平澤寿康の周辺機器レビュー

Micron「RealSSD C400」
〜リード最大415MB/secに高速化



Micron RealSSD C400 256GBモデル「MTFDDAC256MAM-1K1」

4月下旬 発売
価格:オープンプライス



 米Micron Technologyは、クライアントPC向けSSDの新モデルとなる「RealSSD C400」シリーズを発表した。300MB/secを超えるアクセス速度を実現するSSDとして人気の高いRealSSD C300シリーズの後継モデルで、新製品では400MB/sec超のアクセス速度を実現している。今回、容量256GBモデルである「MTFDDAC256MAM-1K1」を試用する機会を得たので、製品の使用やパフォーマンスをチェックしていこう。

●人気SSDの後継モデル

 Micron Technologyの人気SSDといえば、Crucialブランドで販売されている、RealSSD C300シリーズだ。SATA 6Gbpsに対応し、単体のSATA接続のSSDとして初めて300MB/secを超えるアクセス速度を実現していることや、価格も比較的手頃だったことから、現在でも高い人気を誇っている。そのRealSSD C300シリーズの後継モデルとして新たに登場したのが、RealSSD C400シリーズである。

 RealSSD C400シリーズは、RealSSD C300シリーズ同様、接続インターフェイスはSATA 6Gbpsをサポート。そして、型番が示唆するように、アクセス速度はシーケンシャルリードで最大415MB/secと、400MB/secを突破。シーケンシャルライトは最大260MB/secとされており、こちらも速度が向上。公式には、リードで17%、ライトで20%の高速化を実現としている。

 RealSSD C400シリーズには、厚さ9.5mmの2.5インチサイズと厚さ7mmの2.5インチサイズ、そして厚さ5mmの1.8インチサイズと、形状の異なる3モデルが用意されている。また、各モデルに64GB、128GB、256GB、512GBと4種類の容量の製品が用意される。

 最大アクセス速度は、リードは全容量とも同じ最大415MB/secだが、ライトは64GBモデルが最大95MB/sec、128GBモデルが最大175MB/secとなっており、ライト最大260MB/secとなるのは256GBモデルと512GBモデルのみとなる。ちなみに、容量64GBのモデルは、製品名がRealSSD C400Vとなっている。

 今回試用した製品は、厚さ9.5mmの2.5インチサイズの256GBモデルだ。見た目は、従来モデルであるRealSSD C300シリーズとほぼ同じ。もちろん、接続インターフェイスやネジ穴の位置は、厚さ9.5mmの2.5インチHDDと全く同じで、2.5インチHDDと同等の感覚で利用可能。重量は実測で70.5gと、過去にRealSSD C300の256GBモデルを実測した重量と全く同じであった。

 なお、日本ではCrucialブランドで「M4」という製品名で発売予定となっている。

今回試用した製品は、9.5mm厚の2.5インチHDDと同サイズで、容量256GBの「MTFDDAC256MAM-1K1」だ。製品表のシールには、Micronのロゴが印刷されている 裏面に張られているシールには、Crusialのロゴが印刷されていた 接続インターフェイスは、従来モデル同様SATA 6Gbpsをサポートしている
筐体サイズや、側面や底面のネジ穴は、9.5mm厚の2.5インチHDDのものと全く同じだ 重量は、実測で70.5gと、従来モデルの256GBと全く同じ重さだった

●Marvell製の新型コントローラを採用

 では、内部の基板をチェックしよう。

 筐体は、従来モデル同様、4本のネジで固定されているだけなので、簡単に開けられる。今回試用した評価機では、封印シールなどは貼られていなかったが、製品版では従来モデル同様封印シールが貼られ、分解すると保証を受けられなくなると思われるため、分解は自己責任で行なう必要がある。

 基板の構造は、従来モデルのものにかなり近い。全く同じというわけではないが、コントローラやキャッシュ、NANDフラッシュメモリチップなどの搭載位置はほぼ同等だ。

 コントローラは、Marvell製の「88SS9174-BLD2」。Corsairの「Performance 3」シリーズやPLEXTORの「PX-M2S」シリーズ、Intelの「SSD 510」シリーズなどの、アクセス速度が400MB/secを上回るSSDでは、Marvel製の「88SS9174-BKK2」が採用されている。最大アクセス速度も異なっていることから、仕様が異なっているのは間違いないだろう。

 NANDフラッシュメモリチップには、容量128GbitのMicron製「29F128G08CFAAB-12」が採用されており、基板の表と裏にそれぞれ8チップずつ、計16チップが搭載されている。このチップはMLCで、製造プロセスは25nmとなっている。また、基板裏面には、キャッシュ用のMicron製2Gbit(256MB)DDR3 SDRAMチップ「ICD22-D9LGQ」も搭載されている。

基板表。Marvell製コントローラ「88SS9174-BLD2」と、Micron製の128Gbit MLC NANDフラッシュメモリチップ「29F128G08CFAAB-12」が8個搭載されている 基板裏面には、表と同じ128Gbit MLC NANDフラッシュメモリチップ「29F128G08CFAAB-12」が8個と、キャッシュ用のMicron製2Gbit DDR3 SDRAMチップ「ICD22-D9LGQ」が搭載されている

●ランダムアクセス性能が高く、実使用時の快適度に優れる

 では、速度をチェックしていこう。今回は、ベンチマークソフトとしてCrystalDiskMark v3.0.1a、HD Tune Pro 4.60、Iometer 2008.06.28の3種類を利用した。テスト環境は下に示す通りだ。

 今回は、不具合の解消されていないIntel H67 Express搭載マザーボードを利用しているが、テスト用のSSDとOS起動用のHDDのみをSATA III 6Gbps対応ポートに接続してテストを行なっているため、不具合の影響は受けない。また、比較用として、Corsair Performance 3シリーズの256GBモデル「CSSD-P3256GB2-BRKT」と、Intel SSD 510シリーズの250GBモデル「SSDSC2MH250A2C」の結果も加えてある。

【テスト環境】
CPU:Core i7-2600K
マザーボード:Intel DH67BL
メモリ:PC3-10600 DDR3 SDRAM 4GB×2
グラフィックカード:CPU内蔵(Intel HD Graphics 3000)
HDD:Seagate ST31000340AS(OS導入用)
OS:Windows 7 Professional 64bit

 まず、CrystalDiskMarkの結果を見ると、シーケンシャルライトは258GB/secとほぼ公称値に近い速度が記録されたが、シーケンシャルリードは395MB/secと、公称値の415MB/secには若干届かなかった。とはいえ、誤差と言える範囲であり、ほぼ公称通りの速度が発揮されていると考えて問題ないだろう。シーケンシャルアクセス速度に関しては、HD Tune Proでもほぼ同等の結果が得られている。コントローラに88SS9174-BKK2を採用するCorsairのPerformance 3シリーズとIntelのIntel SSD 510シリーズとの比較では、大きな開きがある。

 それに対し、ランダムアクセス速度に関しては、Performance 3シリーズやIntel SSD 510シリーズと同等以上の結果が得られている。特にQueue Depth=32の結果は、Performance 3シリーズやIntel SSD 510シリーズの結果を大きく凌駕している。これは、Iometerの結果も同様だ。

 このことから、RealSSD C400シリーズは、従来モデルよりもシーケンシャルアクセス速度を向上させることはもちろんだが、それ以上にランダムアクセス性能を高める方向で進化させた製品と言っていいだろう。実際の利用状況では、シーケンシャルアクセスよりもランダムアクセスの方がはるかに多い。つまり、ランダムアクセス性能に優れている方が、体感の快適度が向上することになる。そう考えると、RealSSD C400シリーズは、実利用時のパフォーマンス向上を狙った製品といえそうだ。

C400 CrystalDiskMark 1,000MB Performance 3 CrystalDiskMark 1,000MB SSD 510 CrystalDiskMark 1,000MB
C400 CrystalDiskMark 4,000MB Performance 3 CrystalDiskMark 4,000MB SSD 510 CrystalDiskMark 4,000MB
C400 HD Tune Pro 64KB Read Performance 3 HD Tune Pro 64KB Read SSD 510 HD Tune Pro 64KB Read
C400 HD Tune Pro 64KB Write Performance 3 HD Tune Pro 64KB Write SSD 510 HD Tune Pro 64KB Write
C400 HD Tune Pro 4MB Read Performance 3 HD Tune Pro 4MB Read SSD 510 HD Tune Pro 4MB Read
C400 HD Tune Pro 4MB Write Performance 3 HD Tune Pro 4MB Write SSD 510 HD Tune Pro 4MB Write

【お詫びと訂正】RealSSD C400の4KB alignの設定が同一条件になっていなかったため、該当の結果を削除しました。お詫びして訂正いたします。

【Iometerの結果】
Iometer 2008.06.28 Windows 7 Professional 64bit RealSSD C400 MTFDDAC256MAM-1K1 Intel SSD 510 SSDSC2MH250A2C Performance 3 CSSD-P3256GB2-BRKT
Queue Depth:1 Queue Depth:32 Queue Depth:1 Queue Depth:32 Queue Depth:1 Queue Depth:32
File Server Access Pattern Read IOPS 2463.7 5180.4 2828.9 2878.0 2559.4 3810.7
Write IOPS 616.3 1296.6 707.7 721.8 640.0 951.3
Read MB/s 26.7 56.0 30.6 31.2 27.6 41.3
Write MB/s 6.7 14.0 7.6 7.8 6.9 10.2
Average Read Response Time 0.4 5.2 32.1 32.7 29.0 43.3
Average Write Response Time 0.1 3.9 8.0 8.2 7.2 10.7
Maximum Read Response Time 9.9 34.3 0.3 10.2 0.4 7.6
Maximum Write Response Time 2.2 23.9 0.1 3.7 0.1 3.0

 すでに並行輸入のバルク品は、秋葉原などのPCパーツショップなどで販売が開始されているが、正規輸入のパッケージ品は上述の通り4月下旬頃にCrucial M4の製品名で販売が開始される予定となっている。実売価格は、並行輸入品の実売価格と同じレベルになるようだ。

 先行する400MB/sec超のアクセス速度を誇るSSDよりシーケンシャルアクセス速度は劣るものの、ランダムアクセス性能は匹敵する。実売価格は、発売開始当初ということから、従来モデルであるRealSSD C300シリーズ登場当初と同等であり、今後高い人気を集める製品に成長しそうだ。

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(2011年 4月 7日)

[Text by 平澤 寿康]