Hothotレビュー
MacBook Pro 15インチは13インチ版の1.4倍の価格だが2倍以上の性能
2016年11月17日 16:01
Appleのノートブック最上位モデルである「MacBook Pro」がフルモデルチェンジし、10月28日に発表、11月17日に販売が開始された。今回発表されたのは、ファンクションキーの代わりにRetinaクオリティのマルチタッチディスプレイ「Touch Bar」を搭載した13インチと15インチのMacBook Proと、従来通りのファンクションキーを搭載した13インチのMacBook Proの3モデル。2015年モデルの13インチ、15インチMacBook Proも併売される。
新型MacBook Proの主な変更点は下記の通り。
- マルチタッチディスプレイ「Touch Bar」の搭載 ※一部モデルを除く
- 指紋認証センサー一体型電源ボタン「Touch ID」の搭載 ※一部モデルを除く
- ポート類をThunderbolt 3のみに変更
- 第6世代(Skylake)のCPUを搭載
- AMD製dGPU(外部GPU)を搭載 ※15インチのみ
- 感圧タッチトラックパッドの大型化
- バタフライ構造の薄型キーボードの採用
- ディスプレイの輝度、コントラスト、色域の向上、及び省電力化
- 2倍のダイナミックレンジと低音特性が改良されたスピーカー
- 薄型化、軽量化
- 本体カラーを2色用意
新旧含む13インチ、15インチMacBook Proの主要スペックは下記の表の通り。
13インチMacBook Pro(2015) | MacBook Pro13インチモデル | MacBook Pro13インチTouch Bar搭載モデル | 15インチMacBook Pro(2015) | MacBook Pro15インチモデル | |
---|---|---|---|---|---|
ディスプレイサイズ | 13.3インチ | 13.3インチ | 13.3インチ | 15.4インチ | 15.4インチ |
解像度 | 2,560×1,600ドット | 2,560×1,600ドット | 2,560×1,600ドット | 2,880×1,800ドット | 2,880×1,800ドット |
ドット密度 | 227dpi | 227dpi | 227dpi | 220dpi | 220dpi |
Touch Bar、Touch ID | 非搭載 | 非搭載 | 搭載 | 非搭載 | 搭載 |
価格 | 128,800円~ | 148,800円~ | 178,800円~ | 198,800円~ | 238,800円 |
CPU | Core i5(2.7~3.1GHz)、Core i5(2.90/3.30GHz)、Core i7(3.1/3.4GHz) | Core i5(2~3.1GHz)、Core i7(2.4~3.4GHz) | Core i5(2.9~3.3GHz)、Core i5(3.1~3.5GHz)、Core i7(3.3~3.6GHz) | Core i7(2.2~3.4GHz)、Core i7(2.5~3.7GHz)、Core i7(2.8~4GHz) | Core i7(2.6~3.5GHz)、Core i7(2.7~3.6GHz)、Core i7(2.9~3.80GHz) |
iGPU | Intel Iris Graphics 6100 | Intel Iris Graphics 540 | Intel Iris Graphics 550 | Intel Iris Pro Graphics | Intel HD Graphics 530 |
dGPU | 非搭載 | 非搭載 | 非搭載 | 非搭載 | Radeon Pro 450(2GB)、455(2GB)、460(4GB) |
メモリ | 8GB 1,866MHz LPDDR3、16GB | 8GB 1,866MHz LPDDR3、16GB | 8GB 2,133MHz LPDDR3、16GB | 16GB 1,600MHz DDR3L | 16GB 2,133MHz LPDDR3 |
ストレージ | 128GB PCIe SSD、256GB、512GB、1TB | 256GB PCIe SSD、512GB、1TB | 256GB PCIe SSD、512GB、1TB | 256GB PCIe SSD、512GB、1TB | 256GB PCIe SSD、512GB、1TB、2TB |
サイズ | 314×219×18mm | 304.1×212.4×14.9mm | 304.1×212.4×14.9mm | 358.9×247.1×18mm | 349.3×240.7×15.5mm |
重量 | 1.58kg | 1.37kg | 1.37kg | 2.04kg | 1.83kg |
連続動作時間 | 最大10時間のワイヤレスインターネット閲覧、最大12時間のiTunesムービー再生、最大30日のスタンバイ時間 | 最大10時間のワイヤレスインターネット閲覧、最大10時間のiTunesムービー再生、最大30日のスタンバイ時間 | 最大10時間のワイヤレスインターネット閲覧、最大10時間のiTunesムービー再生、最大30日のスタンバイ時間 | 最大9時間のワイヤレスインターネット閲覧、最大9時間のiTunesムービー再生、最大30日のスタンバイ時間 | 最大10時間のワイヤレスインターネット閲覧、最大10時間のiTunesムービー再生、最大30日のスタンバイ時間 |
バッテリ | 74.9Whリチウムポリマー | 54.5Whリチウムポリマー | 49.2Whリチウムポリマー | 99.5Whリチウムポリマー | 76.0Whリチウムポリマー |
今回、Appleから15インチMacBook Pro(スペースグレイ)を借用した。別途掲載している13インチMacBook Proのレビューと重複する箇所をおさらいしつつ、気になる性能差などについてレビューしていきたい。
15インチMacBook ProはTouch Bar搭載モデルのみでdGPUを搭載
15インチMacBook ProにはTouch Bar非搭載モデルは用意されておらず、ベースモデルとしてはCore i7(2.6~3.5GHz)/16GB 2,133MHz LPDDR3/256GB PCIe SSD/Radeon Pro 450(2GB)を搭載した下位モデル(直販価格238,800円)と、Core i7(2.7~3.6GHz)/16GB 2,133MHz LPDDR3/512GB PCIe SSD/Radeon Pro 455(2GB)を搭載した上位モデル(278,800円)がラインナップされている。
Apple Storeで購入する場合、下位モデル、上位モデルともにストレージを512GB、1TB、2TBに、そしてdGPU(外部GPU)をRadeon Pro 460(4GB)にアップグレード可能だが、メモリを増量することはできない。上位モデルを最大構成(Core i7(2.9~3.8GHz)/16GB 2,133MHz LPDDR3/2TB PCIe SSD/Radeon Pro 460(4GB))にアップグレードした場合の価格は428,800円となる。なお、キーボードはUS、アラビア語、英語-英国、デンマーク語、フランス語、韓国語、スペイン語版に無料で変更可能だ。
15インチで2kg切り、高さは13インチモデルとほとんど変わらず
15インチMacBook Proの本体サイズは349.3×240.7×15.5mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約1.83kg。従来の15インチMacBook Proと比べて、高さは14%薄く、体積は20%小さくなっており、重量は10%軽くなっている。
筐体の材質はアルミニウム合金。本体カラーは13インチMacBook Proと同様にシルバーとスペースグレイの2色が用意されている。前述の通り、今回Appleからスペースグレイモデルを借用しているが、シルバーより色が濃いおかげで筐体が引き締まって見える。またディスプレイのベゼルと色の差が少ないので一体感がある。
側面のポートは、Thunderbolt 3ポート×4と3.5mmヘッドフォンジャックのみ。Thunderbolt 3ポートは、充電、DisplayPort、Thunderbolt(最大40Gbps)、USB 3.1 Gen 2(最大10Gbps)の用途を兼ねる。dGPUを搭載する15インチMacBook Proは、2台のディスプレイに5,120×2,880ドット/60Hz表示、4台のディスプレイに4,096×2,304ドット/60Hz表示可能となっており、13インチMacBook Proよりも多くのディスプレイに5K、4K表示が可能だ。
15インチMacBook Proの同梱物は、本体、87W USB-C電源アダプタ、USB-C充電ケーブル(2 m)、小冊子類となっている。アダプタは同梱されていないが、「USB-C Digital AV Multiportアダプタ」、「USB-C VGA Multiportアダプタ」、「USB-C - USBアダプタ」を期間限定(10月27日~12月31日)の特別価格で購入できるキャンペーンが実施されている。「USB-C - USBアダプタ」さえあれば、手持ちのストレージやメモリカードリーダなどを利用できるので、ぜひ購入しておきたい。
Touch Barは即座に実行できる機能は便利
ファンクションキーの代わりに新開発されたRetinaクオリティ(2,170×60ドット)のマルチタッチディスプレイ「Touch Bar」全体の所感は13インチMacBook Proのレビューで既に述べているので、本記事では「写真」アプリに絞って、Touch Barの具体的な挙動を見ていこう。
写真アプリを起動すると、Touch Barには「お気に入り」と「回転」、そして非常に細いサムネイルで構成されたスライダーが表示される。この時点で画像は選択されていないので、「お気に入り」と「回転」は利用できない。
トラックパッドまたはキーボードで画像を選択すると、画像がディスプレイに拡大表示される。それと同時にTouch Barの表示が、「お気に入り」、「回転」、「写真を編集」、そして大きめのサムネイルで構成されたスライダーに切り替わる。サムネイルには、選択している画像が同じ比率で全体表示されるが、それ以外は中央部分を切り出した縦長の画像が表示される。
ここでTouch Barの「お気に入り」と「回転」をタップすると、即座にそのコマンドが反映される。「option+command+R」で時計回り、「command+R」で反時計回りに画像を回転させられるが、スライダーで画像を選択しつつ、「お気に入り」を付けたり、「回転」できるのは非常に快適で、直感的に操作できる。
「写真を編集」を選択すると、Touch Barの表示が「移動」、「トリミング」、「フィルタ」、「調整」、「レタッチ」に切り替わる。
さらに「トリミング」、「フィルタ」、「調整」、「レタッチ」をタップすると、それぞれの設定画面に遷移する。
さて、Touch Barで即座に反映できる「お気に入り」や「回転」は非常に便利だ。しかし、ほかの深い階層に用意されているコマンドを日常的に利用するかというと、現時点では正直疑問だ。アプリ画面上のボタン、メニューコマンド、ショートカットコマンドに加え、新たにTouch Barでコマンドを実行できるようになったわけだが、1つのコマンドを実行する方法が増えるほど、その機能をユーザーが見つけやすくなるかもしれないが、一方で混乱を招くという側面もある。
Touch Barは、見た目がクールで、操作していて楽しい入出力インターフェイスであることは間違いない。しかし、13インチMacBook Proのレビューでも述べた通り、全てのアプリで任意のコマンドを自由に登録できるようになった方が、利便性は高まると考える。
Apple Payにも対応した生体認証機能「Touch ID」
15インチMacBook Proにも13インチMacBook Proと同様に指紋認証センサー一体型電源ボタン「Touch ID」が搭載されている。Touch IDは、ロックの解除、iTunesやApp Storeの購入認証、Apple Payの支払いなどに利用できる。
Touch IDは物理的なボタンになっており、ボタンを押し込むと同時に指紋をスキャンして、ロックが解除される。押し込んだ瞬間に指紋のスキャンは終了しているので、指をあてがったままでいる必要はない。なお、スリープが解除されている状態であれば、指をあてがうだけでOKだ。
iPhone 7/7 Plusの指紋認証センサー一体型ホームボタンは感圧式になっているが、それは別に電源ボタンがあるため。新型MacBook Proでは、OSがフリーズした時に強制的にシャットダウンできるように物理式になっている。
第2世代のバタフライ構造キーボードは打鍵感を大幅改善
15インチMacBook Proと13インチMacBook Proのキーボード全体のサイズ、キーピッチは同じ。どちらもキーボード全体のサイズは実測約273×104mm(幅×奥行き)、キーピッチは実測約19.36mmとなっている。12インチのMacBookでもキーボード全体のサイズとキーピッチが揃えられており、買い換えた際や、用途に応じて異なるサイズを所有していても、まったく違和感なくタイピングできる。
薄型化のために、従来のシザー構造ではなく、バタフライ構造のキーボードを初めて採用したのが12インチのMacBook。新型MacBook Proに搭載されたバタフライ構造キーボードは第2世代で、各キー下のドームスイッチを最適化し、より優れた反応を返すようになったとのこと。
実際に打ち比べてみると、新型MacBook Proのキーボードの方が押す力が軽くなり、またキーが底を打った時の感触が柔らかくなっている。ストロークが変化しているかは公表されていないが、強くタイピングした際に指に伝わる衝撃はかなりマイルドになっていると筆者は感じた。
しかしキーボードの好みは人それぞれ。筆者は12インチのMacBookを使い始めてしばらく経ったら、旧MacBook Proのストロークが長く思えて、そして感触を頼りなく感じるようになったので、キーボードへの適応力が高い方なのだろう。キーボードの感触にシビアな方は、念のため店頭で試し打ちすることをオススメする。
一方、感圧タッチトラックパッドは従来で2倍大型化。実測で約160×100mm(幅×奥行き)となっており、ちょっとしたタブレット端末の画面と同等の面積が確保されている。これだけ広い面積の感圧タッチトラックパッドをマウスカーソルやジェスチャーの操作にだけ利用するのはもったいない。プロ向けのノートブックだけに、デジタイザスタイラスへの対応を望む方は多いのではないだろうか?
DCI-P3対応ディスプレイを搭載、サウンド面に15インチと13インチで差はなし
15インチMacBook Proのディスプレイは15.4インチIPS液晶で、解像度は2,880×1,800ドット、画素密度は227dpi。画面サイズ、解像度、画素密度は13インチMacBook Proと異なるが、輝度500cd平方m、標準色域DCI-P3などのスペックは共通だ。今回Appleから借用中の15インチ、13インチMacBook ProでiPhone 7 Plusで撮影した写真を見比べてみたが、輝度、コントラスト、階調、色域に違いは感じられなかった。
ただし、Apple製品は同じモデルであっても異なるメーカーから部品を調達することがある。また、ディスプレイは経年劣化によって、輝度、コントラスト、階調、色域が変化していく。発色などに違和感を覚えた場合は、「システム環境→ディスプレイ→カラー」の「補正」からディスプレイを適切に補正しよう。
サウンド面も15インチモデルと13インチモデルでスペック上の差はない。どちらにも再設計されたスピーカーが搭載されており、従来モデルに比べてダイナミックレンジが2倍、音量が最大58%、低音が2.5倍大きくなっている。今回借用中の15インチモデルと13インチモデルで実際に聞き比べてみたが、大きな差はなかった。15インチMacBook Proの方が筐体が大きいぶんサウンド面で有利……というような差別化は図られていないようだ。
15インチと13インチモデルの性能差は?
さて最後にベンチマークのスコアを見てみよう。今回借用した15インチMacBook Proのスペックは、CPUがIntel Core i7-6820HQ(2.7~3.6GHz)、iGPUがIntel HD Graphics 530、dGPUがRadeon Pro 455(2GB)、メモリが16GB 2,133MHz LPDDR3、ストレージが512GB PCIe SSD(APPLE SSD SM0512L)、OSがmacOS Sierra バージョン10.12.1。
13インチMacBook Proのスペックは、CPUがIntel Core i5-6267U(2.9~3.3GHz)、iGPUがIntel Iris Graphics 550、メモリが8GB 2,133MHz LPDDR3、ストレージが512GB PCIe SSD(APPLE SSD AP0512J)、OSがmacOS Sierra バージョン10.12.1だ。
今回のベンチマークは、両製品本来のmacOS Sierra環境に加え、Boot CampでインストールしたWindows 10環境の両方で実施している。
macOS Sierra環境で実施したベンチマークは、CPUとGPUの性能を計測する「CINEBENCH R15」と「Geekbench 4.0.1」、ストレージの読み書き速度を計測する「AmorphousDiskMark 1.0.2」、「Adobe Photoshop Lightroom」によるRAW現像、「Adobe Premiere Pro CC」による動画書き出し、YouTube動画を連続再生した動作時間となる。
Windows 10環境で実施したベンチマークは、総合ベンチマーク「PCMark 8 v2.7.613」、GPUの性能を計測する「3DMark v2.1.2973」、CPUとGPUの性能を計測する「CINEBENCH R15」と「Geekbench 4.0.1」、ストレージの読み書き速度を計測する「CrystalDiskMark 5.2.0」、ゲーミングPCとしての性能を計測する「モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】」、「Adobe Photoshop Lightroom」によるRAW現像、「Adobe Premiere Pro CC」による動画書き出しとなる。
MacBook Pro13インチTouch Bar搭載モデル(macOS Sierra環境) | MacBook Pro15インチ(macOS Sierra環境) | |
---|---|---|
CPU | Intel Core i5-6267U(2.9~3.3GHz) | Intel Core i7-6820HQ(2.7~3.6GHz) |
GPU | Intel Iris Graphics 550 | Radeon Pro 455(2GB)、Intel HD Graphics 530 |
メモリ | 8GB 2,133MHz LPDDR3 | 16GB 2,133MHz LPDDR3 |
ストレージ | 512GB PCIe SSD | 512GB PCIe SSD |
TDP | 28W | 45W |
OS | macOS Sierra バージョン10.12.1 | macOS Sierra バージョン10.12.1 |
CINEBENCH R15 | ||
OpenGL | 36.72 fps | 80.32 fps |
CPU | 335 cb | 688 cb |
Geekbench 4.0.1 | ||
32-bit Single-Core Score | 3437 | 3677 |
32-bit Multi-Core Score | 6781 | 11874 |
64-bit Single-Core Score | 3915 | 4304 |
64-bit Multi-Core Score | 7610 | 13369 |
OpenCL(iGPU) | 30635 | 19026 |
OpenCL(Radeon Pro 455) | - | 48296 |
SSDをAmorphousDiskMark 1.0.2で計測 | ||
Q32T1 シーケンシャルリード | 3,290 MB/s | 3,353 MB/s |
Q32T1 シーケンシャルライト | 424.50 MB/s | 1,504 MB/s |
4K Q32TI ランダムリード | 580.03 MB/s | 579.5 MB/s |
4K Q32TI ランダムライト | 25.12 MB/s | 27.29 MB/s |
シーケンシャルリード | 1,153 MB/s | 1,302 MB/s |
シーケンシャルライト | 899.57 MB/s | 1,017 MB/s |
4K ランダムリード | 56.62 MB/s | 51.97 MB/s |
4K ランダムライト | 27.11 MB/s | 29.53 MB/s |
SanDisk Extreme 900 Portable SSDをAmorphousDiskMark 1.0.2で計測 | ||
Q32T1 シーケンシャルリード | 238.47 MB/s | 418.00 MB/s |
Q32T1 シーケンシャルライト | 386.00 MB/s | 433.00 MB/s |
4K Q32TI ランダムリード | 27.67 MB/s | 30.52 MB/s |
4K Q32TI ランダムライト | 90.47 MB/s | 119.00 MB/s |
シーケンシャルリード | 601.63 MB/s | 616.40 MB/s |
シーケンシャルライト | 628.80 MB/s | 573.40 MB/s |
4K ランダムリード | 27.42 MB/s | 30.78 MB/s |
4K ランダムライト | 96.79 MB/s | 117.70 MB/s |
Adobe Photoshop Lightroomで50枚のRAW画像を現像 | ||
4,912☓3,264ドット、自動階調 | 2分6秒97 | 1分37秒60 |
Adobe Premiere Pro CCで実時間5分のフルHD動画を書き出し | ||
1,920×1,080ドット、30fps(OpenCL) | 11分27秒04 | 4分50秒32 |
1,920×1,080ドット、30fps(Metal) | 11分20秒41 | 4分51秒62 |
YouTube動画を連続再生した動作時間 | ||
ディスプレイの明るさ6/16 | 7時間57分58秒 | 9時間9分58秒 |
MacBook Pro13インチTouch Bar搭載モデル(Windwos 10環境) | MacBook Pro15インチ(Windows 10環境) | |
PCMark 8 v2.7.613 | ||
Home Accelarated 3.0 | 3711 | 3687 |
Creative Accelarated 3.0 | 4261 | 4634 |
Work 2.0 | 3889 | 4409 |
3DMark v2.1.2973 | ||
Fire Strike Ultra | 356 | 721 |
Fire Strike Extreme | 708 | 1671 |
Fire Strike | 1552 | 3530 |
Sky Diver | 6227 | 12204 |
Cloud Gate | 7991 | 15744 |
Ice Storm Extreme | 60519 | 96486 |
Ice Storm | 78787 | 116315 |
CINEBENCH R15 | ||
OpenGL | 68.30 fps | 100.79 fps |
CPU | 331 cb | 693 cb |
Geekbench 4.0.1 | ||
32-bit Single-Core Score | 3556 | 3893 |
32-bit Multi-Core Score | 7094 | 12739 |
64-bit Single-Core Score | 3959 | 4359 |
64-bit Multi-Core Score | 7661 | 13505 |
OpenCL(Radeon Pro 455) | 30645 | 43959 |
SSDをCrystalDiskMark 5.2.0で計測 | ||
Q32T1 シーケンシャルリード | 3,084.491 MB/s | 3,054.495 MB/s |
Q32T1 シーケンシャルライト | 2,282.227 MB/s | 2,237.006 MB/s |
4K Q32TI ランダムリード | 528.873 MB/s | 570.342 MB/s |
4K Q32TI ランダムライト | 347.083 MB/s | 454.848 MB/s |
シーケンシャルリード | 1,324.086 MB/s | 1,514.601 MB/s |
シーケンシャルライト | 1,424.076 MB/s | 1,412.628 MB/s |
4K ランダムリード | 17.202 MB/s | 23.682 MB/s |
4K ランダムライト | 35.914 MB/s | 37.891 MB/s |
モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】 | ||
1,280×720ドット | 7803 | 13092 |
Adobe Photoshop Lightroomで50枚のRAW画像を現像 | ||
4,912☓3,264ドット、自動階調 | 2分16秒11 | 2分1秒70 |
Adobe Premiere Pro CCで実時間5分のフルHD動画を書き出し | ||
1,920×1,080ドット、30fps | 6分9秒99 | 3分46秒57 |
15インチMacBook Proのベンチマークスコアは、サイズ増、重量増、そして価格差を十分納得できるだけのものだ。CINEBENCH R15のCPUでは、macOS Sierra環境、Windows 10環境ともに約2倍のスコアを記録。TDPの違いによる地力がそのまま出た結果だ。
グラフィック性能の差も顕著だ。3DMark v2.1.2973のFire Strike Ultra、Fire Strike Extreme、Fire Strikeでは15インチMacBook Proは13インチMacBook Proの2倍以上のスコア差を記録している。
実アプリの速度差も十分満足いくレベル。Adobe Photoshop LightroomはmacOS Sierra環境の方が、Adobe Premiere Pro CCはWindows 10環境の方が速いというのが釈然としないが、この問題はAdobe側の最適化に期待すべきだろう。
また、意外な結果となったのがYouTube動画を連続再生した動作時間。カタログスペック上は同じ連続動作時間となっているが、15インチMacBook Proが9時間9分58秒、13インチMacBook Proが7時間57分58秒と大きな差が開いた。
なお高負荷時の発熱を、サーモグラフィーカメラ「FLIR ONE」でチェックしてみた。室温25℃の部屋で、「CINEBENCH R15」の「CPU」を連続で5回実行した際のキーボード面の最大温度は42.8℃、底面の最大温度は40.0度だった。15インチMacBook Proは13インチMacBook Proよりも発熱が抑えられているぶんファン音がかなり大きく聞こえるが、発熱により本来の性能が発揮できなくなるよりはいい。高性能ノートブックの宿命と割り切って捉えたい。
処理性能と駆動時間を実用的にバランスさせた高性能ノート
15インチMacBook ProはTDPが高く、dGPUを搭載しているだけに、ベンチマークの多くの項目で13インチMacBook Proの2倍以上のスコアを記録している。今回計測に使用したモデルで価格を比較すると、15インチMacBook Proが278,800円、13インチMacBook Proが198,800円。1.4倍の価格差で2倍以上の性能が手に入るのであれば、特にクリエイティブ系の仕事をしている方なら選択の余地はないだろう。
ゲーミングPCの中にはもっと安価に、はるかに高性能なノートブックがリリースされているが、連続動作時間が極端に短かったり、そもそも電源と繋いでいなければ本来の性能を発揮できない機種もある。そういう意味では、今回の15インチMacBook Proは処理性能と駆動時間を実用的にバランスさせた高性能ノートと言えるだろう。
となると最終的には、Touch Barを搭載した点と、ポート類がThunderbolt 3のみに統合されたことをどう捉えるかが購入するか否かの判断基準となるだろう。筆者の場合であればコンパクトなSDカードリーダと、「USB-C - USBアダプタ」さえあればあとはどうにでもなる。Appleが有無を言わさず導く未来のノートブックの利用スタイルに乗っかれば、高確率で新たな出費は発生するだろう。しかし、接続に苦労していた機器類はレガシーなアイテムとしてすぐに断捨離できるに違いない。