【イベント】

WINDOWS WORLD Expo/Tokyo 98 レポート ゲーム編

「Diablo II」をはじめ新作ゲームが数多く登場

開催地:幕張メッセ
会期:7月1日~4日

 今回のWINDOWS WORLD Expo/Tokyo 98では、数こそ少なかったものの注目の新作ゲームがいくつか発表されたので、それらをレポートしていく。



●本邦初公開!「Diablo II」
  Blizzard Entertainmentスペシャルインタビュー

Miss Susan Wooley
Blizzard Entertainmentの
広報部長、Susan Wooleyさん
 昨年リリースされるや世界中で大ヒットとなったリアルタイムロールプレイングゲーム「Diablo」。ダンジョンにもぐり、ただひたすら敵を倒していくだけのシンプルなゲーム性は、だからこそ万人に理解され、受け入れられた。また、インターネットを介し、世界中のプレーヤーが同時にプレイを楽しめる専用のサーバー「Battle.net」の設置により、ネットワークゲームの楽しさを多くのプレーヤーが知ることになる。事実、このゲームのためにインターネット・プロバイダに加入したユーザーも多く「インターネットの普及に一役買ったゲーム」という評価さえあるほどなのだ。

 そして今年のElectronic Entertainment Expo(E3)で、いよいよ待望の「Diablo II」が公開された。それから1月足らずの期間をおいて、日本でもWINDOWS WORLD Expo 98の会場で一般公開となった。その「Diablo II」は、未完成ながら体験プレイもできる状態にまでなっていたのだ。来場したプレーヤーの反応は? 気になる制作進行状況は? そして「Diablo II」というのは実際のところ、どんなゲームになるのか? そんな疑問を、開発メーカーであるBlizzard Entertainment社の広報部長であるSusan Wooleyさんに会場で伺ってみた。

 今日でWINDOWS WORLD Expo/Tokyo 98も3日目になるわけですが、来場者の「Diablo II」への反応はいかがですか?
Susan おかげさまで、たいへんいい評価を頂いているようで、このゲームへの期待の大きさを感じることができました。中には「こうした方がいい」というような意見を言って下さる方もいて、とても参考になっています。

 ところで、現在の開発状況はどの程度なのでしょう? ブースのパネルでは「来春発売予定」になっていましたが。
Susan 正直なところ、現在の進行状況は30~35%、もしくはそれ以下です。発売も、できれば来年の夏には出したい、というレベルなんです。「Diablo II」のシナリオは4つのパートに分かれているんですが、そのうち1つは完成しました。でも、ここまでに1年かかっていますから(笑)。

 うーん、気長に待った方がよさそうですね(笑)。それでは次に「Diablo II」の新しいポイントについてお訪ねしたいんですが。
Susan 先ほどもいいましたが、今回のシナリオは4つあります。1つ1つのシナリオが前作と同程度のボリュームがありますから、全体でも4倍にスケールアップしたと考えて下さい。シナリオも、マップも、魔法などもパワーアップしていますよ。また、前作では同じ場所に立っているだけだったNPC(ノン・プレーヤー・キャラクター)が、今回は歩き回っているようにもなりました。状況によっては、プレーヤーと行動を共にすることもありますよ。より、生命感のあるゲームになるでしょうね。

 前作のキャラクターをコンバートして使えるというようなことはないのでしょうか?
Susan ありません。すべてのプレーヤーに、新たな気持ちで1からプレイしてほしいと思います。

 マルチプレイの方はいかがでしょう?
Susan マルチプレイでは、最大8人までが同時にプレイできるようになりました。また、アイテムの交換なども、前作では地面に落としたものを拾うという単純なものでしたが、今回は専用のセキュリティルームの中で行なえるようになっています。他のプレーヤーに盗まれることもありません。

 今回はダンジョンも複数あるということでしたが、それぞれのプレーヤーが別々のダンジョンを探索していくことも可能なのでしょうか?
Susan もちろん可能です。我々としても、1つの画面に8人のプレーヤーが常に入り乱れて行動するとは思っていません。プレイする人が、思い思いに自由な行動を取れるシステムになっています。

 前作ではcheat player(セーブデータを改造して強力なキャラを作る人々。他のプレーヤーを殺すことに楽しみを見出したり、強力なアイテムを制作してゲームバランスを破壊している)の存在が問題になりましたが。
Susan cheatによるプレイは、Blizzardの意図するものではありません。正当にプレイしているユーザーが、不当なcheat playerに殺されてしまう。そして、殺されたプレーヤーも自らの身を守るためにcheatを行ない、強力なキャラクターを使用するようになる。こんな悪循環が、楽しいゲームプレイを生むわけはないのです。「Diablo II」では、この問題についても対応策を講じています。

 具体的には?
Susan 「Diablo II」でBattle.netに接続する場合、キャラクタのセーブデータはサーバー側に保存され、管理されます。この段階でかなりのセキュリティが確保されると思います。それでもデータの改竄が行なわれた場合、最悪データの抹消を行なうこともあります。

 かなり徹底していますね。
Susan ビギナーからベテランまで、すべてのプレーヤーに同等の楽しさを与えることができなければ、マルチプレイの意味はありませんからね。もちろん、シングルプレイでデータを書き換えるのはプレーヤーの自由です。cheat playerのみなさんは、シングルプレイでのcheatはどんどんやって頂いて結構ですよ(笑)。

 それでは、最後になりますが「Diablo II」のシリーズのテーマというのは何でしょう?
Susan 前作では、悪の化身であるDiabloをヒーローが倒すという、極めてシンプルなテーマでした。しかし、物語の最後ではヒーロー自身がDiabloに取り込まれてしまい、悪の立場に身を置くようになってしまう。そして「Diablo II」では新たなるヒーローが登場して、再びDiabloを倒そうというわけです。つまり「悪は必ず滅びる」というのがテーマということになりますね。

 一日も早い完成を期待しています。今日はお忙しいところ、本当にありがとうございました。

Diablo画面写真1 Diablo画面写真2 Diablo画面写真3


(C) 1998 Blizzard Entertainment

[インタビュー/記事 山城 宏]

□ソースネクストのホームページ
(7月6日現在、このゲームに関する情報は掲載されていない)
http://www.source.co.jp/
□Blizzard Entertainmentのホームページ
http://www.blizzard.com/
□「Diablo II」のホームページ
http://www.blizzard.com/diablo2/index.htm
□「Diablo II」の最新ムービー(27.9MB)
http://gamesdomain.ru/demos/demo/Diablo2.html
□関連記事
【97/5/16】Weekend Watch「DIABLO」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/970516/weekend.htm


●各ゲームメーカーが最新ゲームを展示

ゲームコーナー
ゲームコーナーは大盛況
 広大なマイクロソフト・ブースの中の1ゾーンとして用意されたゲームコーナーには、各ゲームデベロッパーが新作ゲームを展示していた。つい先日、新作「NAMCO HISTORY VOL.3」を発売したばかりのナムコ。期待のフライトシミュレータ「コマンチゴールド」「SPEC OPS」を出品したマイクロマウス。もはや定番「野球道」の高校野球版「高校野球道」と話題のRPG「エルダーブレイズ」日本クリエイトなどなど13社が出展していた。

 その中でも特に注目なのは、マイクロソフト。先日アメリカで開催されたE3で初めて一般公開されたForce Feedback機能搭載のハンドル型デバイス「SideWinder Force Feedback Wheel」が早くも日本公開となった。ハンドルの横方向に対する抵抗や振動をリアルに再現したもので、来場者の反応も好評だったようだ。デモゲームは、先日発売されたばかりの「Monster Truck Madness 2」。
 この他新作ゲームとしては、これまた日本初公開となる「Urban Assult」。今年の2月にMicrosoftの新作ゲーム発表会で初登場したこのゲームは、シミュレーション要素とアクション要素がちょうど50%ずつミックスされた、新しいタイプのゲーム。戦略を立てながらフィールドにユニットを配置。プレーヤーは指揮官として、これらのユニットに戦略を伝え自由に戦闘させてもいいし、自らユニットに乗り込み戦闘に参加することもできる。このときアクションゲームの要素が発生する。ちなみにアクションシーンは最近の3Dアクションとしては出色の出来。ダークな雰囲気が日本人好みではないような気もするが、期待の新作ゲームとして現在開発中とのことなので完成が楽しみだ。

 最新のアーケードゲームをドンドン移植しているセガ・エンタープライゼスは、発売直後の3Dガンシューティングゲーム「ザ ハウス オブ ザ デッド」と、今回初登場となる「メモリアルセレクション(仮)」を出品。「ザ ハウス オブ ザ デッド」は、セガサターン版よりも解像度が高いこともあって、かなり高品位な仕上がり。「メモリアルセレクション」には、左右横スクロールのシューティングゲーム「ファンタジーゾーン」、かわいい子連れアヒルが人気の「フリッキー」、いまだにオールドゲームファンに人気のアクションパズルゲーム「ペンゴ」の3作品を収録。来場者も懐かしさのためか、ついつい歩を止めて画面を見入っていた。ちなみに発売日の方は未定。

 ゲームコーナーの目の前には“Game Stage”が設置され、各社が新作のデモを発表したり、通信対戦大会を行なっていた。ここではイマジニアが突如、この冬発売するシミュレーションゲーム「HEROES OF MIGHT AND MAGIC III」の新作発表を行なうなどハプニングもあり、常時にぎわっていた。


SideWinder Force Feedback Wheel
Urban Assult
ペンゴ
日本初公開のSideWinder Force Feedback Wheel こちらも期待の新作ゲーム「Urban Assult」 セガの“懐ゲー”を集めた「メモリアルセレクション(仮)」
HEROES OF MIGHT AND MAGIC III_1 HEROES OF MIGHT AND MAGIC III_2 HEROES OF MIGHT AND MAGIC III_3
HEROES OF MIGHT AND MAGIC III


(c)1998 The 3DO Company. All rights reserved. New World Computing,Heroes of Might and Magic, 3DO, and their respective logos, aretrademarks or registered trademarks of The 3DO Company in the U.S.and/or other countries. All other trademarks belong to their respectiveowners. New World Computing is a division of The 3DO Company.

□マイクロソフトのゲーム関連ホームページ
(7月6日現在、このゲームに関する情報は掲載されていない)
http://www.microsoft.com/japan/games/
□セガ・エンタープライゼスのPCゲーム情報ホームページ
http://www.sega.co.jp/sega/pc/
□イマジニアのホームページ
(7月6日現在、このゲームに関する情報は掲載されていない)
http://www.imagineer.co.jp/


●開発快調? Dreamcastも展示される

Dreamcast_1 Dreamcast_2 Dreamcast_3


 Windows CEゾーンの一部にセガとマイクロソフトが共同開発を行なっている次世代ゲーム機「Dreamcast」が展示されていたのは既報の通り。だが実はこの展示機、モックアップはモックアップでも5月に行なわれた発表会からバージョンがあがったものだったのだ。
 今回のバージョンでは以下の点が新しくなっていた。  とまぁ、些細ではあるが着実に仕様を固めつつあるといった感じだ。ちなみに一般入場者は撮影禁止だったのだが、マスコミは別。そこでケースをとってもらい撮影していた間、来場者がたくさん寄ってきて大変な騒ぎとなった。みんな、コントローラなどに直接さわりながら「結構大きいよな」とか、「他のWindows CEとDreamcastってどう違うんですか」と質問がでるなど、かなりの注目度だった。


□マイクロソフトの「Dreamcast」に関するニュースリリース
http://www.microsoft.com/japan/info/releases/0521sega.htm
□セガ・エンタープライゼス「Dreamcast」のホームページ
http://www.sega.co.jp/dreamcast/
□関連記事
【5/21】セガ、Windows CEをベースとした新世代ゲーム機「Dreamcast」を発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980521/sega.htm
【6/24】Dreamcast用Windows CE開発者特別インタビュー
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980624/e3_4.htm#4



□WINDOWS WORLD Expo/Tokyo 98 ホームページ
http://www.idgexpo.com/wwe/
□WINDOWS WORLD Expo/Tokyo 98 レポートインデックス
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980701/wwe98_i.htm
('98/7/2)

[Reported by funatsu@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp