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Intel搭載Mac miniハードウェアレポートIntel Core CPU搭載のMac miniは、先週の発表以来、出荷も順調なようで、Apple Storeだけでなく大型家電店でもすぐに購入できるようだ。 実は、Intel CPU搭載のMacintoshについては、すでにiMacのレポートをお届けしており、今回は迷ったのだが2つの理由でレポートすることにした。 1つは冷却の問題。iMacとほぼ同じデザインでIntel CPUを搭載したAOpenの「MP915-B」については、以前レポートしているが、冷却機構が弱点となっている。Celeron Mの370(1.5GHz)を搭載した状態で、光ドライブの使用頻度が高いとハングアップする状態だった。さらに、TDP値の高いCoreを搭載したMac miniがこのあたりをどう解決しているか知りたい。したがって、機種はCore Duo搭載の上位機種にした。 2つ目はメモリスロットの問題。Mac miniの欠点の1つとして、メモリスロットが1つしかなく、1GBで使用しようとすると、高価な1GBモジュールを購入する必要があった。AOpenのキットも同様だ。ところが、今回、BTOメニューや仕様を見ているとメモリスロットは2つ用意されているようだ。あの小さな筐体にどのようにモジュールが配置されているのか知りたくなったのだ。 購入はヨドバシAkibaで、価格は99,800円、ポイント還元率は5%だった。 パッケージのイメージは前モデルから変わらない。微妙にデザインは変わっているし、箱の側面には「Intel Core Duo」のロゴが入っているが、全体の印象はいつものApple調で違和感がない。 箱の構造もほとんどそのままだが、新たに追加されたリモコンは、本体下に追加された発泡スチロールの皿に収まっている。本体やリモコンなどが薄いセロファンのようなシートでくるまれているのも従来どおりだ。
取り出した本体も、背面パネルを除くと、ほとんど前モデルと区別がつかない。 iMacのときもそうだったが、外観の変更は最小限にとどめられている。
Mac miniは、底面の通気口と、金属製の側面パネルの間から開けていくのだが、前回は構造がわからず、内部に傷を付けてしまった。 今回は、その教訓を生かし、100円ショップで柔らかい素材のヘラを購入しており、無事に傷を付けずに開けることができた。薄いヘラを差し込み、少し厚みのあるヘラで固定用のツメを外していく。それでも、固定用のツメを曲げてしまっている。いつもながら気を遣う製品だ。
蓋を開けると、大部分が光ドライブなのは従来どおりだが、2つのセンサーが対角上に配置されているが目につく。 また、前回はすぐに見えたメモリスロットが見えない。光ドライブに隠れた、もっと下の方にあるようだ。
光ドライブをはずすと、HDDと冷却ファンを載せたフレームが現われる。このあたりの構造は前モデルを踏襲している。 フレームにはリモコンの受光部やスピーカーなども搭載されており、主基板(ロジックボード)とエッジで接続されているサブボードにケーブルが集まっている。無線LANアンテナのケーブルのみは、別の方に伸びている。 HDDはSeagete製の5,400rpmの80GBモデルが、光ドライブは松下四国製が搭載されていた。
フレームをはずすと、ようやく主基板が現われる。注目のメモリスロットはSO-DIMMが2枚重なる方式だった。このモデルは512MBだが、Micron製の256MBのモジュールが2つ搭載されている。デュアルチャネルモードで動かすためだろう。しかし、増設を考えているユーザーは注意が必要だ。 【3月8日追記】Mac miniはデュアルチャネルモードには対応していないことが確認できました。したがって、容量の異なるメモリモジュールを併用することも可能です。メモリが2枚になっているのはコストや入手性の問題と推定されます。
無線LANユニットからは本体上面に近いアンテナにケーブルが伸びており、送受信感度は高そうだ。
メモリと無線LANユニットをはずすと、ようやく主基板の全貌が見えてくる。ただし、CPUとチップセットはヒートシンクで覆われている。 主基板を外すと、ICHは裏面に配置されており、シャーシとの間に熱伝導材が挟まれていた。このあたりはAOpenと同じ発想だ。たぶん、こうしないと主基板がこの大きさに収まらないのだろう。
CPUのヒートシンクは前モデルよりは大きくなっているものの、思っていたほどではなかった。ヒートシンクには温度センサーが配置されている。 CPUはCore Duoの「T2300」だった。クロック1.66GHz、2MB L2キャッシュ、667MHz FSBだ。チップセットはIntel 945GT、ICHはICH7-Mと、iMacと同じ組み合わせだった。今回はビデオチップは搭載されておらず、チップセット内蔵のビデオ回路が使われている。 【お詫びと訂正】初出時にチップセット名を945GMと誤記しておりました。お詫びして修正させていただきます。
気になっていた冷却だが、光ドライブ、HDD、CPUをまとめて1つのファンで冷却する構造は前モデルと変わっていない。それでもiMac同様に、温度センサーが配置されており、前モデルに比べて熱に対する配慮がされていることは感じられた。Mac miniについては、長期レポートを予定しており、実際の温度などについては、そちらで報告できるだろう。 内部を見た素直な感想を言えば、TDPが31WのCPUと熱いチップセットで、よく外観を変えずに作れたものだと思う。いや、内部機構に優先するコンセプトがあるからこそ、それを守り通したのだろう。Mac miniは、CPUがIntelに変わってもMac miniであることになんらの変わりもなかった。他社との違いがあるとすれば、それは部品ではなくコンセプトであることを、また感じさせられた。
□アップルのホームページ (2006年3月6日) [Reported by date@impress.co.jp]
【PC Watchホームページ】
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