【ベスト10】
640×480ピクセルの機種からBest5を選出
山田久美夫が選ぶ
デジタルカメラ・ランキング
Under VGAクラス編
'98/05/06版
【ランキング】
【総評】
ほとんど半年ぶりとなった、今回のランキング更新。この半年でデジタルカメラの主流は完全に高画素クラスに移行。しかも、この春は主だったメーカーから130~150万画素クラスの新世代標準機が続々登場し、新たな時代の到来を感じさせるものとなっている。それに対して、VGAクラス(640×480ピクセル)のニューモデルは数少なくなり、徐々にではあるが個性化の方向に向かいつつある。
基本的に本ランキングは、ごく一般的なユーザーがデジタルカメラを購入する際のオススメ度を基準に、順位を決定している。そのため、機能やデザイン、画質などのほかに、実販価格なども考慮したものとなっている。
また、今回は以前のランキングで好評だった、各機種別の「○と×」、「ひとこと」などを復活させた。これらの項目では実際に使ってみると気付くメリットや気になる部分などを記してあるので、購入時の参考、または購入後の個体差のチェックなどに活用して欲しい。
また、ゴールデンウイーク開けには、既発表の新製品の発売開始や、意欲的な発表などが控えているようなので、次回の更新はこれらの機種が入手でき、ある程度の実写チェックができた時点で、なるべく早期に更新したいと思っている。
【Under VGAクラス】
順位 (前回順位) |
メーカー名 |
機種名 |
画質 |
機能 |
操作性 |
デザイン |
携帯性 |
ソフト |
コスト |
関連記事 |
1 (1→) |
富士フイルム |
DS-30 |
★★★★ |
★★★★ |
★★★1/2 |
★★★ |
★★★ |
★★★ |
★★★★1/2 |
|
2 (初) |
カシオ |
QV-770 |
★★★ |
★★★★ |
★★★1/2 |
★★★ |
★★★★ |
★★★★ |
★★★1/2 |
|
3 (2↓) |
リコー |
DC-3Z |
★★★1/2 |
★★★★ |
★★★1/2 |
★★★1/2 |
★★★1/2 |
★★★ |
★★★★ |
|
4 (3↓) |
ソニー |
DSC-F3 |
★★★ |
★★★★1/2 |
★★★1/2 |
★★★★ |
★★★★ |
★★★1/2 |
★★★1/2 |
|
5 (7↑) |
ソニー |
MVC-FD7 |
★★★ |
★★★★ |
★★★1/2 |
★★★ |
★★ |
- |
★★★ |
|
※今後、新製品の登場、既存機種のメリット&デメリットの新規発見、実販価格の変動などにより、随時ランキングが変わりますので、ご了承ください。
【ランク理由】
富士フイルム DS-30
○ 良い点
- やっぱり便利な3倍ズーム(VGAクラスではズーム付きは少ないし、焦点域も使いやすいものね)
- マクロ撮影がモード切り替えなしにできること(最短撮影距離は20cmだけど望遠側を使えばかなりの接写もOK!)
- フィルムメーカーらしいキレイな絵作り(無補正でも実用十分。これくらいきれいなら気軽に使えます)
- 約3秒の実用十分な記録時間(VGAクラスでは標準的な速度だが、さほど不満はありませんね)
- 液晶メインでもかなり持つ充電池(液晶ファインダーで150枚程度は楽々撮れるので安心!)
- 常時ストロボOFFに設定できること(詳細設定機能もなかなか便利。ヘビーユーザーでも安心です)
× 悪い点
- ストロボモードの設定が面倒なこと(いちいちSetUpメニューでセットしなければいけないのが面倒!)
- 充電するのを忘れそうな充電式電池(このサイズなら単三形でも実現できそうなものだけど……)
- ホワイトバランスの自動設定機能がやや大まかなこと(蛍光灯やミックス光下では適合しないことも)
- VGAクラスとしてはちょっと大きめのボディーサイズ(3倍ズームだから仕方ない部分もあるけど)
- スイッチONだけで液晶が点灯するモードがないこと(液晶派にはちょっと面倒な部分もありますね)
ひとこと
よき時代の贅沢なVGA高級機。大きな欠点はないけど、面白味もない、実用本位なモデル。4万円ならお買い得!
カシオ QV-770
○ 良い点
- 1秒未満の高速な記録時間(この軽快さに慣れると、他のモデルが焦れったくなるほど!)
- 最大3.2秒の簡易動画が撮れること(これで音声まで入ると、もっと便利なんだけど……)
- 意外なほど長持ちする単三電池(入手も容易だし、持ちもかなり良好。これなら安心ですね)
- なかなか見栄えのする鮮やかな色再現(ちょっとやりすぎに感じる時もあるけど)
- 楽しく撮りやすいパノラマモード(360度の全周パノラマもOK。液晶上でもできる合成再生もユニーク)
- なかなか便利なIrTran-P(IrDA)対応(ノートPCならコードレスで、外出先でも楽々転送!)
× 悪い点
- いまだに内蔵メモリー専用であること(何でいまさら……と思うけど、まあQVの伝統だからね。IrDAもあるし)
- 暗めのシーンでは結構甘めのピント(レンズの絞りが開くシーンではピントが怪しい。レンズ性能が原因だな)
- 合成が面倒なパソコン用ソフト(カメラ内では合成表示するのに、PC上では手動で位置合わせとは……)
- ソフト経由でないと動画ファイルにできない簡易動画記録(これも面倒。メモリー容量が少ないからね)
- マクロ時のストロボ制御がイマイチなこと(通常撮影時はまずまずだけど……。ちょっと詰めが甘いかな)
ひとこと
最新機能満載の“QV-10”。画質よりQVデジタルらしい楽しさと軽快さを求める人へ。
リコー DC-3Z
○ 良い点
- 135mm相当までの望遠撮影を楽しめること(ワイド側は物足りないけど、これは結構楽しめます!)
- 薄型で携帯性のいい3倍ズーム搭載機(単焦点タイプのDC-3と変わらないサイズで3倍ズームを実現!)
- ズームになっても接写に強いこと(ワイド側でレンズ前3cmは立派。リコーの伝統だからね!)
- けっこう持ちのいいバッテリー(単三型4本で入手も容易だし、持ちもなかなか良好。やっぱ、安心だよね)
- 5VカードもOKのスマートメディア対応(残念ながら16MBカードは未対応だけどVGAモデルだからね)
- 液晶を開くだけで撮影ができること(操作は簡単。でも、起動までに結構時間がかかるんだよね)
× 悪い点
- ワイド側が足りない望遠系3倍ズーム(ワイド端でも45mm相当は狭すぎる。純正ワイドコンバーターが欲しいよね)
- 実効感度がかなり低めでブレやすいこと(屋内撮影ではかなりのスローシャッターになるのでブレに要注意!)
- 時折ミスるオートホワイトバランス(被写体の色に影響されやすいので、積極的に固定モードを使いこなそう)
- クリアさのないTFT液晶モニター(再生表示は早くて気持ちいいけど、なんか色が濁った感じなんだよね……)
- やっぱり欲しくなる光学式ファインダー(明るい屋内では液晶が見にくいことも。あれば便利だけどね……)
ひとこと
お手頃価格の3倍ズーム付きDC-3。望遠好きの人にはDS-30よりオススメ。でも名機DC-1Sは越えてないけど……。
ソニー DSC-F3
○ 良い点
- クラストップレベルの高速記録(約1秒で記録OK。この軽快さはいまでもなかなかの魅力!)
- 古さを感じさせない高品位なソニーデザイン(初代からほとんど変わっていないけど、いまもカッコイイ!)
- とっても楽しい高速連写&簡易動画記録(Pic'n RollでアニメGIF作製も楽々!これは魅力ですね)
- 大容量な8MBメモリー内蔵(Normalモードなら100枚以上、エコノミーなら200枚も撮れて必要十分)
- とにかくキレイで気持ちいい液晶表示(この表示の美しさとハイレスポンスは素敵。普通のTFTでも十分!)
- よくできた接続ソフト(「Pic'n Roll」は高機能だし、使い勝手も上々! 最初からこんなソフトならよかったのに)
× 悪い点
- そろそろ機能面で古さを感じさせること(高画素モデルもズームもでないし、DSC-MD1は似て非なるものだし……)
- 改良されてもやっぱり35分しか持たない専用充電池(これは諦めるしかないですね。必ず予備を持ちましょう!)
- レンズはそのままに1/4インチCCDを採用したこと(写る範囲も狭いし、自分撮りも難しい。理解に苦しみます)
- ブラックモデルを限定にしたこと(ブラックモデルも渋いですよね。別に限定にする必要なかったのに……)
- 近距離で露出オーバーになるストロボ撮影(これは割り切って使うしかありません。ストロボなしでも普通は十分だけどね)
ひとこと
正常進化の三代目Cyber-shot。やっぱり一度は体験しておきたい永遠のエバーグリーン。DSC-F4に大いに期待したい!!
ソニー MVC-FD7
○ 良い点
- 3.5インチフロッピーを採用していること(一番安価で入手しやすくデスクトップPCへの転送も楽々!)
- ド迫力の光学式10倍ズーム!(42~420mm相当で超望遠までカバーできる10倍ズームは超便利!)
- スタミナの名に恥じないあきれるほど撮れるバッテリー(これだけ撮れれば文句ナシ。充電器はかさばるけど)
- 見やすくレスポンスのいい2.5インチ大型液晶(屋外でも意外に見やすいし、撮影時のレスポンスも良好)
- ちょっとノイズっぽいけど、素直できれいな写り(ビデオの流用パーツとはいえ、なかなかの絵作りです)
- 意外なほどカメラブレが少ないこと(基本がフィールド記録だからシャッター速度は意外に早いんだよね)
× 悪い点
- 10秒もかかる記録時間(まあフロッピーだから仕方ないけど、でも遅いよね……)
- 携帯性を無視した巨大なサイズ(これは割り切るしかありません!だって3.5インチFDD内蔵だものね)
- あまりに実用的な性格(10倍ズームやモノクロ・セピア機能はあるけど、でもね……)
- 結構いい加減なストロボ撮影(至近距離も遠距離もダメ。とくにマクロ撮影での使用は禁物だ)
- 再生時のレスポンス(フロッピー式にしてものんびりし過ぎ。サムネール一覧はあきれるほど遅い!)
- ホワイトバランスはイマイチなこと(蛍光灯下で人物を撮ると、濁った感じになるのが欠点ですね)
ひとこと
楽しめる実用機。会社の経費で買っても文句の出ない、マニアックなモデル。一課に一台あると便利。HiFDバージョンはまだか!
■過去のランキング
■参考記事
■注意■
- 各記事のサンプル画像の著作権は、山田久美夫に帰属します。無断転用・転載は著作権法違反となります。必要な場合はこのページ自身にリンクをお張りください。業務関係でご利用の場合は別途お問い合わせください。
- サンプル画像は、オリジナルの画像形式からメーカーから提供されているユーティリティとPhoto Shop 4.0Jを使用して、低圧縮のJPEG形式に変換されています。
- 今後、新製品の登場、既存機種のメリット&デメリットの新規発見、実販価格の変動などにより、随時ランキングが変わりますので、ご了承ください。
[Reported by 山田 久美夫]
ウォッチ編集部内PC Watch担当
pc-watch-info@impress.co.jp