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広野忠敏のTechEd 98レポート Part 2

Windows NT 5.0の新機能(1)


 TechEd 98 Yokohama(以下TechEd 98)の2回目のレポートをお届けしよう。TechEd 98は約70のテクニカルセッションで構成され、各セッションは9つのテクノロジートラックに分かれている。テクノロジートラックは次のとおり。

  1. Commerce
  2. Data Analisis and Access
  3. Line of Business Application
  4. Messaging and Collaboration
  5. Publishing and Knowledge Management
  6. Management / Administration / Security
  7. Tools for Building Business Application
  8. Getting Ready for Windows NT 5.0 (developers)
  9. Getting Ready for Windows NT 5.0 (administrators)
 なお、それぞれのトラックの説明はTechEdホームページを参照して欲しい。これらのトラックの中でも、一番大きな会場を使い、関連セッションの数も13セッションと最も多かったのが、Windows NT 5.0に関するセッションだ。

 Windows NT 5.0に関するセッションは、Power Pointを使ったスライドの説明だけではなく、実際にWindows NT 5.0を操作(β2)しながらの解説が多かったため、非常にわかりやすかった。また、これらのセッションとは別の、Windows NT 5.0 ハンズオンと題したセッションではパソコンが用意され、実際にWindows NT 5.0を操作しながら受講する。ちなみに、ハンズオンセッションは予約制で一日に3セッション開催されるが、お昼ごろには予約でいっぱいになるほど盛況だった。


Windows NT 5.0の新機能 Part 1

 Windows NT 5.0の外観は、Windows 98とそれほど違いはない。おなじみのエクスプローラとスタートメニューを利用したユーザーインターフェイスが引き継がれる。しかし、内部はWindows NT 4.0とは大きく異なる。ちなみに、Windows NT 5.0の新機能は以下のとおりだ。

 このように、ざっとあげてみてもかなりの新機能がサポートされる。このなかでも、非常に興味深いのがActive Directoryのサポートとセキュリティの強化に関するものだ。TechEdのセッションでもActive Directoryに関しては「Windows NT 5.0 ディレクトリサービスの強化」のセッションで、セキュリティに関しては「Windows NT 5.0におけるネットワークセキュリティ」、「セキュリティとポリシー」のセッションでかなり詳細にわたって紹介していた。そこで、そこで、今回のレポートではActive Directoryに関して、次回はセキュリティとWindows Terminalについて紹介しよう。

Active Directory

 Active Directoryは、ネットワーク上のリソース(マシンやユーザーアカウント、プリンタなどさまざまな情報)を統括的に管理するためのデータベースのことだ。階層化されたリソースの管理ができることが最大の特徴である。Windows NT 5.0では、ネットワーク上のリソースの管理をすべてこのActive Directoryと呼ばれるディレクトリサービスで管理するような仕組みになっている。ところで、Windows NT 4.0では、ネットワークリソースはNTドメイン(以下NT4ドメイン)で管理されていたが、NT4ドメインはフラットな構造なので、複数のドメインの管理には限界があった。たとえば、複数のドメインで運用しようとすると、ドメインの信頼関係を結ぶなどの必要があったわけだ。実際、このあたりの煩雑な設定で辟易した経験を持つNT管理者は非常に多いハズだ。

 Windows NT 5.0ではActive Directoryによってネットワークリソース(マシンやユーザーアカウント)が階層的に管理されるため、非常に管理が楽になるというのが特徴だ。たとえば、階層構造をもったドメインツリー内のドメインは双方向の信頼が自動的に確立される。また、ツリー内で隣接しているドメインについても、わざわざ信頼関係を結ばなければいけないということはなくなるのだ。

 さらに、Active DirectoryではDNSによる名前参照の解決サービスと、LDAPによるディレクトリサービスの双方がサポートされる。ちなみに、Active Directoryドメインの名前が実際のDNSドメインに一対一に対応するようになっている。つまり、Active Directoryによって階層構造で管理された下位ドメインは、DNSのサブドメインと同じ意味をもつようになるのだ。また、Windows NT 4.0のDNSサービスではダイナミックなIPアドレスの割り当てには対応していないため、DHCPとWINSの連携が必要だったが、Active Directoryでは「Dynamic DNS」と呼ばれる機能で、動的なIPアドレスとホスト名の名前解決を実現している。このように、Windows NT 5.0ではActive Directoryのサポートにより、ネットワークリソースの管理が非常に簡単になったほか、よりインターネットとの親和性が深まるということなのだ。

 しかし、Active DirectoryとNT4ドメインの互換性はまったくない。つまり、NT4ドメインのネットワークにWindows NT 5.0を参加させることや、逆も不可能だ。そのため、Windows NT 5.0ではActive Directoryを利用した「ピュア・モード」とNT4ドメインの機能をエミュレートする「ミックスド・モード」の2つのモードがサポートされる。なお、現状のWindows NT 4.0やWindows 98、Windows 95といったクライアントはピュアモードのWindows NT 5.0ネットワークには参加できないが、MicrosoftではWindows NT 4.0、あるいはWindows 98、95がWindows NT 5.0ネットワークに参加できるようにするための仕組みを検討中だということだ。こうした仕組みはWindows NT 5.0リリース後にサービスパックなどの形態でリリースされることだろう。

 また、これまでWindows NTが独自に利用していたNetBIOS、WINS、ブラウザなどはWindows NT 5.0の「ピュア・モード」では一切使用されない(「ミックスド・モード」では利用可能)。セッション中ではこうしたNT独自のプロトコルは、ゆくゆくはなくなる運命だろうとアナウンスしていた。


会場には自由に使えるNT Workstationを設置

 エキシビジョン会場では、参加者が自由に使えるPCが設置されていた。PCにはWindows NT 4.0 Workstationがインストールされ、参加者のIDでログインすることができる。さらにインターネットに接続され、レーザプリンタの利用も可能だ。ちなみに、参加者IDでのE-Mailアドレスも付与され、インストールされているOutlook Expressでメールの送受信も可能。

 ただし、PCにインストールされていたのはOutlook Expressのほかには、Internet Explorer 4.0のみ。もちろん、スタートメニューからはこれらのアプリケーションにアクセスできるだけで、他はアクセスできないようにガードがかかっていた。もちろん、コントロールパネルもいじれない。が、Internet Explorer経由でFTPやTELNETなどを利用することもできるし、やり方を知っていれば、その他のリソースもアクセス可能だ。ZAK(Zero Administration Kit)でセットアップしたものと考えられるが、このあたりの穴はWindows NT 5.0やInternet Explorer 5.0でぜひ改良して欲しい点の一つだ。


エキシビジョン会場ではWindows based Terminalのブースが人気

 エキシビジョン会場では、協賛各社のブースが設置されているのは、昨日もお伝えしたとおりだが、中でも一番混んでいたのがWindows based Terminal(WBT)のコーナーだ。このブースではWindows NT Server Terminal Edition(HP-Server)にWBTマシンやクライアントが20台程度接続され、来場者が自由に試してみることができた。

 なお、クライアントにはWBT専用端末、WindowsベースのWBTエミュレータ、Windows CEやMacintoshで動作するWBTエミュレータなどが展示されていた。

一番込み合っていたWBTブース Windows NT Server Terminal Edition
このサーバに20台程度のWBTクライアントが
ぶらさがってる。
Windows CEで動作している
WBTエミュレータ
業務アプリ実行中
Macintoshで動作している
WBTエミュレータ
結構シュールな眺め
WBT専用端末
非常にコンパクト
タッチパネルインターフェイス搭載
WBT専用端末

□Microsoft TechEd 98 Yokohamaホームページ
http://teched.msn.or.jp/

('98/7/30)

[Reported by 広野忠敏]


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