KDDI株式会社、沖縄セルラー電話株式会社は、Android 4.0やWiMAX、おサイフケータイなどを搭載するHTC製スマートフォン「HTC J ISW13HT」を5月下旬以降に発売する。

　HTCとKDDIが協力して開発した日本専用端末。HTC製品で特定の国に特化した端末は本製品が初。おサイフケータイ、赤外線通信、ワンセグといった日本独自の仕様に対応させただけでなく、デザインについても日本の一般ユーザーに向け、カラーバリエーションを展開し、手になじみやすい形状にした。

　20日に行なわれた製品発表会でHTC CEO(最高経営責任者)のピーター・チョウ氏は、本製品について「当社ではデザインを製品の核としているが、日本文化には多分に影響を受けており、それを今回の製品に反映させた」と紹介した。また、KDDI代表取締役社長の田中孝司氏から、「かわいさを表現することが重要」とアドバイスを受けたという逸話も明かした。

　田中氏によると、HTCの「EVO」はKDDI製品の中でハイエンドユーザーに受け入れられ、もっとも顧客満足度が高かったと言うが、ISW13HTは一般層をターゲットする。しかし、スペックはハイエンドなものとなっており、CPUがQualcomm Snapdragon S4 MSM8660A(デュアルコア1.5GHz)、メモリ1GB、ストレージ16GB、540×960ドット表示対応4.3型有機EL、Android 4.0を搭載。

　通信面では、グローバルパスポート(CDMA/GSM/UMTS)に加え、WiMAXに対応(テザリング可)。また、無線LANはIEEE 802.11b/g/nだけでなく、11aにも対応する。

　そのほかのインターフェイスは、前面130万画素カメラ、背面800万画素カメラ、microSDカードスロット、micro USB、Bluetooth 4.0。本体サイズは約66×132×10mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約142g。バッテリ容量は1,810mAh。本体色は、レッド、ホワイト、ブラックの3種類。

HTC J ISW13HTブラック	背面はマットな質感	右側面に音量ボタン
上面に電源とイヤフォンジャック	左側面にmicro USB	下面
ホワイトモデル前面	背面は光沢あり	レッドモデル前面
こちらも背面は光沢あり	3モデル並べて	専用イヤフォン/マイクは、リモコンもある
バッテリカバーを開けたところ。カバーの裏側にさまざまなアンテナが張り巡らされている	発表会の司会進行はクリス・ペプラー氏	KDDI田中社長(左)とHTCチョウCEO

　このほかの特徴として、HTC CPO(最高製品責任者)の小寺康司氏が、「全部列挙すればきりがないが」、と前置きした上で、カメラ周りとオーディオ周りについて解説した。

　小寺氏によると、2011年にFacebookにアップロードされた写真は450億枚に上るが、そのうちの多くがピンぼけしたり、露出が足りなかったりしている状況の中、最上の写真画質を提供すべく、注力したという。

　具体的には、良い写真を撮るためには、シャッターチャンスを逃さないことと、充分な光量を確保することの2つが重要で、本製品では0.7秒での起動と0.2秒間隔での撮影(連射)を実現するとともに、f2.0という明るいレンズを採用した。

　おもしろいのが、動画撮影中も画面上にカメラのシャッターボタンが表示されており、これをタップすることで、好きな場所で写真も撮影できる。さらに、再生中も同様に、シャッターボタンをタップして任意の場面を静止画として切り出せる。

　明るさについては、レンズだけでなく、被写体との距離を検知して5段階にフラッシュの強さを自動調整する機能を搭載し、独自の画像エンジンにより、逆光でも黒つぶれ/白飛びの少ないHDR撮影を実現した。

　オーディオについては、Beats By Dr. Dre Audio技術を採用。専用のリモコン/マイク付きイヤフォンを挿すと自動認識し、アーティストの意図したサウンドを忠実に再現するという。また、一度PCとUSB接続し、ペアリングすると、以降はWi-Fiで自動的にPC内の音楽/動画ファイルを同期できるソフトが付属する。

　また、KDDI独自の、Eメール(ezweb)、SMS(Cメール)、緊急速報メールなどにも対応する。

　マーケティングについては、HTC NIPPON代表取締役社長の村井良二氏が、イメージキャラクタとしてアイドルグループの乃木坂46を起用することを発表。CMにも登場するという。発表会には乃木坂46も参加し、写真が鮮明、雑音の中でも音楽だけがちゃんと聞こえるなど、驚きまじりの感想を語った。

小寺康司氏	村井良二氏	乃木坂46
集合写真		CMにも使われる新曲「おいでシャンプー」のライブも行なわれた