西川和久の不定期コラム

東芝「REGZA Tablet AT501」

〜REGZA Tabletエントリーモデル

 東芝は2月13日、Androidを搭載した同社のタブレット「REGZA Tablet」に新モデル「AT501」を追加。15日より販売を開始した。編集部から実機が送られて来たので試用レポートをお届けする。なお筆者はほかのレグザ系の機器を所有していないため、純粋なタブレットとしての試用となる。予めご了承いただきたい。

REGZA Tabletのエントリーモデル

 現在同社のサイトを見ると、地デジチューナを搭載した13.3型「AT830」、世界最薄/最軽量を謳う10.1型「AT700」のほか、AT500系としてHDMI出力を搭載した10.1型「AT500」、7.7型有機ELディスプレイを搭載した「AT570」がある。今回ご紹介する「AT501」は、AT500系の新型として掲載されている。

 ほかのモデルは出荷時にAndroid 4.0を搭載しているが、AT501は初めから4.1対応だ。4.0系と4.1系の一番の違いは、画面描画のフレームレートが倍に上がり、よりスムーズに見えるようになっている。現在の最新版は4.2系だが、主にマルチユーザー対応とロック画面のカスタマイズなので、性能的な違いはあまりない。また、AT700以外は全てCPUにTegra 3を採用(AT700はOMAP 4430)。主な仕様は以下の通り。

東芝「REGZA Tablet AT501」の仕様
CPU Tegra 3(1.3GHz、クアッドコア)
メモリ 1GB
ストレージ 32GB
OS Android 4.1.1
ディスプレイ 10.1型IPSディスプレイ(光沢タイプ)、1,280×800ドット
ネットワーク IEEE 802.11b/g/n、Bluetooth 3.0
その他 マイク、スピーカー、microSDカードスロット、GPS、電子コンパス、加速度センサー、ジャイロセンサー、照度センサー、Micro USB、ヘッドセット/ヘッドフォン端子、120万画素前面カメラ、300万画素背面カメラ
バッテリ駆動時間 約10.1時間
サイズ/重量 261×180×10.5mm (幅×奥行き×高さ) /約625g
店頭予想価格 45,000円前後

 CPUはTegra 3。クアッドコアでクロック1.3GHz。アイドル時やあまり負荷がかからない処理用として“コンパニオンプロセッサ”を搭載し、バッテリ駆動時間の向上に役立てられる。以前ご紹介したGoogle「Nexus 7」や国内未上陸のMicrosoft「Surface」(Windows RT)も同様だ。次世代のTegra 4も先日発表済みだが、実機となるとまだ少し先になるだろう。

 メモリは1GB、ストレージは32GB。microSDカードスロットもあり、こちらへデータを保存すればかなり余裕ができる。

 液晶パネルは、光沢タイプのIPS式10.1型HD解像度(1,280×800ドット)を採用。静電容量式タッチパネルとなる。ただしHDMI出力はない。

 ネットワークはIEEE 802.11b/g/n、Bluetooth 3.0にも対応する。そのほかのインターフェイスは、モノラルマイク、ステレオスピーカー、GPS、電子コンパス、加速度センサー、ジャイロセンサー、照度センサー、Micro USB、ヘッドセット/ヘッドフォン端子、120万画素前面カメラ、約300万画素背面カメラ。スピーカーがステレオになっているのはポイントが高い。

 サイズは261×180×10.5mm (幅×奥行き×高さ)、重量は約625g。第4世代iPad(Wi-Fiモデル)が652gなので若干AT501の方が軽い。バッテリはMicro USBを使い約5時間(オフ時)で充電完了。駆動時間は最大約10時間だ。

 店頭予想価格は4万円半ば。OSやプロセッサが異なるので単純比較は出来ないが、非RetinaディスプレイのiPad 2は16GBモデルで34,800円、Retinaディスプレイの第4世代iPad 32GBモデルで50,800円。本機は中間(より少し上)に相当する。プリンストールのアプリケーションなどの内容を考慮すると妥当な線ではないだろうか(激安のNexus 10は戦略的な価格なので比較するのは酷だと思われる)。

表面。正面上中央に120万画素の前面カメラ。本体は実測で625g
裏面。右上に約300万画素背面カメラ
左側面。ヘッドセット/ヘッドフォン端子、音量調整、Micro USB、microSDカードスロット
右側面。コネクタ類はない
上部には電源ボタン。[電源ボタン]+[音量-]同時押しで画面キャプチャを撮れる
スピーカーからの音が抜けるよう、下部左右にスリットがある
付属品など。ACアダプタは実測で54g。USB→Micro USBケーブルが付属する
iPadとの比較。縦横比の関係で若干高さは低く、幅は広い
Nexus 7との比較。流石に7型のタブレットと比較するとかなり大きい

 梱包から取り出した第一印象は「思ったより軽い!」だった。もちろんNexus 7とは比較にならないものの、筐体の素材の関係もあるのだろうか、見た目よりは軽く感じる。

 デザイン自体は非常にオーソドックスで、光沢があり、狭過ぎず広過ぎずの黒いフチ。周囲はほぼ垂直になっており、iPadのように先端に行くほど薄くなっていないために厚みは感じるものの、分厚いというほどではない。背面は細かいメッシュの入ったシルバー。面でなく細かいドットが手のひらに当たる関係で、それほど冷たい印象はない。

 左側面はヘッドセット/ヘッドフォン端子、音量調整、Micro USB、microSDカードスロット、右側面には何もなく、上サイド左側に電源ボタン。下サイドにはステレオスピーカー用のスリットが2カ所ある。

 IPS式の液晶パネルは、最大輝度にするとかなり明るい。また発色/コントラスト共に良好だ。視野角は十分広いが、若干上下の方が狭いだろうか。

 前面/背面カメラともにクオリティはiPadほどでなく、動画をキャプチャしたような雰囲気。ただiPad以外の多くのタブレットも同程度で、今後に期待したい部分だ。

 付属のACアダプタは約50×38×27mm(同)/54gと十分コンパクト。またMicro USBからの充電なので、汎用的なACアダプタやPCでも充電可能。充電器には困らない。

 試用ということもあり、半日など長時間操作することはなかったが、発熱に関してはほぼない状態だ。もっとサイズの小さいNexus 7でもほんのり暖かくなる程度なので、サイズ差を考えると十分に熱を処理できているのだろう。

 サウンドは、最大出力が十分あり、スピーカーのスリットが本体下サイドにあるので音の抜けも良い(左右にあると音が逃げ、リアにあると抜けが悪い傾向がある)。サイズ的に低音は出ないものの、聴き疲れしない音質だ。スタンドなどで机に対して角度を付け固定すると、音が机に反射し、少しボリューム感が増す。

 余談になるが、筆者は10.1型のAndroidタブレットとして「MOTOROLA XOOM」を所有している。2011年春に発売され、Tegra 2で非IPSパネル以外は、ほぼ「AT501」と同じスペック。しかし並べて操作してみると作動速度が随分違う(XOOMはAndroid 4.0.3、au版)。この手の機器における2年(CPUは1世代)の差の大きさを感じる。

特に不満を感じないバランスの良い構成

 タブレット情報を見るとOSの正確なバージョンは4.1.1。起動直後にアプリのアップデートが数本あった。

 初期起動時、ホーム画面で使われてるのは3画面。左側は主にブックマーク系、中央はREGZA連携用のRZ系アプリとToshiba Placesへの各ショートカット、Playストア、ブラウザ、マップ、File Managerと頻繁に使うものを配置、右側はプリインストールアプリとAndroid標準のツールが並ぶ。1〜2段で無難にまとめられており、スッキリしている印象を受ける。またウィジェットはほとんど使っていない。

 32GBあるストレージは、空き領域が約27GB。動画や写真、音楽を大量に持ち歩く場合は不足するかも知れないが、microSDも使えるので問題ない。

 操作感は、Android 4.1系、そしてTegra 3ということもあり、非常にスムーズでストレスフリー。気持ち良くアプリを使用することができる。

ホーム画面3/5
ホーム画面4/5
ホーム画面2/5
工場出荷時のアプリ1/2
工場出荷時のアプリ2/2
ウィジェット1/5
ウィジェット2/5
ウィジェット3/5
ウィジェット4/5
ウィジェット5/5
タブレット情報
アップデートのあるアプリ

 標準搭載のアプリは、「カメラ」、「カレンダー」、「ギャラリー」、「ダウンロード」、「タブレットセキュリティ」、「トーク」、「ナビ」、「ブラウザ」、「マップ」、「メール」、「メッセンジャー」、「ローカル」、「音声レコーダー」、「音声検索」、「時計」、「設定」、「電卓」、「東芝サービスプラス」、「連絡帳」、「Adobe Reader」、「AOSS」、「ATOK」、「Chrome」、「Evernote」、「File Mnager」、「Gmail」、「Google」、「Google+」、「Media Player」、「Nissen for Android」、「Playストア」、「Playブックス」、「Playミュージック」、「Playムービー」、「PrinterShare」、「RZタグラー」、「RZプレーヤー」、「RZポーター」、「RZライブ」、「東芝サービスステーション」、「Skitch」、「Splashtop Remote Desktop」、「ThinkFreeOffice」、「Toshiba Speech Synthesis」、「TuneWiki」、「Twitter」、「YouTube」。

 Android 4.1標準搭載のアプリに加え、サポート系、RZ系、ATOK、AOSS、PCをリモートコントロール出来るSplashtop Remote Desktop、Office系のThinkFreeOffice、Media PlayerやTuneWikiなどAV系が追加されている。

 なお、アクセサリプレイスなどはURLへのブックマークなので一覧には含めていない。EvernoteとTwitterが入っているのにFacebookがないのは不思議なところ。ATOKと「カスペルスキー タブレット セキュリティ」(タブレットセキュリティ)が標準で入っているのはポイントが高い。

 オンラインマニュアルは67ページある。付属の小冊子は108ページあるので全く同じものではなく、操作中により必要となる情報に再編集されている。

RZプレーヤー/機器選択
RZプレーヤー/設定
RZプレーヤー/再生エラー
RZタグラー
レグザAppsコネクト
RZライブ
東芝プレイス1/3
東芝プレイス2/3
東芝プレイス3/3
Media Player
TOSHIBA File Manager
カスペルスキー タブレット セキュリティ
ATOKの設定
ThinkFree mobile
オンラインマニュアル

 今回試せなかったが、レグザリンク・シェアに対応しているのが、他社のタブレットにはない、本機最大の特徴となる。「RZプレーヤー」は録画再生、「RZライブ」は現在放送中の番組再生、「RZポーター」は録画した番組をタブレットで持ち出せる機能となる。対応機器の詳細は、同社のサイトを参考にして欲しい。

 RZプレーヤーは、おそらくDTCP-IPに対応しているのでnasneで動くかテストしたところ、機器としての認識はしたものの、録画、ライブともに再生できなかった。なお、Media PlayerはDLNAに対応しており(DTCP-IPは非対応)、録画およびライブ以外の動画、音楽や写真は再生可能だ。

 東芝プレイスは、サポートプレイス、アクセサリープレイス、アッププレイス、ブックプレイス、ビデオプレイス、ゲームプレイス、ショッピングプレイス、ミュージックプレイスと、同社が運営する総合的なマーケットとなる。Playストアより幅広い品揃えで、眺めているだけでも楽しめる。

AnTuTuベンチマーク。スコアは12883。Nexus 7は12483
MOBILE GPUMARK。スコアは328/596/263/2516/3703。Nexus 7は572/952/378/3238/5140

 ベンチマークテストは「AnTuTuベンチマーク」と「MOBILE GPUMARK」を使用した。スコアは前者が12883、後者が328/596/263/2516/3703。同じCPU、画面解像度ということでNexus 7を試したところ、12483と572/952/378/3238/5140になった。

 AnTuTuベンチマークではAT501が、MOBILE GPUMARKはNexus 7が速い結果だ。ただしNexus 7はAndroid 4.2.1なので全く同じ環境ではなく、あくまでも参考値として見て欲しい。

 以上のように東芝「REGZA Tablet AT501」は、10.1型IPSパネルを採用した、国産のタブレットとしては比較的安価な設定の製品だ。CPUにTegra 3を搭載しているためパフォーマンスも良く、快適に使用できる。加えてレグザリンク・シェアが使える機器がある場合は、さらに色々楽しめる内容になっている。

 HDMI出力がないのは残念なものの、国産のAndroid系タブレットを検討しているユーザーの候補になりえる1台といえよう。

(西川 和久 http://www.iwh12.jp/blog/