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Intel Core搭載iMacハードウェアレポート
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PowerPCからIntel Coreへと歴史的な転換を果たしたiMacが先週末から市場に登場し、編集部でも17型モデルを16日に入手した。
Intel Core搭載のMacintoshについては、ハードウェア面からもソフトウェア面からも、注目点が多いが、今回はハードウェアに的を絞ってお伝えしていく。
なお、今回は速報としてマザーボードについてのみお伝えする。お許しいただきたい。
ちなみに、初期設定をすませた状態のiMacの起動時間は約40秒、Windows XPのCDを入れただけでは、Windowsはブートできないことだけは確認した。システムがATのBIOSからEFIになっており、EFI対応OSでなければ起動できないという噂は本当だったようだ。
では、さっそく行ってみよう。
本体正面 | 本体右側面に光ドライブのスロット | 本体左側面 |
背面のインターフェイス部分 | 電源ケーブルはこのように接続される | 液晶上部にiSight用のカメラが装備されている |
一見、変化のない外箱だが、あちこちにIntel Core搭載を表わす表示がある |
■■ 注意 ■■
・分解/改造を行なった場合、メーカーの保証は受けられなくなります。 |
iMacの構造は基本的にPowerPC時代から変わっていない。外部に見えているネジは、本体底部の6つだけで、うち2つはプラスネジになっており、これがメモリモジュールの交換用となっている。ほかの4つはトルクスネジで、基本的にiMacは内部も含めてトルクスで組み立てられている。
メモリスロットは2つ用意されており、標準の状態では512MBモジュールが1つ搭載されている。
足の裏側にメモリ交換方法の表示がある | プラスネジをはずしてメモリスロットを開けたところ。ユーザーが保証範囲内でさわれるのはここまで |
本体を開けるのは、はめ込みになっている液晶部分を前後に外すところから始める。Mac miniのときもそうだったが、基本的にユーザーが本体を開けない、または開けさせないという思想で設計されている。
液晶部分を前後に外すと、本体の中が見える。しかし、液晶パネルを除けば、ほとんどが黒いシールド材に覆われていて、まったくといっていいほど中身は見えない。このシールド材は、インスタントコーヒーのビンを最初に開けるときのシールド材に似ていて、隅の部分が本体に糊づけされているので、きれいにはがすのはとても難しい。
本体前面のパネルを開けるとこういう状態。液晶以外はすべて黒いシールド材で覆われている | シールド材をきれいにはがすのは難しい | 液晶下のシールド材を開けたところ、メモリスロットとヒートシンクが見える |
シールをはがすと、液晶パネルを支える4本のネジが見えるので、これをはずす。これでようやくマザーボード(アップル流ならロジックボード)の全貌が見える。ただし、冷却フィンなどに囲まれていて、まだ、どんなチップが載っているかはわからない。
マザーボードの左右に設置されている白い箱はスピーカーだ。下向きに配置されており、小容量ながらエンクロージャーもついている。右側のスピーカーをはずし、冷却用のテンショナーらしきものをはずすと、ようやくマザーボードが取り出せる。
本体左下のスピーカーはシロッコファンと組み合わさるような形 | 本体右下のスピーカーはシンプルな形で外しやすい | 液晶パネルをはずした状態。これで、ようやく内部が見える。左上隅が電源、時計回りにHDD、光ドライブ、マザーボード |
角度を変えてみた状態。折り重なるように詰め込まれた状態がわかる | 電源の下にあるクローバー型の部分はヒートシンクで、下のシロッコファンから上に吹き出す設計。CPUの上下を挟む構造になっている | マザーボード上は多数のコネクタがあり、ケーブルが這い回っている。Mac miniでもみかけたテープでのケーブル固定もある。どうみてもセロテープにみえるのだが |
●マザーボード
マザーボードは異形で、iMac専用に開発されたものであることは間違いない。 マザーボード基板は6層または8層のように見える。ノリとしてはデスクトップPCではなく、ノートPC用の基板に近い。
ボードの真ん中に空いている穴は冷却ファン用だ。また、インターフェイス用のコネクタはマザーボードから直に生えているが、液晶背面のカーブに合わせて、わざわざ斜めになったコネクタが使われている。
マザーボードの裏表。上がユーザー側からみた裏面でCPUとGPUを実装。下が正面側でチップセットを実装 |
マザーボードの裏表。照明を変えたバージョン |
CPUのIntel Core Duo 1.83GHzはソケットに載っている。チップセットはインタビューで答えられていたように「Intel 945」で、今回はGMが載っていた。ちなみに、ICHは「ICH 7M」だ。
ビデオチップは「ATI Radeon X1600」が、128MBの GDDR3メモリとともにオンボードに搭載されている。
無線LAN、Bluetoothはそれぞれ個別にモジュールが搭載されている。また、IEEE 1394は専用のチップが載っている。HDDはシリアルATA接続だが、光ドライブはATA接続のようだ。
CPUがソケットになっていることから、アップグレードも考えられるが、このソケットにアクセスするまでが大変で、ユーザー自身が行なうのは難しいだろう。
また、マザーボードが異形になっている最大の理由は冷却と思われる。CPU、光ドライブ、HDD用にそれぞれ冷却ファンが用意されており、本体の下から吸い上げ、上に吹き出すように設計されている。
このあたりについては、近日中に改めてお知らせしたい。
CPUはソケットに搭載されている | CPUをソケットからはずした状態 | CPU単体 |
Intel 945GMチップセット | ICH 7M | ATI Radeon X1600 GPU |
BROADCOMのPCI Express用無線LANモジュール | Bluetooth用モジュール。日本語表記が意外 | IEEE 1394a用のチップ |
ボードのほぼ中央にある電源コネクタ。右手のコネクタ類が斜めに生えているのもわかる | マザーボード上の文字表記は多く、部品やコネクタ類も種別がわかりやすい。「FW」は「FireWire」の略 | HDD用のシリアルATAインターフェイス |
CPUソケット周辺のコンデンサ類 | ボード状にOEM元の名前はなく「APPLE」の名前だけが記されている | マザーボードをはずした状態。3つ並んだファンが印象的 |
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【1月11日】アップル、Intel Core Duo搭載の「iMac」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0111/apple2.htm
【1月11日】Apple、新製品開発担当者インタビュー
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0111/apple4.htm
(2006年1月17日)
[Reported by date@impress.co.jp]