レノボ・ジャパン「IdeaPad Tablet K1」
~レノボブランドのAndroidタブレット



レノボ・ジャパン「IdeaPad Tablet K1」

8月26日 発売
価格:オープンプライス



 レノボ・ジャパンは、OSにAndroid 3.1を採用するタブレットデバイス2機種を発表した。コンシューマ向けとして位置付けられている「IdeaPad Tablet K1」と、企業向けとして位置付けられている「ThinkPad Tablet」だ。今回はIdeaPad Tablet K1を紹介しよう。

●Adnroid 3.1タブレットとしてオーソドックスなスペック

 IdeaPad Tablet K1(以下、K1)は、OSとしてAndroid 3.1を採用するタブレットだ。すでにAndroid 3.0/3.1採用のタブレットデバイスはいくつかの製品が登場済みだが、K1の基本的な仕様は、それら登場済みの製品とほぼ同等となっている。

 本体デザインは、比較的シンプルではあるが、背面カラーにホワイトとレッドの2色が用意されているという点からは、かなりコンシューマ向けを意識しているという印象を受ける。今回試用した個体はホワイトモデルだったが、光沢仕上げによって高級感も感じられ、なかなか悪くないデザインだ。

 本体サイズは、264×189×13.3mm(幅×奥行き×高さ)。MOTOROLA「XOOM Wi-Fi TBi11M」(以下、XOOM)と比較してみると、高さは0.4mm厚いだけでほぼ同等だが、幅が15mm、奥行きが22mmとXOOMより一回り大きい。重量は公称で約750g、実測では739gだった。XOOMは実測で696gだったので、K1はXOOMより43g重いことになる。ただ、タブレットデバイスとしては、けっして軽いわけではないものの、サイズが大きいこともあってか、実際に手にしても、それほど重いとは感じなかった。

 搭載されているプロセッサは、NVIDIAのデュアルコアプロセッサTegra 2 1GHz。メモリは1GB、内蔵ストレージ容量は32GBで、外部メモリとしてmicroSDが利用可能となっている。無線機能は、IEEE 802.11b/g/n対応の無線LANとBluetooth 2.1+EDRを標準搭載しており、3G機能は搭載しない。センサー類は、GPS、加速度センサー、光センサー、電子コンパスを搭載する。

 液晶パネルは、1,280×800ドット表示対応の10.1型液晶を搭載。液晶パネルの種類は公表されていないが、十分に視野角が広い。液晶パネル表面は光沢処理が施されており、発色は鮮やかだが外光の映り込みは激しい。タッチパネルは静電容量方式で、10点マルチタッチに対応している。

 カメラ機能は、背面側に約500万画素のメインカメラと、前面の液晶パネル上部中央にも約200万画素のカメラを搭載。メインカメラにはLEDフラッシュも用意されている。

 本体側面のコネクタおよびボタン類は、底面にmicro HDMI出力とヘッドフォン端子、付属のACアダプタおよびUSBケーブルを接続する独自形状のコネクタが、左側面に電源ボタン、ボリューム調節ボタン、microSDカードスロットがそれぞれ配置されている。また、左側面の電源ボタン横にはマイクが搭載されている。microSDカードスロットは埋め込み式のフタが取り付けられており、付属のピンを利用してフタを開けなければアクセスできないようになっている。microSDカードを頻繁に着脱することはないと思うが、少々扱いづらく感じた。

 PCなどと接続してデータ転送を行なう専用USBケーブルは付属しているが、充電は付属のACアダプタを利用する必要があり、USBケーブルでの充電には非対応。また、K1にUSB機器を接続して利用するUSBホストケーブルは付属せず、オプションで用意されるかどうかも現時点では不明。そのため、現時点ではマウスやゲームコントローラなど、Android 3.1でサポートされたUSB機器の利用はできない。

本体正面。液晶パネルは1,280×800ドット表示対応の10.1型液晶で、表面は光沢仕様。タッチパネルは静電容量方式で10点マルチタッチに対応するフットプリントは、264×189mm(幅×奥行き)。XOOM(手前)と比較すると、幅、奥行きともに大きいことがわかる厚さは13.3mm。XOOM(左)よりわずかに厚いが、実際に並べて見てもその差はほとんど感じられない
重量は実測で739gと、他のAndroid 3.0/3.1タブレットよりやや重い裏面側。試用機は光沢感の強いホワイトカラーで、シンプルだが高級感も感じられるデザインだ。カラーはホワイト以外にレッドも用意される背面に、約500万画素のメインカメラを配置。カメラの下にはLEDフラッシュも用意されている
背面下部にステレオスピーカーが搭載されている液晶パネル上部中央には、約200万画素のWebカメラを搭載本体下部側面。コネクタ類はこちらに集約されている
micro HDMI出力とヘッドフォン端子、専用のACアダプタやUSBケーブルを接続する独自形状のコネクタが用意されている左側面。こちらには物理ボタンなどが配置されている物理ボタンは、電源ボタン、ボリュームボタンを用意。ボリューム右のスライドスイッチで、画面のローテーションをON/OFFできる。電源ボタン左の穴はマイクだ
microSDカードスロットはフタで保護されているmicroSDカードスロットのフタは、付属のピンを利用して開く構造となっており、若干使いづらい付属のACアダプタは小型で軽量。下部の独自形状コネクタに接続して利用する
こちらは付属のUSBケーブル。PCなどと接続してデータの転送が行なえる。USB経由での充電には対応しない上部側面には、ボタンやコネクタ類など一切配置されていない右側面にもボタンやコネクタ類はない

●独自の物理ボタン「Optical Finger Navigation (OFN)ボタン」を搭載

 基本的なスペック面は、登場済みのAndroid 3.0/3.1タブレットとほぼ同等ではあるが、K1には他の製品にはない面白い機能が用意されている。それは、「Optical Finger Navigation (OFN)ボタン」というものだ。

液晶右側に用意されている独自の物理ボタン「Optical Finger Navigation (OFN)ボタン」。ボタン部は光学センサーが内蔵され、ジェスチャー操作にも対応する

 Android 3.0/3.1タブレットでは、電源ボタンとボリューム調節ボタン以外の物理ボタンは基本的に用意されない。しかしK1には、液晶パネル右側中央に、楕円形の物理ボタンが配置されている。これがOFNボタンだ。

 OFNボタンは、単なる押し込み可能な物理ボタンではなく、ボタン部分に光学センサーが内蔵されており、ジェスチャーによる操作を可能としている点が大きな特徴だ。OFNボタンを押すと「ホームに移動」、長押しすると「スクリーンキャプチャの撮影」が行なえ、OFNボタン部分を下にスワイプすると「戻る」、上にスワイプすると「アプリのオプションメニュー表示」という動作ができる。K1を両手で持つと、右手の親指がちょうどOFNボタン付近に来るため、扱いやすい。特に、Webブラウザを利用している場合などは、便利に活用できる。

 Android 3.0/3.1タブレットでは、電源とボリューム調節以外の物理ボタンを排除するデザインとなっているが、OFNボタンのような物理ボタンは、操作性を高めるのはもちろん、スペック面を含めほぼ横並びのAndroid 3.0/3.1タブレットの中で、他にはない特徴を備えるという意味でも、歓迎できる特徴と言っていいだろう。

OFNボタンで操作している様子
OFNボタン長押しでスクリーンショットが撮れる

●独自アプリやゲームを多数搭載

 K1には、レノボ独自のアプリやゲームアプリなどが多数プリインストールされている。その中で特徴的なものが、ホーム画面中央に置かれている「ランチャー・ゾーン」というものだ。中央にブラウザを起動する地球儀アイコンと、地球儀アイコンを囲むように「見る」、「メール」、「リーディング」、「聞く」という4つのアイコンが配置され、それぞれをタップすることで、ギャラリー、Gmailアプリ、ブックリーダー、音楽再生アプリが起動する。標準設定では、ブックリーダーにはZinio Reader、音楽再生アプリにはmSpotがそれぞれ割り当てられている。もちろん、設定で自由にアプリを指定することが可能。ホーム画面に直接アプリのアイコンを置くのと変わらないという気がしないでもないが、画面中央部に大きく常時されるのでわかりやすく、アイコンの場所を見失うこともないので、Android初心者にとって扱いやすいはずだ。

 また、FacebookやTwitterなどのソーシャルサービス、Gmailなどを一元管理できる「Social Touch」も、レノボ独自のアプリだ。ホーム画面上のウィジェットで最新の投稿メッセージが確認できるのに加え、アプリを開くとメッセージやメールの確認や投稿などが行なえる。異なるソーシャルサービスを一元的に管理できるため、こちらも便利に活用できるだろう。

 さらに、画面下部中央に、他のAndroid 3.0/3.1タブレットには見られないアイコンが用意されているが、こちらは登録したアプリを素早く起動できるランチャーを表示させるアイコンだ。このアイコンをタップすると、画面右側に登録されたアプリのアイコンがポップアップ表示され、素早く起動が可能。ホーム画面状態はもちろん、アプリを起動している状態でも呼び出せるため、特に頻繁に利用するアプリは、ホーム画面上にアイコンを置くのではなく、このランチャーに登録しておくと便利だ。ちなみにこのランチャーには最大6個のアプリが登録可能だ。

 その他、複数のゲームアプリがプリインストールされている。レースゲームの「Need for Speed Shift」は体験版で、プレーするには製品版を購入する必要があるが、シューティングゲームの「Galaxy on Fire 2 THD」などいくつかはフルバージョンがインストールされているため、すぐにゲームも楽しめる。

 日本語入力アプリは「Go Keyboard」が導入されている。個人的な印象では、Go Keyboardは少々扱いづらいと感じたため、他の日本語入力アプリを導入した方がいいだろう。また、フォントがいわゆる中国語フォントとなっている点も気になった。レノボによると、フォントに関しては、今後のバージョンアップで変更される予定があるという。

 ところでK1では、Androidマーケットに加えて、レノボが提供するアプリ販売サイト「Lenovo App Shop」からも各種アプリのダウンロードが可能となっている。Lenovo App Shopでは、レノボが独自に動作検証したものや動作を最適化したアプリが配布されることになっている。

ホーム画面中央に「ランチャー・ゾーン」が配置されており、ブラウザやギャラリー、Gmailなどを簡単に起動できるランチャーには、好きなアプリを登録できる「見る」をタップするとギャラリーが起動し、静止画や動画を表示できる
「リーディング」には「Zinio Reader」が割り当てられている「聞く」には「mSpot」が割り当てられている右側のウィジェットが、ソーシャルサービスを一元管理できる「Social Touch」。ウィジェットで最新の投稿がチェックできる
Social Touchを開くと、投稿の詳細を表示したり、メッセージの投稿も行なえる画面下部中央の吹き出しのようなアイコンをタップすると、画面右にアプリのショートカットがポップアップ表示されるショートカットに登録するアプリは自由に変更可能だ
ゲームも多数プリインストールされている「Galaxy on Fire 2 THD」などいくつかはフルバージョンがインストールされている日本語入力アプリは「Go Keyboard」が導入されているが、若干使いづらいため、他の日本語入力アプリを導入したい
一部漢字が中国語フォントで表示される。こちらはバージョンアップでの改善を待ちたい

アプリのショートカットを表示させアプリを起動している様子

●約10時間のバッテリ駆動を確認

 K1には、リチウムポリマーバッテリが内蔵されており、Wi-Fi使用時で公称約8.6時間のバッテリ駆動が可能とされている。実際にバッテリ駆動時間を検証してみたところ、液晶輝度を最低に設定し、無線LANをオン、BluetoothとGPSをオフに設定下状態で、解像度が1,920×1,080ドット、ビットレートが3MbpsのH.264ファイル(Baseline Profile)を連続再生させた場合で、約10時間08分と、公称値を超える駆動時間が確認された。無線LANは有効にはなっていたものの、データ通信はほとんど行なわれない状態だったため、公称値を超える駆動時間となった可能性が高い。とはいえ、これだけの駆動時間があれば、1日外出する場合でも、バッテリ残量をほぼ気にせず利用できると考えていい。

 次にパフォーマンスの検証だ。K1のスペックは、他のAndroid 3.0/3.1タブレットとほぼ同等ではあるが、レノボが独自にハードとソフトの最適化を行なうことで、パフォーマンスに優れるとされている。そこで、ベンチマークソフト「Quadrant Professional Edition」を利用してパフォーマンスを検証してみたところ、確かにAndroid 3.1にアップデートしたXOOMよりも、総合やCPUの結果が向上していることがわかる。また、2Dのパフォーマンスが他のAndroid 3.0/3.1タブレットより大幅に向上している。それに対し、メモリや3Dのパフォーマンスは逆に低くなっている。ただ、実際に操作してみると、ホーム画面の切り替えなどが若干スムーズに動作すると感じたが、Android 3.1にアップデートしたXOOMと比較して、明らかに高速に動作するといったことはなく、ほぼ同等の快適さといった印象だった。ちなみに、Android 3.0製品より結果が低いのは、ベンチマークテストがAndroid 3.1に最適化されていないことによるものと思われる。

Quadrant Professional総合
Quadrant Professional詳細

●アプリを含めた独自の展開に期待

 K1は、ハードや機能面はAndroid 3.1タブレットとしてはオーソドックスだが、レノボ独自アプリを搭載したり、多くのアプリをプリインストールすることで、他の製品に対する差別化が図られている。一部中国語フォントが表示されたり、競合製品では、4万円を切る価格で購入できる製品もあるなかで、5万円前後の価格など、気になる点もある。それでも、独自アプリを含めた多数のアプリがプリインストールされることによる、購入直後からの使い勝手の高さは魅力があり、Lenovo App Shopによる今後のアプリ展開にも期待がもてる。こういった部分に魅力を感じる人にオススメしたい製品だ。

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(2011年 8月 12日)

[Text by 平澤 寿康]