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2014年11月20日


平澤寿康の周辺機器レビュー

Crucial「RealSSD C300」
〜300MB/sec超の速度を誇る超高速SSD



Crucial「RealSSD C300」

発売中



 SATA 3.0(6Gbps)に対応し、SATA 3.0接続時のシーケンシャルリードが公称355MB/secと、300MB/secを超える転送速度を実現したCrucial製SSD「RealSSD C300」が登場した。今回、容量256GBモデル「CTFDDAC256MAG-1G1」を試用する機会を得たので、パフォーマンス面などを中心にチェックしていこう。

●SATA 3.0対応で、300MB/sec超のデータ転送速度を実現

 Crucialは、DRAMやNANDフラッシュなどを製造するアメリカの半導体メーカーMicronの子会社で、高品質なコンパクトフラッシュやSDメモリーカードなどでおなじみの、Lexar Mediaに属するメモリブランドだ。メモリモジュールやフラッシュメモリなど、Crucialブランドの製品は基本的にはMicron製ということで、品質の高さは申し分ない。そのCrucialから登場したSSD「RealSSD C300」シリーズも、もちろんMicron製。表向きはCrucialブランドだが、基本的にMicron製のSSDと考えて差し支えない。

接続インターフェイスにSATA 3.0を採用することで、300MB/secを超すデータ転送速度を実現

 RealSSD C300の特徴は、なんと言ってもその速度だ。RealSSD C300のデータ転送速度はシーケンシャルリードが公称355MB/secと、SATA接続の単体SSDとしては初めて300MB/secを超えている。ただ、現在のSATAの主流であるSATA(3Gbps)では、データ転送速度が最大300MB/secとなっており、単体で300MB/secを超すデータ転送速度は実現不可能。そこでRealSSD C300では、データ転送速度が最大600MB/secを誇る、SATA 3.0に対応。これにより、単体で300MB/secを超すデータ転送速度を実現しているわけだ。

 それに対し、シーケンシャルライト時のデータ転送速度は215MB/secと、300MB/secを下回っている。また、容量128MBの「CTFDDAC128MAG-1G1」では、シーケンシャルライト時のデータ転送速度が公称140MB/secとさらに遅くなる。とはいえ、現在市販されているMLC NANDフラッシュを利用するSSDとしてはトップクラスのライト速度が実現されており、MLC NANDフラッシュ採用の単体SSDとして、現時点で最速の製品であると考えていい。

 ちなみに、SATA 3.0はSATA(3Gbps)との互換性も保たれており、RealSSD C300もSATA(3Gbps)ポートに接続しても問題なく利用できる。ただし、その場合のデータ転送速度は、公称265MB/sec(シーケンシャルリード)と、SATA 3.0接続時よりもかなり遅くなってしまう。そのため、RealSSD C300を利用する場合には、パフォーマンスを最大限引き出すという意味でも、SATA 3.0ポートへの接続が基本と考えたい。


●見た目は、一般的な2.5インチSSDとほぼ同じ

 SATA 3.0対応かつ300MB/secを超す高速なデータ転送速度を実現してはいるが、外見は一般的な2.5インチSSDとほぼ同じとなっている。

 本体の形状は、厚さ9.5mmの2.5インチHDDとほぼ同等。もちろん、SATAコネクタやネジ穴の位置なども同じであり、厚さ9.5mmの2.5インチHDDとほとんど同じ感覚で利用できる。ちなみに、SATA 3.0対応のSATAコネクタはSATA(3Gbps)のものと同じなので、SATA(3Gbps)ポートにそのまま接続しても全く問題なく利用可能だ。

 重量は、実測値で70.5gと軽量だ。HDDからの交換で、軽量化にもつながるはずだ。

見た目は通常の2.5インチサイズのSSDと同じで、デザイン面などに目立つ特徴はない 底面。SATAポートやネジ穴の位置など、2.5インチHDDと全く同じだ 側面のネジ穴の位置も、2.5インチHDDと全く同じだ
2.5インチHDDとの比較。全く同じ大きさになっていることがわかる 厚さは9.5mmで、厚さ9.5mmの2.5インチHDDと同等の感覚で利用できる 重量は、実測値で70.5gと軽量だ

●Marvell製コントローラを採用

 では、内部をチェックしていこう。

 ボディは、4本のネジを外すだけで簡単に分解でき、内部の基板が取り出せる。ただし、側面には封印シールが貼られており、この封印シールを剥がすと、当然保証は受けられなくなる。分解する場合はこの点をしっかり頭に入れておこう。

 基板表には、SATA 3.0、DRAMキャッシュ、Trimコマンドに対応するMarvell製のコントローラ「88SS9174-BJP2」と、容量128Gbit(16GB)、製造プロセス32nmのMicron製MLC NANDフラッシュメモリチップ「OAB11-NW172(MT29F128G08CKCBBH2-12)」が8個搭載されていた。Marvell製のコントローラを採用するSSDは、このRealSSD C300が初だ。

 基板裏面には、表と同じMLC NANDフラッシュメモリチップ「OAB11-NW172」が8個と、容量2Gbit(256MB)のキャッシュ用Micron製DDR3 SDRAMチップ「OAD12-D9LGQ(MT41J128M16HA-15E)」が搭載されていた。

本体側面には封印シールが貼られており、分解すると保証が失われるので注意 基板表。Marvell製のコントローラ「88SS9174-BJP2」と、容量128GbitのMicron製MLC NANDフラッシュメモリチップ「OAB11-NW172」が8個搭載されている 基板裏。表と同じMLC NANDフラッシュメモリチップが8個と、容量2Gbitのキャッシュ用DDR3 SDRAMチップ「OAD12-D9LGQ」が搭載されいている

●シーケンシャル、ランダムとも他を圧倒する速度を記録

 では、速度をチェックしていこう。今回は、ベンチマークソフトとして、CrystalDiskMark 2.2.0と、HD Tune Pro 3.50、Iometer 2008.06.28の3種類を用意し、デスクトップPCに取り付けて速度を計測した。テスト環境は下に示す通りだが、このテスト環境で利用しているマザーボードには、SATA 3.0ポートは搭載されていない。そこで今回は、SATA 3.0拡張カードとして、ASUSの「PCIE GEN2 SATA6G」を用意し、そちらに接続して各テストを行なった。

 また、CrystalDiskMark 2.2.0については、PCI Express x1接続のSATA 3.0拡張カードである、玄人志向の「SATA3I2-PCIe」と、マザーボードのSATA(3Gbps)ポートに接続した状態でも計測を行なった。比較用として、Intel製SSD「X25-M Mainstream SATA SSD」の第2世代モデル「SSDSA2MH160G2GC」(容量160GB)の結果も加えてある。

□テスト環境
・CPU:Core i5 750
・マザーボード:Intel DP55KG
・メモリ:PC3-10600 DDR3 SDRAM 2GB×2
・グラフィックカード:Radeon HD 4670
・HDD:Western Digital WD3200AAKS(OS導入用)
・OS:Windows 7 Ultimate
・SATA 3.0拡張カード:ASUS PCIE GEN2 SATA6G(PCI Express x4接続)/玄人志向 SATA3I2-PCIe(PCI Express x1接続)

テストに利用した、ASUS製SATA 3.0拡張カード「PCIE GEN2 SATA6G」 こちらも、テストに利用した、玄人志向製SATA 3.0拡張カード「SATA3I2-PCIe」

 まず、CrystalDiskMark 2.2.0の結果を見ると、接続環境によって速度に若干違いが見られるが、SATA 3.0接続時には、シーケンシャルリード時で323.8MB/sec〜343.5MB/secと、公称値には若干届いていないものの、300MB/secを大きく超える速度が記録されている。また、512KBのランダムリードでも300MB/secを超える結果が記録されており、まさに他を圧倒する速度が発揮されていると言っていいだろう。

□CrystalDiskMark 2.2.0
RealSSD C300+ASUS PCIE GEN2 SATA6Gの結果(1000MB) RealSSD C300+玄人志向 SATA3I2-PCIeの結果(1000MB) RealSSD C300+オンボードSATA(3Gbps)の結果(1000MB)
RealSSD C300+ASUS PCIE GEN2 SATA6Gの結果(100MB) RealSSD C300+玄人志向 SATA3I2-PCIeの結果(100MB) RealSSD C300+オンボードSATA(3Gbps)の結果(100MB)
X25-M Mainstream SATA SSD+オンボードSATA(3Gbps)の結果(1000MB) X25-M Mainstream SATA SSD+オンボードSATA(3Gbps)の結果(100MB)

 それに対し、シーケンシャルライト時の速度は163.8MB/sec〜180.7MB/secと、公称値に比べてかなり遅くなっている。もちろん、MLC NANDフラッシュ採用SSDとしては十分に高速なのだが、公称値よりかなり遅い点は気になる。ちなみに、512KBランダムライト時の速度も、159.7MB/sec〜181.8MB/secと、シーケンシャルライトとほぼ同じ速度が発揮されている。

 ところで、SATA(3Gbps)ポート接続時の速度は、シーケンシャルリードが270MB/secほど、512KBランダムライトが254MB/secほどと、SATA 3.0接続時よりも遅い結果となっている。それに対し、シーケンシャルライトと512KBランダムライトは双方とも210MB/secほどと、SATA 3.0接続時よりも高速な結果が得られている。ちなみに、双方ともSATA(3Gbps)接続時の公称値に近い結果であり、本来のパフォーマンスがほぼフルに引き出されていると考えて良いだろう。

 そうなると、やはりSATA 3.0接続時にライト速度が遅かった点がかなり気になる。今回はPCI Express接続のSATA 3.0拡張カードを利用して計測しているものの、リード時の速度は300MB/secを大きく上回っていることから、途中にボトルネックが存在している可能性は低い。となると、原因はSATA 3.0コントローラのドライバによるものと考えるのが自然だろう。PCI Express x4接続とPCI Express x1接続という違いはあるが、今回用意したSATA 3.0拡張カードは、どちらもSATA 3.0コントローラにMarvell製の「88SE9123」が採用されていることと、双方とも同じ最新版ドライバを導入してテストを行なったこと、そして双方でほぼ同じ結果が得られているということから、やはりドライバが問題と考えていいだろう。

 ちなみに、今回利用したSATA 3.0拡張カードは、双方ともPCI Express 2.0準拠のPCI Express x8スロットに接続して検証を行なった。PCI Express 2.0では、1レーンあたりのデータ転送速度が最大500MB/secとなる。そのため、PCI Express x1接続の玄人志向製SATA 3.0拡張カード「SATA3I2-PCIe」でも300MB/secを超えるシーケンシャルリード速度が発揮されているわけだ。当然、PCI Express 1.1準拠のPCI Expressスロットに取り付けた場合には、1レーンあたりのデータ転送速度が最大250MB/secとなり、300MB/sec以上の速度が発揮されなくなるはずだ。そういった意味では、PCI Express x1仕様のSATA 3.0拡張カードにRealSSD C300接続して利用する場合には、カードをPCI Express 2.0準拠のスロットに取り付けて利用するように注意したほうがいいだろう。

 HD Tuneの結果も、CrystalDiskMarkの結果とほぼ同じで、シーケンシャルリードは335.7MB/sec、シーケンシャルライトは150MB/secほどが記録された。また、波形のブレも小さく、ほぼ終始安定した速度が発揮されている。シーケンシャルライトが公称値よりかなり遅い点はCrystalDiskMarkの結果と同じだが、HD Tuneの結果からも、MLC NANDフラッシュ採用の単体SSDとして飛び抜けて高速であることは間違いない。

□HD Tuneの結果
RealSSD C300 8MBリード X25-M Mainstream SATA SSD 8MBリード
RealSSD C300 8MBライト X25-M Mainstream SATA SSD 8MBライト
RealSSD C300 512KBリード X25-M Mainstream SATA SSD 512KBリード
RealSSD C300 512KBライト X25-M Mainstream SATA SSD 512KBライト
RealSSD C300 64KBリード X25-M Mainstream SATA SSD 64KBリード
RealSSD C300 64KBライト X25-M Mainstream SATA SSD 64KBライト
RealSSD C300 ランダムリード X25-M Mainstream SATA SSD ランダムリード
RealSSD C300 ランダムライト X25-M Mainstream SATA SSD ランダムライト

 最後に、IOmeterの結果だ。こちらは、ランダムアクセス速度の高速さで定評のある、IntelのX25-M Mainstream SATA SSDの結果を、かなりの項目で上回っていることがわかる。つまり、RealSSD C300は、シーケンシャルアクセスだけでなく、ランダムアクセス性能も十分に優れているわけだ。これは、256MBと大容量のキャッシュメモリを搭載していることが大きく影響しているものと思われるが、ランダムアクセス性能は実際に利用する場合の体感速度を大きく左右する部分であり、快適さを追求したいユーザーにとって、非常に魅力的な性能が発揮されると考えていいだろう。

【表】IOmeterの結果
Iometer 2008.06.28 Windows 7 Ultimate RealSSD C300 256GB Intel X25-M(34nm) 160GB
Queue Depth:1 Queue Depth:32 Queue Depth:1 Queue Depth:32
File Server Access Pattern Read IOPS 1945.058153 2610.677532 736.989418 939.809148
Write IOPS 484.917056 652.116888 183.646239 236.023575
Read MB/s 20.997339 28.26684 7.960244 10.199597
Write MB/s 5.258099 7.091492 1.999104 2.594619
Average Read Response Time 0.450464 9.742256 1.037719 26.632036
Average Write Response Time 0.24701 10.031806 1.271007 29.51834
Maximum Read Response Time 10.432481 6439.390938 293.40168 334.463355
Maximum Write Response Time 4.033847 6437.753363 267.477994 332.584977
4KB Random
(Read 50%,Write 50%)
Read IOPS 4512.427674 41125.601609 3410.626056 37621.712638
Write IOPS 10031.632271 2025.135122 361.654132 335.019182
Read MB/s 17.626671 160.646881 13.322758 146.959815
Write MB/s 39.186064 7.910684 1.412711 1.308669
Average Read Response Time 0.220181 0.777695 0.291757 0.850107
Average Write Response Time 0.098435 15.770242 2.762322 95.492683
Maximum Read Response Time 10.247414 10854.011692 4.851836 266.948884
Maximum Write Response Time 843.839918 2262.587436 294.664939 841.194144
16KB Random
(Read 50%,Write 50%)
Read IOPS 3959.511592 15931.330549 2783.975894 14560.597773
Write IOPS 453.511186 544.2222 269.909281 273.89041
Read MB/s 61.867369 248.92704 43.499623 227.50934
Write MB/s 7.086112 8.503472 4.217333 4.279538
Average Read Response Time 0.25113 2.007741 0.357727 2.19678
Average Write Response Time 2.202198 58.719179 3.702095 116.807974
Maximum Read Response Time 2.574428 10860.903327 3.712599 5.354836
Maximum Write Response Time 1439.733043 2265.113486 293.281881 596.067771
64KB Random
(Read 50%,Write 50%)
Read IOPS 2163.539302 4719.942501 1638.263716 4024.135163
Write IOPS 140.38622 141.419442 104.490053 112.253306
Read MB/s 135.221206 294.996406 102.391482 251.508448
Write MB/s 8.774139 8.838715 6.530628 7.015832
Average Read Response Time 0.460506 6.778351 0.608696 7.950986
Average Write Response Time 7.116475 225.676204 9.568488 284.794174
Maximum Read Response Time 1406.712788 11.460332 5.128678 13.010415
Maximum Write Response Time 1440.686023 2264.519505 290.338757 677.961123

●パフォーマンスを優先してSSDを選択したい人におすすめ

 今回の検証から、SATA 3.0対応のMarvell製コントローラを採用するRealSSD C300は、MLC NANDフラッシュ採用の単体SSDとして、他を圧倒するアクセス速度が実現されているということがはっきりと確認できた。

 もちろん、速度を最大限に引き出すには、SATA 3.0での接続が必須となるため、利用できる環境が限られる。また、今回のテストのように、SATA 3.0接続時に本来の速度が引き出せない場合があるという問題もある。さらに、ノートPCでSATA 3.0をサポートしているものはまだ登場しておらず、SSDの主戦場であるノートPCで最大限のパフォーマンスが引き出せない点は少々残念だ。とはいえ、これら時間が解決することであり、当然欠点とはならないだろう。

 SATA(3Gbps)の速度がSSD利用時のボトルネックとなっていることは間違いなく、今後SSDはSATA 3.0対応の製品がどんどん登場してくるだろう。そういった中で、いち早くSATA 3.0に対応するとともに、300MB/secを大きく上回る速度を実現したRealSSD C300は、これからのパフォーマンスの基準となる製品と言っていいだろう。そして、速度を最優先でSSDを選択したいという人にとって、現時点で最も魅力的な製品であることは間違いなく、強くおすすめしたい。

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(2010年 3月 12日)

[Text by 平澤 寿康]