Pocochaライバー事務所4社に公取委から注意勧告。独立や移籍の制限で独占禁止法違反のおそれ

　公正取引委員会(公取委)は12月9日、都内のライバー事務所4社に対して、独占禁止法違反のおそれがあるとして注意を行なったと発表した。

　注意の内容は、独占禁止法第19条に定める不公正な取引方法第12項「拘束条件付取引」または第14項「競争者に対する取引妨害」の規定に違反しているおそれがあるというもの。対象はAEGIS GROUP、Colors、321、WASABIの4社。いずれもDeNAのライブ配信プラットフォーム「Pococha」で活動するライバーの事務所であり、DeNAとの取引額が上位のライバー事務所だとしている。

　4社はそれぞれ自社の所属ライバーと締結したマネジメント契約において、契約期間終了後の一定期間、「ライブ配信活動を行なうことの禁止」「ほかのライバー事務所とのマネジメント契約締結の禁止」「自社と同種の事業を営むことの禁止」の一部または全部を含む規定を設けていた。

　公取委は契約にこれらの規定を盛り込むことについて「合理的な理由が認められない」とし、ライバー事務所間における公正かつ自由な競争に影響を及ぼすおそれがあるとして、未然防止の観点から4社に注意を行なった。

　なお、注意対象となった4社からは公取委に対して、契約に盛り込む規定の内容を見直す旨の申し出があったと報告している。