OS X El Capitanカウントダウン
第3回
一歩先行く仮想デスクトップ「Mission Control」
(2015/7/31 06:00)
今秋にリリースされる「OS X El Capitan」の特徴や新しい機能などを毎週1つずつ紹介するEl Capitanカウントダウン。前回の掲載から1週間あまりの間にも、パブリックベータ版は2度の更新が行なわれて、パブリックベータ3となった。既にパブリックベータをインストールしているユーザーはMac App Storeから更新が行なえる。これからApple Beta Software Programに参加するユーザーは、パブリックベータ3が直接インストールできる。
第3回は、OS Xの仮想デスクトップ管理機能である「Mission Control」を取り挙げる。仮想デスクトップ機能は、7月29日から提供が開始されたWindows 10でも初めて標準機能として搭載されている。OSは違えども、Windows PCにおいても是非活用して欲しい機能だ。
OSの標準機能としてOS Xでの搭載は歴史があり、10.5にあたるOS X Leopardにおいて「Spaces」として登場した。その後、デスクトップ上のウィンドウを一時的に整列する機能「Expose」と統合する形で現在のMission Controlへと移行している。
iPadが評価を得たことで、Lion以降はOS Xにもアプリケーション単位のフルスクリーン表示機能が積極的に導入された。ここでもMission Controlは活用されたが、建て増しを繰り返したためかLion、Mountain Lionでは、実際のマルチデスクトップ環境と仮想デスクトップ機能の共存に悩み、その実装はやや迷走した感がある。具体的には、マルチディスプレイで利用する場合、フルスクリーンアプリケションを実行すると、その1枚を除いては全てバックグラウンド画面が表示されるという状態になっていた。この辺りはフィードバックが繰り返され、Mavericks以降はディスプレイ単位で個別の管理ができるようになっている。
さてOS X El CapitanにおけるMission Controlだが、前述のような試行錯誤を経た集大成のようなできになっている。主な操作方法は従来通りで、ジェスチャーであれば、3本指での上方向スワイプでMission Controlのモードに入る。同時にデスクトップ上のアプリやウィンドウなどが整列表示となる。Yosemiteまではこの時点で画面上部にデスクトップのイメージも表示されていたが、El Capitanではデスクトップあるいはアプリケーション名の表示だけだ。
切り替え操作であれば、テキスト表示のボタンをクリックする。デスクトップにウインドウ表示されているアプリケーションをドラッグ&ドロップすれば、フルスクリーン対応のアプリケーションであればフルスクリーンの仮想デスクトップに、フルスクリーン非対応であれば新しい仮想デスクトップにアプリケーションやウインドウが移動する。こうした操作を始めると同時に、テキスト表示だった仮想デスクトップのプレビューが拡張される仕組みだ。
Windowsでは8以降に主にタブレットでの使用をターゲットとして、2つのアプリケーションを並べて表示する機能が搭載されている。OS XでもEl Capitanに「Split View」として、同等の機能が搭載される。Split Viewの詳細は次回ということになるが、Mission Controlからも、このSprit Viewの仮想デスクトップを作ることができる。
操作は簡単で、フルスクリーンアプリケーションの仮想デスクトップに、同じくフルスクリーンアプリケーションのウィンドウをドラッグ&ドロップすればいい。Mission ControlにおけるSplit Viewの解除操作は、仮想デスクトップのプレビューをウインドウの整列部分にドラッグ&ドロップすることで、ウインドウ表示で分割される。