ゴトウがVAIO Xをメインモバイルノートとして導入
〜AtomがCore 2 Duoを食った



品名 VAIO Xシリーズ
購入価格 156,907円(税・送料込み、クーポン利用済み)
使用期間 約2カ月

「買い物山脈」は、編集部員やライター氏などが実際に購入したもの、使ってみたものについて、語るコーナーです。

●AtomがCore 2 Duoを食うカニバライゼーション

 言ってみれば“ノートPC破産”状態だ。昨年(2009年)の1年間だけで、4台のノートPCを買ったのだから、それも当然と言えば当然。もっとも、その代わりにデスクトップPCは、メモリとHDD以外はほぼ増強せず、新しいCPUすら入れなかった。

 テクニカルライターで、それはどうかと言われそうだが、2009年のパーソナルなPCライフを総括すると、ひたすらノートの年だった。もともと、出張が多いのでノートPCは充実させている方だけど、これは異常な事態だ。

VAIO type PからVAIO Xシリーズへと移行した

 そして、2009年のノートPC購入ラッシュのトドメを刺したのが「VAIO Xシリーズ」だった。「VAIO type P」に続いて2台もVAIOブランドのAtomノートPCを買ってしまった。“ソニヲタ”でも“バリバリモバイル野郎”でもないのだけど、必要なマシンを試行錯誤した結果、最後に行き着いたのがVAIO Xシリーズだった。

 しかも、このVAIO Xシリーズは、VAIO type Pを置き換えると同時に、モバイルとしてのThinkPad X200sも置き換えた。つまり、AtomがCore 2 Duoを食うという、典型的なIntel CPUの「カニバライゼーション(共食い)現象」が、ゴトウのところで発生したわけだ。インテルKKのマーケティング担当者が聞いたら、きっとすごく渋い顔をするだろう決定だった。

 さらに面白いのは、1年間に買った4台の中で、いちばん高くついたのがVAIO Xシリーズだったこと。順番で言うと、高い買い物の方からVAIO Xシリーズ(11型)>VAIO type P(8型)>ThinkPad X200s(12型)>Vostro 1510(15型)となる。Atomマシンに払った金額が、Core 2 Duoマシンに払った額の約1.2〜1.5倍。そして、LCDが大きくCPUが高速な方が、購入金額が低くなる傾向がある。ちなみに、ThinkPad X200sは、キャンペーン価格のあまりの安さに買ってしまった。

 こうやって2009年の購入履歴を振り替えると、ノートPCの暴落と、Atomによるモバイルの台頭という世相が色濃く反映されている。自分にとっても2009年はノートPC/ネットブックが魅力的だった。

●1年で激変したモバイルデバイス

 加えて、個人的な環境としては、スマートフォン系がWindows MobileからiPhone 3GSに変わったことも大きかった。iPhoneになって、個人的には使い勝手が格段によくなった。そのためモバイルノートPCに期待していた機能の一部が、iPhoneへと移った。メールやニュースのチェックだけでなく、さまざまなアプリケーションのおかげで、モバイルコンピューティングのかなりの割合がiPhoneに移行している。その結果、モバイルノートを無理して小型化する必然性が薄くなった。それがVAIO type PからVAIO Xシリーズへと押し上げる要因の1つになった。

 2009年は、ノートとモバイルの年だったと言った方がよさそうだ。

 その結果、わずか1年間で、ゴトウのモバイル環境は全く変わってしまった。2008年末の段階では、ノートPCは12型のThinkPad X6x系一本で、スマートフォン系はTouch Diamondという配置だった。この手のスマートフォンはどうも合わなくて、ほとんど活用していなかったので、機能的には、12型ノートPCにほぼ集約されていた。

 それが、昨年(2009年)前半には、15型のVostro 1510、12型のThinkPad X200s、8型のVAIO type PのノートPC 3台態勢になった。ノートPCが上下へ一気に広がり、据え置きノートPC(15型)、モバイルノートPC(12型)、軽量ノートPC(8型)の棲み分けになった。

 それが、今では、15型のVostro 1510、11型のVAIO XシリーズのノートPC 2台に、iPhone 3GSの3台態勢となっている。3台態勢と言っても、かなり中身が違う。役割的には、据え置きノートPC(15型)、モバイルノートPC(11型)となり、iPhoneがモバイル情報端末として従来の軽量ノートPCの役割の一部を占めるようになった。これに、出張時は、12型のThinkPad X200sが、パーシャルモバイルとして加わるという構成だ。

 この構成はじつに快適で、1年かけて、ようやく自分の使い方にフィットするデバイス構成に着地した感じがする。予感として、この構成がこれから数年間の基本になりそうだ。

用途から見たモバイルデバイスの変遷
国外出張時のホテルでのノートPC構成 国内出張時のホテルでのノートPC構成

●VAIO type Pを買ったためにVAIO Xシリーズを買うことに

 「4台もノートPCを買うなんて、さすがテクニカルライター」なんて思ってはいけない。クレイジーガイもいるけど、結構慎ましくやってるライターも少なくない。ゴトウも、本来、2009年は20万円以上をノートPCにつぎ込むつもりはなかった。最終的に、デスクトップの予算も含めて一切合切をノートPCにつぎ込んだから、こうなったというだけの話だ。

ロサンゼルス空港でのVAIO Xシリーズ。公共の場で使う場合は目立たないことも重要

 皮肉なことに、ハイエンドデスクトップCPUの記事をあれだけ書きながら、2009年に関して言えば、そこにカネは投入しなかった(笑)。デスクトップCPUよりノートCPUに魅力を感じていたわけだ。

 「春にVAIO type Pを買って、秋にVAIO Xシリーズ」というところもクレイジーに見えるかもしれない。ところが、これはじつはつながっていて、VAIO type Pを買ったからVAIO Xシリーズを買う羽目になった。逆を言えば、Pを買わなければXを買うこともなかったろう。それに2台を併用するという話ではなく、VAIO XシリーズでPを置き換える。つまり、VAIO Xシリーズは、ThinkPad X200sだけでなく、VAIO type Pの両方の代替として導入した。もともとの計画では、VAIO type Pを売り払って、VAIO Xシリーズの購入資金の足しにする計画だった(全然売れないので、目的は達されていない)。

 VAIO type PをVAIO Xシリーズに置き換える決定にはかなり確信があって、ぜんぜん迷わなかった。対照的に、2009年の春に、VAIO type Pを買った時は、迷いに迷った。正しい選択かどうかに、自信が持てなかったからだ。買ったのも、発売からしばらく経ってからで、それも、目をつぶって「エイヤ」っと購入ボタンをクリックした。

 ところが、今回のVAIO Xシリーズでは、一瞬の迷いもなかった。それは、VAIO type Pを8カ月使ったおかげで、どんなマシンが欲しいのか、絞り込めていたからだ。ただし、買うのは大変で、発売初日は、ソニースタイルのサイトがアクセス過多で、いつまでたっても購入できず、まる1日クリックし続けて、ようやく購入できた。(ソニースタイルのクーポンもいろいろあったので、使わないともったいない、という事情もあった)。

VAIO Xの構成
Atom Z550(2GHz)
SSD 256GB
WiMAX
Sバッテリ&Xバッテリ

 そこまで根性だしてVAIO Xシリーズを買ったのは、Pを使った半年間での自分のユーセージの変化によって、必要なスペックが固まっていたからだ。

●当初は3種類のマシンへと分散化の計画
プライベートで気軽に持ち出せることがVAIO type Pの利点だった

 そもそも、AtomノートPCを買ったのは、荷物を思い切って軽量にするためだった。まず、仕事の荷物を3kg以下にして、腰痛の不安を抱えるゴトウでもデイパックで背負えるようにする。それから、プライベートでも気軽にPCを持ち歩けるようにする。健康のために、できるだけ歩くようにしたために、VAIO type Pのような超軽量ノートPCが必要になった。

 それまでの12型がThinkPad X61だったので、VAIO type Pに変えたことで、8時間駆動重量(8時間バッテリ駆動するために必要な重量)が44%程度(1.9kg→832g)に下がった。8時間が目安なのは、いったん外出すると、その程度の駆動時間が保証されていないと安心できない場合が多いからだ。

 すでに書いたように、2008年末までは12型クラスのノートPCだけの「ワンサイズフィッツオール(1種類で全てをカバーする)」戦略だった。2009年初めに、VAIO type Pだけでなく15型のVostro 1510を加えたのは、用途別に3種類のノートPCを持つという発想へ切り替えたためでもある。

 この段階では、モバイルを100%、Atom系にシフトするつもりはなく、モバイルでは12型の通常CPUのノートPCと併用の計画だった。処理の重い場合はCore 2 DuoのThinkPad、軽くて済む場合はAtomのVAIO type Pという棲み分けを想定していた。そして、この時点での仕事ノートとしてのVAIO type Pの役割は、取材時のメモ&通信マシンで、必要ならある程度は原稿書きなどの作業にも使えるという位置づけだった。

 そもそも、原稿書きと言っても、実際に原稿をタイプしている時間は全体の10%以下に過ぎない。取材を除けば、ほとんどの時間は、論文や特許、書籍を読んだり、講演や取材の録音を聞いたり、それらのメモを取るといった作業だ。原稿“書き”の60〜70%はこういう時間で占められており、ほとんどは、VAIO type Pでできる。

 ちなみに、15型の据え置きノートPCは、残りの20%ほどの時間を占めている図版作成のためだ。ゴトウの場合、図を作ることが情報整理の方法で、膨大な量の資料を参照しながら図を作る必要がある。仕事の中では、いちばん処理的に重く、画面解像度とそこそこのコンピューティングパフォーマンスが必要になる。出張時でも、そういった処理がやりやすくなるように、大画面のノートPCを用意しようという発想だった。

 15型ノートPCの解像度は、1,920×1,200ドット(WUXGA)で、デスクトップで使っている24型ディスプレイと同じ。VAIO type Pが1,600×768ドットで、当初は12型がThinkPad X61で1,024×768ドット(XGA)だったので、解像度の順番は15型>8型>12型の順番だった。バックアップマシンが必要な海外出張は、この3台を持って行った。

手持ちのデバイスの画面解像度と面積の比較

●使ってわかったVAIO type Pの難点

 当初は、この3階層構成で問題はなかった。VAIO type PのCPUは、ケチって1.33MHzに抑えたのだが、それでもテキスト主体で使う分には困らなかった。しかし、VAIO type Pを使うにつれて、問題も明らかになって来た。それは、ゴトウ自身の行動パターンから来るものだ。

取材時のVAIO Xシリーズ。この画面なら取材相手に図や写真を見せることが簡単にできる

 まず、画面サイズの制約。VAIO type Pの画面サイズは、メモを取ったりする分には問題がない。しかし、インタビューの場合には、単にメモを取るだけで済まないケースがある。例えば、自分で作った図を相手に見せて確認を取ったり、プレゼンテーションや論文を見せて、内容の説明を求めたりするケースがある。

 これは意外と重要で、例えば、GPUだとアーキテクチャについてのドキュメントが貧弱なので、例えば、発表会後のパーティみたいなところで、アーキテクトを見つけて訊きまくるしかない。相手が「もうメシ食いたいからいい加減にしてくれ」と言うまでつきまとう、迷惑なライターになる。

 そういう時は、自分で作った図を見せたりするケースが多発する。例えば、NVIDIA GPUの命令発行の図などは、論文などを元に推定で作成した図を、アーキテクトに見せて確認を取るという方法で作った。こうしたプロセスが、VAIO type Pではできない。

 次に、ポインティングデバイスの制約。VAIO type Pの場合は、これが使いにくい。ThinkPadのトラックポイントと似ているけれど、加速度がつかないため、VAIO type Pの高解像度画面ではかなりストレスフルになってしまう。さらに、ボタン位置の関係から、タイピング中に、誤ってクリックしてしまうケースが多かった。

 タイピングの頻度が少なければ、これはそれほど問題にはならない。しかし、自分の場合、仕事柄タイピング量が多いため、この問題もかなりストレスとなった。特に、机がない列車内などで使う場合、これは問題だった。対策として、ボタン割り当てを変えて、一部ボタンをディセーブルにしたが、その分使い勝手は落ちた。

 最後は、ディスク容量の制約。現在、ローカルディスクで持ち歩いているデータの容量が約160GBある。これは、すぐに参照したくなる可能性がある資料類や録音、写真で、これらはネットワーク越しのストレージに置きたくない。ネットワークがない環境も含めて、即座に使えるようにしておきたいからだ。VAIO type Pは128GB SSDモデルにしたのだが、足りないため、SDカードとUSBフラッシュメモリに残りを入れていた。これも若干ストレスだった。

 あとは、VAIO type Pのドットピッチが小さいため、同じフォントサイズの場合、他のノートPCよりも近くないと快適に使えない。これは覚悟の上だったが、老眼が進みつつあるので不安材料ではあった。

見かけドットサイズが同程度になる視点距離

●VAIO type Pで決まった次のノートPCのスペック

 こうした制約から、いざノートブックPCを持ちだそうという場面で、8型のVAIO type Pと12型のThinkPad X200sのどちらかにしようか悩む曲面がしばしばあった。あるいはどちらかを選択して出先で後悔するというケースだ。特に、結構致命的な場面で、VAIO type Pで「ああ、図を見せて質問したいのに」と後悔したことが数回あって、真剣にモバイルノートPCを再考し始めた。

 その結果、VAIO type Pの次として必要なモバイルノートのスペックが、必然的に決まって行った。要約すると、VAIO type Pと同レベルの超軽量ノートで、しかも12型ノートの代替として使えるスペックを持つものだ。つまり、外出時にVAIO type PとThinkPad X200sのそれぞれに適した場面を、1台のノートPCでカバーできるようにする。

 ここでポイントは、ThinkPad X200sを完全にリタイヤさせるつもりがないという点だった。このクラスの12型ノートPCは、パフォーマンス的に仕事もバリバリできるし、いざとなればモバイルでも困らないので、必要な局面がある。でも、モバイルでは、そこまで必要としておらず、それよりモバイル性の方がずっと重要になる。そして、パフォーマンス面は現行のAtom Zでとりあえずは問題がないと確信が持てるようになった。

 夏頃からこうした構想をまとめて、スペックをチェックし始めた。具体的には、8時間駆動重量が1kg以下、Atomで1.8GHz以上、画面は10型以上、目安の解像度は1,280×768以上、ストレージはSSDでできれば256GB。この条件になると、かなり絞られてくる。例えば、NECの「VersaPro UltraLite タイプVS」あたりが、かなり惜しいところ。スペックで足りないSSDの載せ替えができるかも、真剣に調べたりした。しかし、その段階でVAIO Xシリーズの話が聞こえてきて、待ちモードに入った。

画面サイズ/解像度から見たモバイルデバイスの変遷

●果たしてVAIO Xシリーズを買う意味があるのか

 VAIO Xシリーズのスペックが見えた段階で始めたことは2つ。VAIO type Pとの比較と、より高パフォーマンスのモバイルノートPCとの比較。前者は、VAIO type Pに対して、解像度などのスペックが上がることによる重量増加のトレードオフの検討。後者は、購入のためというより、はたしてVAIO Xシリーズを今買うことに意味があるのか、Xを買うくらいなら、スペックが近いULVノートPCを買った方がいいのではないのか、という後ろ向きの比較だ。

 VAIO type Pとの比較は簡単で、VAIO Xシリーズの最低重量は約90gアップして約660g。これは、VAIO type PでLバッテリ装着時よりも軽い。8時間駆動重量(実際にはこれはギリギリ8時間)では、VAIO XシリーズはPより約90gアップして約905g(SとLバッテリの組み合わせの場合)となった。90gで画面が11.1型になり、12型ノートPCを使っていたケースを全てカバーできるなら、悪いトレードオフではない。VAIO type Pの小ささによる、“さり気なさ”は失われるが、それは諦められる。

Lバッテリ装着時のVAIO type P Sバッテリ時のVAIO Xシリーズ。購入した構成では、これが最小重量となる

 問題は後者の比較だ。VAIO type Pは、通常の軽量ノートPCとはフォームファクタも大きく違うので、明瞭に用途が異なる。ところが、VAIO Xシリーズになるとフォームファクタも用途も通常の軽量ノートPCに近づく。それなら、わざわざAtomにしなくても、よりパワフルなCPUにすればいいという、当然の疑問が出てくる。

 自分の中でも、その迷いがあるため、ULV(超低電圧)やLV(低電圧)版の軽量ノートPCとスペックを比較してみた。例えば、余裕で8時間駆動できる重量(Let'snote CF-R8Hがバッテリ2本、type XがXバッテリ)では約120g台の差になった。type Xの利点は画面解像度、CF-R8Hの利点はCPUパフォーマンスで、ちょっと悩む僅差だ。

 ところが、最低重量を較べると、VAIO Xシリーズが660gなのに対して、Let'snote CF-R8Hは930gで、差は約270gとなる。個人的にはこれは決定的な差で、決め手となった。もちろん、この重量でのバッテリ容量の差は約2.7倍もあり、VAIO Xシリーズは実質2時間ちょっとしか駆動時間がない。しかし、ゴトウ自身のユーセージの変化のために、この重量差が重要だった。

 それは、プライベートで歩いてPCを持ち歩く機会が増えたためだ。健康のために1日最低6K(6,000)歩、目標10K(10,000)歩分を歩き始めた。こうした外出時にも、ノートPCは必ず持ち歩きたいが、長時間駆動は必要がない。そうすると、2時間台の実質駆動時間であっても、最低重量ができる限り低い方がいい。

 この場合、荷物の構成は、ノートPCとiPhone(これに歩数計がくっつけてある)に、あとは、持ったとしても本が1冊程度。1kgをちょっと超える程度だ。できるだけ軽くしたいので、ここでの200g台後半の差は大きい。つまり、最低重量という、新しいファクタが自分にとって重要になったために、VAIO Xシリーズを選ぶことになった。

プライベートで出る時の荷物。本または雑誌を持つ場合も多い 外出してファミレスなどに持ち込むことが多いVAIO Xシリーズ

●画面ドットピッチがほぼ揃った新しいモバイル環境

 それで、VAIO Xシリーズを導入してどうだったかというと、これまでのところは完全に目論見通りだ。モバイル利用では、ほぼ問題なく、全てをVAIO Xシリーズへと移行ができた。若干の懸念があった、PDFやPPT、JPEGといったファイル形式の資料類の参照も、たしかに遅いけれど、致命的とまでは行かない。

 重量の増加は、130gなら、体感でほぼ変わらない。また、バッテリは購入時にSとXの組み合わせにした。Xバッテリだと、容量8,200mAh(7.40V)なので、電力消費を7W以下に抑えていれば、無線を使ってもラクラク8時間を越えて使い続けることができる。1kgちょっとで、まる1日の仕事で使えることになる。今のところ10時間でも問題なく保っているので、バッテリに注意を払うというストレスがなくなった。

 とはいえ、このXバッテリはどう考えてもスマートとは言い難い。実際に実物を見るまでは、ここまでゴツイとは思わなかった。VAIO Xシリーズの容積をやたらと増やしてしまう。そして、こいつを装着すると、重量の半分がバッテリとなる。

バッテリ抜きの本体とほぼ同じ重さのXバッテリ ゴツくてスマートに見えないXバッテリ

 新しいマシン構成では、画面解像度は、画面サイズに比例したきれいな順番で並んだ。15型が1,920×1,200ドット(WUXGA)で、12型のThinkPad X200sが1,440×900ドット(WXGA+)、11型のVAIO Xシリーズが1,366×768ドット。

最新の手持ちのデバイスの画面解像度と面積の比較

 そのため、各ノートPCやモバイルデバイスのドットピッチは、ほぼ同じ程度に並んだ。その結果、今回の構成では、各デバイスを快適に使える距離が、ほぼ同じところに揃った。やってみると、これが意外と快適で、違和感なく各ノートPCの間を渡り歩くことができる。

見かけドットサイズが同程度になる視点距離

 唯一誤算だったのはWiMAX。VAIO XシリーズをWiMAX内蔵モデルにしたのは、自分の住んでいるエリアが、UQ WiMAXの2009年12月の開通予定エリアに入っていたから。ところが、VAIO Xシリーズを買ったあとでチェックしたら、3月末開通予定に後退してしまっていた。

●ゴロ寝テーブルで使うThinkPad X200s

 では、モバイル利用をVAIO Xシリーズへと集約させたのなら、12型のThinkPad X200sはどういう風に使っているのか。用途分けは簡単で、集中して比較的重い仕事をしたい時、モバイルで図版を作りたい時、部屋の中などでパーシャルモバイルしたい時で、これがThinkPad X200sの領域となる。

 たとえば、飛行機の中で腰を据えて仕事をする、あるいは、出先で作図も含めた仕事をするといった場面だ。ThinkPad X200sはX6x系より画面解像度が65%増えたため、図は格段に作りやすくなった。また、出張時では、寝ころんで仕事をする場合に使うのにもThinkPad X200sが必要だ。

 じつは、そのために、写真のような便利な道具“ごろ寝用PCテーブル”を持ってる。12型ノートは、これにぴったりだ。こういうのがあると、ホテルでも、居心地の悪い椅子でずっと仕事をして、弱い腰を痛める心配もない。床でゴロっとしながら仕事ができる。下の写真がそのごろ寝テーブルだ。

米国で買ったごろ寝用PCテーブル。15型ノートPCも載せられるけど、軽い12型ノートPCの方がずっと快適 ごろ寝用PCテーブルの実際のホテルでの使用現場

仕事部屋のベッドのディスプレイ配置。中央の24型ディスプレイが、メインマシンのクローン画面となっている

 なんでそんな必要が、と思うかもしれない。それは、ゴトウの通常の仕事環境と密接に関連している。自営ライターであるため、自宅で仕事をしているわけだが、じつはデスクの上がベッドになっている。そして、そのベッドにも、今はディスプレイが設置してある。

 これは、1年半ほど前に構築したのだが、ディスプレイ用フレームをベッドに3つ配置。正面に24型、右に19型、左に17型と3 LCDを並べた。それぞれが、デスクの3台のLCDのクローンなので、デスクとベッドの両方で全く同じ環境で仕事ができる。入力用にキーボード用のフレームも導入した。

 もう、いつでも寝たきりになって大丈夫という、高齢化対応PCシステムのモデルみたいなものを作ってしまったのだ。ちょっと怖いのは、地震とかでフレームが揺れた時。写真のLCDがいずれもデル製なのは偶然ではなく、家の中で一番軽いLCDを集めたらこうなった。この環境を、出張時も維持しようとすると、ごろ寝PCテーブルが必要になり、そこにフィットするのがThinkPad X200sというわけだ。

●ソニヲタとレッテルが貼られてしまった

 このようにVAIO Xシリーズを導入したわけだが、VAIO type Pと較べてマイナス点もある。VAIO Xシリーズを選ぶ時からわかっていたことだが、これが悩ましい。

 技術系ライターにとってノートPCはいってみれば名刺のようなもの。ノートPCに特徴があればあるほど、アピールができる。

 VAIO type Pを使っていた時は、海外のカンファレンスでは、1日に数回(多い時は10回以上も)知らない人に、ノートPCを見せてくれと声をかけられた。インタビューなら、ほぼ必ず相手がVAIO type Pに興味を示す。これだけでも十二分な価値があった。

 しかし、フォームファクタが通常のノートPCに近いVAIO Xシリーズでは、そこまでのインパクトがない。薄さと軽さに気がついてもらえない限り、普通のノートPC扱いだ。最近だと、オンキヨーの2画面ノートPCを買ったライターのT田氏に、すっかり人気を奪われてしまった。

 もう1つのマイナス点は、業界内での評価。技術系メディアの世界は、誰もが、他の人がどんなマシンを使っているか憶えている。どんな服を着ていたかは憶えてなくても、マシンだけは憶えている異様な世界だ。きっと殺人事件があっても「そうです、あの男です、あのノートPCに見覚えがあります!」みたいな証言をするだろう。

 その世界で、立て続けにソニーの変わり種ノートPCを買い、しかも、使ってるカメラがたまたまソニーだったりすると、どう言われるか...。思った通り、会う人ごとに「じつは重度のソニヲタだったんですね」と言われてしまった。これで、今年(2010年)、また、真っ先にPSP2なんかを買ったりしたら、もう決定的に評価が染みついてしまいそうだ(きっと買ってしまうけど)。

(2010年 1月 21日)

[Text by 後藤 弘茂 (Hiroshige Goto)]