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えっ、1万円台でマウスやキーボードもくれるの？これが廉価Androidタブレット最新事情か！
2025年8月28日 06:00
一定の需要は間違いなくあるにも関わらず、国内市場においてはやや控えめな印象のあるAndroidタブレット。高品質な製品から低価格帯の製品まで幅広く揃ってはいるものの、スマートフォンと比べると盛り上がりに欠ける気がするのは、やはりタブレット市場においてはiPadの人気が圧倒的に高いためだろう。iPad製品は高額ながらも高性能で、数年前の型落ちモデルでも、動画視聴など特定用途に割り切って使うなら問題なく使える。
そのためか、Androidタブレット製品の主戦場は低価格帯が中心だ。パフォーマンスは劣るものの、動画視聴やブラウジングなどでの利用なら問題なく使えて3万円未満くらいのお手頃な価格帯に、Androidタブレットの最新モデルが数多く確認できる。
そんな数あるAndroidタブレット製品の中でユニークな存在として目に留まったのがTabweeのAndroidタブレット製品である「Tabwee T20」と「Tabwee T90」だ。TabweeはタブレットやミニPC製品などを取り扱う香港Blackviewのサブブランド。Amazonの販売ページによると、2022年設立とのことで主に低価格帯のAndroidタブレット製品やアクセサリなどを扱っているようだ。
これら2製品について、いずれも豊富なオプションが標準で付属するのが特徴。ディスプレイ表面に貼り付ける保護フィルムと、折り畳むことでスタンドにも変化するカバー付きケースのほか、スタンド、タッチペン、USB ACアダプタ、ケーブル、さらには無線キーボードと無線マウスまでもが付属するという豪華おまけが盛りだくさんなのだ。
執筆時の価格は10.1型/1,280×800ドットディスプレイのTabwee T20が1万5,999円(-30%割引)。一方、11型/1,920×1,200ドット(フルHD)のIPS液晶ディスプレイを備えるTabwee T90」が2万4,999円(-14%割引)だが、こちらはクーポン適用価格で1万6,999円で販売されている。
ゴージャスなおまけ付きの低価格Androidタブレットの実力はどのようなものか、今回は後者のTabwee T90を実際に試してその性能や機能についてチェックしていきたい。
Bluetoothのキーボードやマウスなどのおまけ付きで1万円台！
Tabwee T90のOSはAndroid 16で、SoCは8コアCPU内蔵のUnisoc T615となる。メモリは8GBだが、仮想メモリ機能を使うことで最大24GBまで拡張が行なえる。ストレージ容量は128GB。
11型/1,920×1,200ドット解像度のIPS液晶ディスプレイを搭載。動画配信サービスなどのデジタル著作権管理(DRM)技術、WidevineのセキュリティレベルはL1に対応。バッテリ容量は8,000mAh、充電端子はUSB Type-C、カメラは背面が1,300万画素の3眼タイプのような外観、前面は500万画素で顔認証によるロック解除も対応する。無線LANはWi-Fi 5まで対応。
カバーを外した本体はメタリックっぽさを感じる色合いで、あまり安っぽさは感じない。ただしディスプレイ周囲の額縁部がかなり広く取られているため、画面がやや狭めに感じてしまうのは残念なところ。
前面カメラは顔認証にも対応しているが、セットアップは顔画像を1枚カメラで撮るだけのシンプルな仕組みのため、精度はあまり高くない。注意事項には似た人でもロックを解除できる場合があるなどの記載があるため、セキュリティ面においての信頼度は高くないが、手軽なロック解除の手段としては悪くないので、割り切って使うのがいいだろう。
スピーカーは縦方向の時は左側面の上下、横方向時は底面の両端に配置される位置取りとなっており、動画視聴時などは音がややこもってしまう点は気になるところ。
縦方向時の天面部にはUSB Type-C端子とmicroSDカードスロットを備え、最大2TBまでのmicroSDカードが利用できるほか、端には3.5mmステレオミニ出力端子があり、右側面には電源ボタンとボリュームボタンを備える。本体サイズは257.3×168.8×8.3mm、重量は約508g。
豪華付属品の数々についても簡単に紹介したい。保護フィルムは特筆する点はないので省略。付属のUSB電源アダプタは最大出力10Wのコンパクトタイプ。スタンドはすべてがプラスチック製の簡素なものとなっている。タッチペンはプラスチック製のペン先端にゴムを備える、電源不要のパッシブタイプだ。
箱に入っているうちから装着状態となっているカバー付きケースはソフトタイプで簡単に着脱が行なえる。カバー部は折り畳むことでスタンドとしても使えるが、マグネットは一切使っていないため、本体に吸着してディスプレイを保護するような動きはせず、下向きにすると重力に引かれてブラブラする。
無線マウスは単4形電池2本(別売)で使用できる薄型タイプ。無線キーボードもかなり薄く、背面部は一面、金属の板となっているが、全体的に軽量でコンパクトサイズの英語(US)配列。キータッチはややパシャパシャした感触となっており、こちらは内蔵バッテリで動作し、充電は側面のUSB Type-C端子で行なう。いずれもBluetooth接続で使用するものとなっている。
キーボードやマウスについては、秋葉原のバラエティショップ店頭などに置かれた、ノーブランドの低価格無線キーボードやマウスなどと同じような感触なので、これらをお店で買わなくても、タブレットに付いてくると考えるとちょっと得した気分になれる。緊急時や急にキーボードが必要になるような場面において重宝することもありそうだ。
パフォーマンスは厳しめながら、動画視聴端末としては快適動作
ここからはパフォーマンスについても見ていこう。今回はAndroid OS用ベンチマークのAntutu BenchmarkおよびPCMarkについて実行してチェックした。3DMarkについてもチェックを試みたが、システム側でNGが出てしまい、動作しなかった。パフォーマンスについてはAntutu Benchmarkが262,252、PCMarkのWorks 3.0が8,511など全体的に低めで、ゲーム動作については、ローエンドのスマートフォンと同等程度くらいだろうか。
実際に筆者がスマートフォンのチェックに使用するいくつかのゲームについてもインストールして確認してみた。アクションゲームの「原神」については、インストールして起動には成功したものの、画面設定が最低の状態がデフォルトとなっており、その状態であっても、画面上の挙動はややぎこちなさを感じるレベルとなっており、3Dゲームについては期待しないのがいいだろう。
比較的処理が軽めなタイトルも確認した。Cygamesの『ウマ娘 プリティーダービー』は、画面操作がもたつく感触でレスポンスが悪く、普通に操作する場合はかなりストレスがたまる。「おまかせ育成」など自動で実行する機能なら問題なく動作するほか、「ライブシアター」の機能でライブ映像を流すなどの用途なら利用できる。
またリリースから半年が経過したTCG(トレーディングカードゲーム)のゲームアプリ「Pokémon Trading Card Game Pocket」(ポケポケ)についても試したが、パック開封からバトルなど、各所でレスポンスが悪く、もたつきが見られた。対CPU戦の「ひとりで」モードを自動操作する「オート」機能で実行する場合など、触れずに遊ぶ機能で使う分には問題なくプレイできる。
今回はゲーム以外にもいくつかの動画配信サービスを試してみた。前述の通り、本製品は「Widevine」のセキュリティレベル L1に対応しており、最大1,920×1,080ドットのフルHD画質で動画視聴が楽しめるのが特徴の1つだからだ。
実際にYouTube、Amazon Prime、Netflixといった動画配信サービスを試したが、いずれも快適に映像の視聴が楽しめた。ベンチマークなどではパフォーマンスがかなり低かったため、危惧していた部分でもあったが、これら動画配信については、もたつきもカクツキもなく、快適に動画を再生することができたので、動画視聴のお供としてはかなり優秀なタブレットと言えるだろう。
ただし前述の通りスピーカーの位置が本体下部になっており、音がやや悪い状態になっているため、内蔵スピーカーを使わずに、イヤフォンなど外部の音声機器と併用することで、かなり快適な視聴環境が構築できる。
手軽に扱える動画視聴端末としてならおすすめ
以上、AndroidタブレットTabwee T90について、ゴージャスなおまけとそのパフォーマンスをざっくりとチェックしてみた。ちょっとしたゲームを遊ぶ端末としても使えるくらいの性能はあると思っていたが、想定以上にパフォーマンスが出なかったのは大いに残念な要素だ。一方で、動画視聴のお供にはかなり有用なタブレットとして仕上がっており、現在の市場で多く見かける低価格Androidタブレットのニーズはこれで満たせているのだと思われる。
今回のような差別化を行なっているAndroidタブレットは、ほかにも「DOOGEE U11PRO」や「Kingrid T90」などいくつかのブランドが見受けられ、近年の低価格タブレット販売の定番の手法の1つなのだろう。
今後も一定以上の需要はあり続けるAndroidタブレット市場なのは間違いないが、個人的にはゴージャスなおまけの勝負よりも、低価格ながらパフォーマンスの高い差別化をした製品の登場にも期待したいところだ。
