ASUSTeK「G51Jx 3D」
〜NVIDIA 3D Vision対応液晶搭載のハイエンドノート



ASUSTeK 「G51Jx 3D」

4月24日 発売
価格:209,800円



 ASUSTeKは、リフレッシュレート120Hzでの表示に対応した液晶パネルと、NVIDIA GPUを搭載することにより、NVIDIAの3D表示技術である「3D Vision」に対応した、ゲーマー向けノート「G51Jx 3D」を発表した。今回、この製品をいち早く試用する機会を得たので、日本初登場となる3D Vision対応ノートPCの実力をチェックしていこう。

●3D Vision対応の液晶パネルを搭載

 ではまず、G51Jx 3Dの最大の特徴である、3D Vision対応の液晶パネルから見ていくことにしよう。

 搭載されている液晶パネルは、表示解像度が1,366×768ドットの15.6型ワイド液晶だ。LEDバックライトは高輝度で、パネル表面は光沢処理が施されており、外光の映り込みはやや激しいものの、発色など映像の表示品質は十分優れている。また、応答速度にも優れているようで、筆者が試した限りでは、ゲームプレイ時や動画鑑賞時などに残像を感じることは全くなかった。上下の視野角がやや狭く、見る角度が少し変わると色合いが大きく変化したり、液晶サイズの割に解像度がそれほど高くない点は少々気になったが、全体的には満足できる表示品質が備わっていると言っていい。

 3D Visionを利用した3D表示だが、もちろん全く問題なく体験できた。液晶シャッター式専用3Dメガネは、シャッターが閉じている状態でも若干の光の透過があるようで、明暗差の激しい部分などでは映像が2重に見えることもあるが、ほとんどの場合、くっきりとした3D映像が楽しめた。

 また、G51Jx 3Dでは、3D Vision対応の3Dゲームだけでなく、付属の「3D Vision 3D Player」を利用すれば、3D動画の再生も可能。G51Jx 3Dには標準でBD-ROM/DVDスーパーマルチコンボドライブが標準搭載されており、今後発売が予定されている、Blu-ray 3D対応コンテンツ再生にも対応できる(Blu-ray 3D対応の再生ソフトは添付しないため、別途用意する必要がある)。3D映像に興味を持っている人にとって、この点は大きな魅力になるだろう。

1,366×768ドット表示対応の15.6型ワイド液晶を搭載。解像度が低い点は少々残念だが、高輝度かつ発色は鮮やかで表示品質は申し分ない リフレッシュレート120Hzに対応しており、3D Visionを利用した3D表示が可能 3D Vision専用の液晶シャッターメガネが標準添付されており、別途機材を用意することなく3D表示が楽しめる
対応3Dゲームなどは、特に設定を行なうことなく、起動するだけで3D表示となる 付属の動画再生ソフト「3D Vision 3D Player」を利用すれば、3D動画の再生も行なえる DVDスーパーマルチ/BD-ROMコンボドライブが搭載され、対応の再生ソフトを用意すればBlu-ray 3D対応ソフトも楽しめる
液晶表面は光沢処理が施され、外光の映り込みがきつい

●ハイエンドノートらしく基本スペックも充実

 G51Jx 3Dは、ASUSTeK製のノートPCの中でも、ゲーマーをターゲットとしたフラッグシップモデルとして位置付けられており、当然スペックもかなり充実している。

 CPUには、クアッドコアCPUであるCore i7-720QM(1.60GHz)を標準搭載。加えて、ASUSTeK独自のユーティリティ「Power4Gear Hybrid」を利用しターボモードを有効にした場合には、Turbo Boost時の動作クロック上限が標準の2.8GHzから2.9GHzに上昇される。実際に、ターボモードを「超ターボ」に設定し、「ターボ・ブースト・テクノロジー・モニター」を利用して動作クロックをチェックしてみたところ、最高2.96GHzまで上昇することが確認された。基本的には2.9GHz以上になるのは1コアのみ負荷がかかる場合だけだが、それでもシングルスレッドのアプリケーションを利用する場合には、かなり有効に活用できそうだ。

 メインメモリは、PC3-10600 DDR3 SDRAMを標準で4GB(最大8GB)搭載。メインメモリ用のSO-DIMMスロットには、本体底面のフタを開けるとアクセスできる。また、標準でSO-DIMMスロットは4スロット用意されており、大容量のメモリ搭載も容易に行なえる。

 標準搭載となるGPUは、GeForce GTS 360Mだ。ノートPC向けGPUであるGeForce 300Mシリーズの中で最上位に位置付けられているモデルで、CUDAプロセッサコア数は96個、動作クロックは1,249MHzとなる。GTSなので、いわゆるエンスージアスト向けGPUではないものの、十分に優れた3D描画能力を持ち、3Dゲームも余裕でプレイ可能だ。ビデオメモリは標準でGDDR5を1GB搭載している。

 HDDは、回転数7,200rpmの500GB 2.5インチSATAドライブを搭載。また、光学式ドライブは、先ほど紹介したように、BD-ROM/DVDスーパーマルチコンボドライブを採用している。

 ネットワーク機能は、1000BASE-T対応のGigabit Ethernetと、IEEE 802.11b/g/n対応の無線LANを搭載。また、Bluetooth 2.1+EDRも標準搭載となる。

本体底面。CPUにCore i7-720QM、GPUにGeForce GTS 360Mを搭載しており、大型の冷却システムが搭載されていることがわかる ASUSTeK独自のユーティリティ「Power4Gear Hybrid」を利用しターボモードを有効にすると、Turbo Boost時の動作クロック上限が上昇する Core i7 720QMのターボモードは、標準では2.8GHzまで上昇するが、ターボモードを有効にすれば、2.96GHzまで上昇した
メインメモリ用のSO-DIMMスロットは4個用意されており、メモリ増設も容易だ。ちなみに標準では4GB搭載される HDDは、回転数7,200rpmの500GBドライブが搭載されている

●本体サイズはかなり大きく、重い

 本体サイズは、375×265×34.3mm〜40.6mm(幅×奥行き×高さ)と、比較的大型のボディとなっている。また、重量も約3.3kgと、かなり重い。ただ、もともとモバイル性よりもスペック面を重視した製品であり、これだけボディが大きく重量が重いとしても、特に問題になることはないだろう。

 本体デザインは、天板部分に光沢感の強い素材を利用するとともに、ブルーを基調とし、ゲーミングノートらしい斬新なデザインを採用。また、天板中央部のロゴと天板左右側面部は、ACアダプタ接続時に発光するようになっている点も目をひく。

 本体側面のポート類は、左側面にアナログRGB出力(ミニD-Sub15ピン)、IEEE 1394、eSATA、HDMI出力、USB 2.0×2、ExpressCard/54スロット、背面にGigabit Ethernetと電源コネクタ、右側面にはマイク、ラインイン、ヘッドフォンの各端子とUSB 2.0×2が用意される。また、本体前面左には、SDHC/メモリースティック/xD-Picture Cardなどに対応するメモリカードスロットも用意されており、ハイエンドノートPCとして必要となるポート類はほぼ全て網羅されている。

 ちなみに、HDMIのバージョンは1.3aだが、「NVIDIA 3DTV Play」を利用すればバージョン1.4と互換性のある信号を出力でき、3D TVなどに3D映像を出力できるとされている。ただ、今回はこれを映像できる機器が手元になかったため、この点は検証できなかった。

 キーボードは、キーとキーの間が開いたアイソレーションタイプのキーボードを搭載する。タッチはやや固めで、しっかりとしたクリック感があり、ゲーマー好みのタッチが実現されているように思う。また、キーボードバックライトの搭載により、暗い場所でもしっかりキーを認識できる。加えて、パームレスト部がラバーコーティングされており、キー入力時に滑りにくいだけでなく、肌に触れる部分の感触も良く、好印象だ。

 ただ、主要キーのキーピッチは約19mmとなっているものの、Enterキー付近の一部のキーピッチが狭くなっている点や、テンキーが搭載されているのはいいが、Enterキーとテンキーの間が狭く、カーソルキーがEnter下とテンキー部分に無理やり押し込められたような配置となっているため、かなり使いづらく感じる点は少々残念。キーボードの左右にサイズ的な余裕があることを考えても、もう少し横幅を使って、使い勝手をさらに向上させてもらいたいと思う。

 ポインティングデバイスは、大型のタッチパッドを搭載。ゲーマーであれば、基本的に外付けのマウスを利用するはずなので、タッチパッドの機能は特に重視されないとは思うが、パッド面の面積がかなり広く、使い勝手は申し分ない。

本体天板部分。光沢感が強く、ブルーを基調としたデザインを採用している 天板中央のロゴと、左右側面は、電源ケーブルを接続した状態での動作中に白く光る フットプリントは、幅375mm×奥行き265mmとかなり大きい
本体正面。横から見ると、特に凝った装飾などはなく、おとなしいデザインと感じる 左側面。高さは34.3mm〜40.6mmと、かなり厚く、モバイル性は低い 背面。中央にはバッテリが見える
右側面。光学式ドライブは右側面に搭載されている 左側面後方に、アナログRGB出力用のミニD-Sub15ピンがある 左側面手前には、IEEE 1394、eSATA、HDMI出力、USB 2.0×2、ExpressCard/54スロットが用意されている
背面には、電源コネクタとGigabit Ethernetポートがある 右側面には、マイク・ラインイン・ヘッドフォンの各端子と、USB 2.0×2が用意されている 正面左には、SDHCやメモリースティックなどに対応するメモリカードリーダーを搭載。また、無線機能のON/OFFスイッチも用意されている
液晶上部中央には、200万画素Webカメラが搭載されている キーボードは、アイソレーションタイプのキーボードを採用。本体の横幅が大きいこともあり、テンキーも備える キーピッチは約19mmと余裕がある。タッチはやや高めで、クリック感が強い
キーボードバックライトを内蔵しており、暗い場所での利用も快適だ Enterキー付近の一部のキーピッチが狭くなっている点と、カーソルキーの位置がやや気になる ポインティングデバイスのタッチパッドは、面積が広く非常に扱いやすい

●最新3Dゲームや3D映像に興味がある人にオススメ

 では、ベンチマークテストの結果をチェックしていこう。利用したベンチマークソフトは、Futuremarkの「PCMark Vantage Build 1.0.1 1901」と「PCMark05 Build 1.2.0 1901」、「3DMark Vantage Bulld 1.0.1 1901」、「3DMark06 Build 1.1.0 1901」、スクウェア・エニックスの「FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3」の5種類。また、G51Jx 3Dでは、3Dゲームのパフォーマンスをチェックするために、カプコンの「バイオハザード5 ベンチマーク」も行なった。比較として、VAIO ZおよびBIBLO MG/G75の結果も加えてある。

 結果を見ると、PCMark VantageやPCMark 05では、VAIO ZのSPEEDモードのほうが優れた結果を示している部分が多くなっている。これは、VAIO Z搭載CPUのCore i7-620Mはコア数こそ2個だが、動作クロックが高いことと、4個のSSDをRAID 0で動作させているストレージデバイスのパフォーマンス差によるものと考えられる。シングルスレッドでのCPUパワー差が結果に大きく影響する、FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3の結果が、VAIO Z SPEEDモードの方が優れていることからも明らかだ。

 しかし、3DMark Vantageや3DMark06の結果を見ると、その差は歴然。GPU自体のパフォーマンスが大きく優れるために、G51Jx 3Dのほうが大きく勝っている。また、マルチスレッド処理に対応している場合には、4コアのCore i7-720QMのほうが圧倒的に有利になることもはっきりとわかる。

 バイオハザード5 ベンチマークの結果を見ると、フルHD表示時(HDMI経由で外部ディスプレイを接続して実行)では、アンチエイリアスやモーションブラーなどの高負荷オプションを有効にすると一気にフレームレートが落ちてしまうものの、そういった高負荷オプションを切れば、フルHD時でも十分30fpsを超えるフレームレートが記録されており、これならまずまず快適にプレイできると言える。もちろん、搭載液晶パネルの解像度に合わせれば、大きくフレームレートが向上するため、本体の液晶でプレイするというのであれば、十分快適に楽しめると考えていいだろう。

【表】ベンチマーク結果

ASUS G51Jx 3D VAIO Z SPEED VAIO Z STAMINA BIBLO MG/G75
CPU Core i7-720QM(1.60/2.80GHz) Core i7-620M(2.66/3.33GHz) Core i7-620M(2.66/3.33GHz) Core i5-430M(2.26/2.53GHz)
チップセット Intel PM55 Express Intel HM57 Express Intel HM57 Express Intel HM55 Express
ビデオチップ GeForce GTS 360M GeForce GT 330M CPU内蔵(Intel HD Graphics) Intel HG Graphics(CPU内蔵)
メモリ PC3-10600 DDR3 SDRAM 2GB×2 PC3-10600 DDR3 SDRAM 2GB×2 PC3-10600 DDR3 SDRAM 2GB×2 PC3-8500 DDR3 SDRAM 4GB
ストレージ 500GB HDD SSD(64GB×4 RAID 0) SSD(64GB×4 RAID 0) 500GB HDD
OS Windows 7 Home Premium 64bit Windows 7 Home Premium 64bit Windows 7 Home Premium 64bit Windows 7 Home Premium
PCMark Vantage x64 Build 1.0.1 1901(BIBLO MGはBuild 1.0.1 0906a)
PCMark Suite 6497 10759 10280 4801
Memories Suite 4292 5414 4698 3026
TV and Movies Suite 4323 4504 4748 3444
Gaming Suite 5686 7692 5435 3018
Music Suite 6017 11626 11373 5602
Communications Suite 4409 10916 10971 3935
Productivity Suite 5238 12388 12640 3672
HDD Test Suite 4029 15384 16658 3192
PCMark05 Build 1.2.0 1901(BIBLO MGはBuild 1.2.0)
PCMark Score N/A N/A N/A 5758
CPU Score 7157 8285 8343 6588
Memory Score 8076 6804 6797 5655
Graphics Score 8817 5826 2817 2804
HDD Score 6096 32452 26436 5395
3DMark Vantage Bulld 1.0.1 1901 1,280×1,024ドット
3DMark Score 5526 2259 338 N/A
GPU Score 4408 1813 256 N/A
CPU Score 23078 8630 8630 N/A
3DMark06 Build 1.1.0 1901 1,024×768ドット(BIBLO MGはBuild 1.0.1 0906a)
3DMark Score 10656 5643 1726 1934
SM2.0 Score 4453 2231 526 591
HDR/SM3.0 Score 4743 2083 688 787
CPU Score 3016 3066 3112 2547
FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3
Low 9855 10146 4041 3699
High 7797 8142 2625 2395
Windows エクスペリエンスインデックス
プロセッサ 6.9 6.9 6.9 6.3
メモリ 5.9 5.9 5.9 5.5
グラフィックス 6.8 6.4 4.5 4.6
ゲーム用グラフィックス 6.8 6.4 4.9 5.2
プライマリハードディスク 5.9 7.6 7.6 5.8
バイオハザード5 ベンチマーク(G51Jx 3Dのみ)

1,280×768ドット、標準設定 1,280×768ドット
アンチエイリアス:C16xQ
モーションブラー:オン
1,920×1,080ドット、標準設定 1,920×1,080ドット
アンチエイリアス:C16xQ
モーションブラー:オン
ベンチマークテストA 75.9fps 38.5fps 45.6fps 14.5fps
ベンチマークテストB 59.4fps 39.4fps 38.8fps 15.3fps

 G51Jx 3Dにはモバイル性は要求されないと思うが、念のため省電力設定時のバッテリ駆動時間も計測した。こちらは、ASUSTeKの省電力設定「Power4Gear Battery Saving」に設定した状態で、BBenchを利用してキー入力とWeb巡回にチェックを入れて計測した。結果は約1時間42分と、やはり最低限に近いバッテリ駆動時間であった。ちなみに、消費電力の高いCPUやGPUが搭載されていることもあり、ACアダプタはかなり大きい。この点を合わせても、このマシンにモバイル性を求めるべきではないだろう。

容量3,200mAhのリチウムイオンバッテリを搭載するも、バッテリ駆動時間は短い 消費電力が高いため、付属のACアダプタも大型のものとなっている

 G51Jx 3Dは、パワー面こそプロゲーマーをターゲットとする、モンスター級のゲーミングノートには若干劣るものの、最新3Dゲームを十分快適にプレイできるパワーを備えるとともに、3D表示システムである3D Visionに対応するという、他のゲーミングノートにはない大きな特徴があり、製品としての魅力はかなり充実している。

 また、ゲームプレイだけでなく、今後続々登場してくるBlu-ray 3Dタイトルも楽しめるという点も見逃せない。209,800円という価格は、10万円前後のノートPCが売れ筋であることを考えるとかなり高価に感じるかもしれないが、スペックを考えると納得できる。総合して、大いにおすすめしたい製品だ。

バックナンバー

(2010年 4月 23日)

[Text by 平澤 寿康]