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富士通「ARROWS Tab QH77/M FARQ77M」

〜防水/防塵対応の2-in-1 Ultrabook

富士通「ARROWS Tab QH77/M FARQ77M」
発売中

価格:オープンプライス

 富士通は、液晶部着脱式Ultrabook「ARROWS Tab QH77/M FARQ77M」を11月30日に発売した。クラムシェル型ノートとしてもタブレットとしても利用できる、いわゆる”2-in-1”タイプのUltrabookだが、ARROWS Tabというブランド名からも分かるように、どちらかというとタブレットスタイルでの利用をメインとした製品に仕上がっている。価格はオープンプライス、実売価格は183,000円前後。

3パターンのスタイルで使用可能

 この冬、富士通は、Bay Trail-TことAtom Z3770や超高解像度液晶を搭載し、防水/防塵にも対応するWindows 8タブレット「ARROWS Tab QH55/M」や、超高解像度液晶に防水/防塵、フルセグ対応のLTE Androidタブレット「ARROWS Tab F-02F」および「ARROWS Tab FJT21」など、高品質なタブレット製品を続々発売している。そういった中で登場した「ARROWS Tab QH77/M FARQ77M」(以下、QH77/M)は、製品ブランドこそARROWS Tabだが、着脱式のキーボードが付属し、CPUにHaswellを搭載したクラムシェル型ノートPCとしても利用できる、2-in-1スタイルのUltrabookとなっている。

 最大の特徴となるのが、付属の着脱式スリムキーボードや、別売オプションのクレードルを利用することで、クラムシェル型ノート、タブレット、デスクトップと3種類のスタイルで利用できる点だ。

 まず紹介するのがクラムシェルスタイルだ。付属のスリムキーボードとドッキングすることで、Ultrabook相当のモバイルノートに近い感覚で利用できる。このスリムキーボードは名前の通り薄型仕様で、本体とドッキングさせた状態でもサイズは309.6×212.7×20mm(幅×奥行き×高さ)と、着脱式Ultrabookの中でもまずまずの薄型ボディを実現している。

 着脱式キーボードを外すと、ピュアタブレットスタイルとして利用可能となる。タブレット部のサイズは、309.6×199.3×11.9mm(同)。CPUにCore i5-4200Uを採用し、冷却ファンも内蔵していることもあり、ファンレス仕様のBay Trail-T搭載タブレットよりもやや厚くなっている。それでも、同じCPUを搭載する日本マイクロソフトのタブレットPC「Surface Pro 2」よりも1.6mm薄く、Core iシリーズ搭載タブレットとしても十分な薄型といえる。

 最後にデスクトップモード。こちらは、別売オプションとして用意されている専用クレードルに本体を取り付けた状態を指す。クレードルにはUSB 3.0×4ポート、HDMI出力、Gigabit Ethernetポートなどが用意され、別途キーボードとマウスを用意することで、デスクトップPC相当として利用可能となる。外部ディスプレイを接続すれば、デュアルディスプレイ構成となり、よりデスクトップらしい活用が可能。さらに、このクレードルには空冷ファンを内蔵しているためドッキング時に冷却能力が高まり、CPUの処理能力を最大限引き出せるように設定されている。これは、第3世代以降のCoreプロセッサが備える「Configurable TDP」機能を利用したもので、QH77/Mではクレードル装着時には高TDPのフルパフォーマンスで、クラムシェルスタイルやタブレットモードでは低TDPの低クロック動作となる。残念ながら、今回はクレードルを試用できなかったため、クレードル利用時の動作チェックは行なえなかったが、性能重視ならクレードルも用意したいところだ。

 本体重量は、タブレット部単体で約980g、スリムキーボードとのドッキング時で約1.67kg。実測では、タブレット部単体で965g、スリムキーボードドッキング時で1,633gと、どちらも公称よりわずかに軽かった。ただ、タブレット単体やUltrabookとして見ると、やや重いのも事実。実際に手に持つと、タブレット、クラムシェルスタイルどちらもずっしり重く感じる。とはいえ、着脱式Ultrabookはその構造上どうしても重量が重くなるのに加え、QH77/Mは液晶サイズが12.5型とやや大きいことも、重量増となっている要因だ。できれば、もう少し軽ければよかったが、仕様を考えるとまずまず納得の範囲内と言える。

タブレットに付属のスリムキーボードを装着した状態。通常のクラムシェル型ノート同等として利用できる
タブレット部のみを切り離すことで、Windows 8タブレットとして利用できる
タブレット部とキーボード部は、ヒンジ部のボタンを押しながら切り離せる
別売りとなるオプションのクレードルに装着すれば、デスクトップ相当として活用できるとともに、CPUの性能もフルに引き出せるようになる
タブレット部のフットプリントは、309.6×199.3mm(幅×奥行き)。スリムキーボード装着時には奥行きが3.4mm大きくなる
タブレット部側面下部。大きな接続端子が見えるが、スリムキーボードやオプションのクレードルとの接点となる
左側面。高さは11.9mmと、Coreプロセッサ搭載タブレットとしては薄型となっている
上部側面
右側面。高さは下側がわずかに薄くなっているが、ほぼフラットだ
スリムキーボード装着時の前面。タブレット部よりもキーボード側がかなり薄いことが分かる
左側面。高さは20mmと、着脱式Ultrabookとしてはまずまずの薄さだ
背面
右側面。試用機では前方がやや浮いていたが、前方から後方までほぼフラットだ
タブレット天板部分。カラーはブラックで落ち着いた印象だ
タブレット部の重量は、実測で965g。1kgを切ってはいるが、やや重い印象だ
タブレット部とスリムキーボードを合わせた状態での重量は1,631g。手に持つとかなりずっしり重く感じる

優れた防水/防塵性能を備える

 QH77/Mのタブレット部は、ほかのARROWS Tabシリーズ同様、防水および防塵に対応している。それも、防水性能はIPX5/7/8準拠、防塵性能はIP5X相当と、Coreプロセッサ搭載タブレットとしてトップクラスの防水/防塵性能を備えている。

 ところで、QH77/Mに搭載しているCore i5-4200Uは、ファンレスで動作させるのは厳しいため、冷却用の空冷ファンが搭載されている。空冷ファン搭載のタブレットでは、防水/防塵性能を実現するのは難しく、これまでは非防水/防塵となるのが普通だった。しかしQH77/Mでは、モーターなどの通電部を防水構造とし、水中でも動作する防水モーターを新規に開発。これにより、空冷ファンを搭載しつつ防水/防塵性能を実現し、発熱の多いCore i5-4200Uの搭載と、優れた防水/防塵性能を両立している。

 今回は試用機材だったため、水没させての動作確認は行なっていないが、シャワーで水をかけても全く問題なく動作した。もちろん、ファンの部分に水がかかっても、動作に支障はきたさなかった。加えて、湿度80% RHの高湿度環境での動作もサポートされているため、風呂場での使用も安心だ。

 ただし、防水/防塵性能を備えるのは、タブレット部本体のみで、スリムキーボードは防水仕様ではない。そのため、水場で利用する場合にはタブレット部のみで利用するように注意したい。

空冷ファン搭載ながら、優れた防水/防塵性能を備え、風呂場など水場での利用も安心
側面にはファンの排気口が用意されているが、水中でも問題なく動作する防水仕様のファンを採用し、排気口に水が入っても本体内部に水が浸入しないような構造となっている

12.5型フルHD液晶を採用、デジタイザも標準搭載

 この冬に富士通が発売したARROWS Tabシリーズは、どれもフルHD超の超高解像度液晶の搭載が特徴となっている。それに対しQH77/Mは、12.5型とほかのシリーズよりも大型の液晶を採用してはいるものの、表示解像度は1,920×1,080ドットのフルHDとなっており、やや見劣りする。

 とはいえ、12.5型クラスの液晶であれば、フルHDの表示解像度があれば不満を感じることはない。実際にQH77/Mの液晶を見ても、文字の荒さを感じることはなく、また写真や動画も十分に高精細だ。表面が光沢処理のため、外光の映り込みは気になるものの、発色は鮮やか。また、パネルはIPS方式で視野角が広く、タブレットモードで使う場合でも色合いの変化などを気にせず利用可能で、表示品質に大きな不満は感じない。

 タッチパネルは、10点マルチタッチ対応の静電容量方式タッチパネルと、電磁誘導方式デジタイザ双方に対応し、標準でワコム製のデジタイザペンが付属する。デジタイザペンは1,024段階の筆圧検知に対応し、なめらかなペン入力が可能。また、IPX2相当の防滴仕様で、水が直接かかることに注意すれば、水場での利用も可能。特に、画面に水滴が付いている場合には、静電容量方式のタッチパネルでは誤動作が多発するのに対し、デジタイザなら誤動作することなく快適な操作が可能で、優れた防水性能を最大限活用できる。

 さらに、左側面に用意された「ショートカットボタン」を長押しすると、表示している画面をキャプチャし、手書き入力アプリにキャプチャ画像が転送され、メモを書き込むことが可能。ほかのARROWS Tabシリーズでも実現されている機能だが、簡単にペンを活用できる仕組みを標準で用意している点は嬉しい配慮だ。

液晶は、1,920×1,080ドット表示対応の12.5型IPS液晶を採用。フルHD超の超高解像度ではないが、十分に高精細かつ発色も鮮やかで、表示品質に不満はない
標準で電磁誘導方式デジタイザに対応し、ワコム製デジタイザペンが付属する
デジタイザペンは本体側面に収納可能。またIPX2相当の防滴仕様にも対応している
デジタイザペンは1,024段階の筆圧検知に対応しており、なめらかなペン入力が可能だ
本体側面の「ショートカットボタン」長押しで「ワンタッチキャプチャ機能」が起動。表示中の画面がキャプチャされ、指定した手書きアプリに転送してメモ入力が行なえる

引き出し型スタンド内蔵で後方に倒れるのを防止

 付属のスリムキーボードは、バッテリなどを内蔵しない、純粋なキーボードとなっている。反面、非常に薄い形状を実現し、本体とドッキングさせた場合でも20mmの薄さが実現される。

 キーボードは、キーの間隔が開いたアイソレーションタイプ。キーピッチは約19mmとフルサイズで、無理な配列も一切なく、余裕のあるタッチタイプが可能。また、ストロークも約1.7mmとUltrabookのキーボードとしては深く、しっかりとしたクリック感もあり、打鍵感にも優れる。キーボードバックライトは搭載しないが、キーボードの使い勝手はUltrabookの中でもかなり良い部類だ。

 ポインティングデバイスは、クリックボタン一体型のタッチパッドを採用。ジェスチャー操作への対応など、タッチパッドの仕様自体はほかのUltrabookと大きく変わらないが、縦の幅が狭く、やや使いにくく感じた。

 ところで、スリムキーボードはバッテリなどを搭載しないため、タブレット部に比べてかなり軽い。そのため、ドッキング時にタブレット部を開くと、タブレット部の重さで後方に簡単に倒れてしまう。これは、液晶部にPCを構成する全てのデバイスを搭載する必要のある着脱型ノートの大きな弱点だ。

 そこでQH77/Mでは、本体が後方に倒れるのを防ぐために、スリムキーボード底面の一部を後方にスライドさせて引き出す機構を備えている。実際に、底面を後方に引き出しておけば、タブレット部を最大限開いても、後方に倒れることはなかった。ただ、クラムシェルスタイルで使う場合には、基本的に底面を引き出す必要があるため、使い勝手がやや損なわれていると感じた。

スリムキーボードはアイソレーションタイプ。変則な配列がなく、扱いやすい
キーピッチは約19mmとゆったりしており、タッチタイプも余裕
ストロークは約1.7mmと、Ultrabookのキーボードとしては深く、しっかりしたクリック感と合わせ打鍵感はかなり優れる
ポインティングデバイスはクリックボタン一体型のタッチパッドを採用。縦の幅がやや狭い点は気になった
スリムキーボード底面後部は後ろに引き出せるスタンドになっており、本体が後方に倒れるのを防ぐ
底面スタンドを引き出しておけば、タブレット部を開いても後方に倒れない
【動画】底面スタンドを引き出している様子

スペックはUltrabookとして標準的

 QH77/Mの基本スペックは、Ultrabookとして標準的なものとなっている。CPUはCore i5-4200Uを採用し、メインメモリは標準で4GB(LPDDR3-1600)搭載。内蔵ストレージは128GBのSSDを採用。IEEE 802.11a/b/g/n対応の無線LANとBluetooth 4.0+HSを標準搭載。カメラ機能は、背面が約500万画素、液晶面が約200万画素。背面には指紋認証センサーを搭載し、指紋によるWindowsのログオンやWeb認証が可能。また、NFC/FeliCaも搭載しており、NFC対応スマートフォンやNFC対応周辺機器とのタッチによる連携や、Webショッピングでの決済などができる。

 ポート類は、タブレット部の左側面に電源コネクタ、右側面にヘッドフォン/マイク共用ジャック、USB 3.0ポート×1、Micro USB 2.0ポート×1、microSDカードスロットを備えるのみ。スリムキーボードにはポートはなく、タブレット部にも映像出力端子や有線LANポートはない。またUSBポートも少なく、本体のみでの拡張性はかなり心許ない。ただし、オプションのクレードルを用意すれば、USB 3.0ポート、HDMI出力、Gigabit Ethernetなどが利用可能となり、十分な拡張性を実現できる。

ポートは右側面にのみで、ヘッドフォン・マイク共用ジャックとUSB 3.0ポート、Micro USB 2.0ポート、microSDカードスロットを用意
本体右天板部分に指紋認証センサを搭載。指紋を利用したWindowsログオンやWeb認証などに活用できる
指紋認証センサ下部にはNFC/FeliCaも搭載。NFC対応スマートフォンとの連携やWeb決済などに活用できる
天板には約500万画素のカメラを搭載
液晶面中央上部には約200万画素のカメラを搭載する
液晶下部のWindowsボタンはタッチセンサー式
付属のACアダプタはスティックタイプで携帯性に優れる
電源ケーブル込みのACアダプタの重量は実測で233gだった

クレードルなしではフルパワーが発揮されずやや性能が低い

 では、ベンチマークテストの結果を見ていこう。今回利用したベンチマークソフトは、Futuremarkの「PCMark 7 v1.4.0」、「PCMark Vantage Build 1.2.0」、「PCMark05 Build 1.2.0 1901」、「3DMark Professional Edition v1.1.0」、「3DMark06 Build 1.1.0 1901」、カプコンの「モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】」の6種類。比較として、ASUSの「ZENBOOK UX301LA-SIS」、日本HPの「HP ENVY 14 TouchSmart 14-k023TX Sleekbook」の結果も加えてある。

【表】ARROWS Tab QH77のベンチマーク結果
ARROWS Tab QH77/M
+キーボードドック
ZENBOOK UX301LA-SIS HP ENVY 14 TouchSmart 14-k023TX Sleekbook
CPU Core i5-4200U(1.60/2.30GHz) Core i7-4500U(1.80/3.00GHz) Core i5-4200U(1.60/2.60GHz)
ビデオチップ Inte HD Graphics 4400 Inte HD Graphics 4400 Inte HD Graphics 4400
GeForce GT 740M
メモリ LPDDR3-1600 4GB PC3L-12800 DDR3L SDRAM 8GB PC3L-12800 DDR3L SDRAM 8GB
ストレージ 128GB SSD 512GB SSD (256GB×2 RAID 0) 1TB HDD + 24GB SSD Hybrid
OS Windows 8.1 Windows 8 Windows 8
PCMark 7 v1.4.0
PCMark score 3378 5272 4096
Lightweight score 2462 3478 2723
Productivity score 1743 2593 2151
Entertainment score 2228 3746 2969
Creativity score 6922 10280 7428
Computation score 9641 17316 12642
System storage score 5075 5491 4377
Raw system storage score 4401 6200 2193
PCMark Vantage x64 Build 1.2.0
PCMark Suite 8333 11889 10927
Memories Suite 5293 6754 5344
TV and Movies Suite N/A N/A N/A
Gaming Suite 6309 10529 9310
Music Suite 11837 16093 12196
Communications Suite 10448 14537 13128
Productivity Suite 9112 11807 14137
HDD Test Suite 39537 31900 17109
PCMark05 Build 1.2.0
PCMark Score N/A N/A N/A
CPU Score 5402 9448 8103
Memory Score 6773 9139 6098
Graphics Score 1773 3143 3058
HDD Score 36962 48126 27405
3DMark Professional Edition v1.2.250 3DMark Professional Edition v1.1.0
Ice Storm 18343 36632 14035
Graphics Score 20012 37743 13244
Physics Score 14200 33211 17749
Cloud Gate 2068 4834 4573
Graphics Score 2488 6207 6190
Physics Score 1301 2725 2389
Fire Strike 244 693 986
Graphics Score 271 759 1080
Physics Score 1701 3935 3285
3DMark06 Build 1.2.0 1901
3DMark Score 2617 6851 8991
SM2.0 Score 882 2364 3872
HDR/SM3.0 Score 1081 2900 3548
CPU Score 1672 3573 3065
モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】
1,280×720ドット 1210 3189 3992
独自の省電力ユーティリティ「ステータスパネルスイッチ」で、クレードルに装着していない場合でも、クレードル装着時に設定される「クレードルモード」に設定できるが、実際のCPUの動作クロックは上昇しない

 結果を見ると、上位CPUを搭載するZENBOOK UX301LA-SISはもちろんだが、同じCPUを搭載するHP ENVY 14 TouchSmart 14-k023TX Sleekbookにもスコアが劣っている。先に紹介したように、QH77/Mはオプションのクレードルに装着した場合のみCPUがフルパワーで動作し、それ以外の形状ではCPUのConfigurable TDP機能を利用し、動作クロックを低下させた低TDPでの動作となるため、どうしてもパフォーマンスも低めとなる。

 特に、3D描画能力の落ち込みはかなり大きく、テストによってはるHP ENVY 14 TouchSmart 14-k023TX Sleekbookの3分の1以下のスコアに留まっているものもある。とはいえ、これがQH77/M本来の仕様であり、スコアの低さも仕方がないだろう。ちなみに、掲載したテスト結果は、クラムシェルスタイルで計測したものだが、タブレットモードでもほぼ同等の結果であった。

 本体の発熱の状況によっては、さらに大きくスコアが低下する場面もあった。実際に、ベンチマークテスト実行中のCPUクロックの変化をチェックしてみたところ、発熱の少ないテスト開始直後では1.6GHz前後の高クロックで動作する場面もあったが、すぐに1GHz前後にまで低下し、1GHzを下回るクロックで動作する場面もかなりの頻度で確認された。空冷ファンが搭載されているとはいえ、優れた防水/防塵性能の実現のため、内部に熱がこもりやすいものと考えられる。優れた性能と防水/防塵性能の両立の難しさがここに表れていると言っていいだろう。

 また、テスト中に気になったのは、空冷ファンの動作音の大きさだ。高負荷時のファンの動作音はかなり大きく、ややうるさく感じてしまう。また、低負荷時でもファンの動作音が耳に届く場面が多かった。図書館など静かな場所で利用する場合には、動作音が気になる可能性が高く、特に高負荷な作業は控えた方が良さそうだ。

 次にバッテリ駆動時間だ。QH77/Mには、容量46Whのリチウムポリマバッテリが内蔵され、公称のバッテリ駆動時間はタブレット時で約16時間、スリムキーボード装着時で約13時間とされている。それに対し、タブレットモードでWindowsの省電力設定を「省電力」に設定し、バックライト輝度を40%、無線LANを有効にした状態で、BBenchでキー入力とWeb巡回にチェックを入れて計測してみたところ、約4時間56分と、公称の3分の1以下の駆動時間だった。

 測定方法に違いがあるため、公称と実測の駆動時間に差が出ることは多いが、それでもこの差はあまりにも大きすぎる。より実際の利用環境に近い測定方法での結果を公称値として採用してもらいたい。

優れた防水/防塵性能が必要な人におすすめ

 QH77/Mは、Ultrabook準拠の2-in-1モバイルだが、一般的なUltrabookにはない優れた防水/防塵性能を備えるとともに、タブレット、クラムシェル型ノート、デスクトップスタイルと3パターンのスタイルで活用できる、ほかにはない特徴を備える製品に仕上がっている。

 付属のスリムキーボードを利用する場合には底面スタンドを後方に引き出さなければ安定性に欠けたり、Configurable TDP機能により標準のCPU動作クロックが低く抑えられ、タブレットやクラムシェルスタイルでややパフォーマンスが低い、駆動時間がやや短いなど、いくつか気になる部分もあるが、軽快なペン入力が可能なデジタイザ標準対応や、指紋認証やNFC、FeliCaなど豊富な機能を搭載しており、完成度はかなり高い。タブレット部のみの対応ではあるが、優れた防水/防塵性能も大きな魅力で、場所や環境を問わず軽快に使えるUltrabookを探しているなら、十分におすすめできる製品だ。

(平澤 寿康)