【イベント】 |
今回のWINDOWS WORLD Expo/Tokyo 98では、数こそ少なかったものの注目の新作ゲームがいくつか発表されたので、それらをレポートしていく。
●本邦初公開!「Diablo II」
Blizzard Entertainmentスペシャルインタビュー
広報部長、Susan Wooleyさん |
そして今年のElectronic Entertainment Expo(E3)で、いよいよ待望の「Diablo II」が公開された。それから1月足らずの期間をおいて、日本でもWINDOWS WORLD Expo 98の会場で一般公開となった。その「Diablo II」は、未完成ながら体験プレイもできる状態にまでなっていたのだ。来場したプレーヤーの反応は? 気になる制作進行状況は? そして「Diablo II」というのは実際のところ、どんなゲームになるのか? そんな疑問を、開発メーカーであるBlizzard Entertainment社の広報部長であるSusan Wooleyさんに会場で伺ってみた。
今日でWINDOWS WORLD Expo/Tokyo 98も3日目になるわけですが、来場者の「Diablo II」への反応はいかがですか?
Susan おかげさまで、たいへんいい評価を頂いているようで、このゲームへの期待の大きさを感じることができました。中には「こうした方がいい」というような意見を言って下さる方もいて、とても参考になっています。
ところで、現在の開発状況はどの程度なのでしょう? ブースのパネルでは「来春発売予定」になっていましたが。
Susan 正直なところ、現在の進行状況は30~35%、もしくはそれ以下です。発売も、できれば来年の夏には出したい、というレベルなんです。「Diablo II」のシナリオは4つのパートに分かれているんですが、そのうち1つは完成しました。でも、ここまでに1年かかっていますから(笑)。
うーん、気長に待った方がよさそうですね(笑)。それでは次に「Diablo II」の新しいポイントについてお訪ねしたいんですが。
Susan 先ほどもいいましたが、今回のシナリオは4つあります。1つ1つのシナリオが前作と同程度のボリュームがありますから、全体でも4倍にスケールアップしたと考えて下さい。シナリオも、マップも、魔法などもパワーアップしていますよ。また、前作では同じ場所に立っているだけだったNPC(ノン・プレーヤー・キャラクター)が、今回は歩き回っているようにもなりました。状況によっては、プレーヤーと行動を共にすることもありますよ。より、生命感のあるゲームになるでしょうね。
前作のキャラクターをコンバートして使えるというようなことはないのでしょうか?
Susan ありません。すべてのプレーヤーに、新たな気持ちで1からプレイしてほしいと思います。
マルチプレイの方はいかがでしょう?
Susan マルチプレイでは、最大8人までが同時にプレイできるようになりました。また、アイテムの交換なども、前作では地面に落としたものを拾うという単純なものでしたが、今回は専用のセキュリティルームの中で行なえるようになっています。他のプレーヤーに盗まれることもありません。
今回はダンジョンも複数あるということでしたが、それぞれのプレーヤーが別々のダンジョンを探索していくことも可能なのでしょうか?
Susan もちろん可能です。我々としても、1つの画面に8人のプレーヤーが常に入り乱れて行動するとは思っていません。プレイする人が、思い思いに自由な行動を取れるシステムになっています。
前作ではcheat player(セーブデータを改造して強力なキャラを作る人々。他のプレーヤーを殺すことに楽しみを見出したり、強力なアイテムを制作してゲームバランスを破壊している)の存在が問題になりましたが。
Susan cheatによるプレイは、Blizzardの意図するものではありません。正当にプレイしているユーザーが、不当なcheat playerに殺されてしまう。そして、殺されたプレーヤーも自らの身を守るためにcheatを行ない、強力なキャラクターを使用するようになる。こんな悪循環が、楽しいゲームプレイを生むわけはないのです。「Diablo II」では、この問題についても対応策を講じています。
具体的には?
Susan 「Diablo II」でBattle.netに接続する場合、キャラクタのセーブデータはサーバー側に保存され、管理されます。この段階でかなりのセキュリティが確保されると思います。それでもデータの改竄が行なわれた場合、最悪データの抹消を行なうこともあります。
かなり徹底していますね。
Susan ビギナーからベテランまで、すべてのプレーヤーに同等の楽しさを与えることができなければ、マルチプレイの意味はありませんからね。もちろん、シングルプレイでデータを書き換えるのはプレーヤーの自由です。cheat playerのみなさんは、シングルプレイでのcheatはどんどんやって頂いて結構ですよ(笑)。
それでは、最後になりますが「Diablo II」のシリーズのテーマというのは何でしょう?
Susan 前作では、悪の化身であるDiabloをヒーローが倒すという、極めてシンプルなテーマでした。しかし、物語の最後ではヒーロー自身がDiabloに取り込まれてしまい、悪の立場に身を置くようになってしまう。そして「Diablo II」では新たなるヒーローが登場して、再びDiabloを倒そうというわけです。つまり「悪は必ず滅びる」というのがテーマということになりますね。
一日も早い完成を期待しています。今日はお忙しいところ、本当にありがとうございました。
[インタビュー/記事 山城 宏]
□ソースネクストのホームページ
(7月6日現在、このゲームに関する情報は掲載されていない)
http://www.source.co.jp/
□Blizzard Entertainmentのホームページ
http://www.blizzard.com/
□「Diablo II」のホームページ
http://www.blizzard.com/diablo2/index.htm
□「Diablo II」の最新ムービー(27.9MB)
http://gamesdomain.ru/demos/demo/Diablo2.html
□関連記事
【97/5/16】Weekend Watch「DIABLO」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/970516/weekend.htm
●各ゲームメーカーが最新ゲームを展示
その中でも特に注目なのは、マイクロソフト。先日アメリカで開催されたE3で初めて一般公開されたForce Feedback機能搭載のハンドル型デバイス「SideWinder Force Feedback Wheel」が早くも日本公開となった。ハンドルの横方向に対する抵抗や振動をリアルに再現したもので、来場者の反応も好評だったようだ。デモゲームは、先日発売されたばかりの「Monster Truck Madness 2」。
この他新作ゲームとしては、これまた日本初公開となる「Urban Assult」。今年の2月にMicrosoftの新作ゲーム発表会で初登場したこのゲームは、シミュレーション要素とアクション要素がちょうど50%ずつミックスされた、新しいタイプのゲーム。戦略を立てながらフィールドにユニットを配置。プレーヤーは指揮官として、これらのユニットに戦略を伝え自由に戦闘させてもいいし、自らユニットに乗り込み戦闘に参加することもできる。このときアクションゲームの要素が発生する。ちなみにアクションシーンは最近の3Dアクションとしては出色の出来。ダークな雰囲気が日本人好みではないような気もするが、期待の新作ゲームとして現在開発中とのことなので完成が楽しみだ。
最新のアーケードゲームをドンドン移植しているセガ・エンタープライゼスは、発売直後の3Dガンシューティングゲーム「ザ ハウス オブ ザ デッド」と、今回初登場となる「メモリアルセレクション(仮)」を出品。「ザ ハウス オブ ザ デッド」は、セガサターン版よりも解像度が高いこともあって、かなり高品位な仕上がり。「メモリアルセレクション」には、左右横スクロールのシューティングゲーム「ファンタジーゾーン」、かわいい子連れアヒルが人気の「フリッキー」、いまだにオールドゲームファンに人気のアクションパズルゲーム「ペンゴ」の3作品を収録。来場者も懐かしさのためか、ついつい歩を止めて画面を見入っていた。ちなみに発売日の方は未定。
ゲームコーナーの目の前には“Game Stage”が設置され、各社が新作のデモを発表したり、通信対戦大会を行なっていた。ここではイマジニアが突如、この冬発売するシミュレーションゲーム「HEROES OF MIGHT AND MAGIC III」の新作発表を行なうなどハプニングもあり、常時にぎわっていた。
日本初公開のSideWinder Force Feedback Wheel | こちらも期待の新作ゲーム「Urban Assult」 | セガの“懐ゲー”を集めた「メモリアルセレクション(仮)」 |
HEROES OF MIGHT AND MAGIC III |
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□マイクロソフトのゲーム関連ホームページ
(7月6日現在、このゲームに関する情報は掲載されていない)
http://www.microsoft.com/japan/games/
□セガ・エンタープライゼスのPCゲーム情報ホームページ
http://www.sega.co.jp/sega/pc/
□イマジニアのホームページ
(7月6日現在、このゲームに関する情報は掲載されていない)
http://www.imagineer.co.jp/
●開発快調? Dreamcastも展示される
□マイクロソフトの「Dreamcast」に関するニュースリリース
http://www.microsoft.com/japan/info/releases/0521sega.htm
□セガ・エンタープライゼス「Dreamcast」のホームページ
http://www.sega.co.jp/dreamcast/
□関連記事
【5/21】セガ、Windows CEをベースとした新世代ゲーム機「Dreamcast」を発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980521/sega.htm
【6/24】Dreamcast用Windows CE開発者特別インタビュー
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980624/e3_4.htm#4
□WINDOWS WORLD Expo/Tokyo 98 ホームページ
http://www.idgexpo.com/wwe/
□WINDOWS WORLD Expo/Tokyo 98 レポートインデックス
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980701/wwe98_i.htm
('98/7/2)
[Reported by funatsu@impress.co.jp]