山田祥平のWindows 7カウントダウン

自在にカスタマイズして、自分のデスクトップを作ろう



 Windows 7のカスタマイズは、さほど自由度は高くないものの、Vistaよりは、かなり改善されている。今回は、デスクトップの個人設定や解像度設定等について見ていくことにしよう。

●画面の回転をサポートするようになった解像度設定

 デスクトップ上の何もないところを右クリックすると、ショートカットメニューが表示される。ここから、画面の解像度や、個人設定、ガジェットの組み込みなどを設定することができるようになっている。

 まず、画面の解像度だが、接続されているディスプレイの最大解像度より低い解像度を自由に設定できるほか、画面の向きを設定できるようになった。用意されている選択肢は、横、縦、横(回転)、縦(回転)の4種類で、ディスプレイをピボットさせた場合にも、Windowsの標準機能だけで、適切な向きのデスクトップを得ることができる。

 また、(回転)は、画面の上下を反転する。使い方としては、ノートPCのディスプレイを向かい合う相手に見せるような場合に便利かもしれない。ただ、回転に関しては、ビデオドライバのユーティリティで設定することが多いので、あまり、この機能のお世話になることはなさそうだ。たとえば、ノートPCでよく使われているIntelの内蔵グラフィックスなら、Alt+Ctrl+方向キーで、瞬時にディスプレイの方向を変更できる。ノートPCを本のように抱えて縦位置の書類を読んだりする場合には便利だ。

ディスプレイ表示では、画面の向きを設定できるようになった。これができれば、ビデオドライバだけで、設定ユーティリティは入れなくてもいいというユーザーもいるかもしれない

 グラフィックス関連の制御で覚えておきたいのは、Windowsキー+Pのショートカットだ。このコンビネーションは、複数台のディスプレイを接続したときの挙動を、その場で指示することができるもので、

・コンピューターのみ
・複製
・拡張
・プロジェクターのみ

のうち、どれかを指定できる。ノートPCにプロジェクタを接続するときに使うと便利な機能だが、実際には、家庭用の薄型液晶TVにPCを接続したときなどにも重宝するはずだ。

 一方、ガジェットは、Vistaまではあったサイドバーが撤廃されたものの、機能としては残っているし、互換性も保たれているようだ。デスクトップの右クリックからガジェットを実行すると、ギャラリーが表示され、好きなガジェットをデスクトップに追加することができる。

ガジェットのギャラリーはVistaとあまり変わらない。自分で追加したガジェットも、ここに表示される

 サイドバーがないため、常にデスクトップの右端にガジェットを表示しっぱなしという環境は作りにくくなったが、個々のガジェットは右クリックして、「常に手前に表示」を設定しておくことはできる。ただし、デスクトップを最大化した場合などは、スクロールバーや閉じるボタンなどを隠してしまうこともあるだろう。

 デスクトップ上のガジェットの様子は、Windows+スペースキーのショートカットで、すべてのウィンドウが透明になるので、容易に確認することができる。また、タスクバー右端にポインタを重ねても同じ結果が得られる。

●インテリジェントなタスクバー

 タスクバーに関しては、デスクトップの上下左右どこにでも配置できるのは、以前とまったく変わらない。タスクバーをどこに配置していても、タスクバーボタンにポインタを重ねたときに表示されるサムネールは、画面の内側に向かうなど、タスクバー自身が自分の置かれている位置を、きちんと認識しているのは、ちょっとしたことだがうれしい。

 たとえば、タスクバーボタンの右クリックによって表示されるジャンプリストは、タスクバーボタンのデスクトップ内側へのドラッグでも表示されるのだが(下端にタスクバーがある場合は上方向)、上端にタスクバーが配置されていれば、下方向へのドラッグでジャンプリストを表示するといった具合だ。

 タスクバーの幅が広くなったことで、今まで時刻だけだった表示に加え、日付も表示されるようになっている。どうせなら曜日も表示してほしいと望むのなら、コントロールパネルの「地域と言語」で、日付と時刻の形式のうち「日付(短い形式)」をYYYY/MM/dd'('ddd')'とすれば、「2009/09/15(火)」のような表示になる。タスクバーボタンはデフォルトでは、テキストラベルを表示しなくなったので、比較的多くのボタンを表示できるようになっていいる。だから、曜日の分、横幅が増えたとしても、それほど圧迫された印象を受けることはない。

日付と時刻の形式を変更すれば、タスクバーに曜日つきの日付を表示することができるタスクバー右端に常に曜日も表示される

●解像度は下げず、テキストサイズを変更して視認性を高めよう

 デスクトップ全体のイメージの変更は、デスクトップの右クリックから「個人設定」を呼び出す。

 Windows 7では、デスクトップの背景、ウィンドウの色、サウンド、スクリーンセーバーの組み合わせを「テーマ」と呼び、各種のテーマがデフォルトで用意されている。特に7種類用意された「Aeroテーマ」のうち、「日本」は、日本のマイクロソフトご自慢のテーマで、日本らしい壁紙が定期的に切り替わるなど、楽しい仕上がりになっている。

テーマは、デスクトップの背景、ウィンドウの色、サウンド、スクリーンセーバーの組み合わせで構成されている

 ここで発見した不具合だが、いったんテーマを変更したあとで、デスクトップの背景を単色に変更すると、デスクトップ上のアイコン名などの文字に陰影がつくようになり、単色設定した色によっては視認性がとても悪くなる。これを元に戻す方法は、まだ見つかっていない。手元の環境は、システムの復元でようやく元に戻した次第だ。

 これら以外の詳細設定は、コントロールパネルの「ディスプレイ」から設定できる。たとえば、フォントの設定として、既定値である小(100%)と、中(125%)のほか、左ペインのコマンドリンクから、カスタムテキストサイズを設定することができる。

 ちなみに、手元のVAIO type Pでは、125%でも足りずに、150%に設定したところ、とても快適に使えている。各種のダイアログでOKボタンがはみ出すなどで操作ができないのには閉口するが、Alt+Aが「適用」のショートカットだと覚えておけば、困ることはあまりない。

カスタムDPIを設定すれば、解像度はそのままに文字などのサイズを大きく設定できる。閉じるボタンやスクロールバーなど、その他のコントロールも同調して大きくなるので、バランスが崩れることもない

 ちなみに、Windows 7の新しいショートカットとして、Windowsキー + +(プラス)とWindowsキー + -(マイナス)で拡大鏡が起動する。これも覚えておいて損のないショートカットだ。

 マイクロソフトの調査によれば、驚くほど多くのユーザーが、ディスプレイの最大解像度を使わず、文字を大きくしたいばかりに低い解像度でPCを使っているという。だからこそ、このカスタムテキストサイズの機能は、もっとアピールされなければならないだろう。