4.0+HSにも対応している。残念なのは有線LANがGigabit Ethernet非対応な上に別途アダプタが必要なこと。

 そのほかのインターフェイスは、USB 3.0×2、Acer Crystal Eye HD Webカメラ、SDカードリーダ、音声入出力、内蔵ステレオマイク/スピーカー、エイサー・コンバーターポート。USB 3.0は内1つがPoweredとなる。またキーボードは有機ELキーボードバックライトを搭載している。

 エイサー・コンバーターポートは、付属のエイサー・コンバーターケーブルを使って、ミニD-Sub15ピン/Ethernet/USBポートを追加する形となる。薄さを優先させたためこれらは外付けとなる。

 マイクがステレオなのは、一定の範囲内であれば、どの距離から話しても平均的に音声を拾える「Acer Purified.Voice」を搭載しているためで、ビデオチャットなどに有効だ。

 サイズは323×223×12.9mm(幅×奥行き×高さ)、重量約1.3kg。Ultrabookの基準をクリアしている。バッテリは4セルを内蔵し、最大バッテリ駆動時間は約10時間。

前面。画面中央上にWebカメラ。同社としては珍しくホワイトがベースになっている
斜め後ろ。ゴリラガラス2をトップカバーに使っているため非常に質感が良く、また傷も付かない
下部。左右にスピーカー。大きなパネル1枚がネジ止めされている。ただ外しても交換するものが無いため外していない
左側面。電源入力、電源スイッチ、USB 3.0×1、SDカードリーダ。パネルは机に対して180度まで倒すことができる
キーボードはアイソレーションタイプで10キー無し。有機ELのキーボードバックライトを搭載している。ファンクションキーが無く、[Space]キー左右の日本語固有キーのピッチや、左側の[CapsLock][全角/半角]キーの並びが気になるところ
右側面。エイサー・コンバーターポート、HDMI、USB 3.0×1(Powered)、音声入出力
キーピッチは実測で約19mm
ACアダプタなど付属品。ACアダプタは90×65×20mm/206g。エイサー・コンバーターケーブルにミニD-Sub15ピン/Ethernet/USBポートのポートがある。ケースも付属
キーボードバックライト。ほんのり光る感じでまぶしくない。段階式ではなく徐々に明るくなるタイプだ

 アルミボディ、そしてトップカバーにゴリラガラス2を使った筐体はエレガントな雰囲気を持っている。トップカバーとパネルのフチ、下と周囲はホワイト、キーボードなどはシルバーで明るい色使いだ。重量は約1.3kg(実測で1,332g)なので、片手で持ち上げるとそれなりに重い。

 左側には電源入力、電源スイッチ、USB 3.0×1、SDカードリーダ。右側にはエイサー・コンバーターポート、HDMI、USB 3.0×1(Powered)、音声入出力。バッテリを内蔵しているため、裏や背面はスッキリしている。裏にはステレオスピーカーを搭載。ACアダプタは90×65×20mm(同)/206g。大きくも小さくもないと言ったところか。

 HDMIに関しては標準サイズなので扱いやすいものの、ミニD-Sub15ピン/Ethernet/USBポートに関してはエイサー・コンバーターケーブルが必要になる。Ultrabookに準拠するため、この厚さになるのが理由とは言え、本機に限らず利便性が損なわれるので無理して薄くするのは個人的には好みではない。

 キーボードはアイソレーションタイプで、有機ELバックライトを搭載し、暗い場所でも入力しやすく、光自体も綺麗だ。たわみもなくクオリティは高い。気になるのはファンクションキーが無く、[Space]キー左右の日本語固有キーのピッチや、左側の[CapsLock][全角/半角]キーの並びがあること。13.3型とスペース的に余裕があるため、もう少し普通のレイアウトにして欲しかったところか。

 タッチパッドは、物理的なボタンが無く、1枚プレートタイプが使われている。面積は広くすべりも良い。

 振動や発熱、ノイズに関しては試用した範囲では気にならないレベルに抑えられている。サウンドは十分な出力があり、低音は今一歩だが中高域の抜けが良い。総じてレベルが高い音質だ。ただし最大音量にするとソースによっては歪み出す。

 さてお楽しみのIGZOディスプレイは、彩度やコントラストが高く、とにかく綺麗な発色だ。どちらかと言えば有機ELに近い感じかもしれない。ただ、角度が付くと徐々にコントラストが浅くなってしまうのが気になった。

 またデュアル・トルク・ヒンジと呼ばれる、パネルを両サイドからキープするヒンジによって、タッチしても角度がフラフラせず、しっかりと固定されているのはポイントが高い。

 13.3型で2,560×1,440ドットは、Windowsストアアプリやデスクトップのウィンドウ表示だけ見ていると、221ppiに対して適度にスケーリングしているので全てがスムーズ。しかしコマンドプロンプトを起動すると超高解像度なのに気が付く(画面キャプチャ参照)。プロセッサのパワーもあり、発色が綺麗なので、フォトレタッチや動画編集(フルHDがウィンドウ表示できる)にも使えそうだ。

Core i7とSSD RAID 0でハイパフォーマンス

 OSは64bit版のWindows 8.1。Core i7、メモリ8GB、SSDをRAID 0構成にしたストレージなど、複数の要素で全体のパフォーマンスは非常に高い。スタート画面は2画面。アプリ画面は2画面+「マカフィー リブセーフ インターネットセキュリティ」。デスクトップは、高精細で高彩度がわかるような壁紙になっている。

 RAID 0自体は、インテル ラピッド・ストレージ・テクノロジーが使われ、「KINGSTON SMSR150S3256G」2台を搭載。C:ドライブのみの1パーティションで約223GBが割り当てられ空きは200GBだ。

 Wi-Fi(Dual Band Wireless-N 7260)とBluetoothモジュールはIntel製。エイサー・コンバーターポートにあるEthernetはRealtekのUSBタイプが使われている。

スタート画面1。Windows 8.1標準。Acerアプリ以降がプリインストール
スタート画面2。後ろから4つはデスクトップアプリ
起動時のデスクトップ。右側のデザインが実機では非常に綺麗に表示される。左側のショートカットが1つ。タスクバーにもいくつかピン止めされている
デバイスマネージャ/主要なデバイス。Intel Raid 0 Volumeの実体は「KINGSTON SMSR150S3256G」2台。Wi-Fi(Dual Band Wireless-N 7260)とBluetoothモジュールはIntel製。エイサー・コンバーターポートにあるEthernetはRealtekのUSBタイプ
C:ドライブのみの1パーティションで約223GBが割り当てられている

 インストール済みのソフトウェアは、Windowsストアアプリは、「Acer Explorer」、「Acer Scrapboard」、「newsXpresso」(60日間体験版)、「Tuneln Radio」、「Hulu」、「Music Maker Jam」、「Accuweather」、「Skitch」、「Evernote」、「Shark Dash」、「Wordament」、「Taptiles」、「Doodle God Free Plus」。最後の4つはゲームとなる。

アプリ画面1
アプリ画面2
acer Explorer
広大なデスクトップ

 デスクトップアプリは、「Acer Touch Tools」、「Acer Screen Grasp」、「Acer Docs」、「Acer Media」、「Acer Photo」、「Acer Power Management」、「Acer Recovery Management」、「Acer Remote Files」、「Acer Theft Shield」、「Nero BackItUp」、「Norton Online Backup」(30日間体験版)、「マカフィー リブセーフ インターネットセキュリティ」(30日間体験版)。

 Acer Screen Graspはフォトレタッチ、Acer Docs、Acer Media、Acer Photo、Acer Remote Filesはクラウド系だ。この辺りは以前評価した機種とほとんど内容は変わっていない。

インテル ラピッド・ストレージ・テクノロジー
Synaptics ClickPad V8.1
Acer Touch Tools

 ベンチマークテストはWindows 8.1からWindows エクスペリエンス インデックスが無くなったため同等の結果が得られる、「winsat formal」コマンドを実行後、C:\Windows\Performance\WinSAT\DataStoreの下に収納されているxxxx-xx-xx xx.xx.xx.xxx Formal.Assessment (Recent).WinSATの情報を掲載する。

 PCMark 7は既にWindows 8.1にも対応したPCMark 8があるものの、スコアの互換性が無いため、当面は7のまま様子をみたい。バッテリ駆動時間テストは従来通りとBBench。またCrystalMarkの結果も掲載した(今回は2コア4スレッドと条件的には問題ない)。

 winsat formalの結果は、総合 5.5。プロセッサ 7.4、メモリ 7.6、グラフィックス 5.9、ゲーム用グラフィックス 5.5、プライマリハードディスク 8.25。PCMark 7は5290 PCMarks。CrystalMarkは、ALU 43419、FPU 43063、MEM 47189、HDD 49871、GDI 17224、D2D 8138、OGL 12948。

 画面の解像度が高いのでグラフィックス系はもう少し落ち込むかと思ったが、あまり影響は無いようだ。プロセッサとメモリ、ストレージのパフォーマンスが全体を牽引し、動作自体も快適だ。

 SSD RAID 0と言うこともあり、CrystalDiskMarkも測定した。Seq Read 905.2 / Write 376.8、512K Read 531.8 / Write 374.7、4K Read 22.73 / 52.08、4K QD32 Read 283.7 / Write 373.0と、かなり速いことが分かる。

 BBenchは、省電力、キーボードも含めバックライト最小、キーストローク出力/オン、Web巡回/オン、Wi-Fi/オン、Bluetooth/オンでの結果だ。バッテリの残5%で35,678秒/9.9時間。スペック上の10時間とほぼ同じとなった。ただしバックライト最小にすると暗いので、実際はもう少し短くなると思われる。

「winsat formal」コマンド結果。総合 4.7。プロセッサ 5.9、メモリ 5.9、グラフィックス 4.9、ゲーム用グラフィックス 4.7、プライマリハードディスク 5.9
PCMark 7。5290 PCMarks
BBench。省電力、キーボードも含めバックライト最小、キーストローク出力/オン、Web巡回/オン、Wi-Fi/オン、Bluetooth/オンでの結果だ。バッテリの残5%で35,678秒/9.9時間
CrystalMark。ALU 43419、FPU 43063、MEM 47189、HDD 49871、GDI 17224、D2D 8138、OGL 12948
CrystalDiskMark。Seq Read 905.2 / Write 376.8、512K Read 531.8 / Write 374.7、4K Read 22.73 / 52.08、4K QD32 Read 283.7 / Write 373.0

 以上のようにAcer「Aspire S7 Ultrabook」は、非常にハイクオリティの10点タッチ対応2,560×1,440ドット13.3型IGZOディスプレイを搭載したUltrabookだ。RAID 0構成のストレージは速く、バッテリ駆動時間も10時間とこのクラスとしては長い。ほんのり光る有機ELのキーボードバックライトも美しい。

 一部のポートがアダプタ経由、少し変わったキー配列、有線LANがGigabit非対応なのは残念ではあるものの、MacBook Pro Retinaディスプレイモデルにも負けない、ハイエンドUltrabookを探しているユーザーにお勧めの1台と言えよう。

(西川 和久 http://www.iwh12.jp/blog/