【ベスト5】
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640×480ピクセルの機種からBest5を選出
山田久美夫が選ぶ
デジタルカメラ・ランキング
35万画素以下編
'98/7/6版
【ランキング】
【総評】
もはやデジタルカメラの主流は完全に100万画素以上に移行し、35万画素(640×480ピクセル)以下のニューモデルはほとんど登場しないと思われた。しかし、ここにきて個性的なモデルが続々登場しており、このクラスもなかなか興味深い展開となっている。今回のランキングでも新たに2機種のニューモデルがランクインした。
このクラスで最も注目される動きは、記録時間の超高速化と簡易動画のサポート。デジタルカメラを動画を含めた総合的なビジュアル・キャプチャツールとして捉えれば、この方向性はまさに正常進化であり、今後の展開が大いに期待される分野だ。
【35万画素以下】
順位
(前回順位) |
メーカー名 |
機種名 |
画質 |
機能 |
操作性 |
デザイン |
携帯性 |
ソフト |
コスト |
関連記事 |
1
(初) |
三洋電機 |
DSC-V100 |
★★★★ |
★★★★1/2 |
★★★★ |
★★★ |
★★★★ |
★★★★ |
★★★1/2 |
|
2
(1↓) |
富士写真フイルム |
DS-30 |
★★★1/2 |
★★★★ |
★★★1/2 |
★★★1/2 |
★★★1/2 |
★★★ |
★★★★ |
|
3
(2↓) |
カシオ |
QV-770 |
★★★ |
★★★★ |
★★★1/2 |
★★★ |
★★★★ |
★★★★ |
★★★1/2 |
|
4
(3↓) |
リコー |
DC-3Z |
★★★1/2 |
★★★★ |
★★★1/2 |
★★★1/2 |
★★★1/2 |
★★★ |
★★★★ |
|
5
(初) |
ソニー |
MVC-FD71 |
★★★ |
★★★★ |
★★★1/2 |
★★★ |
★★1/2 |
- |
★★★ |
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【ランク理由】
【三洋電機 DSC-V100】
「ひとこと」
時代を先取りした新世代35万画素モデル。音声つき動画も魅力だし、待ち時間なしの高速記録は超軽快。これで80万画素なら……と思う。
○ 良い点
- ほとんど待ち時間ゼロの瞬間記録(この軽快さに慣れたら、二度と普通のモデルには戻れない!)
- 音声付き1/4VGAサイズで5秒間の動画が撮れる(動画メモには十分、将来が楽しみ)
- 640×480ドットで秒間10コマ・連続15コマもの超高速連写(最高のチャンスが狙える)
- クラストップレベルの画質(これだけ写れば十分)
- 大容量の単三ニッケル水素電池と充電器まで標準装備(電池の消耗は激しいがこれなら安心できる。良心的)
- コンパクトでいつでも気軽に持ち歩ける(ちょっと厚みはある)
- 明るくクリアでレスポンス抜群の低温ポリシリコンTFT液晶を搭載(低温ポリ採用機のなかでも表示品質の良さはトップレベル)
- 撮影時に常時液晶表示をONにできる(液晶派にはこの上なく便利! 常時OFFのモードもあるので安心)
× 悪い点
- 単三アルカリ電池だと、結構消耗が激しいこと(単三2本仕様なのでしかたのないところか。でも、ニッケル水素電池が付属するので安心)
- 動画中心だと容量が足りないスマートメディア(動画データは1MBあるので、16MBカードでも物足りない)
- 静止画、連写、動画モードの切り替えが面倒(いちいちメニューを呼び出すのは面倒。ショートカットボタンが欲しい!)
- スピーカーがない(音声つき動画記録ができるなら、簡易スピーカーくらい欲しい。スペースの問題はあるが)
- ストロボモードの設定が面倒(メニュー呼び出しでしか設定できないのは不便)
- 物足りないマクロ機能(名刺サイズがギリギリだし、必ずF8に絞られるので屋内では厳しい。実に残念)
- このクラスではやや高めの価格設定(高速記録や動画記録などの機能を考えれば納得できるが、ちょっと高め)
- 動画ファイルが特殊なコーデックのAVIファイルになっている(QuickTime3.0Jがあればそのまま再生できるけれど)
【富士写真フイルム DS-30】
「ひとこと」
よき時代の贅沢な35万画素高級機。大きな欠点はないけど、面白味もない、実用本位なモデル。4万円ならお買い得!
○ 良い点
- やっぱり便利な3倍ズーム(このクラスではズーム付きは少ないし、焦点域も使いやすい)
- マクロ撮影がモード切り替えなしにできること(最短撮影距離は20cmだけど望遠側を使えばかなりの接写もOK!)
- フィルムメーカーらしいキレイな絵作り(無補正でも実用十分。これくらいきれいなら気軽に使えます)
- 約3秒と実用には十分な記録時間(このクラスでは標準的な速度だが、さほど不満はありません)
- 液晶メインでもかなり持つ充電池(液晶ファインダーで150枚程度は楽々撮れるので安心!)
- 常時ストロボOFFに設定できること(詳細設定機能もなかなか便利。ヘビーユーザーでも安心です)
× 悪い点
- ストロボモードの設定が面倒なこと(いちいちセットアップメニューでセットしなければいけないのが面倒!)
- 充電するのを忘れそうな充電式電池(このサイズなら単三形でも実現できそうなものだけど……)
- ホワイトバランスの自動設定機能がやや大まかなこと(蛍光灯やミックス光下では適合しないことも)
- ちょっと大きめのボディサイズ(3倍ズームだから仕方ない部分もあるけど)
- スイッチONだけで液晶が点灯するモードがないこと(液晶派にはちょっと面倒な部分もありますね)
【カシオ QV-770】
「ひとこと」
最新機能満載の“QV-10”。画質よりQVデジタルらしい楽しさと軽快さを求める人へ。でも、DSC-V100に比べると……。
○ 良い点
- 1秒未満の高速な記録時間(この軽快さに慣れると、他のモデルが焦れったくなるほど!)
- 最大3.2秒の簡易動画が撮れること(これで音声まで入ると、もっと便利なんだけど)
- 意外に長持ちする単三電池(入手も容易だし、持ちもかなり良好。これなら安心ですね)
- なかなか見栄えのする鮮やかな色再現(ちょっとやりすぎに感じる時もあるけど)
- 楽しく撮りやすいパノラマモード(360度の全周パノラマもOK。液晶上でもできる合成再生もユニーク)
【リコー DC-3Z】
「ひとこと」
お手頃価格の3倍ズーム付きDC-3。望遠好きの人にはDS-30よりオススメ。でも名機DC-1Sは越えてないけど……。
○ 良い点
- 135mm相当までの望遠撮影を楽しめること(ワイド側は物足りないけど、これは結構楽しめます!)
- 薄型で携帯性のいい3倍ズーム搭載機(単焦点タイプのDC-3と変わらないサイズで3倍ズームを実現!)
- ズームになっても接写に強いこと(ワイド側でレンズ前3cmは立派。リコーの伝統だからね!)
- けっこう持ちのいいバッテリ(単三型4本で入手も容易だし、持ちもなかなか良好。やっぱり、安心だよね)
- 5VカードもOKのスマートメディア対応(残念ながら16MBカードは未対応だけど35万画素モデルだからね)
- 液晶を開くだけで撮影ができること(操作は簡単。でも、起動までに結構時間がかかるんだよね)
× 悪い点
- ワイド側が足りない望遠系3倍ズーム(ワイド端でも45mm相当は狭すぎる。純正ワイドコンバーターが欲しいよね)
- 実効感度がかなり低めでブレやすいこと(屋内撮影ではかなりのスローシャッターになるのでブレに要注意!)
- 時折ミスるオートホワイトバランス(被写体の色に影響されやすいので、積極的に固定モードを使いこなそう)
- クリアさのないTFT液晶モニタ(再生表示は早くて気持ちいいけど、なんか色が濁った感じ)
- やっぱり欲しくなる光学式ファインダー(明るい屋内では液晶が見にくいことも)
【ソニー MVC-FD71】
「ひとこと」
先代同様の楽しめる実用機。会社の経費で買っても文句の出ない、マニアックなモデル。一家に一台あると便利。そろそろ80万画素でツァイスレンズ付きのHiFDバージョンが欲しい。
○ 良い点
- 3.5インチFDを採用していること(安価で入手しやすく、デスクトップPCへの転送も楽々!)
- 新開発の2倍速FDDで4秒記録を実現したこと(4秒になるとFD記録の焦れったさをさほど感じさせないレベルですね)
- ド迫力の光学式10倍ズーム!(42~420mm相当で超望遠までカバーできる10倍ズームは超便利!)
- さらに強力になったスタミナの名に恥じないバッテリ(2,000枚も撮れると、電池交換を忘れてしまうほど。これだけ撮れれば文句ナシ!)
- 日中でもきちんと見えるソーラー式2.5インチ大型液晶(見やすくレスポンスもいいし、明るい場所でもよく見えるのには、ほんとに感心!)
- 先代よりもシャープでやや鮮やかになった、素直できれいな写り(原色系のプログレッシブCCDですからね。感度は低めだけど)
- やっと装備されたストロボ調光機能(先代にストロボ調光機能がなかったこと自体が常識外れだっただけですけど)
- ちょっと薄型になって、少し携帯性がよくなった(まだまだ大きいことは変わりありませんけど)
- 撮影した画像の確認が容易になった(撮影後、シャッターを押したままにすると、普通のモデルと同じく静止画表示になります)
× 悪い点
- 早くなったとはいえ、まだ4秒かかる記録時間(FDだから仕方ないけど、バッファを増やして連続撮影くらいできないかな~)
- まだまだ携帯性を無視した巨大なサイズ(新型になっても、この点は割り切るしかありません。まあ3.5インチFDD内蔵だものね)
- あまりに実用的なこと(10倍ズームやモノクロ・セピア機能はあるけど、面白味はないよね……)
- 蛍光灯下で色調がおかしくなるストロボ撮影(ホワイトバランスの設定がおかしいんじゃないかなあ~)
- ホワイトバランスはイマイチなこと(ソニーはビデオもそうだけど、蛍光灯下で人物を撮ると、濁った感じになるのが欠点ですね)
- 先代よりカメラブレが目立つようになったこと(全画素読み出し方式になって、フィールド記録よりブレが目立つようになっちゃたんだよね)
- 圧縮率が高すぎてJPEGのブロックノイズが目立つこと(3.5インチFDで、20枚とか40枚記録するんだもの。無理があるよね)
- キープコンセプトで面白味がないこと(確かに欠点は克服しているけど、新鮮味はないよね……)
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■参考記事
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[Reported by 山田
久美夫]
ウォッチ編集部内PC Watch担当
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