平澤寿康の周辺機器レビュー

バッファロー「SSD-WAT」シリーズ

〜Thunderbolt接続でRAID 0対応の外付けSSDドライブ

バッファロー「SSD-WAT」シリーズ
発売中

価格:78,015〜189,000円

 バッファローは、外付けSSDドライブ新モデル「SSD-WAT」シリーズを発売した。高速SSDを2台内蔵してRAID 0構成に対応するとともに、接続インターフェイスにThunderboltを採用することで、外付けドライブながらSSDの速度を最大限引き出せる点が特徴だ。

 基本的には、Thunderboltを標準搭載するMacでの利用を想定した製品ではあるが、Windows PCでの動作もサポートされている。今回は、Windows PCでの動作を中心に、製品の仕様や性能をチェックする。

Thunderbolt対応でデイジーチェン接続も可能

接続インターフェイスにThunderboltを採用することで、SSDの速度を最大限引き出せる

 現在市販されているPC向けの外付けストレージは、接続インターフェイスにUSB 3.0を採用するものが大多数を占めている。USB 3.0の転送速度は5Gbpsで、HDDであればデータ転送速度を十分に引き出せるが、SSDの接続に利用する場合には、SSD本来の速度が引き出せない場合が多い。最新SSDでは実効で500MB/secを越えるものがあるからだ。RAID 0構成ではなおのことだ。

 今回取り上げるバッファローの外付けSSDドライブ「SSD-WAT」シリーズは、高速なSSD 2台でのRAID 0構成で、その高速な転送速度を最大限引き出すために、接続インターフェイスに転送速度が上り下りとも最大10GbpsのThunderboltを採用している。実際に同製品では、メーカー実測値で読み出し時763MB/sec、書き込み時616MB/secと、USB 3.0を超える高速転送速度を謳っている。

 ところで、Thunderboltは、Windows PCではまだまだ搭載製品が少なく、Windows PC向けの外付けストレージとしては、Thunderbolt対応製品も少ない。それに対しMacでは、標準でThunderboltを搭載している。そういったこともあり、このSSD-WATシリーズは、出荷状態でHFS+(Mac OS 拡張フォーマット)で領域が確保されており、基本的にはMacでの利用を想定した製品となっている。先ほど紹介したメーカー実測値の転送速度も、「MacBook Pro MC975J/A」に接続して計測されたものだ。

 だが、Windows PCでの動作もサポートされている。そこで今回は、SSD-WATシリーズをWindows PCに接続して、パフォーマンスを検証したいと思う。

コンパクトでスタイリッシュなボディデザイン

 では、SSD-WATシリーズの外観をチェックしよう。本製品は、2.5インチサイズのSSDを2台内蔵。本体サイズは45×154×102mm(幅×奥行き×高さ)とかなりコンパクト。高さは3.5インチHDDの横幅とほぼ同等で、奥行きも3.5インチHDDよりわずかに長い程度。幅は3.5インチHDDの約2台分とコンパクトだ。

 デザインは、上部がホワイト、他はシルバーで、それ以外に目立つ装飾は皆無となっている。上部のホワイトの部分と底面は樹脂素材だが、シルバーのボディ部分はアルミ無垢材を採用。本体上部にBUFFALOロゴが彫り込まれているが、パッと見では全く目立たず、シンプルかつスタイリッシュとなっている。こういった部分はMacに合わせたもので、Mac製品と並べて置いて、雰囲気を壊すようなことはない。

 背面には、Thunderboltポートが2ポートと電源コネクタ。Thunderbolt機器のデイジーチェーン接続にも対応しており、最大6台まで同時接続できる。冷却用にファンを内蔵する。製品パッケージには、電源用のACアダプタとThunderboltケーブルが同梱されており、別途ケーブルを用意せずすぐに利用できる。

 対応OSは、Mac OS X 10.6以降、およびWindows 7/8となる。今回は、Windows 8 Pro 64bitを導入したPCを用意してテストを行なった。

 SSD-WATシリーズは、容量の異なる3モデルをラインナップしている。128GB SSDを2基内蔵する「SSD-WA256T」、256GB SSDを2基内蔵する「SSD-WA512T」、512GB SSDを2基内蔵する「SSD-WAT1.0T」の3モデルだ。今回はこのうち、256GB SSDを2基内蔵する「SSD-WA512T」を試用した。なお、バッファローによると256GB×2モデルと512GB×2モデルの性能は同等だという。

本体正面。本体カラーは、上部がホワイト、それ以外がシルバー。素材は上部が樹脂、それ以外はアルミ無垢素材を採用する
高さは102mmと3.5インチHDDの幅とほぼ同じ。また幅は45mmと、こちらは3.5インチHDDの高さの2倍ほどとなっている
左側面。装飾は全くなく、非常にシンプルなデザインとなっており、Macで利用する場合に違和感がない
奥行きは154mmと、3.5インチHDDの奥行きよりわずかに大きい程度。ボディは非常にコンパクトだ
背面。上部に空冷ファンの排気口があり、その下にThunderboltポートを2ポートと電源コネクタを備える。デイジーチェーン接続にも対応している
上部にはボタンが用意されており、このボタンを押すとスリープモードに移行する
上部に目立たないようにBuffaloロゴが彫り込まれている
パッケージにはACアダプタとThunderboltケーブルが付属する

Windows PCでの利用には初期設定が必要

 SSD-WATシリーズは出荷状態でHFS+でフォーマットされているため、Windows PCで利用するには初期設定が必要となる。

 まず、SSD-WATシリーズ専用のダウンロードページからドライバとパーティション削除ツールをダウンロードする。次に、SSD-WATシリーズをPCのThunderboltポートに接続後、ドライバをインストールして再起動。その後、パーティション削除ツールを起動してHFS+パーティションを削除し、MBRで初期化する。これで、Windows PCでも利用可能となる。

 領域の確保は、2基内蔵されているSSDそれぞれを別パーティションとして確保してもいいが、RAID 0構成で利用したい場合には、「ディスクの管理」メニューからストライプボリュームを確保することで利用可能となる。

 ところで、今回試用した限りでは、テスト環境によって正常に動作しない場合があった。正常に動作しなかったのは、チップセットにIntel Z87 Expressを採用する、Intel製マザーボード「DZ87KLT-75K」と、GIGABYTE製マザーボード「Z87X-UD5TH」だ(双方ともCPUはCore i7-4770K、メインメモリはDDR3-1600 4GB×2を搭載)。双方ともSSD-WA512Tを接続しても「基本システムデバイス」となり、デバイスマネージャでドライバに「!」が付いて正常に認識しなかった。

 Windows 7、Windows 8双方で全く同じ症状で、BIOS設定を見なおしても解消しなかった。Thunderboltにデバイスが接続されたことは認識するものの、ドライバが正常に導入さずに利用できない、という状態だ。それに対し、チップセットにIntel Z77 Expressを採用するGIGABYTE製マザーボード「Z77MX-D3H TH」を利用した場合には、正常に認識し、問題なく利用できた。そのため今回はZ77MX-D3H THを利用した。

 このトラブルに関する情報は現時点ではなく、原因も不明だ。同じIntel Z87 Expressを搭載するマザーボードでも、他の製品では正常に動作する可能性もあるが、今回は他のマザーボードを用意できなかったため、その点は不明。Intel Z87 Express搭載PCでの利用を考えている場合には、メーカーが公表する情報を確認するなどの注意が必要だろう。

Windows PCで利用するには、ドライバとパーティション削除ツールを利用して初期化する必要がある
ドライバ導入後、バーティション削除ツールを利用してHFS+パーティションを削除する
パーティション削除後にMBRで初期化すれば、Windows PCで利用可能となる
初期化したSSDは、2基を単体で利用してもいいが、「ディスクの管理」でストライプボリュームを作成することでRAID 0環境で利用可能となる
Intel Z87 Express採用のIntel製マザーボード「DZ87KLT-75K」では、正常に認識できず利用できなかった

Windows PCでもリード約700MB/secの高速転送速度を確認

 では、パフォーマンスをチェックしていこう。利用したベンチマークソフトは、CrystalDiskMark v3.0.3と、AS SSD Benchmark 1.7.4739.38088の2種類。テスト環境は下に示す通りだ。

【表】検証環境
マザーボード GIGABYTE Z77MX-D3H TH
CPU Core i7-3770K
メインメモリ DDR3-1600 4GB×2
OS導入用SSD Intel SSD 335 240GB
OS Windows 8 Pro 64bit

 まずは、ストライプボリューム(RAID 0構成)を確保した状態での結果だ。CrystakDiskMarkでは、シーケンシャルリードが697.4MB/sec、シーケンシャルライトが582.5MB/secを記録した。メーカー計測の実測値にはやや劣るものの、USB 3.0接続では確実に不可能な速度で、SSDの速度が十分に引き出されている。また、テストデータを「0fill」に設定して計測した場合には、若干だが速度が向上し、シーケンシャルリードが705.4MB/sec、シーケンシャルライトが598.9MB/secを記録した。ランダムアクセス速度もやや結果に違いが見られるが、体感で速度差を感じるほどではない。

 AS SSD Benchmarkの結果では、シーケンシャルリードが723.56MB/sec、シーケンシャルライトが602.59MB/secであった。CrystakDiskMarkの結果よりもやや上回ったが、大きな差ではない。Windows PCでRAID 0構成で利用した場合には、リードが700MB/sec前後、ライトが600MB/sec前後の速度が発揮されると考えていいだろう。なお、AS SSD BenchmarkのCompression Benchmarkの結果を見ると、データの圧縮率の違いによりライト速度に若干の上下が見られる。ただ、大きな差ではなく、体感できるような違いはないと言えるだろう。

RAID 0 CrystakDiskMark
RAID 0 CrystakDiskMark 0Fill
RAID 0 AS SSD Benchmark

 次に、2基のSSDそれぞれに個別のパーティションを確保し、1台ずつ個別に利用した場合の結果だ。この場合のCrystakDiskMarkの結果は、シーケンシャルリードが371.5MB/sec、シーケンシャルライトが334.5MB/secで、テストデータの形式を0fillにした場合との差もほとんどなかった。また、AS SSD Benchmarkの結果もCrystakDiskMarkの結果とほぼ同じであった。この結果と、先ほどのRAID 0構成の結果とを比べてみると、RAID 0環境では1台の2倍近い速度が得られていることが分かる。

単体CrystakDiskMark
単体CrystakDiskMark 0Fill
単体AS SSD Benchmark

高速外付けストレージとして魅力だが利用環境には注意が必要

 SSD-WATシリーズの魅力は、やはり接続インターフェイスにThunderboltを採用することによる、圧倒的な速度だ。外付けストレージとして最も高速な部類で、外付けストレージに速度を求めるなら、まさにうってつけの製品と言える。

 ただ、気になるのは価格だ。SSD-WATシリーズの価格は、定価でSSD-WA256Tが78,015円、SSD-WA512Tが111,615円、SSD-WAT1.0Tが189,000円。量販店での実売価格はこれより若干安価ではあるが、それでも1割ほど安いだけで、かなり高い。内蔵SSDの価格と比べると、3倍ほど高く、価格の点ではかなり厳しいと言わざるを得ない。内蔵ドライブを増設できるPCであれば、ここまで高価な外付けストレージを利用するメリットは少ないかもしれない。

 液晶一体型PCやノートPCなど、内蔵ストレージを増設できないPCでは、十分に利用価値があるので、外付けストレージで価格よりも圧倒的な速度を優先するなら、魅力のある製品となるだろう。

(平澤 寿康)