ASUSTeK Computer「Eee PC 1101HA-WP」「Eee PC 1005HR-WS」
〜Windows 7採用の高解像度ネットブック



ASUSTeK Computer「Eee PC 1101HA-WP」(左)、「Eee PC 1005HR-WS」(右)

発売中



 ASUSTeK Computerは、同社のネットブック「Eee PC」シリーズに、新モデル「Eee PC 1101HA-WP」と「Eee PC 1005HR」の2モデルを追加した。双方とも、従来モデルをベースとした、Eee PCシリーズとして初となるWindows 7搭載モデルであるが、Eee PC 1005HR-WSにも高解像度液晶が搭載されるなど、スペック面での進化も見られる。

●10.1型モデルもついにWXGA対応液晶を採用

 今回登場したEee PC新モデル2機種は、基本的には、従来モデルをベースに、OSをWindows 7に強化したものだ。Eee PC 1101HA-WPは、Eee PCシリーズとして最大の11.6型で、高解像度1,366×768ドット表示に対応した液晶ディスプレイを搭載するモデルとして投入された「Eee PC 1101HA」を、Eee PC 1005HR-WSは、貝殻をモチーフとしたデザインで好評のEee PC Seashellシリーズの中でも中核を占める、10.1型液晶を搭載する「Eee PC 1005HA」をベースとしている。実際に、本体デザインやサイズ、重量は従来モデルと全く同じで、見た目には従来モデルとの違いは感じられない。

 しかし、基本スペックは従来モデルと全く同じというわけではない。今回の2モデルと、それぞれの従来モデルのハードウェアスペックを表にまとめてみたが、CPUやチップセットに変更はないものの、その他の一部仕様が強化されていることがわかる。

 まず、HDD容量は双方とも160GBから250GBへ増量されている。Eee PC 1101HA-WPではメインメモリ容量も2GBに増量されている。そして、Eee PC 1005HR-WSでは、液晶解像度が1,366×768ドットに強化されている。これまでのEee PCシリーズでは、10.1型以下のサイズの液晶を搭載するモデルは、液晶の表示解像度は1,024×600ドットのみで、これは大きな進化と言っていいだろう。ちなみに、Atom Nシリーズを搭載するEee PCとしても、高解像度液晶を搭載する初のモデルとなる。

 採用されているOSは、Eee PC 1101HA-WPがWindows 7 Home Premium、Eee PC 1005HR-WSがWindows 7 Starterとなる。採用OSからもわかるように、いわゆるネットブックに位置付けられるのはEee PC 1005HR-WSの方であり、スペック面も他社から登場しているWindows 7 Starter採用ネットブックとほぼ同じとなっている。それに対し、Eee PC 1101HA-WPは、Windows 7 Home Premiumを採用するとともに、メインメモリを2GB搭載するなど、1つ上の仕様が実現されており、従来モデルのコンセプトはそのまま継承されている。

【表1】各製品の仕様

Eee PC 1101HA-WP Eee PC 1101HA Eee PC 1005HR-WS Eee PC 1005HA
OS Windows 7 Home Premium Windows XP Home Edition Windows 7 Starter Windows XP Home Edition
CPU Atom Z520(1.33GHz) Atom N280(1.66GHz)
チップセット Intel US15W Intel 945GSE Express
メインメモリ 2GB 1GB 1GB
液晶サイズ 11.6型 10.1型
液晶解像度 1,366×768ドット 1,366×768ドット 1,024×600ドット
HDD容量 250GB 160GB 250GB 160GB
無線LAN IEEE 802.11b/g/n IEEE 802.11b/g/n
有線LAN 100BASE-TX 100BASE-TX
Bluetooth 内蔵 内蔵
本体サイズ 286×196×21.8〜36.2mm 262×178×25.9〜36.5mm
重量 約1.38kg 約1.27kg

Eee PC 1101HA-WPの天板部分。本体デザインは、従来モデルとなるEee PC 1101HAをそのまま継承している 本体正面。Eee PC Seashellシリーズ独特の、貝殻をモチーフとしたデザインは従来通りだ 左側面。高さは、21.8〜36.2mmと、奥ほど厚くなっている
背面。中央部にはバッテリが取り付けられている。バッテリも従来モデルと同じ形状のものを採用する 右側面。ポート類の種類や配置も従来モデルから変更はない フットプリントは、286×196mm。こちらも従来モデルと全く同じ
重量は、実測値で1,341gだった こちらは、Eee PC 1005HR-WSの天板部分。こちらも、従来モデルと全く同じデザインのボディを採用 本体正面。Eee PC Seashellシリーズ第1弾のEee PC 1008HAよりも本体が厚い点も従来モデル同様だ
左側面。高さは、25.9〜36.5mmと、Eee PC 1101HA-WPよりも厚い 背面。中央に搭載されるバッテリーは、Eee PC 1101HA-WPのものと同じ形状だ 右側面。こちらも、従来モデルと同じポート類を備える
フットプリントは、262×178mmと、こちらも従来モデルと同じ 重量は、実測値で1,208gだった Eee PC 1101HA-WPは、1,366×768ドット表示対応の11.6型液晶を搭載。表面は光沢処理が施され、発色は鮮やかだ
こちらはEee PC 1005HR-WSの液晶。Eee PCの10.1型液晶搭載モデルとして初の1,366×768ドット表示対応パネルを採用 一回り大きいEee PC 1101HA-WPの方が画面は見やすいが、表示品質は双方にほとんど差はない 液晶サイズが大きい分、Eee PC 1101HA-WPの方が若干大きい

●バッテリ駆動時間はやや減少

 次に、バッテリ駆動時間をチェックしよう。実は、Eee PC 1101HA-WPは、従来モデルの約10.7時間に対し約8時間、Eee PC 1005HR-WSは、従来モデルの約10.2時間に対し約8.4時間と、両機種とも公称のバッテリ駆動時間が従来モデルよりも減少している。そこで、以前従来モデルをレビューしたときと同じ方法でバッテリ駆動時間を測定し、比較してみることにした。

 バッテリ駆動時間の計測方法は、省電力機能を切るとともに、液晶輝度を最大に設定し、無線LANを動作させた状態で、動画ファイル(WMV9/ビットレート1,156kbps/640×480ドット)を連続再生させるというものだ。ちなみに、従来モデルでは再生ソフトとしてWindows Media Player 11を利用したが、新モデルではWindows 7に標準で搭載されているWindows Media Player 12を利用している。

【表2】バッテリ駆動時間

バッテリ駆動時間
Eee PC 1101HA-WP 4時間13分
Eee PC 1101HA 5時間18分
Eee PC 1005HR-WS 4時間50分
Eee PC 1005HA 5時間01分

上がEee PC 1005HR-WS、下がEee PC 1101HA-WPに付属していたバッテリ。今回試用した個体では、Eee PC 1101HA-WPには容量4,400mAhのリチウムイオンバッテリが付属していた

 結果を見ると、確かに両機種とも旧モデルよりもバッテリ駆動時間が短かった。特に、Eee PC 1101HA-WPでは1時間以上も短くなるという、かなり厳しい結果となった。

 Eee PC 1101HA-WPでは、メインメモリが2GBに増えていたり、Eee PC 1005HR-WSではWXGA表示対応液晶を搭載しているというように、基本スペックの強化が実現されているために、従来モデルよりもバッテリ駆動時間が若干短くなっても仕方がない面もある。

 しかしEee PC 1101HA-WPは、それだけでは説明できないほどに大きく減少している。そこで良く確認してみたところ、今回試用した個体では、容量が4,400mAhと、従来モデルに搭載されていたもの(容量5,800mAh)よりも容量の少ないバッテリが取り付けられていた。これが大幅に時間が短くなった原因だ。

 とはいえ、フルパワーで動作させた状態で、4〜5時間の連続駆動が行えるという点は十分に魅力であり、他のネットブックに対する優位点となるのは間違いないはずだ。

●キーボードやタッチパッド、コネクタ類などの仕様は従来モデルと同じ

 先述のように、今回登場した新機種2モデルは、本体デザイン、本体サイズ、重量など従来モデルと全く同じで、本体側面に用意されているコネクタ類も、もちろん全く同じだ。

 まず側面ポート類は、両機種とも全く同じものが用意されている、左側面にはACアダプタを接続する電源コネクタと、アナログRGB出力、USB 2.0×1が、右側面にはSDカードスロット、ヘッドフォン/マイク端子、USB 2.0×2、有線LANの各ポートがそれぞれ用意されている。これらポート類は、従来モデル同様すべてむき出しとなっている。Eee PC Seashellシリーズは、貝殻をモチーフとしたデザインを特徴としており、第1弾として登場したEee PC 1008HAでは、デザイン性を優先し、ポートが目立たないようフタで覆われていた。どうせなら新モデルになった今回、ポートのフタも採用してもらいたかった。

 キーボードは、Eee PC 1101HA-WPがキーピッチ約18.1mm、Eee PC 1005HR-WSがキーピッチ約17.5mmと、こちらもそれぞれ従来モデルと同じものを採用。キーピッチが大きい分、Eee PC 1101HA-WPのキーボードの方が若干扱いやすいものの、Eee PC 1005HR-WSのキーボードも使いづらいということはなく、タッチタイプも余裕で行なえる。

 タッチパッドも、双方とも従来モデルと同じものを搭載。パッド面がパームレスト部と一体となっているが、表面がディンプル加工されているため、場所を見失うことはない。また、指を2本利用したスクロールや拡大/縮小の操作も行なえ、使い勝手は申し分ない。ただ、クリックボタンが左右一体となっている点だけは少々使いづらく感じる。

 ACアダプタは、双方とも同じもので、従来モデル同様小型軽量のものが付属する。重量は電源ケーブル込みで193g(実測値)しかなく、本体と同時に持ち歩いても苦にならない。

Eee PC 1101HA-WPの左側面には、電源コネクタ、アナログRGB出力、USB 2.0×1を備える 右側面。SDカードスロット、ヘッドフォン/マイク端子、USB 2.0×2、有線LANの各ポートがある こちらは、Eee PC 1005HR-WSの左側面ポート。電源コネクタ、アナログRGB出力、USB 2.0×1を備える
右側面。こちらも同様に、SDカードスロット、ヘッドフォン・マイク端子、USB 2.0×2、有線LANの各ポートがある Eee PC 1101HA-WP底面のSO-DIMMスロット。標準で2GBのSO-DIMMが取り付けられている Eee PC 1005HR-WS底面のSO-DIMMスロット。標準で1GBのSO-DIMMが取り付けられており、2GBのSO-DIMMも問題なく認識した
Eee PC 1101HA-WPのキーボード。従来モデルと同じもので、変則的な配列もなく扱いやすい キーピッチは約18.1mm。タッチタイプも余裕で行なえる こちらは、Eee PC 1005HR-WSのキーボード。こちらも従来モデルと全く同じものを搭載する
キーピッチは約17.5mm。Eee PC 1101HA-WPのキーボードよりピッチは若干狭いが、十分に余裕を持ってタッチタイプが行なえる Eee PC 1101HA-WPのタッチパッド。クリックボタンが左右一体となっている点は気になるが、パッド面の扱いやすさは申し分ない こちらは、Eee PC 1005HR-WSのタッチパッド。Eee PC 1101HA-WP同様、指2本を利用したスクロールや拡大/縮小が行なえる
ACアダプタは双方とも同じものが付属。非常にコンパクトで携帯性を損なわない点は嬉しい 電源ケーブル込みで重量は193g(実測値)と軽量だ Eee PC 1101HA-WPには、光学式のUSBスクロールマウスが付属する
Eee PC 1005HR-WSには、光学式USBスクロールマウスと専用ケースが付属する

●快適さ重視ならEee PC 1005HR-WS、機能重視ならEee PC 1101HA-WPがおすすめ

 では、最後にベンチマークテストの結果を見ていこう。利用したベンチマークソフトは、Futuremarkの「PCMark05 (Build 1.2.0)」と、HDBENCH.NETの「HDBENCH Ver3.40beta6」、スクウェア・エニックスの「FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3」の3種類で、比較としてそれぞれの従来モデルの結果を加えてある。

 OSが異なるため、直接比較するのは難しいが、双方ともCPUやメモリのスコアは従来モデルとほぼ同じだ。それに対し、グラフィックの結果は、Eee PC 1005HR-WSでは大きく低下、Eee PC 1101HA-WPではHDBENCHでは大きく低下しているものの、PCMark05とFINAL FANTASY XI Official Benchmark 3では向上しており、結果が分かれた。もともと、US15W内蔵グラフィック機能のWindows XP用ドライバは完成度が高くなかったこともあり、この差はドライバ完成度の違いによるものと考えられる。とはいえ、どちらにしてもグラフィックの結果は芳しくなく、Windows 7になったからといって快適になったと実感することはほぼないと言っていいだろう。

【表3】ベンチマーク結果

Eee PC 1101HA-WP Eee PC 1101HA Eee PC 1005HR-WS Eee PC 1005HA
CPU Atom Z520(1.33GHz) Atom Z520(1.33GHz動作) Atom N280(1.66GHz動作) Atom N280(1.66GHz動作)
ビデオチップ Intel US15W内蔵 Intel US15W内蔵 Intel 945 GSE Express内蔵 Intel 945 GSE Express内蔵
メモリ 2GB 1GB 1GB 1GB
OS Windows 7 Home Premium Windows XP Home Edition SP3 Windows 7 Starter Windows XP Home Edition SP3
PCMark05 Build 1.2.0
PCMark Score 1131 1104 1362 1647
CPU Score 1278 1232 1524 1454
Memory Score 2100 1972 2510 2525
Graphics Score 305 270 412 626
HDD Score 3905 4110 4927 4667
HDBENCH Ver3.40beta6
All 36181 31255 39667 38784
CPU:Integer 77111 78063 89144 98572
CPU:Float 56135 53943 64924 68660
MEMORY:Read 43949 40112 51118 51025
MEMORY:Write 44356 40466 51526 50611
MEMORY:Read&Write 77738 71015 90892 90316
VIDEO:Recitangle 2329 5768 3710 18172
VIDEO:Text 3302 4132 3127 9792
VIDEO:Ellipse 2374 5400 1460 4856
VIDEO:BitBlt 48 116 60 255
VIDEO:DirectDraw 6 16 13 30
DRIVE:Read 61873 58480 64933 56952
DRIVE:Write 56543 33941 58581 53696
DRIVE:RandomRead 21170 14691 22867 17018
DRIVE:RandomWrite 24668 20221 26042 21764
FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3
LOW 774 519 1121 1537

 ちなみに、今回実際に両機種を並べて試用した印象では、全体的にEee PC 1005HR-WSの方が快適に利用できた。Eee PC 1101HA-WPでは、アプリケーション起動時にやや待たされる印象があったり、操作時に引っかかりを感じることが多かったのに対し、Eee PC 1005HR-WSでは、きびきび動作するという印象が強かった。

 これは、Windows 7 Home PremiumとWindows 7 StarterというOS自体の違いに加え、CPU処理能力の違いによるものと考えられる。Eee PC 1101HA-WPでは、標準でWindows Aeroが有効になっており、この点でまず大きな負荷がかかっているのに加え、CPUの動作クロックが1.33GHzと低い点が影響しているわけだ。しかし、OSの持つ機能はWindows 7 Home Premiumの方が圧倒的に豊富であるとともに、US15Wが持つ動画再生支援機能によって、HD解像度のMPEG2やH.264形式の動画を比較的スムーズに再生できるなど、Eee PC 1101HA-WPにも優位点があり、甲乙付けがたい。

 動画再生などは行わず、Webアクセスやテキスト入力などの軽量な作業を快適にこなすことを重視するのであれば、WXGA表示対応液晶が搭載されたことも合わせ、間違いなくEee PC 1005HR-WSのほうが魅力だ。しかし、Eee PC 1005HR-WSに採用されているWindows 7 Starterは、多くの機能が削られている。Windows 7の豊富な新機能を活用したり、HD動画も楽しみたいと考えているのであれば、Eee PC 1101HA-WPのほうが確実に有利となる。個人的には、多少快適度が落ちるとしても、機能面を優先してEee PC 1101HA-WPを選択した方が満足度が高いと考える。

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(2009年 12月 2日)

[Text by 平澤 寿康]

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