メーカーさん、こんなPC作ってください!

「Cubase 8」を使ってパソコン工房のDTM/DAW向けPCを実際に検証

〜上位向けデスクトップと入門向けノートの2機種

 「DTM用にはWindowsが良いか、Macが良いか」、よくそんなことが話題になるが、筆者個人的には、どちらでも良いと思っている。確かに業務用のレコーディングスタジオでは「Pro Tools」というシステムがデファクトスタンダードとなっているので、相性が良いMacを使っているケースが多いが、自宅で音楽制作をしている人はプロのアレンジャーなどもWindowsユーザーが多く、DTMユーザー全体で見ると、6:4程度の比率でWindowsユーザーの方が多い(藤本健の“DTMステーション”調べ)。

 では、Windows PCとしてどんなマシンが良いのかと、何に使うのか、どんな利用法なのかによって変わってくるが、共通して言えるのは、シンプルなマシンであって欲しいという点だ。大手メーカー製のPCの場合、不要なソフトが数多く入っていることが多く、場合によってはそのせいでDTM関連のソフトとバッティングして、動作が不安定になってしまうことが少なくないからだ。

 そこで、シンプルかつ高速で、できるだけ安いマシンを作って欲しいとパソコン工房さんにお願いしたのが前回の記事だった。

 その結果、高速なデスクトップマシンと、とてもリーズナブルなノートPCの2台をサンプルとして作ってもらったので、実際どんなものなのかを検証してみた。が、その前に、そもそも現在のDTMってどんなことができるのかをご存じない方も少なくないと思うので、まずは簡単に、最近のDTMの概論について紹介しておこう。

DTM/DAWとは?

 現在のDTMにおいて、中心にあるのは「DAW=Digital Audio Workstation」と呼ばれるソフトだ。主なものとしては

  • Cubase(Steinberg)
  • SONAR(Cakewalk)
  • StudioOne(PreSonus)
  • FL Studio(Image-Line)
  • Ability(インターネット)

などなどがあるが、いずれもオーディオのレコーディングとMIDIでの打ち込み、そしてエフェクト処理からミックス、さらにはマスタリングまでと音楽制作における全てのことができるようになっている。まさにPC自体がスタジオとも言える世界を構築してくれるのだ。

 ただし、このDAWを使う上で、ソフト以外に「オーディオインターフェイス」というハードウェアが必須となる。オーディオをPCに取り込んだり、あるいは再生するための入出力機材で、一般的にはUSB接続のものが使われる。「内蔵のサウンド機能ではダメなのか?」、「サウンドカードでも良いのでは?」といった声も聞こえてきそうだが、音質の問題、電気的特性の問題、レイテンシ(音の遅れ)の問題などをトータルに考えると、オーディオインターフェイスは必須と言える。

Cubase 8 Pro

 では、ヤマハが扱っているSteinbergブランドのオーディオインターフェイス「UR242」を使うとともに、同じSteinbergのDAWである「Cubase Pro 8」を例にDAWでの音楽制作の流れを簡単に紹介して行こう。

 DAWは単純に捉えれば、多重録音をするためのシステムだ。オーディオインターフェイスに入ってきた音をどんどん重ね録りしていくことができるのだ。例えば、1つ目のトラックにドラムを録音し、2つ目にベース、続いてギター、キーボード、そしてボーカル……、というようにトラックを重ねていけば、曲を完成させられるわけだ。

基本的な流れとしては、パート毎にトラックを分けて重ね録りする。波形が表示されているのが1つ1つのトラック

 この際、マルチプレイヤーな人であれば、1人で全てを作っていくこともできるし、もちろん別々のプレイヤーが各々レコーディングしていってもOKだ。スタジオなどで同時に複数のトラックをレコーディングしても良いし、1パートずつ順番に録っていっても良い。その辺は人によって自由自在だ。その際、DAWには既にレコーディングしたトラックの音を聴きながら録音し、かつタイミングにズレが生じないように自動的にタイミング調整してくれる機能もある。

 この多重録音が昔のテープレコーダーなどと違うのは、失敗しても簡単に上書き録音する形で修正できるだけでなく、ピッチやタイミングを間違った場合でも、システム的に補正することができ、あとで聴いても、それが補正したものだとは全く分からないくらいにキレイにできてしまう点だろう。DAWによって、そうした補正機能に違いはあるが、どれも一昔前には信じられなかったようなことが今では可能になっている。

 さらに、リバーブ、コンプレッサ、EQ、ディレイ、フランジャー、フェイザー……、といったエフェクトもDAW内でソフトウェア的に実現できてしまうのも重要なポイント。これらのエフェクトは各DAWに膨大な数があらかじめ装備されており、通常プラグインの形で自由に追加することもできるのだ。これも一昔前なら、全てハードウェアで揃える必要があり、それだけで何十万円、何百万円もしたものが、今ではDAW 1つで実現できるようになっているのだ。もちろん、たくさんのエフェクトを同時に使えば、それなりにCPUパワーやメモリを消費することになる。今回試作してもらったPCでどの程度快適に動くのかを、追って見ていく。

Steinberg純正リバーブエフェクトの1つ
Steinberg純正コンプレッサエフェクトの1つ

 さらに、DAWにおいて重要な役割を果たすのがMIDIによる打ち込みだ。各パートをオーディオとしてレコーディングするだけでなく、打ち込みの手法を使えば、全く楽器が演奏できない人でも、譜面を見ながらそれなりの曲作りができてしまうのも面白い点だ。もちろん演奏ができる人なら、さらに発展的な使い方も可能になるのだが、これも一昔前は外部にMIDI音源モジュールといったものを用意する必要があった。しかし、現在はエフェクトと同様にプラグインのソフトウェア音源が多く存在し、シンセサイザはもちろんのこと、アコースティック音源でも、非常にリアルに再現できるようになっている。

ソフトウェア音源でもリアルな楽器の音が再現できる

 こうした中、今回ちょっと面白い試みをしてみたのが、人が叩いたドラムをソフトウェア音源を用いて、非常に高品位なものにしてしまうというもの。これには電子ドラムが必要になるのだが、ローランドの「Vドラム」という電子ドラムで叩いた音を、FXpansion製ドラム音源ソフトの「BFD3」で鳴らしてみた。

BFD3。単体としても、Cubase 8などのDAWのプラグイン(VSTインスツルメンツ)としても動作する
こちらはCubase 8からプラグインとして呼び出したところ

 通常生のドラムをレコーディングするというのは、結構大変な作業になる。キック、スネア、タム、ハイハット、シンバル、……と多数ある楽器それぞれにマイクを設置し、最適な距離、最適な位置に調整した上でレコーディングすると同時に、アンビエンスマイクなどと呼ばれる、少し離れた位置から全体の鳴りを録音してミックスしていく。専門のプロのレコーディングエンジニアにとっても、なかなか骨の折れる工程なのだ。

 ところが、BFD3は、そうした生のドラムセット、しかも高級なドラムを用い、世界的に名の知れたロサンゼルスのOcean Studiosやメリーランド州のOmega Recording Studiosなどで、数週間かけて収録した音源となっている。レコーディングした音自体は、それぞれの単音なのだが、それを打ち込みで鳴らすと、まるでLAのスタジオでプロがレコーディングしたようなサウンドが作り出せるのだ。

 この打ち込みは、マウスでポツポツ打ち込んでも良いが、電子ドラムで叩けば、人間的なテンポの揺れやノリもある形でレコーディングできる。しかもレコーディング結果はMIDIデータなので必要に応じて、ミスったところを後で修正することもできるし、場合によっては“ハシり”や“モタつき”を修正するために、クォンタイズといった処理をかけて、打ち込みのような正確なリズムに自動補正することも可能なのだ。

 実際にそれを試した結果をここに紹介するが、V-Drums自体で鳴らした音と比較すると、かなりリアルな音として表現できていることが分かるだろう。ちなみに、電子ドラムは、スタッフが所有するVドラム中位モデルの「TD-4K-S」を利用。UR242はMIDI端子も備えているので、これを通じてBFD3へと信号を渡している。

Vドラムで演奏したものをリアルタイムレコーディングした結果
それをクオンタイズした結果。クオンタイズボタンを1回押しただけで、菱形で表わされている音譜が、全てきれいに拍子の縦線に沿っているのが分かる
【動画1】「TD-4K-S」の内蔵音源
【動画2】全く同じ演奏をBFD3で再生したもの
【動画3】さらにそれにクオンタイズをかけてリズムを整えたもの

 このようにDAWを活用すると、リハーサルスタジオでやるよりも、少ない手間で、高品位なレコーディングを行なうことができるようになる。

 さて、最近DAWではフルHDのディスプレイをデュアルで使うユーザーが増えている。その理由は片方にミキサーを全画面表示させ、もう片方に各種エディタを表示させると、かなり便利に使えるからだ。Cubaseはバージョン8になった際、Windowsでそうした使い方がしやすいように設計変更もされていた。だが、4K 1台では、どうなのだろうか? 画素数で言えば、4KはフルHD 4台分となる。果たして4K液晶がDAWソフトに恩恵をもたらすのかも試してみた。利用したのはASUSの28型の「PB287Q」だ。

 筆者が4Kディスプレイを試すのは今回が初めて。4KでCubase 8を起動し、まず最初にものすごい広いワークスペースで驚いた。が、28型で4Kということだけあって、スケーリングなしだと、文字がかなり小さいと感じた。

 解像度が高いので、多数のウインドウを同時に表示できるが、やりすぎると、かなりとっちらかった感じになってしまう。驚いたのはミキサーコンソールを表示させた時。フルHDでは縦方向が全て表示できなかったが、4Kなら表示でき、超大型コンソールという感じで見える。ただし、全画面表示させると、さすがに大きすぎという印象はぬぐえない。

 一方、スケーリングを効かせて150%表示にさせると、ちょうどいい感じにはなった。とはいえ、やはりワークフローを考えると、フルHD×2の方が使いやすいように思う。また一般のDTM環境を考えたとき、4Kディスプレイを置ける人はなかなかいないのでは、というのが率直な感想だ。

4Kの検証の様子
4Kでオーディオトラックを表示させたところ。多数かつ長いトラックも一望できる
ミキサーやエフェクトのコンソールなども余裕を持って同時に表示できる
ミキサーを全画面表示させると、普通縦方向ではスクロールが必要なものが、1画面で表示できているのが分かる。ただし、28型だと文字は小さめになる
こちらは150%に拡大スケーリングしたところ。これでも普通は十分な情報量がある
こちらでは多数のウインドウを同時表示させると、重なり合う部分が出てくる
ミキサーは150%拡大でも縦スクロールは不要なほどだった

パソコン工房のマシンを検証

 さて、ではパソコン工房さんに作ってもらったデスクトップPC、ノートPCがどのくらい使えるのかを、先に例に取り上げたCubase Pro 8、UR242、BFD3などを使って試してみた。まずは、デスクトップPCから見てみよう。

デスクトップの「AEX-DACompose-H97M-SS [Windows 8.1 Update]」
デスクトップ「AEX-DACompose-H97M-SS [Windows 8.1 Update]」の主な仕様
OS Windows 8.1 Update 64bit
CPU Core i7-4790
CPUクーラー COOLER MASTER Hyper 212 EVO
メインメモリ DDR3-1600 8GB×2(計16GB)
SSD1 120GB 2.5インチ Serial-ATA SSD
SSD2 240GB 2.5インチ Serial-ATA SSD
HDD オプション
GPU Intel HD Graphics 4600
光学ドライブ 24倍速DVDスーパーマルチドライブ
チップセット Intel H97チップセット
ケース ミニタワーMicroATX IN-WIN EM040
電源 500W 80PLUS SILVER認証ATX電源
オーディオI/F オプション
ディスプレイ オプション
キーボード オプション
マウス オプション
税別価格 124,980円

 本製品はCore i7-4790(3.60GHz、4コア/8スレッド)のCPUが搭載され、メモリは16GB、ストレージとしてはCドライブに120GBのSSD、Dドライブに240GBのSSDという構成のちょっと贅沢なもの。電源を入れると起動時こそブーンと大きなファンの音がするが、その後はいたって静かであり(ファンレスではないから、無音ではないけれど)、音楽制作用として上出来だろう。

前面にUSB 3.0×2。写真に写っているのはCubase 8 Proの起動に必要なUSBドングル
背面は、PS/2、USB 2.0×2、DisplayPort、Gigabit Ethernet、USB 3.0×4、DVI、ミニD-Sub15ピン、音声入出力。DisplayPortがあるので、4K/60Hz表示も問題ない

 Cubase Pro 8を起動してみると、静かにサクっと立ち上がり、キビキビと動いてくれて気持ち良い。とりあえず、オーディオデータをCubaseに読み込ませてUR242経由で再生させてみると、ハイレゾ音源も、気持ちよく鳴ってくれるし、USB MIDIキーボード(ここではローランドの「A-300PRO」を使用)を接続した上で、Cubase Pro 8の標準プラグインであるサンプラーの「HALion Sonic SE」を弾いてみると、全くレイテンシもなく、快適に弾くことができた。HALion Sonic SEだけを動かしているということもあってCubaseのパフォーマンスメーター(CPU負荷)もほとんど振れてない状況だ。

SteinbergのUR242。XLR/TRSコンボ×2の入力とヘッドフォン端子を装備。XLR/TRSコンボはコンデンサマイク用の+48Vにも対応し、一番左の端子は、ギターやベース用のHI-Zにも対応
背面にUSBアップリンク、MIDI入出力、LINE入力×2、LINE出力×2を装備。これにより、ボーカルマイク、ギター、ベース、電子ドラム、キーボードなど一般的なバンドに必要な機材をおおかた接続できる
ローランドのキーボード「A-300PRO」
サンプラーの「HALion Sonic SE」で弾いてみたところ、レイテンシなく演奏できた

 ここでもっと大きな負荷をかけてみることにしよう。オーディオインターフェイスのバッファサイズをもっとも小さい64 Samplesにして、レイテンシを極小に設定。この状態で使ったのはオーディオもMIDIも多数使ったプロジェクトだ。具体的にいうと、オーディオトラック数が19、インストゥルメントトラック(MIDIを使ってソフトウェア音源を鳴らすトラック)数が20、さらにセンドエフェクト用のFXチャンネル数が6つという、そこそこ大きなプロジェクト。このインストゥルメントトラックの1つには前述のBFD3も使い、各オーディオトラックにインサーションの形で入れたエフェクトの数はトータルで20ある。さて、どうなるのか……?。

UR242のバッファサイズを最小の64 Samplesにして、レイテンシを最小に設定

 結論からいうと、音が途切れることは一切なく、なんら問題なくスムーズに動いてくれた。エフェクトの中にはかなり重いコンボリューションリバーブといったものも入れていたが、それでも全く問題はなかった。

 Cubaseのパフォーマンスメーターを見ると、時々50%近くまで振れているように見えたが、音を聴いている分には問題はなかった。そこで、Windowsのタスクマネージャーを起動して、CPU、メモリ、ディスクの状態を見てみたが、ここでも非常に余裕があることが分かる。メモリのみ50%程度消費しているが、BFD3が入っていることが大きいのだろう。というのも、このソフトは155GB相当、ロスレス圧縮しても55GBという巨大なオーディオデータを持ち、それをストリーミングで再生するのだ。利用可能なメモリを無理のない範囲で目いっぱい使った結果なのだと思う。

 もっとも、今回扱ったオーディオフォーマットは48kHz/24bitというもので、現在のプロのレコーディング現場におけるもっとも標準的なもの。96kHz/24bitや192kHz/24bitというハイレゾフォーマットにすると、もう少しCPU負荷などは上がるとは思うものの、それでも十分通用する余裕具合であった。

検証時のCPU負荷は20%程度に留まっている
メモリは16GB中8GB程度を使用。そこそこ重いプロジェクトを扱うならメモリは16GBあった方が良さそうだ

 もう一方のノートPCの方はどうだろうか? こちらのスペックは、Core i5-4210M(2.6、2コア/4スレッド)にメモリ4GB、500GBのHDDが1台という標準的なマシン。ここに同じUR242をオーディオインターフェイスとして接続し、Cubase Pro 8を動かしてみた。

ノートの「AEX-DACompose-15I-HD-SS [Windows 8.1 Update]」
ノート「AEX-DACompose-15I-HD-SS [Windows 8.1 Update]」の主な仕様
OS Windows 8.1 Update 64bit
液晶 15.6型フルHD(1,920×1,080ドット)対応光沢式
CPU Core i5-4210M
メインメモリ DDR3L-1600 4GB×2(計8GB)
mSATA オプション
2.5" 1 500GB 2.5インチ SATA HDD
GPU HD Graphics 4600
光学ドライブ 8倍速DVDスーパーマルチドライブ
チップセット Intel HM86チップセット
無線LAN IEEE 802.11 b/g/n対応
オーディオI/F オプション
税別価格 84,460円

 こちらも、ソフトウェア音源であるHALion Sonic SEを起動してキーボードをリアルタイムで演奏する分には何ら不足はなかった。ただし、パフォーマンスメーターの動きを見ると、デスクトップPCの時と比べて、かなりメーターは振れている。

HALion Sonic SEは何の問題もなく使えているが、CPU負荷はそこそこ高めだ

 では、先ほどのプロジェクトを動かすとどうなるのか? このマシンではBFD3まで動かすのは多少無理があるので、そこはCubase Pro 8標準のドラム音源に任せるとともに、負荷の大きいコンボリューションリバーブは使わない形にした。結果として、デスクトップの時と同じUR242のバッファサイズを最小の64Sampleにすると完全にクリップしてしまう。そこで、バッファサイズを512 Samplesと、かなり大きめに設定してみると、クリップ、音切れはなくなり、問題なく安定して再生できるようになった。やはりBFD3などがなくなったとは言え、これだけの負荷をかけると、余裕はないというのが実情ではあるが、512sampleの状態で入出力レイテンシが16ms程度であることを考えれば、シビアな使い方でない限り、個人利用なら十分利用できる範囲内と言って良いと思う。

デスクトップで試した重いプロジェクトだと、こちらではBFD3とコンボリューションリバーブは使っていないものの、CPU負荷率が100%になってまともに再生ができない
そこでバッファサイズを512 Samplesに変更
するとまだ負荷高めではあるが、クリップは回避できるようになった。一般的なバンドの曲なら、このPCでも問題ないだろう

 ここで、先ほどと同じようにタスクマネージャーを使ってCPU、メモリ、ディスクの状況を見てみた。バッファサイズを大きくした結果のものではあるが、それなりに無理なく動いているのが見て取れた。

再生中のタスクマネージャーの状況

パソコン工房による今回のマシンのポイント

【全体として】

こだわりポイントというより、一番気を付けたところが「ASIO-Guard」を使用するメリットと、CPUコア数が増えたりHyper-Threadingを有効にする事でドロップアウトが発生するというリスク対策のどちらを重視するかという事でした。

http://japan.steinberg.net/jp/support/support_pages/asio_guard.html

http://japan.steinberg.net/jp/support/support_pages/hyper_threading.html

http://japan.steinberg.net/jp/support/support_pages/8core.html

実際の検証結果や、藤本さんのお話を伺った上で「ASIO-Guard」の機能を生かすメリットのほうが大きいと判断しました。

【PCのコンセプト】

デスクトップPC:“これを買っておけば当分OKというマシン”

多重録音・大容量の音源使用をマルチ画面で快適に作業できる構成にしました。「ASIO-Guard」を使用する前提でCore i7を搭載し、ストレージはOSの編集領域はモーター音やアクセス音が出ないように双方SSDにしてあります。

ノートPC:“コストパフォーマンスの高い持ち運びマシン”

持ち運び用のサブマシンや入門用の位置付けとして10万円を切りながら15〜30トラックの編集作業を快適にこなせる構成にしました。

【まとめ】

デスク/ノート双方とも初心者にはややオーバースペックになるような構成になっています。実際に検証したりネット上の声を見たりした中で、DAWの場合は操作に慣れたらすぐにマシンパワーが必要になると考えられるためです。

結論

 以上、パソコン工房さんに作ってもらったデスクトップPC、ノートPCそれぞれをチェックしてみたが、いかがだっただろうか? 個人が普通に使う分にはCore i5のノートPCでも十分いけるし、より大規模な音楽制作になったとしても、このデスクトップPCなら恐いものなしと言っても良いだろう。

 もっとも、ゼロからDTMのシステムを揃えるとなると、PC本体だけでなく、ディスプレイ、オーディオインターフェイス、そして結構高価なDAWが必要になってくるわけだが、最初はエントリーユーザー向けのDAWからスタートさせるというのも手だ。

 例えば、Cubaseシリーズの場合、今回使ったCubase Pro 8は税別店頭価格が55,000円前後であるが、つい先日発表されたエントリーユーザー向けの「Cubase Elements 8」なら10,000円前後。扱えるトラック数やプラグインの数などに違いがあるが、物足りなくなったら、そこからアップグレードしていくというの手もある。

 さらに安く済ませたいのであれば、UR242にバンドルされているCubaseを使うのも良い。バージョンが1つ前の機能削減版である「Cubase AI 7」がバンドルされているのだが、これでも最大32オーディオトラック、48 MIDIトラックの同時再生ができるので、エントリーユーザーが使う分には十分すぎるほどの内容だ。Cubase AI 7からCubase 8シリーズへのアップグレードパスも用意されている。DTM/DAWを始めてみたい人は、まずはこのPCとUR242などのオーディオインターフェイスを買って、使ってみるといいいだろう。

 なお、下記に記したパソコン工房のサイトでは、本製品の検証結果や開発裏話などを公開しているので、そちらも併せて参照いただきたい。

(藤本 健)