日本HP「HP Pavilion Notebook PC dm1」
~ネットブックでは満足できない人に向けたCULVノートPC



HP Pavilion Notebook PC dm1

発売中

価格:オープンプライス(69,800円前後)



 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)の「HP Pavilion Notebook PC dm1」(以下、dm1)は、いわゆるCULV(Consumer Ultra Low Voltage)ノートPCと呼ばれているジャンルの製品だ。CULVノートPCとは、低価格ノートPC向けにIntelが販売している、CULV CPUを搭載するノートPCのことで、ネットブック以上、従来のノートPC以下の性能と価格を備えている。つまり、ネットブックでは性能が足りないが、通常のノートPCでは価格が高過ぎるというユーザーに向けた製品である。

 そのCULVノートPCには、現在各社が力を入れ始めているところで、ちょうどネットブックが流行し始めた頃と状況が近い。ジャンルの呼び方についても、日本のインテルでは「モバイル・サブノートPC」と呼び、東芝では「ネットノート」と呼ぶなど、ネットブックの出始めの頃と同様にまだ固まっていない。ただの安いノートPCということになり、新しいジャンルにはならないということにもなりそうだが、それではネットブックのような勢いはなくなってしまう。海外のPC関係者の間ではCULVノートPCという呼び方が一般的なため、ジャンルとして確立されるのなら日本でも同様の呼び方に落ち着きそうである。

 日本HPは、ほとんどのモデルを自社の直販Webサイトで販売しているが、dm1は量販店専用モデルとなっており、直販Webサイトからは購入できない。購入できる店舗は、上新電機、ソフマップ、ビックカメラ、ヨドバシカメラの4店だ。興味がある人は、実際に各店舗で触ってみると良いだろう。

●ネットブックと比べてCPUとグラフィックス機能が強力

 最新のネットブックは、液晶の解像度が1,366×768ドットになっていたり、HDD容量が250GBになっていたりと、かなり通常のノートPCに近付いてきている。dm1のスペックはネットブックにかなり近い。では、何が異なるのかというと、大きな違いはCPUとグラフィックス機能にある。

□スペック表
HP Pavilion Notebook PC dm1
価格オープンプライス
OSWindows 7 Home Premium
CPUIntel Celeron Processor SU2300(1.2GHz)
チップセットIntel GS45 Express+ICH9-M
グラフィックス機能Intel Graphics Media Accelerator 4500MHD
メモリPC3-8500 DDR3 SDRAM 2GB
HDD250GB
液晶11.6型ワイド 1,366×768ドット
ネットワークIEEE 802.11b/g、100BASE-TX
バッテリ駆動時間約8時間
サイズ289×204×19.8~30.6mm(幅×奥行き×高さ)
重量(バッテリ搭載時)約1.5kg

 dm1が搭載するCPUは、CULV CPUのCeleron SU2300(1.2GHz)で、多くのネットブックが搭載しているAtom N280(1.66GHz)とはそもそも製品ラインが異なる。このCPUは、Atom N280よりも動作クロックは低いが、消費電力の多さを除けば性能はあらゆる部分で上だ。通常のCore 2シリーズと同じ基本アーキテクチャを採用しており、デュアルコアCPUなので複数作業の同時実行時にもあまり速度低下を感じることがない。

 TDP(Thermal Design Power:熱設計上の最大消費電力)は、Atom N280が2.5W、Celeron SU2300が10Wだ。Atom N280と比べるとずいぶん消費電力が高いように感じるかもしれないが、同じ45nm世代の通常版Core 2 Duoが25Wであることを考えると、かなり低い。ちなみに、CULV CPUのラインナップには、CeleronだけでなくCore 2 Duoもある。Core 2 DuoとCeleronの大きな違いはL2キャッシュの容量で、Core 2 Duoが3MB、Celeronが1MBとなっている。TDPはどちらも同じである。dm1は、Core 2 DuoではなくCeleronを採用することで、ネットブックに近いところまで価格を下げている。

CULV CPUのCeleron SU2300(1.2GHz)を搭載している。メモリは2GB、OSはWindows 7 Home Premiumの32bit版だCPU-ZでCPU情報を見てみたところ、CPUは定格よりも高速で動作しているようだ。1.2GHzよりも50MHz高い1.25GHzで動作していた

 CPUと共に、ネットブックとの差が大きい部分がチップセットだ。dm1が採用しているチップセットは、多くのノートPCと同じ、Intel GS45 Expressである。ネットブックの場合は、通常はIntel 945GSE Expressを採用している。この2つのチップセットは、対応FSBクロックが1,066MHzに対して667MHzだったり、対応メモリがDDR3-1066に対してDDR2-533であったりなどいろいろと違いはあるのだが、もっとも大きな違いはグラフィックス機能である。Intel GS45は、DirectX 10に対応するIntel Graphics Media Accelerator 4500MHD(以下、GMA 4500MHD)を内蔵しており、一方のIntel 945GSEは、DirectX 9.1に対応するIntel Graphics Media Accelerator 950(以下、GMA 950)を内蔵している。

 この2つのグラフィックス機能は、コアクロックがGMA 4500MHDが533MHz、GMA 950は250MHzであり、性能にかなりの差がある。どちらのグラフィックス機能も、最新の3Dゲームを遊べるほどの性能ではないが、GMA 4500MHDでなら、動作が軽い3Dゲームや少し古いゲーム程度なら何とか遊ぶことができる。また、GMA 4500MHDは、MPEG-2、H.264(AVC)、WMV9(VC-1)の動画再生支援機能を搭載しているので、動画再生時のCPU負荷を抑えることができる。一方のGMA 950は動画再生支援機能を搭載しない。

 そのほかの大きな違いは、ネットブックは標準で1GBのメモリしか搭載していないのに対して、dm1は最初から2GBを搭載する。メモリ消費量が多いアプリケーションを使う際や、複数アプリケーションの同時実行時には、dm1のほうがメモリ容量に余裕があって速度低下が起こりにくい。

 dm1は、ネットブックと比べた場合に、CPUとグラフィックス機能が強力なので、ネットブックではできなかったことができる。たとえば、ウイルス対策ソフトが動作していても速度が落ちなかったり、HD動画をスムーズに見ることができたり、簡単な3Dゲームを遊べたりといった部分だ。ネットブックでは性能が足りないという人にとって、これらのスペックは十分魅力的である。

メモリやHDDには、本体底面の2つのネジを外すだけで簡単にアクセスできる。CPUは、本体の左寄りに配置されている対応メモリはPC3-8500(DDR3-1066)だが、豪華にもPC3-10600(DDR3-1333)の1GBが刺さっていた。残りの1GBはオンボードで搭載する
HDDは、2.5インチのSeagate Momentus 5400.6を搭載している。容量は250GBで、回転数は5,400rpmだ。接続はSATAである低価格のノートPCとしては珍しく、HDDへの衝撃を緩和するためと思われる部品が、HDDの4隅に取り付けられている

●実際よりも軽くて小さく感じる爽やかなデザイン

 本体は手前側が薄く、奥に向かって厚みが増していく形状をしており、見た目にはかなり薄く見える。大きさについても、A4用紙よりも少し小さいくらいの大きさなのだが、実際に見ると結構小さく見える。重量は約1.5kgなので、モバイルノートPCとしては重いほうだが、持ってみるとそれ程重さを感じない。ちなみに、液晶カバーは「白磁」というデザインだ。簡単に言えば、光沢のある白色である。その白磁に、「uzu」と言う独特の模様が入っている。白色なのに比較的落ち着いた雰囲気で、なかなか目を惹くデザインだ。全体に洗練されたデザインをしており、価格の安さを感じさせない。

 液晶は、光沢がある11.6型のワイド液晶で、解像度は1,366×768ドットだ。液晶パネルの表面に光沢があるので、明るい場所や、自分の後ろ側に光源がある場所などではそれなりに映り込みがある。ただし、光沢タイプの割には映り込みは少ないほうで、蛍光灯程度の明るさなら、凄く気になるというほどではない。視野角は横方向は気にならないが、縦方向は若干狭い。ただ、視線の位置が変わっても、色合いや明るさが変化するくらいで、液晶の傾きを頻繁に調整しなければならないほど見辛いわけではなく、十分に実用の範囲内だ。

本体は手前から奥に向かって厚みが増していく形状をしており、前から見るとかなり薄い。スッキリとしたデザインだ本体デザインは白磁で、光沢があるのに落ち着いている。液晶カバー全体に模様が入っており、少しオシャレな雰囲気だ液晶は11.6型ワイドの光沢がある液晶。解像度は、このサイズのノートPCでは標準的な1,366×768ドットだ。使い勝手は良い
液晶にはロック機構がなく、そのまま開けられる。開くことができる角度は写真の通りで、腿に乗せて使用しても問題なく画面を見られる本体右側面には左から、メモリカードスロット、ヘッドフォン(マイク機能対応)、USB 2.0×2、ミニD-Sub15ピン、100BASE-TXのLANを備える左側面には、左からセキュリティロック用の穴、電源ポート、USB 2.0×1、HDMI×1を備えている。縦に入っているスリットは排気口だ
本体前面にはインターフェイスは何もないが、左右にAltec Lansing製のステレオスピーカーを内蔵している本体背面にもインターフェイスは何もなく、バッテリがあるだけだ。液晶のヒンジはしっかりとしていて安心感がある

●キーボードは小型でありながら使いやすい

 キーボードは、小さな本体ながら、違和感なくタッチタイプを行なえるだけの大きさが確保されている。キーピッチは約17.6mm、キーストロークは約1.8mmだ。スタンダードサイズよりも少し小さいが、窮屈には感じない。キーボード全体の剛性感が素晴らしく、キーボードの中央あたりを勢いよく打ってもほとんどたわまない。一部、小型化されているキーがあるが、実用上はとくに問題はないだろう。小型化されているキーは、最上段のファンクションキーと、最下段のCtrlキーやAltキーだ。ファンクションキーは縦に小さく横長のキーになっており、印字されている文字の大きさが異常に小さくて見辛い。キー自体は問題なく使える大きさなのに、なぜ文字の大きさだけを極端に小さくしたのか不思議だ。CtrlキーやAltキーは、横に小さく縦長のキーになっている。

 大変よくできたキーボードなのだが、筆者の使い方では残念ながら1つだけ大きな問題が発生してしまった。それは、文章を打っているときに漢字変換をするたびに、入力位置がマウスカーソルがある位置まで移動してしまうという問題だ。筆者は、漢字変換を右手の親指でスペースキーを打つことによって行なう。そのときに、右手の付け根辺りがタッチパッドに触れてしまうのだ。タッチパッドの機能を一時的にオフにするようなショートカット機能を探してみたが、そのような機能はなく、これは慣れるしかないようだ。ただ、筆者の場合は打ち方を変えることでなんとか慣れようとしたが、結局断念してしまった。もしかすると、筆者の親指の形のせいで起こる問題かもしれないので、気になる人は店頭で確認してみてほしい。

キーボードは一部のキーが小型化されているが、モバイルノートPCとしては十分な大きさが確保されており、違和感なく使えるタッチパッドは横長で広い形状。OSでマウスカーソルの動きを最速にしても動きが少し遅いのだが、使っているうちに慣れてくる
タッチパッドとパームレストとキートップは全て同じ高さだ。タッチパッドのボタンは少し固めで、押すとカチッと大きな音がするキーボードの右上部分には、無線LAN機能をワンタッチでON/OFFできるボタンを搭載している。オフのときは赤く光るので分かりやすい

●音楽を楽しめるレベルの高品質スピーカーを搭載

 このノートPCは、オーディオ面に注力しているというわけではなさそうだが、スピーカーには定評のあるAltec Lansingのステレオスピーカーを搭載している。いくら有名メーカーのスピーカーとは言え、このサイズのノートPCに入るスピーカーなので、低音はほとんど鳴らない。しかし、それでも同クラスのノートPCと比べれば、かなり良い音を鳴らすほうだ。耳障りな音質ではなく、ちゃんと音楽を聴くことができる。ヴォーカルが強調されているような独特な音を鳴らすことが特徴だ。これは、プレゼンなどでの使用を想定してのことなのかもしれない。スピーカーが本体前面の下部にあるため、音が下に反射して聞こえてくるようになっており、本体を置く場所によって音質が大きく変わる。木製の机の上では高音が強くなり、布団の上では落ち着いた音質になるなど、簡単に音の聞こえ方を変えることができるので楽しい。

 モバイルノートPCでは、ACアダプタの大きさや使い勝手も重要だ。dm1のACアダプタは、46×108×30mm(幅×奥行き×高さ)で、まあ標準的な大きさである。太い電源ケーブルが付属するが、ACアダプタをコンセントにぶら下げるように挿すことが可能な、コンセントアダプタが付属している。そのアダプタを使えば、太い電源ケーブルを使うことなく、ACアダプタをスマートに使える。

Altec Lansingのステレオスピーカーを搭載しており、このサイズのモバイルノートPCにしては良い音を鳴らすACアダプタ用のケーブルは太くてかさばるが、ACアダプタをコンセントに直接挿せるようにするアダプタが付属するACアダプタに、コンセント用のアダプタを差し込めば、コンセントにぶら下げるようにしてスマートにACアダプタを使用できる
ACアダプタの重さは、コンセントアダプタ込みで263g。本体の1.5kgと合わせると、持ち歩き時の重さは1.763kgということになるバッテリのスペックは、10.8V/55Wh。公称の駆動時間は、MobileMark 2007 battery benchmark調べで約8時間となっている

●ネットブックに近い価格で高性能が手に入る

 最後にベンチマークテストの結果を見ていこう。テストには、総合性能を数値化する「PCMark05 Build 1.2.0」に、DirectX 7/8/9ベースの3Dゲームを想定したベンチマークソフトの「3DMark03 Build 3.6.0」、有名ゲームのゲームエンジンを使用した「FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3」、地上デジタル放送視聴時の快適さを計測する「ストリームテスト for 地デジ」、HDDの速度を計測する「CrystalDiskMark 2.2.0」、バッテリ駆動時間を計測する「BBench V1.01」を使用した。BBench V1.01以外のテストは、すべて初期設定で行なっている。

 ベンチマーク結果の比較用には、過去に掲載したものから、Atom N280、Atom Z520、CULV版のCore 2 Duo SU9400、Core 2 Duo P8700をそれぞれ搭載する、4製品のノートPCの結果を掲載している。テストを行なった人間が異なっているということと、過去のテストであるため未計測の部分が多いこと、そしてOSが異なるということで、この比較は参考程度のものと考えていただきたい。


HP Pavilion Notebook PC dm1Aspire One D250Aspire One 751日本エイサー Aspire Timeline AS3810Tパナソニック Let'snote CF-N8
CPUCeleron SU2300(1.2GHz)Intel Atom N280 1.66GHzIntel Atom Z520 1.33GHzCore 2 Duo SU9400(1.4GHz)Core 2 Duo P8700(2.53GHz)
ビデオチップGMA4500MHDGMA 950GMA 500GMA4500MHDGMA4500MHD
メモリ2GB1GB1GB2GB2GB
OSWindows 7 Home PremiumWindows XP Home Edition SP3Windows XP Home Edition SP3Windows Vista Home PremiumWindows 7 Professional
PCMark05 Build 1.2.0
PCMark Score278914961129エラー4279
CPU Score28881551124636296164
Memory Score30742494202935764836
Graphics Score140159029114951755
HDD Score49623731395852005078
3DMark03 Build 3.6.0(1,024×768ドット/32bitカラー)
3DMark Score1976未計測未計測16151813
CPU Score496未計測未計測561853
FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3
High1387N/A36814762230
Low2004150854721723745
ストリームテスト for 地デジ
DP76未計測未計測79.3399.9
HP99.97未計測未計測99.9399.93
SP/LP100未計測未計測10099.83
LLP99.97未計測未計測99.9799.9
DP(CPU負荷)65未計測未計測6556
HP(CPU負荷)41未計測未計測3624
SP/LP(CPU負荷)28未計測未計測2425
LLP(CPU負荷)24未計測未計測1820
CrystalDiskMark 2.2.0
Seq:Read71.11未計測66.466.5870.2
Seq:Write67.7未計測50.857.8268.87
512K:Read31.36未計測32.430.3225.54
512K:Write35.63未計測41.3732.5826.17
4K:Read0.44未計測0.4980.4520.324
4K:Write1.09未計測1.1411.1470.871
BBench V1.01
バッテリー駆動時間3時間34分未計測未計測6時間17分8時間26分

 まず、CPUの性能をPCMark05の値で見てみよう。dm1のCPU Scoreは、Atom N280の約1.9倍、Atom Z520の約2.3倍高速な結果となっている。Core 2 Duo SU9400とCore 2 Duo P8700と比べると値は低く、正にネットブック以上、通常のノートPC以下という結果だ。実際の使用感でも、確かにネットブックよりも快適に感じた。

 次に、グラフィックス機能を同様にPCMark05で見てみると、ネットブックのGMA 950と、Atom Z520と組み合わせられるGMA 500と比べて大幅に高速であることが分かる。このことは、FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3の結果にもキレイに表れている。

 最後に、バッテリ駆動時間については、BBenchを10秒に1回キー入力を行ない、1分に1回Webブラウザの更新を行なう設定で計測した。電源管理の設定は、本体の推奨設定のまま変更していない。結果は、公称値の約8時間には遠く及ばないものの、3時間34分なので、まずまず実用的な駆動時間にはなっている。ただ、モバイルノートPCとしては、もう少し長時間の駆動を実現してほしい。

 全体に、動作が速いとは感じなかったが、使用していて遅いと感じることはほとんどなく、ネットブックよりは明らかに快適に使用できる。YouTubeをHD画質(720p)で再生してもスムーズに再生でき、1,280×720ドットのXvidファイルも、見られるレベルで再生できたので、動画再生で不満を感じることはまずないだろう。

 そのほかには、本体があまり熱くならないので、腿の上で長時間使用してもあまり不快にならない点はモバイルノートPCとして素晴らしい。動作音も、放熱用のファンは回っているのだが、耳を近付けなければ聞こえない程度の音なので気にならない。キーボードのタイピング時の音も静かなので、熱や騒音面ではモバイルノートPCとしてかなり優秀である。

Windows 7のWindows エクスペリエンス インデックスは「3.3」。ゲーム用ノートPCではないのでゲーム用グラフィックスの値は低い室内が22℃のときに30分ほど負荷をかけ続けたが、パームレストのもっとも温度が高い部分でも29.6℃までしか熱くならなかった

 冒頭で解説したように、dm1はネットブック以上、従来のノートPC以下の性能と価格を備えたノートPCだ。これだけの性能を、モバイルノートPCにも関わらず7万円程度で実現できているのは、去年では考えられなかったことで、PCの進化の速さを改めて実感する。dm1は、サイズが小さく、重さも適度で、デザインも良く、性能もネットブックより大幅に高速な、なかなか良くできたモバイルノートPCだ。

 バッテリ駆動時間が短いことや、Bluetooth機能が非搭載であることなど、一部のネットブックのほうが優れている部分もあるが、全体としては圧倒的にdm1のほうが優れている。ネットブック並みの低価格で、より高性能なモバイルノートPCが欲しい人には、迷わずネットブックではなく、こちらをオススメしたい。購入時には実際に店舗で触ってみて、タッチパッド周りの操作感なども確認してみてほしい。入力インターフェイス周りが自分好みなら、ネットブックよりも確実に高いパフォーマンスを得られる、満足度の高いモバイルノートPCになるだろう。

バックナンバー

(2009年 11月 19日)

[Text by 小林 輪]