西川和久の不定期コラム

ASUS「VivoPC」

〜フットプリントが190mm角の小型PC!

VivoPC

 ASUSの小型PC、「VivoPC」が11月中旬から順次発売となった。搭載するプロセッサなどによってモデルは何種類かあり、今回は下位モデルの「VIVOPC-VM40B-S007K」が編集部から送られて来たので、試用レポートをお届けする。

フットプリントが190mm角でMac miniライクな筐体

 「VivoPC」はシステムの構成によって5モデルが用意されており、「VIVOPC-VC60-B005K」がCore i3-3110M/8GBメモリ/500GB HDD、「VIVOPC-VC60-B007K」がCore i5-3210M/16GBメモリ/1TB HDD/VivoMouse付き、「VIVOPC-VC60-B006K」がCore i5-3210M/8GBメモリ/750GB HDD、「VIVOPC-VM40B-S007K」がCeleron 1007U/4GBメモリ/500GB HDD/VivoMouse付き、「VIVOPC-VM40B-S006K」がCeleron 1007U/4GBメモリ/500GB HDDとなっている。

 それぞれプロセッサ、メモリやHDD容量、VivoMouseの有無など、細かい違いがあり、価格は49,800〜99,800円と5万円の開きとなる。また秋葉原などでは、CeleronモデルのPCキット(メモリ/HDD無し)も販売されている。

 今回届いたのはCeleron版でVivoMouse付きの「VIVOPC-VM40B-S007K」だ。主な仕様は以下の通り。

ASUS「VivoPC」(VIVOPC-VM40B-S007K)の仕様
プロセッサ Celeron 1007U(2コア/2スレッド、1.5GHz、キャッシュ2MB、TDP 17W)
メモリ 4GB/DDR3-1600 (PC3-12800)/最大16GB/SO-DIMMスロット×2 (空き×1)
チップセット Intel HM70 Express
ストレージ 500GB
OS Windows 8(64bit)
グラフィックス Intel HD Graphics、HDMI×1、ミニD-Sub15ピン×1
ネットワーク Gigabit Ethernet、IEEE 802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth 4.0
インターフェイス USB 3.0×2、USB 2.0×4、メモリカードリーダ、ライン入力×1、ヘッドフォン出力×1、マイク入力×1、SPDIF出力×1、ステレオフルレンジスピーカー内蔵(2W×2)
サイズ/重量 190×190×56.2mm(幅×奥行き×高さ)/約1.2kg
その他 VivoMouse、キーボード(どちらもワイヤレス)
価格 59,800円

 プロセッサはCeleron 1007U。2コアでクロックは1.5GHz、キャッシュは2MB。TDPは17Wで主にノートPCなどで使われるタイプとなる。チップセットはIntel HM70 Express。SO-DIMMのメモリスロットは2つあり4GB搭載済み。1スロット空きで最大8GB×2の計16GBにまで対応する。ストレージはHDD 500GBを搭載。OSは64bit版のWindows 8なので8.1へはユーザーがアップデートする必要がある。

 グラフィックスは、プロセッサ内蔵Intel HD Graphics。外部出力用として、HDMI、ミニD-Sub15ピンを装備している。

 ネットワークは、有線LANはGigabit Ethernet、無線LANはIEEE 802.11a/b/g/n/ac。この価格で11acに対応しているのはポイントが高い。Bluetooth 4.0も搭載。

 その他のインターフェイスは、USB 3.0×2、USB 2.0×4、メモリカードリーダ、ライン入力×1、ヘッドフォン出力×1、マイク入力×1、SPDIF出力×1、ステレオフルレンジスピーカー内蔵(2W×2)。一通り揃っている上に、SPDIF出力やステレオフルレンジスピーカーを内蔵しているので、サイズを考慮するとサウンド系も充実している。

 サイズは190×190×56.2mm(幅×奥行き×高さ)、重量約1.2kg。ワイヤレス式のVivoMouseとキーボードも付属する。価格は59,800円。なおVivoMouse無しが49,800円となる。

フロント。中央に空調用のスリットがあり、電源ONにすると白く光る。写真からは分かりにくいが、右下にHDDアクセスLEDがある
リア。電源入力、電源ボタン、カードリーダ、トップカバーロックボタン、USB 2.0×4、ミニD-Sub15ピン、HDMI、SPDIF、Ethernet、USB 3.0×2、オーディオ入出力
トップカバーを開けたところ。3.5インチのHDDがそのまま入っている。コネクタとマウント用の突起4本だけで固定しているので、後ろへ引っ張れば簡単に外れる
HDDの下に小さいパネルがあり、それを開けるとメモリにアクセスできる
付属のVivoMouseとキーボード。マウスと言うより、丸型の1枚プレート版タッチパッドのようなVivoMouse。キーボードは結構ゴージャスだ。どちらも無線式
ACアダプタ。出力19V/3.42A。約75×75×30mmコネクタはミッキータイプだ。本体に合わせて(?)こちらも角形のフットプリント

 筐体は1世代前のMac mini(今のMac miniは更に薄い)のようで、19cm角とコンパクトだ。また3.5インチのHDDを搭載した状態で1.2kgと非常に軽い。ACアダプタは約75×75×30mm。筐体に合わせたのか75mm角になっている。

 両側面には何もなく、フロントも空調と電源インジケータを兼ねて光るスリットのみ。全てのインターフェイスはリアにあり、電源入力、電源ボタン、カードリーダ、トップカバーロックボタン、USB 2.0×4、ミニD-Sub15ピン、HDMI、SPDIF、Ethernet、USB 3.0×2、オーディオ入出力と、集まっている。トップカバーロックボタンは上げるとロック、下げるとアンロックとなり、トップカバーを後ろへ押せば簡単に外れる仕掛けだ。

 トップカバーを外すとまず3.5インチのHDDが見える。コネクタとマウント用の突起4本で固定しているだけなので、後ろへスライドさせれば外れ、その下にメモリスロットへアクセスできる小さいパネルがある。これならメンテナンスは容易だ。気楽にHDDを交換したり、メモリを増設することができる。

 付属するVivoMouseは、Mouseと言うより、丸形の1枚プレート式タッチパッドが外付けになった感じだ。大きめで操作はしやすいが、慣れが必要かも知れない。バッテリは単3形2本を使用する。

 キーボードはテンキー付きのアイソレーションタイプ。作りも良く、付属のキーボードの割には質感もいい。ただ、幅は本体の約2.5倍あり、パッケージの形状もこれに合わせて作られているため、本体が小型の割には大げさな気がしないでもない。バッテリは単4形2本。

 どちらもBluetooth接続でなく、無線接続で専用の小さいUSBアダプタが付属する。本体はBluetoothに対応しているので、一見スマートではないものの、ペアリングは必要なく、BIOSの操作もできるため、こちらの方が使い勝手が良い。

 発熱に関しては試用した範囲では気にならないレベルだ。振動は机の上までは伝わらないものの、トップカバーの上に手を置くと、HDDが直下にあるだけにかなりのレベル。ノイズは筐体に耳を近づけると「ゴー」という低い音がする。少し離れれば聴こえないので、気にすることはないだろう。

 内蔵しているステレオスピーカーのサウンドは、正直期待していなかったが、最大出力も十分あり、安価なノートPCに内蔵しているものより音がいい。前面下のスリットの裏へ2つのスピーカーを並べている関係で、左右の距離が短く、あまりステレオ感は出ないのは残念なところか。

高パフォーマンスは期待出来ないがバランスはそれなり

 OSは64bit版のWindows 8。メモリ4GB、ストレージは500GBのHDDということもあり、快適にとまではいかない構成だが、実際操作してみると思っていたほどは遅くない。

 スタート画面は、Windows 8標準にASUSアプリ以降の3つを追加しただけとシンプル。デスクトップは、壁紙の変更、左側に同社のツール系など、いくつかのショートカットが並んでいる。

 ストレージは、500GB/7,200rpm/キャッシュ16MBのWD「WD5000AAKX」が使われ、C:ドライブとD:ドライブの2パーティション。それぞれ150GBと302GBが割り当てられている。初期起動時、C:ドライブの空きは123GB。

 Gigabit Ethernetと無線LAN、Bluetoothモジュールは全てRealtek製だ。無線LANに関しては11ac対応の「Realtek 8821AE Wireless LAN 802.11ac PCI-E NIC」となっている。

スタート画面。ASUSアプリ以降がプリインストール
起動時のデスクトップ。左側にいくつかのショートカット。WinZipのアイコンが懐かしい
デバイスマネージャー/主要なデバイス。ストレージは、500GB/7,200rpm/キャッシュ16MBの「WD5000AAKX」。Gigabit Ethernetと無線LAN、Bluetoothモジュールは全てRealtek製
ストレージのパーティション。C:ドライブとD:ドライブの2パーティションで、それぞれ150GBと302GBが割り当てられている

 プリインストール済のソフトウェアは、Windowsストアアプリは、「ASUS WebStorage」、「Fresh Paint」、「Skype」とごくわずか。ほとんどWindows 8標準に近い内容となっている。

 Windowsストアアプリに関しては、用途や好みもあるので、特に専用アプリが無い限り、この程度に抑えている方が好感が持てる。

アプリ画面(1/2)
アプリ画面(2/2)
ASUS WebStorage
Fresh Paint

 デスクトップアプリは、「WinZip」、「AI Security」、「AI Suite 3」、「ASUS Secure Delete」、「AudioWizard」、「WebStorage」、「Intel系ツール」、「Norton Internet Security」。同社のツール系がメインだ。

 WinZipは久々に見たが、エクスプローラー自体がZIPPEREDの圧縮/展開機能を持っている(ただし処理速度は遅い)。なぜプリインストールしているのか不思議なところではある。

ASUS Secure Delete
AudioWizard
ASUS Wi-Fi GO!

 ベンチマークテストはWindows エクスペリエンス インデックス、PCMark 7の結果を見たい。参考までにCrystalMarkの結果も掲載した(2コア2スレッドで条件的には問題ない)。

 Windows エクスペリエンス インデックスは、総合 4.4。プロセッサ 5.5、メモリ 5.9、グラフィックス 4.4、ゲーム用グラフィックス 6.0、プライマリハードディスク 5.9。PCMark 7は2115 PCMarks。CrystalMarkは、ALU 17422、FPU 15181、MEM 21958、HDD 15107、GDI 8725、D2D 1132、OGL 3477。

 Core iプロセッサと比較すると数段劣るものの、バランス自体は悪くなく、ライトな用途であれば特に問題にならないだろう。またメモリを追加してデュアルチャンネル動作にすれば、メモリ/グラフィックス関連は、もう少し速くなる可能性がある。

Windows エクスペリエンス インデックス(Windows 8から最大9.9へ変更)。総合 4.4。プロセッサ 5.5、メモリ 5.9、グラフィックス 4.4、ゲーム用グラフィックス 6.0、プライマリハードディスク 5.9
PCMark 7。2115 PCMarks
CrystalMark。ALU 17422、FPU 15181、MEM 21958、HDD 15107、GDI 8725、D2D 1132、OGL 3477

 以上のようにASUS「VivoPC」VIVOPC-VM40B-S007Kは、非常に小型で扱いやすく、メンテナンスも容易。PCキット感覚で使えるデスクトップPCだ。プロセッサがCeleronなので若干パワー不足気味だが、ライトな用途であれば十分対応可能だろう。もちろんよりパワフルな上位モデルをチョイスする手もある。

 特に気になる部分も無く価格も安いので、手頃なセカンドPCを探しているユーザーにお勧めできる1台だ。

(西川 和久 http://www.iwh12.jp/blog/