日本エイサー「Aspire one D250」
〜CPU強化と、本体の薄型/軽量化を実現



日本エイサー 「Aspire one D250」

4月24日 発売
価格:オープンプライス



 日本エイサーのネットブック「Aspire one」シリーズに、新モデルとなる「Aspire one D250」が登場した。従来モデルの「Aspire one D150」からわずか2カ月で投入される新モデルだが、CPUにAtom N280を採用するとともに、本体の薄型/軽量化が行なわれており、大きく魅力が向上している。

●本体の薄型化と軽量化を実現

 Aspire one D250(以下、D250)の特徴は、2月に登場したAspire one D150(以下、D150)同様、10.1型液晶を採用しながら、本体の薄型化と軽量化を実現している点だ。

 D150では厚さが33.4mmであったのに対し、D250では厚さが25.4mmと、8mmも薄くなっている。今回は、D150を用意できなかったため、並べての比較はできなかったが、その違いは比較するまでもなく実感できる。箱から本体を取り出す時に手に持った瞬間から、薄さを強く感じた。フットプリントは258.5×184mm(幅×奥行き)と、D150の260×185mm(同)とほぼ同じで、本体デザインもほぼ変わらないものの、本体の薄さによって、見た目の印象がかなりシャープになった印象を受けた。

 また、本体重量もD150の1,182g(実測値)から1,071g(実測値)へと110gほど軽くなっている。これは、8.9型液晶を搭載するAspire one A150シリーズとほぼ同等の重量で、本体の薄型化と合わせて、携帯性は大きく向上したと考えていいだろう。

本体正面。ボディが薄くなって、シャープなイメージが強くなった 左側面。厚さは25.4mmと、D150より8mm薄くなっている 背面。中央に見えるのは3セルバッテリだ
右側面。前方から後方まで、ほぼ均一な厚さだ 天板部分。上から見た印象は、D150とほぼ同じだ
フットプリントは、258.5×184mm(幅×奥行き)。D150よりわずかに小さいが、ほぼ同じと考えていい 3セルバッテリ搭載時の重量は、実測値で1,071g。D150より110gほど軽くなっている

●CPUにAtom N280を採用

 本体の薄型/軽量化に加えて、基本スペック面でも変更が見られる。それは、CPUとして従来モデルのAtom N270に代わり、Atom N280が採用されているという点だ。

 Atom N270はFSBクロックが533MHz、動作クロックが1.60GHzであるのに対し、Atom N280はFSBクロックが667MHz、動作クロックが1.66GHzと、FSBクロック、動作クロックともに向上している。CPU自体の動作クロック向上は66MHzと大きくはないが、それでもパフォーマンスは上がる。FSBクロックの向上により、システム全体のパフォーマンスも上がることになる。このあたりは、後ほどベンチマークテストで検証する。

 ちなみに、CPU以外の基本スペックはほとんど変更がない。メインメモリには従来同様PC2-4200(DDR2-533) DDR2 SDRAMが標準で1GB搭載されている。メインメモリの上限は1GBとされているが、手持ちの2GBモジュールを取り付けてみたところ正常に動作した。チップセットは、Intel 945GSE Express(ビデオ機能内蔵)。HDD容量は160GB。また、標準でIEEE 802.11b/g対応の無線LANとBluetooth 2.0+EDRも搭載されている。

●10.1型液晶やキーボードなどはD150と同じ

 搭載する液晶は、D150と同じ1,024×600ドット表示対応の10.1型液晶だ。表面が光沢処理されており、天井の照明など外光の映り込みがやや気になるものの、LEDバックライトによる輝度の高さや鮮やかな発色など、表示品質は申し分ない。液晶上部に30万画素のWebカメラを搭載する点も同様だ。

 キーボードもD150に搭載されているものと全く同じだ。キーピッチは約17mm(実測値)と、10.1型液晶を搭載するネットブックとしては標準的なサイズを確保。Enterキー付近など一部のキーのピッチが狭くなっているが、配列に無理はなく、悪くない使い勝手だ。また、タッチパッドもD150のものと同等だ。パッド面のサイズはそれほど大きくないが、クリックボタンがパッド下にあるため、A150シリーズに比べると使い勝手はいい。また、複数の指を使ったスクロール操作なども行なえ、操作性は快適だ。ただ、欲を言うと、左右一体型ではなく分離型のクリックボタンを採用していればなお良かった。

 側面のポート類は、USB 2.0×3(左側面1、右側面2)、ミニD-Sub15ピン、100BASE-TX対応有線LAN、SDカード/メモリースティック(PRO)/xD-Picture Cardに対応する「All in Oneカードリーダー」となる。ちなみに、All in Oneカードリーダーは、右側面に移動している。

1,024×600ドット表示対応の10.1型液晶。LEDバックライトで輝度が高く、発色も鮮やかだ 液晶表面は光沢処理が施されており、照明などがくっきり映り込んでしまう 液晶中央上部には、30万画素Webカメラとマイクが取り付けられている
液晶は、約50度ほどまで開ける キーボードは、D150に搭載されていたものと同じで、無理な配列もなく比較的扱いやすい キーピッチは、実測値で約17mm。慣れればタッチタイプも十分可能だ
タッチパッドも、D150と同じ。サイズは小さいが、クリックボタンが下にあり、初代Aspire oneより扱いやすい。指2本使ったスクロール操作なども可能だ 左側面には、100BASE-TX対応有線LAN、ミニD-Sub15ピン、UBS 2.0×1を用意 右側面には、All in OneカードリーダーとUSB 2.0×2、電源コネクタがある
本体正面右に、無線LAN機能のON/OFFスイッチが用意されている 付属のACアダプタも、D150付属のものと同じだ
ACアダプタ単体の重量は、146.5gと軽量だ ただし、付属の電源ケーブルが太く、合わせると316.5gになってしまう

 

■■ 注意 ■■

・分解/改造を行なった場合、メーカーの保証は受けられなくなります。
・この記事を読んで行なった行為(分解など)によって、生じた損害は筆者および、PC Watch編集部、メーカー、購入したショップもその責を負いません。
・内部構造などに関する記述は記事作成に使用した個体に関してのものであり、すべての製品について共通であるとは限りません
・筆者およびPC Watch編集部では、この記事についての個別のご質問・お問い合わせにお答えすることはできません。

●HDDは容易に交換可能

 本体底面には、HDDやメインメモリにアクセスできるフタがあり、それぞれネジを2本外すだけで簡単にアクセスできる。ただし、双方のフタのネジ穴には封印シールが貼られており、フタを開けるだけで保証が失われる点は要注意。本体を分解することなくHDDやメインメモリを容易に交換できるのは嬉しいものの、保証が受けられなくなることはあらかじめ頭に入れておこう。

 ちなみに、底面にはもう1つフタがあり、そちらを開けるとMini PCI Expressコネクタが現れる。ワイヤレスWANモジュールなどを取り付けるために用意されているものと思われるが、標準では何も取り付けられていない。

 HDDやメインメモリに簡単にアクセスできるため、本体を分解する必要性はそれほど高くないが、分解自体はそれほど難しくない。固定されていないキーボードを外し(上部中央のツメを押して取り外す)、底面に見えるネジを全て外せば、カバーが外れ基板が現れる。

 基板は、CPUやチップセットなどが搭載されているメイン基板と、HDD接続用のシリアルATAコネクタやAll in Oneカードリーダーなどが取り付けられたサブ基板のセパレート構造となっている。メイン基板のキーボード面には無線LANモジュールが取り付けられているMini PCI Expressコネクタがパームレスト部に用意されている。また、裏面には、CPUやチップセット、メインメモリ用のSO-DIMMスロットなどがある。ほか、CPUの横には、空きのMini PCI Expressコネクタがある。

本体底面。フタが3つ用意されており、HDDやメインメモリスロットに簡単にアクセスできる HDDおよびメインメモリスロットのフタは、ネジの部分に封印シールが貼られているため、開けるだけで保証が失われる フタを開けると、HDD、メインメモリスロット、Mini PCI Express空きコネクタが現れる
HDDは、シリアルATA接続の9.5mm厚2.5インチHDDが搭載されている 分解時には、まずキーボードを外す。キーボードは固定されておらず、中央奥のツメを押し込めば取り外せる 底面に見えるネジを全て外すと、キーボード面が取り外せる
キーボード面裏側に、Bluetooth 2.0+EDRモジュールが取り付けられている 基板のキーボード面。左のメイン基板と、右下のシリアルATAコネクタなどがある小さな基板のセパレート構造だ コンパクトなMini PCI Expressカードタイプの無線LANモジュールを搭載
基板裏面。主要パーツはこちらに集約されている CPUは、Atom N280。その下にチップセットが並ぶ。チップセット左にメインメモリスロット、右にMini PCI Expressコネクタがある

●パフォーマンスは全体的に向上している

 では、ベンチマークテストの結果をチェックしよう。利用したベンチマークソフトは、Futuremarkの「PCMark05 (Build 1.2.0)」と、HDBENCH.NETの「HDBENCH Ver3.40beta6」、スクウェア・エニックスの「FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3」の3種類。また、比較用として、従来モデルのAspire one D150、Aspire One、HP Mini 2140 Notebook PC、Eee PC S101の結果も加えてある。

 


Aspire One D250 Aspire One D150 Aspire One AOA 150 HP Mini 2140 Notebook PC Eee PC S101
CPU Atom N280(1.66GHz動作) Atom N270(1.6GHz動作) Atom N270(1.6GHz動作) Atom N270(1.6GHz動作) Atom N270(1.6GHz動作)
ビデオチップ Intel 945 GSE Express Intel 945 GSE Express Intel 945 GSE Express Intel 945 GSE Express Intel 945 GSE Express
メモリ 1GB 1GB 1GB 1GB 1GB
OS Windows XP Home Edition SP3 Windows XP Home Edition SP3 Windows XP Home Edition SP3 Windows XP Home Edition SP3 Windows XP Home Edition SP3
PCMark05 Build 1.2.0
PCMark Score 1496 1427 1499 1561 1759
CPU Score 1551 1480 1474 1487 1492
Memory Score 2494 2374 2355 2344 2414
Graphics Score 590 553 576 547 545
HDD Score 3731 4662 4195 5768 7755
HDBENCH Ver3.40beta6
All 38979 38870 33168 40144 45668
CPU:Integer 97379 94033 93623 94278 98124
CPU:Float 67361 64700 64475 64792 67228
MEMORY:Read 50018 48016 47730 48106 49495
MEMORY:Write 50243 48447 48113 48569 50243
MEMORY:Read&Write 88677 84352 84693 85545 88536
VIDEO:Recitangle 17744 16786 16761 16721 17759
VIDEO:Text 9800 8965 20137 6945 9164
VIDEO:Ellipse 4720 4216 4257 4273 4436
VIDEO:BitBlt 200 255 248 192 269
VIDEO:DirectDraw 29 30 30 29 35
DRIVE:Read 58480 52810 41727 71160 83934
DRIVE:Write 54122 47805 39475 47473 46800
DRIVE:RandomRead 18050 15168 10517 28992 62326
DRIVE:RandomWrite 22831 22212 17661 21988 14151
FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3
LOW 1508 1459 1443 1409 1541

 結果を見ると、CPUやメモリ、グラフィックなど、一様にパフォーマンスが向上していることがわかる。CPUのパフォーマンスは、CPU自体の動作クロックが向上しているために当然の結果だが、メモリやグラフィックのパフォーマンスは、FSBクロックの上昇が影響していると考えられる。もちろん、パフォーマンス向上分は1割にも満たず、体感で差を感じるかどうかは微妙なところだが、歓迎すべき部分だ。

 次に、バッテリ駆動時間のチェックだ。テスト方法は、液晶輝度を最大に設定し、無線LANおよびBluetoothを動作させた状態で、動画ファイル(WMV9、ビットレート1,156kbps、640×480ドット)をWindows Media Player 11を利用して連続再生させるというものだ。バッテリは、容量2,200mAhの3セルバッテリが標準添付となり、オプションで6セルバッテリも用意されるが、今回は3セルバッテリのみでテストを行なった。

標準付属の3セルバッテリ。容量は2,200mAh。仕様は従来モデルのものと全く同じだ

 結果は、1時間49分と、D150より若干伸びてはいるものの、誤差の範囲内と言える程度で、ほぼ同等だった。カタログ値では、3セルバッテリ(2,200mAh)で約3.5時間、6セルバッテリ(5,200mAh)で約7.5時間と、D150よりもバッテリ駆動時間が延びているため、省電力機能を有効にして利用すれば、もう少し大きな差が出る可能性もある。とはいえ、バッテリ容量が増えているわけではなく、また基本スペックも大きく異なるわけではないため、実際に使う場合には、その差はそれほど大きなものではないと考えていいだろう。

 

バッテリ駆動時間
Aspire One D250 1時間49分
Aspire One D150 1時間45分
Aspire One 1時間32分

 D250は、D150からCPUの強化や本体の薄型・軽量化を実現するとともに、パフォーマンスの向上、ほぼ同等または若干優れるバッテリ駆動時間を実現するなど、製品としての魅力が大きく向上している。これからは、Atom N280搭載ネットブックが増えていくことになるが、その中でも有力な選択肢になることは間違いないだろう。

 約2カ月という短期間で大きく魅力の向上した新モデルが投入されたことで、D150を購入したユーザーは少々残念に感じるかもしれない。価格面で大きな差があるというのなら納得もできるとは思うが、価格も全く変わらないのだからなおさらだ。これだけ短期間で投入できるなら、はじめからD250を投入してもらいたかったとも思う。とはいえ、そう感じるのは、D250に魅力があるからで、これからネットブックを購入しようと考えている人に勧めたいマシンであることに違いはない。

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(2009427日)

[Text by 平澤 寿康]

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