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自作PCでのBlu-rayビデオ鑑賞環境を検証する

インタービデオ「WinDVD BD」


 PC用Blu-ray Disc(BD)ドライブが発売されて2カ月近くが経とうとしている。現時点で、コンシューマ向けとして最大容量のリムーバブル記録装置となるが、やはりユーザーとして(おそらくはメーカーも)気になるのは、映画などのビデオコンテンツの再生についてだろう。

 米国ではすでに5月からBDの映画タイトルの販売が始まっており、8月以降は配給会社も増え、さらには11月にPLAYSTATION 3が発売されることから、米国のみならず日本でも本格的な普及が期待される。

●必要機材

 そこで気になるのが、自作PCでのBD再生に関するセキュリティ制限だ。広く知られているとおり、BDおよびHD DVDではDVDでの失敗の反省から、強固なセキュリティを施している。その詳細は関連記事を参照していただくとして、ドライブと再生ソフトだけあれば再生できるDVDと違い、BDの再生には下記のものが必要となる。

・BDドライブ
・HDCP対応ビデオカード
・HDCP対応ディスプレイ
・AACS対応BD再生ソフト
・Windows XP SP2
・COPP対応ビデオドライバ

 この中で、HDCP対応機器については3〜4月にデルがディスプレイ「2407WFP」と「2007WFP」を発売し、ビデオカードも1製品のみながら、SapphireのRadeon X1600 Pro搭載カード「SAPPHIRE X1600 PRO HDMI」が7月上旬から出回り始めた。

 デルのディスプレイのHDCP入力端子はDVI-Dで、SapphireのビデオカードのHDCP出力端子はHDMIを採用するが、ビデオカードにはHDMI→DVI-D変換コネクタが付属しており、デルのディスプレイでも利用できる。

 なお、HDCPによるコンテンツ保護が求められるのはデジタルでの入出力時で、アナログでは不要となっているので、D-Sub15ピンで接続するのであれば、上記のハードウェアは必要ない。

デル「2407WFP」 SAPPHIRE X1600 PRO HDMI

 続いて、AACS対応BD再生ソフトだが、これはインタービデオ製「WinDVD 8 Platinum」のダウンロード販売が28日より始まった。WinDVD 8 Platinumには、DVD再生用の「WinDVD」、BD再生用の「WinDVD BD」、HD DVD再生用の「WinDVD HD」が含まれる。

 今回使用したアイ・オー・データ機器製外付けBDドライブ「BRD-UM2」にも、WinDVD BDが付属しているが、このバージョンはAACSで保護されたBDを再生できない。ただし、同社では既存ユーザー向けに後日アップデート手段を提供する予定なので、ソフトを買い増しする必要はないだろう。

 最後に、COPP対応ビデオドライバだが、BD再生ソフトはWindows XP SP2に含まれるCOPPに対応したビデオドライバでないと利用できない。これは出力がアナログであっても同じで必須だ。

 NVIDIAとATIの製品についてはかなり前のバージョンのドライバから対応しているので、両社の最近の製品であれば問題ない(SAPPHIRE X1600 PRO HDMI付属のドライバも当然対応する)。

 このほかのGPUについて、Intelの945GMチップセットに内蔵されるGraphics Media Accelerator (GMA) 950はCOPPへの対応が謳われているが、VIA、S3、Matroxの製品については対応情報が記されていない。

 もっとも、それらの製品のCOPP対応ドライバがあったとしても、処理能力が追いつかないという可能性が残る。この点については、また後で触れるが、BDビデオのデコードは非常に負荷が高く、CODECにもよるが、最新のCPUでもコマ落ちが発生するほどで、ビデオカードの選択肢は事実上、強力な再生支援機能を持つNVIDIAとATI製品に限られるだろう。

●再生はされるがコマ落ちの問題も

 このように、自作PCでのBD再生にはさまざまな制限や注意事項があるが、ひとまず7月28日時点で再生に必要な環境は市場で入手可能となった。といっても、国内ではまだBDタイトルが発売されていないので、今回は米国で発売されている「The Fifth Element」と「Underworld Evolution」を使うことにした。

 ちなみに、DVDでは米国と日本でリージョンコードが異なったため、米国のタイトルは再生できなかったが、BDでは同じコードになった。

 利用した機材は、CPU:Athlon 64 3500+/X2 4200+(いずれも2.2GHz)、メモリ:DDR-400 2GB、ビデオカード:SAPPHIRE X1600 PRO HDMI、BDドライブ:BRD-UM2、マザーボード:A8N-SLI(nForce4 SLI)、OS:Windows XP Professional(SP2)、ディスプレイ:2407WFP、BD再生ソフト:WinDVD 8 Platinum(ダウンロード版)。

アイ・オー・データ「BRD-UM2」 使用したBDタイトル

 まず、結論から言うと、DVI-D(HDMIから変換)、アナログ出力とも、問題なく再生ができた。ただ、どういうわけか、Athlon 64 3500+を使い、かつWinDVDの「ハードウェアデコードアクセラレーション使用」を“ON”にすると、CPUの負荷こそさがるものの、かなりのコマ落ちが発生した。

 Athlon 64 X2 4400+であれば、同じ設定でもコマ落ちはなく、最初はCPUパワーによるものだと思っていたのだが、Athlon 64 3500+でもハードウェアデコードアクセラレーション使用をOFFにするとコマ落ちが止まった。検証に使った環境特有の問題の可能性もあるが、気になる点だ。

従来のDVD再生ソフトのようにハードウェアデコードアクセラレーション使用をON/OFFできる 左がON、右がOFFの状態。CPU負荷は右の方が高いが、Athlon 64 3500+ではなぜかONの時にコマ落ちが発生していた

 続いて、著作権保護の振る舞いを見るため、HDCPに対応していないディスプレイにDVI-Dで接続してみたところ、開始から3秒程度で強制的に再生が終了された。今度は、ビデオカードをHDCP非対応のGeForce 6600 GT搭載カードにしてみると、D-Sub15ピン出力では再生できたが、DVI-Dでは再生ができなかった。想定通りの動作といえる。

 オーディオ周りについても問題は見られなかった。HDMIはビデオ信号だけでなく、オーディオ信号も出力している。SAPPHIRE X1600 PRO HDMIでは、サウンドカードのS/PDIF出力ピンから、ビデオカード上にあるS/PDIFの入力ピンを経由してオーディオ信号を出力する。

 そのため、検証を行なう前は、HDMIもしくはビデオカードのS/PDIF経由でないと、オーディオが再生されないのではという懸念があった。だが、試してみると、ビデオカードのS/PDIF入力にケーブルを接続する必要はなく、マザーボードのオンボードオーディオのアナログ、S/PDIFいずれからも正常に出力され、ソフトデコードによるアナログ5.1ch出力もできた。

 ただし、今回利用したタイトルがDolby DigitalとLinear PCMにしか対応していないため、Dolby TrueHDや、DTS-HDなどについては、ソフト側でデコードしてアナログ出力できるかどうかは分からない。

●まとめ

 次世代DVDやデジタル放送などのHDコンテンツは、著作権保護でがんじがらめという印象が強いが、BDビデオについては、要求されるハードウェアとソフトウェアさえ用意すれば自作PCでも再生可能なことが分かった。

 BDドライブは、7月現在、内蔵型で8万5千円前後、外付けは9万5千円前後と、かなり高価。そのため、同じBDビデオを見るにしても、おそらくはPCよりもずっと簡単に再生できると思われる家電のBDプレーヤーを待った方がいいのではとの考えもあるだろう。

 だが、ディスプレイ(TV)まで含めると状況は逆転する。というのも、フルHD対応のTVが数十万円する一方、デルの2407WFPは7万円を切る価格で販売されているからだ。もちろん、画質についてはTVの方が高画質だろうが、価格性能比だけを見ると、PCは必ずしも高すぎるわけではない。

 PLAYSTATION 3のゲームには興味ないが、BDビデオは見たいという人は、PCで環境を用意するのも1つの選択肢となるだろう。

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(2006年7月29日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp]

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