大河原克行の「パソコン業界、東奔西走」

メーカー認定中古PCにWindows 8搭載モデルが登場

〜群馬事業場でNEC Refreshed PCの再生現場を見る

 NECパーソナルコンピュータは、メーカー認定の中古PC「NEC Refreshed PC(リフレッシュPC)」において、Windows 8搭載製品の再生を同社群馬事業場で本格的に開始した。

 2月15日から同社サイトを通じて、買い取り上限価格を提示する。

 上限価格は、ノートPCのLaVie Lシリーズの「LL750/JS6」で66,000円、デスクトップPCのVALUESTAR Nシリーズの「VN770/JS6」では61,000円。傷の大きさや、添付品の可否などによって買い取り価格が変動する。

 「Windows 8搭載PCを購入したが、気に入らなかった場合などの買い取りがまずは中心になるだろう。また、買い取り価格が高いうちに売却したいというユーザーからの買い取りも見込まれる。だが、市場にはしばらくWindows 7の在庫が残っているため、Refreshed PCにおいて、Windows 8の構成比が高まるにはしばらく時間がかかりそうだ」(NECパーソナルコンピュータ カスタマーサービス本部リフレッシュPC営業部シニアエキスパート・清水康雄氏)としている。

 NEC Refreshed PCは、同社が直接買い取ったNEC製PCを、群馬事業場および山形県の米沢事業場で再生。6カ月あるいは1年間のメーカー保証と、電話による無償サポートを付属して販売している中古PCだ。2003年7月に、世界初のメーカー認定の中古PCとして発売して以来、今年で10周年を迎え、累計出荷台数は約30万台に達する。

NEC Refreshed PCの再生フロー

 「中古PCを安心して利用してもらうために、メーカー自らが再生し、安心保証をつけて提供するのがRefreshed PC。リユースすることで、PCの長寿命化にもつながり、製造段階を省力化。CO2排出量の抑制にもつながる」(NECパーソナルコンピュータ 東日本テクニカルセンターの星野敬正センター長)という。

 買い取ったPCのHDDを確実に消去する仕組みを導入。「安心、安全、快適にPCを売ることができ、購入者も安心して購入できる」としている。

 Windows 8を搭載したRefreshed PCの生産を開始するのに伴い、新たにライセンス認証などの仕組みの導入が必要になるが、米沢事業場の新製品生産ラインで採用している仕組みを導入。これにより、新製品同様に、OSのインストール時や出荷後24時間以内に、製品情報を日本マイクロソフト側に送信するといった仕組みを構築した。

 「Windows 7搭載製品の再生に比べると、若干工程が多くなる」(星野センター長)という。

 一方、同社では、2003年7月の事業スタートから10周年を迎えたのにあわせて、記念キャンペーンを実施している。

 通常製品では、最長で1年間保証としているが、これを3年間保証とするモデルを1,000台限定で販売。さらに、3年間保証モデルをプレゼントするキャンペーンも実施している。

 また、買い取りサービスやPC買い替えサービスの輸送料金を無料にしたり、NEC DirectでPC買い替えサービスを利用すると、5,000ポイント以上をプレゼントするキャンペーンも用意する。

 「3年間保証モデルはすぐに完売してしまうほどの人気だった」という。

 NEC Refreshed PCの再生を行なっているNECパーソナルコンピュータ 群馬事業場は、1984年からPCの生産を開始した生産拠点であったが、2002年に生産機能を米沢事業場で移管。保守サポートの拠点へと転換している。

 NECパーソナルコンピュータ 保守サポート事業部の土屋晃事業部長は、「生産拠点としての機能を有していたことから、米沢事業場の生産に課題が生じた際には、BCPの観点から生産機能の一部を群馬事業場に移管する体制も整えている。また、NEC Refreshed PCの再生においても、保守サポート拠点として保有している部品を活用することもできる」と、群馬事業場の強みを語る。

 では、NEC Refreshed PCは、どんな形で再生されているのだろうか。群馬事業場の様子を写真で紹介する。

群馬事業場のNEC Refreshed PCの再生フロアに持ち込まれた中古PC
こちらは企業から持ち込まれた中古PC
引き取りは修理品でも利用している「安心便」の専用箱を利用。配送は貴重品扱いとなる
エアーを利用してホコリなどを落とす
査定をしている様子。傷や汚れなどを確認する
査定した内容はリユースシステムに入力すると買い取り価格が表示される
小さな傷の場合で上限価格から7%のマイナス。付属品がない場合も減額になる
査定後は所有者に買い取り価格を連絡。本人限定郵便で送付する。返答があるまで保管しておく
所有者から売却の返答があるとHDDの消去を行なう。HDDが動作しない場合には、穴あけによる物理破壊を行なう
消去はNSA推奨方式準拠の独自ツールを使用。市販の復旧ソフトでも復旧は不可能(右のPC)
消去はHDDの全ての領域を対象に3回上書きする米国国防総省NSA推奨方式準拠の独自ツールを利用
HDDのデータ消去後はOSの再インストールなどを行なう。Windows 8ではここでマイクロソフトのサーバーにアクセスし、ライセンス認証を行なう。同時にテストも実施する
清掃工程。98%アルカリ電解水の独自開発のクリーナーを使用
右側がクリーニングしたキーボード
電子マニュアルを作成する機器。1台ずつ異なるPCにも対応
テストが終わると梱包工程に進む
NEC Refreshed PCのロゴシールなどを貼付
NEC Refreshed PCに貼付されるロゴシール
添付品とともに本体を専用ダンボールに梱包する
出荷を待つNEC Refreshed PC

 新たなPCに買い換える際にも、不要になったPCを買い取ってもらうのは有効な手段だ。

 そして、なるべくならば、PCを高く買い取ってもらいたい。NECパーソナルコンピュータでは、NEC Refreshed PCの仕組みを例に、いくつかのコツがあると指摘する。

 まずは上限価格を確認するという点だ。NECパーソナルコンピュータでは、同社サイトの121wareで、機種別の上限価格を表示している。

 発売から時間が経過すると上限価格は下落する傾向にあり、日々変化している。とくにデスクトップPCでは、発売から2年を経過すると買い取り価格が大きく下落する傾向がある。ノートPCでは2年目から4年目の下落率はそれほど大きくはない。

Windows 7搭載PCの買い取り価格の下落の様子
Windows Vista搭載PCの買い取り価格下落の様子
Windows XP搭載PCの買い取り価格下落の様子

 また、外観の傷は査定額を引き下げる大きな要因となる。傷は上限価格からパーセンテージによって引かれるため、上限価格が高いものほど傷による下落額が大きくなる。

 また、キーボードの欠損やCOAシールの破損、黄ばみなどもマイナス要因。たばこのヤニや臭いが強いものは買い取りできない場合もあるという。

 添付品も重要だ。とくに、Officeやワイヤレスキーボード、ワイヤレスマウスなどは高額添付品と位置づけられ、これがないと、大幅な減額となる。

 なお、NEC Refreshed PCの買い取りでは、外箱は不要だという。

 また、メモリを増設したとしても、これは改造品と見なされ、減額対象となる点も注意したい。メモリや光学ドライブ、HDDなどを交換した場合には、購入時の状態に戻しておくか、取り外した部品を添付しておいた方がいい。

 さらに、NEC Refreshed PCにおける買い取りでは、引き取り送料無料などのキャンペーンを随時実施しており、これを活用するのも上手な売り方につながるといえるだろう。

NEC Refreshed PCが生産されているNECパーソナルコンピュータ群馬事業場
群馬事業場では月50台のNEC Refreshed PCを再生
NEC Refreshed PCは10周年を迎えた。記念のケーキも用意された
NEC Refreshed PCの10年の歴史
NEC Refreshed PCの買い取りから販売までの仕組み
NEC Refreshed PCは発売2年以内のものが半数以上を占める
NEC Refreshed PCは12社の店舗で販売されている
NECパーソナルコンピュータが実施している10周年記念キャンペーン
NECパーソナルコンピュータ 保守サポート事業部の土屋晃事業部長
NECパーソナルコンピュータ 東日本テクニカルセンターの星野敬正センター長
群馬事業場で生産されたWindows 8搭載のNEC Refreshed PC第1号製品
10周年として1,000台限定で用意された3年保証モデル。同製品のプレゼントキャンペーンも行なわれた

(大河原 克行)