西川和久の不定期コラム

Apple関連製品2連発レビュー
〜Mac mini+Pegasus R6とロジクールのKeyboard Case For iPad 2



 少し前に13インチと11インチのMacBook Airの記事を掲載した。後半はThunderboltに対応したRAIDシステムを紹介したが、せっかくお借りしたこともあり、Mac miniでも試した。また、8月27日に、iPad 2対応のキーボード&ケースがロジクールから出荷開始され、早速購入したので、このネタについてもレポートしたい。


●Mac miniへPromise Pegasus R6 RAID Systemを接続

 以前の記事で11インチMacBook AirのThunderboltポートにPromiseの「Pegasus R6 RAID System」を接続した。ベンチマークテストの結果、フラッシュストレージを上回る爆速だったこともあり、内蔵HDDの遅い新型Mac miniにも試したいと後日追加テストを行なった。

 当初は1TB×6基のシステムだったが、不具合でいったん返却し、次に送られてきたのは、現在同社のラインナップには無い3TB×6(なんと18TB!)のシステムだった。従って、Xbench 1.3の結果は内蔵しているHDDユニットが異なるため、参考値になることを予めご了承いただきたい。

下がThunderboltコネクタ、上がMini DisplayPortコネクタ

 筆者の作業環境は、新型Mac miniの記事でご紹介した通り、デュアルディスプレイだ。1つは(Thunderbolt)Mini DisplayPort→DisplayPortケーブル、もう1つはHDMI→DVIアダプタを使って接続している。このRAIDシステムはThunderboltを使用するため、前者の接続を、RAID側のThunderboltポート2へ、Thunderboltポート1へThunderboltケーブルを接続、Mac miniへつなぐことになる。

 ストレージのデイジーチェーンへディスプレイを接続するのは妙な気分だが、これができるのがThunderboltの面白いところ。一見似たようなコネクタが並ぶと、コネクタ部分の奥行きが違うことに気が付く。Thunderboltコネクタに対して、Mini DisplayPortコネクタは約半分ほどの長さになっている。

 Thunderboltは、ホットスワップに対応してることもあり、Mac miniは起動状態のまま、本体側のMini DisplayPortケーブルを外し、RAID側へセット、RAID側のThunderboltケーブルをMac miniへ接続、RAIDの電源をONにすると、何事もなかったようにデュアルディスプレイに戻り、RAIDもMac OS Xへマウントされている。非常に簡単な作業であり、これなら初心者でも大丈夫だろう。

 次にPromiseのサポートページからユーティリティをダウンロード。システムが正常作動していることを確認した。前回は第1ドライブがエラーの状態の画面キャプチャ(あまり見かけない状態なので)を掲載したが、今回は正常作動時の画面キャプチャだ。もちろん前回も今回も正常作動時にベンチマークテストを行なっている。


Promise Pegasus R6 RAID Systemの情報 ユーティリティのダウンロード ダッシュボード
Physical Drive List Disk Array Logical Drive

 Xbench 1.3/Disk Testの結果はご覧の通り。冒頭に書いたように、内蔵しているHDDユニット自体が異なるため直接比較しても意味が無いものの、爆速には変わりない。予算が許せばせめて1TB×4のR4システムが欲しいところだ。

 Boot CampしたWindows 7ではドライバが無いため使えず、試しにParallels Desktopの共有ドライブとして接続、内蔵HDD/Fire Wire 800/Promise RAIDのベンチマークテストを行なったのが以下の画面キャプチャだ(CrystalDiskMark使用)。

 結果からわかるとおり、Mac miniの内蔵HDDが遅いのは仕方ないとして、FireWire 800接続のHDDとThunderbolt接続のRAIDシステムがほぼ同じ値になっている。これはドライブの性能以前に、仮想的なネットワーク接続によって共有ドライブを実現している関係上、プロトコルのオーバーヘッドが大きく、ドライブの性能が活かされていないものと思われる。とは言え、この2つのスコアはかなり高い。仮想PC上のWindows 7で作業してもストレスが無いことがお分かり頂けると思う。

【表】XBench 1.3
Disk Test 416.89
Sequential 243.64
Uncached Write[4K blocks] 1261.67 774.65MB/sec
Uncached Write[256K blocks] 616.91 349.05MB/sec
Uncached Read[4K blocks] 79.04 23.13MB/sec
Uncached Read[256K blocks] 739.75 371.79MB/sec
Random 1443.09
Uncached Write[4K blocks] 989.46 104.75MB/sec
Uncached Write[256K blocks] 1057.14 338.43MB/sec
Uncached Read[4K blocks] 3315.83 23.50MB/sec
Uncached Read[256K blocks] 1946.92 361.26MB/sec

CrystalDiskMark/Mac mini内蔵(Parallels Desktop共有ドライブ) CrystalDiskMark/FireWire 800(Parallels Desktop共有ドライブ) CrystalDiskMark/Promise RAID(Parallels Desktop共有ドライブ)

 Pegasus R6で1つ試して見たいことがあった。それは、内蔵HDDではなく、Thunderbolt接続のRAIDシステムからMac OS Xを起動することだ。前回記事で触れたがMac OS Xは、外部接続のストレージからもブート可能。この爆速ストレージなら快適に使えるのではと考えるのは自然な成り行きだ。

 ただしOS自体がDVDメディアとして販売されていないため、外部ストレージへMac OS X 10.7をインストールするには10.6までとは違った手順となる。まず、Appleのホームページから「Recovery Disk Assistant」(無料)をダウンロードする。App Storeにあれば便利なのだが、この原稿を書いている時点ではホームページからのダウンロードだ。

 起動するとUSBメモリを要求されるので、USBポートへ差し込むと、内蔵HDDの1パーティションに出荷時から収められているインストーラがUSBメモリへコピーされる。容量は1GB以上あればOKだ。ただし、コピーする時、USBメモリの内容は全て削除され、加えて普通にはアクセスでききず、仮に容量が余っても別の用途には使えなくなる。従って大容量のUSBメモリでは多くの部分が無駄になるため、1〜2GB程度の使わなくなったUSBメモリをリカバリー専用にする方がいいだろう。

 コピーが終わりRecovery HDが出来上がった後は、Option(Alt)キーを押しながらシステムを起動する。起動可能なHDDのアイコンが並び、このRecovery HDを選択、追加モジュールをWi-Fiを使いネットからダウンロードする関係から、Wi-Fiの接続先を設定、そしてOSインストール先のドライブを選択する。

 ダウンロードは正確に計っていないが1時間以上はかかっただろうか。他の記事を読んでいると数十分と書かれたものが多く、もしかするとアクセスが増えて遅くなっているのかも知れない。余談になるが、iOSのアップデートも1年ほど前はサクっとダウンロードできたが、最近はダウンロードにかなり時間がかかるようになった。Appleにはサーバーの増強をお願いしたいところだ。

 ダウンロードが終了し、一回リブート、Mac OS Xのインストールが終わると、後は見慣れたユーザー情報の入力画面などが表示され、設定後、無事Mac OS XがRAIDシステム上で起動する。

 結果、さすがに内蔵HDDとは何をするにも桁違いに速く快適。SafariやiTunesなどが瞬時に起動。これに慣れてしまうと返却したくなくなるほどだ(笑)。MacBookとは違い、Mac miniは基本的に据置型。メーカー保障が無くなる内蔵HDDの交換より、Thunderbolt接続の高速な外部ストレージから起動する手もありだろう。もちろんRAID 5にしていれば1台HDDが壊れてもデータに影響は出ず、動かしたまま、ホットスワップで壊れたHDDを交換可能だ。

 ただ、Boot Campは内蔵HDDのみが対象。この手法が使えないのは残念なところ。いずれにしてもThunderbolt接続の高速な外部ストレージが欲しくなってしまったのは言うまでもない。

Recovery Disk Assistant USBメモリが必要 使用するUSBメモリの内容は全て削除される
復旧ディスク作成中 Recovery HDの完成。Option(Alt)キーを押しながら起動 Wi-Fiとディスクを選択。使用するモジュールをネットからダウンロード
モジュールをダウンロードし終わるとMac OS Xのインストールが始まる Promise RAIDからシステムが起動した 起動ディスクが元のHDD、Boot Camp、Promise RAIDと3つになっている

●ロジクール Keyboard Case For iPad 2(TK700)

 これまで筆者はiPadもiPad 2も特にケースは持たず、純正のSmart Coverのみ付けていた。持ち歩き時はそのままハンドキャリー。カバンへ入れる時も、カバーがあるのでそのままIN。キーボードに関しては、テスト的にApple純正のBluetoothキーボードや他社の数種類を使ったことはあるものの常用はせず、主な用途はゴロ寝用だったこともあり、ソフトウェアキーボードばかりを使っている。

 ケース兼キーボード的なものは、以前から折りたたみ式のケースの片側にBluetoothキーボードが入るようなタイプも何種類か見かけたが、iPad固有のソリッド感が損なわれるので買って試すにまでにはいたらなかった。

 そこに登場したのが「ロジクール Keyboard Case For iPad 2(TK700)」。iPadのソリッドな雰囲気を保ちつつ、ケースとしてシンプルで形もよく更にキーボードも内蔵。気になる存在となった。たまたま発売日に別のものを買いにヤマダ電機@渋谷へ行ったところAppleのコーナーで発見。思わず衝動買いした。価格は8,980円。後から気付いたが、Amazonだと6,536円で購入できるようだ。

 このキーボード&ケース、構造は非常に簡単で、単純に言えば「アルミ製の弁当箱のフタ」。その底にキーボードが張り付いている。電源は内蔵充電式リチウムポリマー電池で、充電は付属のminiUSB/USBケーブルを使う。仕様上はフル充電に約1時間40分、バッテリ駆動時間約1カ月。

 サイズは246.4x190.9x13.45mm(幅×奥行×高さ)、重量420gのアルミニウムボディだ。キーボードは英語レイアウトの79キー、パンタグラフ式でキーピッチは17mm、キーストロークは2mm。

正面/iPad 2を取り付け 右/iPad 2を取り付け 後ろ/iPad 2を取り付け
キーボード 後ろ コネクトスイッチ/パワースイッチ/側面に充電用miniUSB
ケースで使うときの位置関係(下)Dockコネクタ用の切込みがある ケースで使うときの位置関係(上)ヘッドホン用の切込みがある iPad 2を縦に置くことも可能
重量/単独で342g 重量/+iPad 2で942g 付属品
【動画】ロジクール Keyboard Case For iPad 2(TK700)を使ったキーボード操作

 パッケージから取り出すと、アルミニウムボディの質感は結構良い。同社のロゴなどが透かしで入っているのも雰囲気を出している。キーボードと後部の間にスリットがあり、そこへiPad 2を挟む格好だ。従って角度の調整はできないものの、なかなか見易い位置でピタッと止まる。横置きだけでなく、縦置きもOK。

 ケースにする時は、iPad 2の液晶パネル側を下にして、ケースにDockコネクタ用の切込みがあるのでそれに向きを合わせる。逆側はヘッドフォン端子部分に切込みがある。いったんカッチリはまると、iPad 2側を下にして振っても外れることは無いものの、もしものことがあると困るので、下に向けて持ち歩かない方が無難だろう。また、液晶パネルが直接当たる部分はラバーが張ってあり、傷が付くことは無い。試しに初代iPadで試したところ、スリットには入り問題無くキーボード操作はできるものの、ケースには若干大きいのか入らなかった。

 スイッチは2つ。1つがBluetoothのペアリング用のボタン、もう1つは電源スイッチだ。キーボードは、最上部の機能キーが特徴的。左から順に、ホームボタン/検索/スライドショー/ソフトウェアキーボードのON/OFF/カット/コピー/ペースト/前のトラック/再生/一時停止/次のトラック/ミュート/音量ダウン/音量アップ/ロックボタンとなっている。加えて最下部左下の地球儀のキーは言語切替えだ。

 実際操作しているところの動画を掲載したのでご覧いただきたいが、特に便利なのはホームボタンとロックボタン、そして音量調整ボタン。iPad 2側を触る必要が無く、スムーズな操作が可能となる。タスク切り替えの2回押しは、こちらの方がキーが軽くてやり易い。他の機能キーと組み合わせて使えば、iPad 2の画面にタッチするのは、ポインティングとスクロール程度。ほとんどノートPCと変わらなくなる。残念なのはMobile Safariで矢印キーなどが効かないこと(動画の最後で矢印キーを押しているシーンあり)。もしこれが使えて上下スクロールができれば、更に画面を触るケースが減りそうなだけに惜しいところだ。

 肝心なキータッチは、全体的に若干たわむのが残念だが、ソフトでクリック感もある。キーピッチは17mm。一昔前のネットブックと同じだ。個人差もあるだろうが、慣れるのに少し時間がかかる。気になる点は、ホームポジションに手を置くと、ケースのフレームが手のひらに当たり、特に端にあるキーが少し押しにくいことだろうか。

 とは言え、全体的にはなかなかの完成度。お気に入りの逸品だ。ケースのつもりで持ち歩けば、キーボードも付いてくる優れもの。重量もiPad 2と合わせて1kg切っているので軽い。ただこうなるとiPad 2を白ではなく、黒にしておけば……と、今更ながら後悔している。Keyboard Case For iPad 2(TK700)のホワイト版は出ないのだろうか?


 Mac mini+Promise Pegasus R6 RAID Systemは、不満だった内蔵HDDの速度を数倍にも向上できる優れたコンビネーションだ。もちろん大容量に加え、いろいろなRAID構成が可能なのも魅力的。ただもう少し安くなると購入しやすい。今後Thunderboltに対応した外部ストレージには期待したいところ。

 ロジクール Keyboard Case For iPad 2(TK700)は、ケースとキーボードが一体化したアイディア商品で、非常に実用的。デザインもカッコいい。結構出回っているようなので、気になる人は是非試して欲しい。