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アクロニス、クラウドもカバーする包括的バックアップソリューション「Acronis Backup 12」
2016年9月7日 18:12
アクロニス・ジャパン株式会社は7日、法人向けバックアップおよびデータ保護ソリューション「Acronis Backup 12」を発表した。
企業におけるクラウド技術活用が急速に進んでおり、同社によれば86%の企業がこれを利用し、その約70%の業務にモバイルデバイスが用いられているという。これにより、企業内のIT環境が複雑化しており、IT部門の運用負荷が高まっているとする。利便性を向上させるITのインフラ活用だが、それとともに運用の中断やデータの損失といったリスクもはらんでおり、事故発生時に重大な財務損失をもたらす可能性がある。
同社はそうした状況を緩和するためのソリューションとして、クラウド、オンプレミス、仮想システムと物理システム間、リモートシステム、モバイルデバイスなど、データの保管場所に依存することなく、データ保護を行なえるサービス「Acronis Backup 12」を提供する。
本日より販売を開始し、永続ライセンス版やサブスクリプション版など、複数の契約形態を用意。価格は下表の通り。
製品名 | 永続 | 1年版 | 2年版 | 3年版 | プラットフォーム | ライセンス | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Acronis Backup Workstation License | 9,600円 | 4,200円 | 7,500円 | 9,600円 | Windows、Mac | マシン単位 | |
Acronis Backup Server License | 117,600円 | 58,700円 | 94,100円 | 117,600円 | Windows/Linuxサーバー、Amazon EC2インスタンス、Azure VM、アプリケーション | OS単位 | |
Acronis Backup Host License | 120,000円 | 59,900円 | 89,900円 | 120,000円 | VMware、Hyper-V | ホスト単位 |
ローカル、オンプレミス、クラウドを包括的に一元管理する業界で唯一のソリューション
同日に製品説明会が開催され、Acronis Backup 12の投入背景の説明などが行なわれた。
今回、実に4年ぶりのメジャーバージョンアップとなり、バージョンが12へと上がったAcronis Backupだが、同社代表取締役の大岩憲三氏はその理由として、クラウドの浸透などといったビジネス環境の急激な変化を挙げた。Acronis Backupは同社の中でもっともビジネス規模の大きな製品とのことで、昨今のビジネスシーンに対応すべく、クラウド対応を進めた作りになっている。
大岩氏は、以前ならバックアップとセキュリティは切り離して考えられていたものだが、ここ数年はランサムウェアの蔓延などで状況が変わりつつあるという。ランサムウェアはローカルにデータを置くことで被害に遭うリスクが上がるが、逆にクラウドに置いたとしても、クラウド自体に回線トラブルによる接続障害などのリスクが付きまとう。
Acronis Backup 12は、ローカル、オンプレミス(自社運用)、クラウドまで、さまざまな場所に置いてあるデータを包括的に一元管理可能であるとし、業界で唯一のソリューションとアピールした。
続いて同社のセールスエンジニア マネージャを務める佐藤匡史氏が登壇。データは重要だが会社にとってリスクになることもあるとし、データアクセスと管理の方法が大切であり、それを安全に保護していくことがこれからのビジネスに重要になるという。
企業内で人が利用しているデータはいろいろな場所に保存されているのが現状であり、データは散在している。一方企業自体はデータセンターにあるデータだけを管理している。こうした散在しているデータを管理していく必要があり、Acronis Backup 12によってそれを実現できるとした。Acronis Backup 12では、Microsoft AzureやAmazon EC2、VMware vSphere、Windows、Mac/iOS、Androidなど、さまざまなプラットフォームをサポートしていることも強みとする。
佐藤氏は、Acronis Backup 12の5つの特徴を挙げる。
1つ目は簡単な操作でバックアップ/復元が可能という点で、シンプルなUIかつさまざまなプラットフォーム上で動作するWebコンソールで操作が行なえる。クラウドとオンプレミスのハイブリットバックアップも可能。
2つ目は包括的保護。仮想化であればそれに特化した製品があるが、物理環境とクラウド環境を統合して管理できるソフトは現状Acronis Backup 12以外あり得ないという。Acronis Backup 12なら仮想環境とAndroidデバイスを統合管理することも可能であり、ハイブリッドな環境を簡単に管理する機能を盛り込んだとする。
3つ目は安全なソリューションの提供で、クラウドにおいては世界基準の堅牢な日本国内データセンターを利用。仮想環境下ならVMwareからVMwareへのレプリケーション、データ/バックアップアーカイブの暗号化、属人的要素を最小限にする管理機能を挙げる。
4つ目は速さであり、インストールを不要にするプロビジョニングや、同社が長きにわたり磨いてきたバックアップ/復元技術によって復元時間(RTO)を大きく短縮できるという。
最後に挙げたのは信頼という点で、同社のサービスはグローバルで500万人以上が利用しており、企業ユーザーは50万人、32,000人以上の販売パートナー、そして5,000ペタバイト以上の顧客データ保護を行なってきた実績を語った。