買い物山脈

ライター後藤がVAIO type Pを買った言い訳[前編]




品名ソニー 「VAIO type P(VGN-P90NS)」
購入価格約10万円
購入日2009年2月中旬
使用期間約3週間

「買い物山脈」は、編集部員やライター氏などが実際に購入したもの、使ってみたものについて、語るコーナーです。

●あまりに恥ずかしいVAIO type P

 あまりにも、周りでみんなが買ってるから、恥ずかしくて自分が買ったと言いにくいもの。今、そのナンバーワンは間違いなくソニーの「VAIO type P」だ。世間一般はともかく、周囲のPC野郎の間での普及率は、とてつもなく高い。業界のテクニカル系ライターや編集者が3人集まれば、1人は持っている。なので、気恥ずかしくて、なかなか知ってる人の前で出せない。「あ、コイツも買ったのか」的な目で見られるのはわかり切ってるから。

 だから、自分の場合、流行モノに飛びついたわけじゃない……、と言い訳もしたくなる。本当に、1カ月間、悩みに悩んで検証を重ねてから“質実剛健”な理由でコレにしたのだから。というわけで、以下、ゴトウがtype Pを買った「言い訳」。

(1)健康上の理由でノートPCの“8時間駆動重量”を50%以下に下げる必要に迫られていた
(2)ドットの小ささは“35cmチェストトップ”で解決できることが検証できた
(3)クリティカル時の“デュアルノートPC”を実現したかった
(4)10万円予算枠に収まって、20万円で2台計画を実現できるから

 言い訳と書いたのは、もちろん、他の人があまりにたくさんtype Pの記事を書いてるから、「コイツもか」と言われないための言い訳だ(笑)。

 (1)まず、そもそもは、健康上の理由があった。仕事でもプライベートでも外出で、できるだけ歩こうとし始めたというのが根源にある。でも、PCは必ず持ちたいから、ノートPC自体の重量を軽くしたい。そこで、PCの8時間駆動時の重量を現行の12.1インチノート「ThinkPad X60」の半分以下に下げたくなった。そのニーズを充分以上に満たせるのがtype Pだったのだ。

 (2)最大の懸念は、この画面サイズで使い物になるかどうかという点。なにせ、ドットピッチ0.11mmは、通常のノートPCの半分。そこで色々シミュレーションした結果、35cmの距離なら問題がないことが判明。これは胸に載せたくらいの距離で、データ参照だけなら問題がない。「ポンッ、これは“35cmチェストトップPC”という新しいカテゴリなんだ」と発見した。実際には、このコンセプトには”老眼”という敵が立ちふさがるのだが、その話はまたあとで。

 (3)実はゴトウは極度のバックアップ魔で、クリティカルな時、例えば、離れた場所で丸一日カンファレンスなんて時はPCを2台持ちたい。これまでは、それが難しかったわけだけど、600g以下のtype Pのおかげで、“デュアルPC”、“トリプルPC”態勢も容易になった。さあ、次はクアッドPCだ...、とはならないだろうけど。

 (4)価格も重要。ゴトウの2009年のノートPC予算は20万円。その枠で、実は、2台もノートPCを増やそうとしていた。液晶サイズで言うと15.4インチと10.4インチ未満。過去5年間、12インチノートPC一辺倒だったのを、上下に増やす計画だ。なので、type Pの低価格が必須だった。実際には多少オーバーしてしまうのだけど、その話もまたあとで。

 (5)最後につけ加えると、本当は、自分でSilverthorne(シルバーソーン)/Diamondville(ダイヤモンドビル)のAtomブランドCPUを買わないとならない、と考えたところから話が始まっている。Crusoeの時もBanias(Pentium M)の時も、このCPU、実際使わないとダメだよねと、買いに走った。ただ、今回の場合は、欲しいCPUは決まってるのに、欲しいマシンが全然なくて苦しんだ。type Pがなければ、今も、まだSilverthorneマシンは買ってなかっただろう。

Silverthorneのフィーチャ

●低いtype Pの8時間駆動重量

 このコラムを書いているゴトウは、モノのレビューをやれない、半端なテクニカルライター。1年に1回ほどこの記事のような買い物レポートを書くが、どう見てもレビューと言えるシロモノではない。なので、メーカーから発売前のマシンを貸してもらうこともなければ、長期試用なんてのもない。だから、マシンは全部自腹だし、買う時も店頭とか知り合いのマシンを触って、あとはスペック表をチェックして考えるしかない。ホントに、普通人の選び方をしている。

 そこでまず、カタログスペックから8時間駆動重量の割り出しにかかった。そのノートPCを8時間バッテリ駆動するために必要な重量がどれだけになるかの指標だ。例えば、8時間駆動にLバッテリ1本が必要なら、ノートPC本体+Lバッテリ1本の重量が8時間駆動重量になる。なぜ、8時間かというと、ゴトウはフリーランスなので、いったん外出したら8時間以上自分のオフィスに戻らないことが多いから。だから、ノートPCには基本的に8時間駆動を求めている。実際には、自分の使い方では、カタログ値ほどバッテリが持たないケースがほとんどなので、バッファ(余裕)を見てカタログスペックなら10時間程度を8時間駆動重量の目安としている。

 今、使っている12インチはThinkPadのX60で、これは8時間駆動させようとすると約1.9kg前後の重量が必要になる。8セルバッテリに加えて、心配だから4セルバッテリを持った重量だ。今となってはX6x系は、8時間駆動重量ではかなり悪いマシンだ。それに対して、type PはLバッテリと、用心のSバッテリで合わせて800g台(ウチのマシンだと832g)。つまり、8時間駆動重量は現行の44%程度に下がることになる。

 前に12インチと併用して使っていた10.4インチの「Let'snote LIGHT CF-R2」で、バッファを見た8時間駆動重量は1.41kgと約74%だったので、ゴトウが所有したノートPCの中では劇的に低い8時間駆動重量となる。もちろん、今なら、遥かに8時間駆動重量が優れた12インチ10インチが、国産メーカーから多く出ている。それなら、12インチで8時間駆動重量はうまくすれば1〜1.2kgに収まる。それでもtype Pには、8時間駆動重量で80%前後から下というアドバンテージと、さらに差が大きい最低重量、そして、諸刃の剣ではあるが筐体サイズの小ささという利点がある。

 下の図は、各PCのバッテリ駆動時間と重量のチャートだ。これを見ると、type Pのアドバンテージが明瞭にわかる。プライベートで持ち歩く時の最低重量が39%にまで下がることも重要だ。ただし、図の駆動時間は厳密なものではなく、カタログ値からラフに割り出した推定値に過ぎない。あくまでも、イメージをつかむためのものだ。

所有PCの駆動時間と重量の比較

●12インチと10インチ以下の2台ノートPCの態勢に

 type Pでまず欲しかったのが、フルスペックのPCとして最低の8時間駆動重量だった。なぜかというと、荷物態勢を一新したかったからだ。具体的には『大原バッグ』からの脱却。2003〜2004年頃に、日常持ち歩くバッグをデイパックから、ガラガラと引きずる大きなストローラタイプのバッグに切り替えた。この手のバッグは、ライターの大原雄介氏が最初に導入したので、ゴトウは尊敬を込めて大原バッグと呼んでいたのだが、本人(大原氏)にはウケが悪かった。

 ともかく、ストローラバッグを導入したことで、取材時の荷物の重量制限から解放された。機材は軽いに越したことはないのだけど、無理に重量を切り詰める必要がなくなり、気軽に必要充分な機能のマシンを持ち歩けるようになった。

 これは大転換で、その結果として、ノートPCの購入でも、8時間駆動重量をあまり考慮しなくなり、他の要素(価格やHDD換装のし易さ、メインテナンス性)を重視するようになった。ちょうど、CPUベンダーが、シングルコアの性能を上げるという呪縛から離れて、マルチコアに向かい始めたのと同じ頃に、ゴトウも重量という呪縛から離れたわけだ。

 バッグを変えたことで、ノートPCの構成も変わった。それまでは、12インチと10インチ以下の2機種併用で、主力の12インチ以外に、手軽に持てる10インチ以下ノート系として「VAIO C1VSX/K」「VAIO C1MSX」そしてLet'snote CF-R2と乗り継いできた。もっと前をたどれば「ThinkPad 220」(7.7インチ)からこの系統は続いていて、ノートPCは長いこと2機種態勢だった。でも、ストローラバッグ以降は、Let'snote Rの後継を買わず、下のラインはとぎれた。その状況が昨年まで続いた。PCだけでなく、荷物は増え続け、最近では最大時に8kgという重量級バッグになってしまった。

 今回の改革は、それをひっくり返すものだ。ストローラバッグではなくデイパックで、軽いPCを持ち歩く。バッグもPCも、2003年より前の時代に戻そうというコンセプトだ。

●歩くためにストローラは捨てる

 PCを10インチ以下にして8時間駆動重量を大きく減らしデイパックに戻す目的は、歩くため。健康のために、少しでも運動量を増やそうと、毎日できるだけ歩こうとし始めた。だけど、仕事で出る時にストローラバッグだとあまり歩けない。だから、デイパックに戻したいという流れだ。

 また、仕事以外でも歩く機会を増やしたい。けれども、無目的に歩くのはいやなので、例えば買い物とかメシとか目的を設定したい。するとPCは持って行きたくなるので、超軽量のPCが欲しい。この場合は1〜3時間の駆動になるので、最低重量を減らすことが重要になる。この目的には、type Pは完全に合致している。

 やってみると、重量の目標も見えてきた。まず、仕事でデイパックを背負うのに快適に感じられるバッグの重量は3kg程度まで。仕事時に持ち歩くPC以外の、小型カメラなどの道具の重量を量ると、バッグ自体を含めて約2kg。なので、PCの8時間駆動重量は1kg程度がちょうどラインとなり、できるなら1kgより下に抑えたい。もっとも、重いカメラとか持つ時は3kgは達成できないので、その場合はストローラに頼ることにする。

 一方、プライベートで歩くこと中心なら、全部ひっくるめてバッグ1.5kg以下が欲しい。PC以外の日常薬バッグやスマートフォン、iPodなどで、バッグを含めた重量は800g。となると、PCの最低重量の目標は700g以下となる。

 そこで、2007年冬から2008年にかけて軽量ノートPC探しを始めたた。最初は12インチをLet'snote T系やdynabook SS RX系に替えることを真剣に考えた。この2系列については、購入にかなり近いところで、迷いに迷った。このクラスだと仕事用荷物の重量目標はギリギリ達成できるが、プライベートはちょっとはみ出す。

 しかし、2008年2月にSilverthorneの技術的な概要が見えて、ノートPCに使えるとわかった。そこで、SilverthorneベースのノートPCが出てから、購入するノートPCのラインナップ全体を考え直すことにした。結局、2008年は12インチも更新せず、ノートPCは現状維持の年となった。

3kgにまで抑えるとデイパックで身軽に動けるようになる
これまでの荷物はストローラで8kg程度

●ドットサイズが同じに見える視点距離

 そして、待った末に登場したのがtype Pだった。その他のDiamondvilleネットブックには、8時間駆動重量上の利点がなかったから、もとより選択肢になかった。でも、type Pにも、最初はかなりの懸念があった。問題は8インチのLCDサイズだ。サイズ自体はVAIO C1VSX/C1MSXの8.9インチで経験があったものの、解像度はかつてない精細度だ。

 8ワイドは、実面積なら12インチの1/3ちょっとなのに、type Pは1,600×768ドットで表示情報量は56%増し。だから、ドットピッチは12インチX60の約0.24mmから約0.11mmへ半減する。もちろんスケールしてフォントを大きくすればいいのだけど、それだと実情報量が減ってtype Pの意味がなくなってしまう。なので、画面が使いモノになるのか、まず綿密な比較と実証実験をやることにした。

 小型高精細パネルが使いものになるかどうかの検証は、じつは以前にも経験がある。ほぼ同サイズの液晶のVAIO C1MSXが1,280×600ドットだったので、その時も検証をした。ちなみに、今回のtype Pは25対12という変則的な縦横比の液晶パネルだが、VAIO C1も32対15という変な比率だった。縦横比が近いtype Pの感触は、かなりVAIO C1系に近い。そして、VAIO C1のひ孫になるVAIO type Pで、同じ検証作業を繰り返しているわけだ。

 type Pで最初にやったのはドットピッチと視点からの距離の関係の計算。デスクトップでは24インチで1,920×1,200(WUXGA)でドットピッチは約0.27mm。今、これを目から80cm離した距離で使っている。そこで、他の環境で、見かけ上のドットサイズが同程度になる視点距離を計算すると面白いことがわかった。1,024×768ドット(XGA)の12インチノートは約70cm、同じ解像度の10インチノートで約60cm。ゴトウの場合、キーボード入力を快適にしようとするとミニマム50cmが必要なのだが、いずれもこの枠に収まる。

 ところが、type Pは同じドットサイズになる視点距離が33.8cm。50cmラインを軽々切っている。この段階で、type Pがキーボード入力の距離を中心に考えた、今までのノートPCとは違うことが数字でわかる。

手持ちのデバイスの画面解像度と面積の比較

【表】手持ちのデバイスの画面解像度と面積の比較

インチ 解像度比較 面積比較 ドットピッチ(単位mm) 適正視点距離
(24インチを80cmに設置、単位:cm)
ThinkPad X60 12.1 1,024 768 1 1 0.24 71
Let'snote LIGHT CF-R2 10.4 1,024 768 1 0.75 0.21 61
Vostro 1510 15.4 1,920 1,200 2.93 1.54 0.17 51
VAIO type P 8 1,600 768 1.56 0.35 0.11 34
Touch Diamond 2.8 640 480 0.39 0.05 0.09 26
24inch LCD 24 1,920 1,200 2.93 3.75 0.27 80

●PCユースでもAVユースでも35cmがtype Pの適正距離

 でも、目をスマートフォンの方に向けると、今使っているイー・モバイルのTouch Diamond S21HTが2.8インチで640×480ドット(VGA)。これの自分にとっての適正な視点距離は、同じ計算で約26cmとなる。ここで明確にわかるのは、type Pはスマートフォンの視点距離に近いデバイスだということだ。“ラップトップ”じゃあない、新しいカテゴリのデバイスだったのだ。

 面白いのは、同じようなフォームファクタでもVAIO C1系は性格が違ったこと。VAIO C1MSXだと同じ計算をすると50cm視点距離をちょっと切るあたりで、VAIO C1VSXは60cm視点距離だった。実際使った感覚も、C1MSXが50cmでぎりぎり使える感じで、ノートPCとしての違和感はなかった。

 でも、type Pの約35cmという視点距離は、それとは明らかに異なるコンセプトのように見える。視点距離から考えると、35cmでメディアをプレイしたりWebを見たりというのが、本来的な考え方なのだろう。人によって違うだろうけど、少なくとも自分の場合、35cm距離でのキータイピングはあまり快適じゃあない。

 ゲームと大画面AVに詳しいライターの西川善司氏によると「TVの買い方の基本は、ディスプレイの対角長の3倍の視聴距離。でも、今はワイド画面になって縦幅がせまくなったため2倍程度が正しいだろう」という。

手持ちのノートPCとディスプレイを同じドット面積になる視点距離で並べた。左がtype P、中央がデスクトップの24インチディスプレイ、右がThinkPad X60。ゴトウの眼で見た場合、35cmのtype Pに合わせると、写真のように後ろのディスプレイはぼやけて見えることになる

 そこで、type Pのディスプレイサイズの対角からAVとして適正な視聴距離を計算すると、2倍時に約41cmの距離となる。だが、実際にはtype Pの画面サイズは、16:9(PCでは16:10)よりさらに横長(25:12)だ。そこで、type Pのディスプレイ中での16:9のビデオの対角を求める。縦をフルに使って16:9ビデオを表示するとしたら、計算上は対角7.1インチのビデオ画面となる。その2倍は約36cmとなるので、先ほどの計算とほぼ符合する。

【3月10日追記】

 この部分は間違いでした。お詫びします。

 訂正すると、AVの視聴距離のセオリーは画面高さ実寸の3倍で、画角ではない。なので、type Pの場合は3倍で約26cm、2倍で約17cmと、35cmよりずっと近い距離になる。type Pの本質には関わらないものの、ビデオを大画面と同等の迫力で見ようとすると、あまり実用的とは言えない距離になる。

 ただし、間違いではあったものの、この数字の違いは、PCとAVの情報密度の違いを示していて面白い。同じディスプレイで、快適なAV表示の距離と、データ表示に最適な距離が違ってくることを示しているからだ。デジタルAVと情報機器の境がなくなりつつあると、この問題はデバイスの使い方やデザインに影響して来そうだ。

【追記以上】

 つまり、PCユースでのドットサイズから言っても、AV的なユースの対角の法則から言っても、35cm程度がtype Pの適正な視点距離(=視聴距離)ということになる。ここで、type Pが35cmデバイスであることが、裏付けられた、と思う。

見かけドットサイズが同程度になる視点距離

●チェストトップとなるtype Pの35cm視点距離

 ここまでが見えると、あとは簡単だ。35cm視点距離で、自分自身がどんな使い方ができるのかという検証となる。ゴトウの場合、このマシンをエンターテイメントではなく、仕事のために買うので、その検証が必要となる。実はtype Pの前に富士通の「FMV-BIBLO LOOX U/B50N」も検討した。この時はドットピッチが約0.09mmで適切な視点距離が約28cm、画面実面積が12インチノートPCの約20%で、ゴトウの使い方には適さなかったので、この段階でふるい落とされた。

 データ量と見え方の検証は簡単で、24インチで1,600×768ドットの大きさに表計算を開いて80cmの距離で見れば、それがtype Pの画面となる。この段階で、データ参照ならデータ量と見やすさの点で問題がないことがわかる。

 さすがに問題があったのは、35cm視点距離にtype Pを保持する方法だ。まず、寝そべった状態なら胸にクッションを重ねてそこに立てかけるチェストトップで使える。ノートパッド的に手に持った状態もOK。ちょっと困るのが、デスクトップに置いた時で、前屈みに画面にのしかかる体勢で35cmとなる。自分の場合、これは快適なデータ入力には向いていない。前傾しない快適な体勢だと50cm視点距離だ。

 どうにもならないのは机がなく座ったラップトップ状態。これは、手持ちしない限り、50cm視点距離になる。type Pは手持ちで使い易いようには作られていないから、手持ちも合理的じゃあない。膝の上にバッグを置いたりとか試してみたが、うまくなく、安定した状況で使うには50cm距離が必須となる。仕事で出る場合は、列車の中で座って使うケースが多いので、実質的に50cmの視点距離がそれなりの比重を占めることになる。

実際に電車の中で使ってみたところ

●50cmで使う場合には1,067×512ドット相当でVAIO C1VSXと近い

 そこで、次は、50cm視点距離でtype Pがどう使えるかを検証することにした。type Pでの50cmは、ドットサイズ的には24インチでの約120cm距離相当になる。これは、視力がよくない自分としては、致命的に見るのがきつい。でも、50cmだとキーボードで快適なテキスト入力ができる。

 そこで、テキスト入力に使うことを想定して、フォントサイズだけを大きくすることにした。計算上は、フォントを今までの1.5倍にすれば50cmで使えるはずだ。それも、入力するタイプの文書のフォントだけを大きくすればいい。テキスト入力は秀丸エディタしかほぼ使わないので、これは簡単だった。拡張子に応じて、原稿とメモ用のテキストのフォントだけを大きくする設定にすればいいからだ。

 そもそも、DOS時代からテキストの拡張子はタイプ分けをしてあって、原稿やメモは「txt」、完成原稿は「gen」、資料データは「080」、管理ファイルは「kan」と細かく設定してある。そこで、type Pの秀丸では拡張子txtのフォントサイズ設定だけを1.5倍にすることにした。この場合、テキストの画面情報量は実質的に1,067×512ドット相当となり、X6x系のXGAの69%にまで落ちてしまう。もっとも、逆を言えば69%にしか落ちないとも言える。雰囲気としてVAIO C1VSX(8.9インチ1,024×480)の頃に戻った感じ(C1の方が約20%強ほど画面実面積が大きいが)で、経験上、使えることがわかっている。

 他のアプリについては、表計算は一手間かけてズームすれば、窮屈だが一応はOK。意外だったのが、よく参照するPowerPointやPDFのプレゼンテーション。これが全画面ならほぼ問題がない。元々プレゼンは遠距離から見えることを考慮しているのだから当然と言えば当然だ。次は写真のjpg。これもほとんどがカンファレンスのスライドなので右に同じ。

 この段階で、type Pは35cmと50cm視点距離で、とりあえず使えることが検証できた。

 では、type Pを具体的にどう使うことにしたのか。次回は、type Pの導入までと、その後をレポートしたい。

VAIO type PとC1系の画面解像度と面積の比較
35cm距離だとこんな風にかがみ込むようにしてのぞき込むことになる
50cm距離だとゆったりもたれかかってキーボードを打てる

□ソニーのホームページ
http://www.sony.co.jp/
□製品情報
http://www.vaio.sony.co.jp/Products/P1/
□関連記事
【2003年4月15日】【海外】ノート選びは8時間駆動重量と高奥サイズ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0415/kaigai01.htm
【1月8日】【Hothot】ソニー「VAIO type P」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2009/0108/hotrev395.htm
【1月8日】ソニー、封筒サイズの“ポケットスタイルPC”「VAIO type P」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2009/0108/sony.htm

(2009年3月9日)

[Reported by 後藤弘茂]

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