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鈴木直美の「PC Watch先週のキーワード」
第92回:9月20日~9月24日


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●キーワード


9月21日

■■クリエイティブ、GeForce256搭載ビデオカード「3D Blaster GeForce」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990921/creative.htm

ソフトウェアDVDプレーヤー(Software DVD Player)

 DVD Video(将来はDVD Audioもか?)のデコードをソフトウェアだけで行ない、特別なハードウェアを必要としない再生ソフト。

 DVD Videoタイトルは、DVD-ROMメディア上に、コンテンツをDVD Video規格に従った形式で格納したものである。したがって、通常のDVD-ROMドライブを使えば、ビデオタイトルもPC用のROMソフトと同じように、ファイルとしてPC上からアクセスすることは可能である。ただし、市販のタイトルは通常、映像にMPEG-2、音声にDolby Digitalなどを使用してエンコード。さらに、不正コピーを防止するために、暗号化してディスクに記録されており、再生時にはこれら全てのデコードが必須となる。

 DVD Videoが登場した当初('96年末)は、マシンパワーがMPEG-2のデコードやフルサイズ/フルモーション(※1)のビデオ再生には不足していたり、著作権保護機構であるCSS(Content Scrambling System)のライセンスが下りていなかったり(※2)で、PC上でのソフトウェア再生は難航していた。その後MMX Pentium、Pentium II、Celeronと矢継ぎ早に高速なCPUが登場。'97年に発表されたZoran(旧CompCore Multimedia)の「Soft DVD」を皮切りに、CSS対応のソフトウェアデコーダも登場しはじめ、'98年の秋頃からは、DVD-ROMドライブ以外には何も要求しない(※3)プレーヤーソフトが主流となっている。

(※1)DVD Videoの映像データは、720×480ピクセル、60フィールド(30フレームのインタレース)という仕様。最初は、デコーダーカードを使用する製品から登場。

(※2)初期には、CSS未対応の製品がいくつかリリースされていたが、当然、ほとんどのタイトルが再生できなかった。

(※3)スムーズな再生には、ビデオカードのオーバーレイ機能が必須であり、動き補償(Motion Compensation)などのデコード支援機能があれば、CPUの負担がさらに軽減される。Dolby Digitalに関しては、通常は2チャンネルにミックスダウンされるが、一部のサウンドカードでは、音声ストリームをそのままデジタル出力することが可能(外部デコーダ必須)。

【ソフトウェアDVDプレーヤー】
□PowerDVD(CyberLink)
http://www.cli.co.jp/ (開発元)
http://www.novac.co.jp/soft/soft.html(NOVAC~販売)
□MightyPEG/DVD(住友金属システム開発)
http://www.smisoft.ssd.co.jp/(エンジンはCyberLink)
□Software Cinemaster 98(RAVISENT Technologies~旧Quadrant International)
http://www.ravisent.com/(開発元)
http://www.esm.nagase.co.jp/scantec/(長瀬産業~販売)
□VaroDVD(Varo Vision)
http://www.varovision.com/(開発元)
http://www1.mesh.ne.jp/KODENSHA/(高電社~販売)
□WinDVD(InterVideo)
http://www.intervideoinc.com/(開発元)
http://www.canopus.co.jp/(カノープス~販売)
□SoftDVD(Zoran)
http://www.zoran.com/
□DVDExpress(Mediamatics)
http://www.mediamatics.com/



 
■■後藤弘茂のWeekly海外ニュース
  見えてきたIntel 820の真実-この秋、Intel 820は離陸に失敗する
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990921/kaigai01.htm

インピーダンス(impedance)
インピーダンスマッチング(impedance matching)

 回路に交流のような変化する電流を流した場合に生ずる抵抗(交流抵抗)をインピーダンスといい、2つの回路を接続する際に相互のインピーダンスを等しくすることをインピーダンスマッチングという。

 電気回路において、電流の流れを妨げる働きをもつものを抵抗(resistance)という。オーソドックスな抵抗器(resistor)は、導電物質の電気の通りにくさを利用したものだが、交流に対しては、コイルが持つ誘導性リアクタンス(inductive reactance[※1])や、コンデンサが持つ容量性リアクタンス(capacitive reactance[※2])もまた、電流を妨げる抵抗成分となる。インピーダンスは、これら抵抗成分を総合したもので(※3)、単位は通常の抵抗と同じΩで表す。

 2つの回路を接続する場合、出力側のインピーダンスと入力側のインピーダンスが異なると、接続点においてエネルギーの反射が起こりロスを生じてしまう。そこで、両者のインピーダンスを整合させ、効率良く伝送できるようにする。これをインピーダンスマッチングといい、特に高周波回路においては重要な要素となっている。

(※1)コイルは、導線をぐるぐる巻きにしたものなので、直流に対しては抵抗を持たないが、交流の場合には、誘導される磁束の変化によって逆起電力が生ずるため電流を妨げる抵抗となる。

(※2)コンデンサは、近接した2つの導体を絶縁体で仕切り電荷を蓄える仕組みなので、直流は流れないが、交流の場合には蓄放電が繰り返されるため電流が流れる。

(※2)インピーダンス(Z)は、誘導リアクタンス(XL)から容量リアクタンスの逆数(1/XC)を引いたものの二乗に、リアクタンス(R)の二乗を加えた平方根

(※3)
 インピーダンス(Z)は、誘導リアクタンス(XL)から容量リアクタンス(XC)を引いたものの二乗に、リアクタンス(R)の二乗を加えた平方根


 誘導リアクタンスは2×π、周波数(f)、インダクタンス(L)の積


 容量リアクタンスは2×π、周波数(f)、キャパシタンス(C)の積の逆数



9月22日

■■後藤弘茂のWeekly海外ニュース
  Intelのキーマン・パトリック・P・ゲルシンガー副社長兼
  ジェネラルマネージャ(Desktop Products Group)グループインタビュー
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990922/kaigai01.htm

EMI(ElectroMagnetic Interference)

 電磁障害、電磁妨害、電磁干渉。
 回路から直接放射される放射性ノイズ(主に30MHz以上の高周波)や、電源ラインなどを伝って漏れる伝導性のノイズ(主に30MHz以下の低周波)などの妨害波が、他の機器に影響を及ぼし、動作を妨げること(最近では人体への影響もクローズアップされている)。不要な電磁波を外に出さない対策(emission)と電磁波に対する耐性を高める対策(immunity)を総称して、EMC(ElectroMagnetic Compatibility~電磁環境両立性)といい、日本のVCCI(Voluntary Control Council for Interference by Information Technology Equipment~情報処理装置等電波障害自主規制協議会)をはじめ、FCC(Federal Communications Commission~米国連邦通信委員会)、EC(European Communities~欧州共同体[※1])などの様々な機関で、それぞれの規格や指針のもとに自主規制や法的規制を行なっている。

 VCCIは、日本電子工業振興協会、日本事務機械工業会、日本電子機械工業会、通信機械工業会の4団体が、'85年に設立した団体で、IEC(International Electrotechnical Commission~国際電気標準会議)のCISPR(Comite International Special des Perturbations Radioelectriques~国際無線障害特別委員会)が'85年にリリースした許容値と測定方法に関する勧告(CISPR 22)をベースに、テレビやラジオなどの受信機に与える妨害波の自主規制を開始。VCCIの技術基準では、機器の使用場所に応じて工業用の「クラスA」と家庭用の「クラスB」に区分しており、パソコンや携帯端末の場合には、家庭環境での使用を想定した制限の厳しいクラスBを適用。適合製品には、VCCIマークが貼付される。

(※1)フランス語などの読みではCEなので、VCCIマークの欧州版はCEマークになっている。



 
インダクタンス(inductance)

 電気回路における電磁誘導(electromagnetic induction)の大きさを表す係数で、コイルなどの電気的な大きさを表す。

 導線に電流を流すとその周囲に磁界が誘導され(※1)、逆に導体と鎖交する磁束が変化すると導体に電力が誘導される。コイルは、導線をぐるぐる巻いてこの電磁作用を促すようにしたもので、巻き数や大きさに応じた作用を誘導。この誘導係数をインダクタンス(単位はH[ヘンリー])という。

 導体に交流のような変化する電流を流すと、誘導された磁束が変化し、この磁束の変化を打ち消す方向に起電力が誘導される(レンツの法則)。これを自己誘導作用といい、この時の誘導係数を自己インダクタンスという(※2)。トランスのように、接近した2つのコイルがある場合には、一方のコイルの電流変化によって、もう一方に起電力が誘導される。これを相互誘導作用といい、この時の誘導係数を相互インダクタンスという(前者はL、後者はMで表し単位はともにH)。

(※1)アンペアの(右ネジの)法則といい、電流の流れる方向に対して右回りの磁力線が発生する。

(※2) 自己誘導作用によって、コイルは電流の流れを妨げる抵抗のように働く。これを誘導リアクタンス(inductive reactance)といい、周波数が高いほどインダクタンスは大きな抵抗となる。

[Text by 鈴木直美]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp