西川和久の不定期コラム

ユニットコム「Lesance TB 11TB1000-C-VGM」

〜本体にスタンドを内蔵し、着脱式のキーボードカバーに対応したWindows 8タブレット

ユニットコム「Lesance TB」シリーズ

 7月25日にユニットコムは、11.6型10点タッチ対応の液晶パネル、本体背面にスタンドを搭載し、着脱式のキーボードカバーによってノートPC風にも使えるWindows 8タブレットを発表した。編集部から実機が送られて来たので試用レポートをお届けしたい。

キーボードカバーが付属し、ノートPC風にも使えるタブレット

 今回、「Lesance TB」シリーズとして、Celeron/メモリ2GBとCore i3/メモリ4GBの2モデルが発表された。前者が「Lesance TB 11TB1000-C-VGM」、後者が「Lesance TB 11TB3000-i3-VGM」となる。

 手元に届いたのは、プロセッサに、第3世代のCeleron 1037U(1.8GHz、ビデオ機能内蔵)を搭載した下位モデルだ。主な仕様は以下の通り。

ユニットコム「Lesance TB 11TB1000-C-VGM」の仕様
CPU Celeron 1037U(2コア、1.8GHz、キャッシュ2MB、TDP 17W)
チップセット Intel NM70 Express
メモリ 2GB(DDR3 SO-DIMM×1、最大8GB)
ストレージ SSD 64GB
OS Windows 8(64bit)
ディスプレイ 11.6型液晶ディスプレイ(光沢)、1,366×768ドット、10点タッチ対応
グラフィックス プロセッサ内蔵Intel HD Graphics、Micro HDMI出力
ネットワーク IEEE 802.11b/g/n、Bluetooth 4.0
その他 USB 2.0×2、microSDカードスロット、音声入出力、前面100万画素/背面200万画素カメラ、ステレオスピーカー、キーボードカバー付属
センサー 加速度センサー、ジャイロスコープ
サイズ/重量 295×196×13.5mm(幅×奥行き×高さ)/0.96kg(本体のみ)
バッテリ/駆動時間 6,000mAh(4セル)/約6.4時間
価格 49,980円

 CPUのCeleron 1037Uは、2コアでHyper-ThreadingとTurbo Boostには非対応。クロックは1.8GHz、キャッシュ2MBでTDPは17W。チップセットはIntel NM70 Express。メモリはDDR3 SO-DIMM×1の2GB。最大8GBまでとなっている。ストレージは64GBのSSDを搭載し、OSは64bit版のWindows 8。

 ディスプレイは、光沢のある11.6型HD解像度(1,366×768ドット)の10点タッチ対応液晶パネルを採用し、外部出力用としてMicro HDMIを装備する。グラフィックスはプロセッサ内蔵Intel HD Graphicsとなる。

 ネットワークは有線LANはなく、無線LANとしてIEEE 802.11b/g/n、そしてBluetooth 4.0にも対応する。

 そのほかのインターフェイスは、USB 2.0×2、microSDカードスロット、音声入出力、前面100万画素/背面200万画素カメラ、ステレオスピーカー。USB 3.0非対応なのは惜しいところか。センサーは、加速度センサー、ジャイロスコープを搭載。

 サイズは295×196×13.5mm(幅×奥行き×高さ)、重量は0.96kg(本体のみ)。バッテリは6,000mAh(4セル)を内蔵し、約6.4時間の駆動が可能となる。

 本機の特徴は、リアにスタンドを収納し、それを使って立てることが可能。加えてキーボードカバーが付属し、ノートPC風にも使えることだ。接続はBluetoothではなく、磁石を使って着脱可能なキーボードカバー専用のコネクタを備えている。ちょうどSurface RT/Proのキックスタンドとタイプカバーの構成に近い。合体時の重量は1.28kg。価格は49,980円。

 なお冒頭で記述した上位モデル「Lesance TB 11TB3000-i3-VGM」は、主要部分はそのまま、プロセッサをCore i3-3227U(1.9GHz、Intel HM76 Express、Intel HD Graphics 4000)、メモリ4GB、USB 3.0対応に変更。価格は69,980円と、2万円アップする。

前面(キーボード装着時)。上中央に100万画素カメラ
背面。収納可能なスタンドがある。左少し上にmicroSDカードスロット。右少し上に200万画素カメラ。左右のスリットはスピーカー
左側面。本体の左側面には何もない。キーボードカバーは結構薄いことが分かる。スタンドの角度は固定で調整できない
右側面。電源入力、Micro HDMI出力、回転ロックボタン、音量ボタン
上部。音声入出力、USB 2.0×2、電源ボタン。USBポートはキャップで隠されている
下部。中央にキーボードカバー用のコネクタがある
キーボードなしでの重量は実測で971g
キーボード込みでの重量は実測で1,278g。キーボードカバーの裏はフェルトのような質感だ
付属のキーボード。アイソレーションタイプ。11.6型の筐体なので少し余裕があるキー配列になっている
キーピッチは実測で約18mm
キーボード単体の重量は実測で314g
ACアダプタは95×44×30mm(同)/199g。コネクタはミッキータイプ

 パッケージから取り出し、設置した時の第一印象は「MicrsofotのSurfaceに似てる!」だった。Lesance TBは11.6型なので、10.6型のSurfaceより一回り大きくなるものの、本体リアに内蔵しているスタンドや、磁石で着脱できるキーボードカバーなど、ギミック的にはそっくりだ。

 ただSurfaceのスタンドはキックスタンドと呼ばれ、リア側の約下半分がパネル状のスタンドになっているのに対し、Lesance TBは、幅の狭い一歩足のスタンドになっているところが大きな違いとなる。構造上、液晶パネルの角度はSurfaceと同じく位置固定となり、調整することはできない。

 前面には中央上に100万画素のカメラ、そして中央下にWindowsボタン。背面には200万画素のカメラとmicroSDカードスロット、左右にスピーカーを配置している。

 左側面には何もなく、右側面に電源入力、Micro HDMI出力、回転ロックボタン、音量ボタン。上部側面に音声入出力、USB 2.0×2、電源ボタン。下側面にキーボードカバー用のコネクタがある。2つあるUSB 2.0は、通常キャップで覆われ見えないようになっている。

 気になるのは、USB 2.0、電源入力、Micro HDMI出力など、多くのコネクタ類が上にあることだ。スタンドを使い立てた場合、ケーブルを接続すると目立ってしまう上に不安定になる。できればこの手のコネクタは下にある方が望ましい。

 ACアダプタはサイズ95×44×30mm(同)、重量199g。コネクタはミッキータイプだ。非常にコンパクトとまではいかないが、邪魔になるサイズでもない。

 光沢のある11.6型10点タッチ対応液晶パネルは、IPS式ではないものの視野角はそれなりに広く、通常用途であれば特に問題にならないだろう。色温度は少し高め(青く見える)だが、輝度やコントラストも高く、発色は自然だ。10点タッチもスムーズに機能する。

 付属するキーボードカバーは、裏はグレーでフェルトのような素材が使われている。キーボードはアイソレーションタイプで、キーピッチは約18mm。SurfaceのType Coverのように、無理に薄くしていないこともあり、キーストロークがあり、カッチリした感触で、こちらの方がしっかりしたキーボードに仕上がっている。サイズ的にパームレスト、タッチパッド共に余裕がある。ボタンは物理的に2つ分かれているタイプだ。

 ノイズや振動は特に感じられず、長時間使用すると背面側(特に上部)が若干熱を持つ。気になったのは、せっかくステレオのスピーカーを搭載しているにも関わらず出力がかなり小さかったこと。今年使用した機器の中でも最小で、最大音量にしてやっと聞こえる程度だった。この点について同社に確認にしたところ、これは借用した個体の問題で製品版では問題ないとのことだ。

Clover Tailより速く、ストレージも高速で快適作動

 OSは64bit版のWindows 8。下位モデルはメモリ2GBなので32bit版でも十分だが、上位モデルは4GBと言うこともあり統一しているのだろう。起動時のスタート画面はWindows 8標準のまま。デスクトップは「Kingsoft Office」などのショートカットが並んでいる。

 SSDは64GBのPhison「SSE064GPTC0-S81」(mSATA 6.0Gbps、MLC)を搭載。C:ドライブのみの1パーティションで、約49GBが割り当てられ空きは30.5GB。容量的にかなり少ないものの、データをmicroSDカードへ逃がすなど工夫すれば何とかなりそうだ。Wi-FiとBluetoothはIntel Centrino Wireless-Nが使われていた。

スタート画面1。Windows 8標準
スタート画面2。Windows 8標準。最後のCPU-Zはテスト用で製品には含まれないと思われる
起動時のデスクトップ。壁紙は標準設定のまま、Kingsoft Officeなどのショートカットが並ぶ
デバイスマネージャ/主要なデバイス。SSDは「Phison SSE064GPTC0-S81」。Wi-FiとBluetoothは「Intel Centrino Wireless-N 135」
SSDのパーティション。C:ドライブのみの1パーティション。約49GBが割り当てられている

 プリインストール済みのソフトウェアは、Windowsストアアプリは特になし。デスクトップアプリとして、「Kingsoft Office 2012」、「Norton Internet Security」、Intel系のツールなどと非常に少なく、素のWindows 8に近い構成だ。ただ先に書いたように、空きエリアがあまりなく、それを考慮した内容となっている。

アプリ画面1
アプリ画面2
Kingsoft Office 2012
Norton Internet Security
Intel ME FW リカバリー・エージェント

 ベンチマークテストはWindows エクスペリエンス インデックス、PCMark 7とBBenchの結果を見たい。参考までにCrystalMarkの結果も掲載した(今回の条件的には特に問題はない)。

 Windows エクスペリエンス インデックスは、総合 4.4。プロセッサ 5.9、メモリ 5.5、グラフィックス 4.4、ゲーム用グラフィックス 5.9、プライマリハードディスク 8.0。

 参考までにClover Trail「Atom Z2760」(DELL「Latitude 10」)は、プロセッサ 3.4、メモリ 4.7、グラフィックス 3.7、ゲーム用グラフィックス 3.3。Celeronとはいえ、全ての面で上回っているのが分かる。

 PCMark 7は3566 PCMarks。CrystalMarkは、ALU 21020、FPU 18376、MEM 22970、HDD 42735、GDI 9407、D2D 1287、OGL 3963。中でもHDDは4万を超える高スコアだ。この関係で全体の動きも非常にスムーズで心地よい。

 BBenchは、省電力、バックライト最小、キーストローク出力/オン、Web巡回/オン、Wi-Fi/オン、Bluetooth/オンでの結果だ。バッテリの残5%で31,886秒/約8.9時間。9時間近く作動した。実際は液晶パネルの輝度最小だと若干暗いので、少し明るくすると作動時間は短くなると思われるが、それでもタブレットとして十分実用的なバッテリ駆動時間と言えよう。

Windows エクスペリエンス インデックス(Windows 8から最大9.9へ変更)。総合 4.4。プロセッサ 5.9、メモリ 5.5、グラフィックス 4.4、ゲーム用グラフィックス 5.9、プライマリハードディスク 8.0
PCMark 7。3566 PCMarks
BBench。省電力、バックライト最小、キーストローク出力/オン、Web巡回/オン、Wi-Fi/オン、Bluetooth/オンでの結果だ。バッテリの残5%で31,886秒/約8.9時間
CrystalMark。ALU 21020、FPU 18376、MEM 22970、HDD 42735、GDI 9407、D2D 1287、OGL 3963

 以上のようにユニットコム「Lesance TB 11TB1000-C-VGM」は、プロセッサにCeleron 1037U、そしてメモリ2GBを搭載したタブレットだ。ストレージは64GBと少な目だが、microSDカードへデータを逃がせば、運用上は何とかなりそうだ。バッテリ駆動時間はBBenchで8時間越えと優秀。スタンドとキーボードカバーを組み合わせたノートPC風の操作性もなかなか良い。

 全般的にパフォーマンスも良く、価格も安いため、Clover Tailではパワー不足を感じていたユーザーにお勧めしたいタブレットと言えよう。

(西川 和久 http://www.iwh12.jp/blog/